SEOの対策可能なメディアとしてオウンドメディアが注目される理由
ユーザーが接触するインターネットメディアにはトリプルメディアがあります。トリプルメディアはそれぞれ、ペイドメディア、アーンドメディア、オウンドメディアと呼ばれています。
3つのメディアのうち企業が独自に保有しているメディアのすべてをオウンドメディアといいます。オウンドメディアは、潜在顧客にはお役立ち情報や価値のある情報を提供して商品やサービスに興味関心をもってもらえるよう促進することが可能です。
さらに、コンテンツを資産として蓄積し、商品やサービスの魅力を優良顧客にも知らしめることもできます。オウンドメディアは、SEOを施し潜在顧客から優良顧客まで幅広いユーザーに情報を接触できるメディアです。
オウンドメディアがなぜ注目されているのか
オウンドメディアが注目されるきっかけは、WEB広告の費用が高騰しており、広告配信しても思うような結果が出ないことがあげられます。また、検索アルゴリズムも変化しており、最近は検索結果で上位表示されるには、コンテンツがユーザーに有益であることが重視されるようになりました。
またSNSの台頭によりブログの記事コンテンツは、有益な情報が気軽に「いいね」を押したりシェアしたりと、個人が情報を共有し発信できる時代になったことも影響しています。オウンドメディアが注目される理由は次の4点です。
- 広告費用が高騰しており広告の効果が低いから
- 検索アルゴリズムが常に変化しているから
- SNSやキュレーションメディアに対応できるから
- モバイルコンテンツを閲覧する時間が増えているから
広告費用が高騰しており広告の効果が低いから
オウンドメディアが注目されている理由には、広告費の高騰と、広告の効果が低下していることが挙げられます。競合との入札価格の競争が強まり、コンバージョンを獲得するための広告費用も値上がりしているのも原因といえます。
さらに、ユーザーのなかには広告が邪魔だと感じる人も多く、広告をブロックできる機能が搭載されたスマートフォンも販売されているので、情報を発信するツールとしてオウンドメディアが注目されるようになりました。
検索アルゴリズムが常に変化しているから
Googleをはじめとした検索エンジンは常にアルゴリズムが変化しており、それにともないコンテンツの内容が重視されるようになりました。ユーザーが求めている価値のある情報が掲載されているコンテンツであることが重要です。
オウンドメディアはコンテンツの質を高めつつ、ユーザーの検索意図を理解したコンテンツ配信により検索結果で上位表示をめざせるため、注目されるようになりました。
SNSやキュレーションメディアに対応できるから
3つめの理由はSNSやキュレーションメディアへの拡散が期待できるからです。質の高いオウンドメディアは情報量も多く、ユーザーの目に触れる機会が増えます。
オウンドメディアの情報を閲覧したユーザーは、有益な情報をSNSで共感してシェアします。SNSの情報をもとに、外部サイトにリンクされる可能性も高まるのです。
キュレーションメディアやSNSに情報を拡散できる可能性があるため、オウンドメディアが注目されています。
モバイルコンテンツを閲覧する時間が増えているから
4つめの理由は、スマートフォンで手軽に読めるコンテンツを利用する人が増えているからです。スマートフォンでネット検索をして、ブログ記事を読んだりアプリやツールを使用する機会が増えています。
ブログや記事はスマートフォンでも閲覧できる仕様になっており、手軽に読めるので、ユーザーが検索して読む人が増えているというわけです。
オウンドメディアの始めかた
オウンドメディアが注目を集めており、メディアの運営をする企業が増えていますが、
オウンドメディアを始めるために事前準備が必要です。
- 読者となるターゲットを決める
- サイトのコンセプトを決める
- カスタマージャーニーとファネルを設計する
- サイトとコンテンツを制作する
読者となるターゲットを決める
オウンドメディアをはじめるには、まずメディアの読者となるターゲットを決定します。読者のイメージであるペルソナを事前に設定します。コンテンツの内容は、困っているユーザーに対して価値のある情報を提供することが重要です。困っているユーザーはどのような人なのかをペルソナとして設定してください。
ペルソナを設定して共通したユーザーイメージを持つことで、悩んでいるユーザーにピンポイントなコンテンツを制作できるようになります。ターゲットを決めることが、オウンドメディアを始めるためのポイントです。ユーザーの検索意図を把握してペルソナを設定してください。
サイトのコンセプトを決める
設定したペルソナにどのような情報を提供するかを決めてください。方法を知りたいのか、具体的な使い方や手順を知りたいユーザーをターゲットとするのであれば、コンテンツはノウハウを知らせる内容が必要です。
コンテンツから自社商品やサービスに遷移する仕組みも必要となります。ユーザーが求める情報を提供し、求めるものを解決する手段として、自社サービスの購入に結びつけるように必要なコンテンツを作成します。そしてサイトを立ち上げるときのコンセプトを決めなくてはなりません。
カスタマージャーニーとファネルを設計する
カスタマージャーニーとはマーケティングのフレームワークのことです。ファネルは見込み顧客を階層分けを行い可視化します。見込み顧客を階層を分けることで、自社サービスを検討してもらえるようなアプローチをそれぞれの階層ごとに検討できます。
ファネルでは顕在層、見込層、潜在層に分類することが可能です。カスタマージャーニーマップは、マーケティングのフレームワークの一種でよく利用されるものです。見込み顧客を顧客に変化させるためのプロセスを、行動のみならず思考や感情なども合わせて考えて、顧客へのアプローチを行う概念のことを指します。
カスタマージャーニーマップを作成して活用すると、顧客体験を向上することが可能です。サイト制作を行う前に、見込み顧客に対する商品やサービスのアプローチを最適化し、サイトのコンセプトを決定するのが大切です。
コンテンツのキーワードを選定する
ペルソナが決まりカスタマージャーニーマップを作成したあとは、ページで獲得していくキーワードの選定を行います。カスタマージャーニーマップをもとに、ユーザーの心理状態を把握してニーズを捉えます。ユーザーのニーズからコンテンツ作成に必要なキーワードを決定していくのが大切です。
コンテンツを制作・運営をはじめる
キーワードを決めたなら、そのキーワードで流入するためのコンテンツを制作します。キーワードで上位表示されているサイトを参考にしつつも、上位表示されるために独自性や専門性の高い内容も合わせて記載するのが大事なポイントです。
オウンドメディアのSEOで重視すべき対策3項目
オウンドメディアを始める前の事前準備が整い、運用を開始したのであれば自社のオウンドメディアのコンテンツが上位表示するようにSEOを施します。
オウンドメディアのSEOで重視すべき対策項目は次のとおりです。
- キーワードの選定
- コンテンツ制作
- サイトの設計や構造
キーワードの選定
キーワードの選定は、オウンドメディアの掲載で上位表示を狙うキーワードを決めることです。オウンドメディアの対策やSEOでも、ユーザーがどのような検索をするのか、検索意図を汲み取らなくてはなりません。
キーワードを選定するとき、キーワードを調査するにあたって押さえておきたいポイントは次のとおりです。
- ユーザーの検索意図やニーズを把握
- 競合他社のサイトやページを把握
- 競合他社が上位表示に成功しているキーワードの把握
- 上位表示しているコンテンツのテーマや内容、文字数を把握
ユーザーニーズと競合サイトの両面から調査するのがポイントです。
コンテンツ制作
ユーザーニーズや競合の調査をもとに選定したキーワードをもとに、記事コンテンツを制作していきます。ユーザーが求めているコンテンツは次の内容にまとめられます。
- ユーザーにとって有益な情報が豊富である
- 価値が高く役に立つ
- 専門性・信頼性がある
- 品質が高いページ
- 魅力のあるページ
高品質なコンテンツを制作しユーザーに閲覧されると、自然にSNSでシェアされたり、外部リンクが集まったりする傾向にあります。
コンテンツ制作で着目する点
充実したコンテンツを制作するには、次の点に着目してください。
- コンテンツはユーザーの検索意図をカバーできているか
- 共起語調査をして、共起語が記事に含まれており網羅性を高めているか
- 競合が取り扱っているテーマは取り入れているか
- 競合にはない独自性のある内容に触れているか
- 現在話題になっている内容が含まれているか
このような内容を含めた記事コンテンツを制作すると、ユーザーや検索エンジン側にも評価されるコンテンツになります。
サイトの設計や構造
オウンドメディアのSEOで取り組むべきサイト設計や構造についてまとめてみます。オウンドメディアを新しくはじめて、検索結果に表示させるには検索エンジンのクローラーが巡回した際に、ページが正しくインデックスされる必要があります。
クローラーを意識したサイト設計や構造にしておかなければなりません。SEOの内部対策の施策も確認することが大切です。
- サイト構造はシンプルに設定
- SEOタグは最適化する
- パンくずリストを設置
- グローバルナビゲーション
- 常時SSL化
- XMLサイトマップを送信する
- モバイル対応を行う
- 読み込み速度の改善
サイト構造はシンプルに設定
オウンドメディアのサイトは記事コンテンツの数が増えると、ページ数が膨大になります。
でも、サイト構造はシンプルにしておく必要があります。
トップページから3クリック以内で、すべてのコンテンツに到達できることがベストです。階層を深くしてしまうと、検索エンジンのクローラーがページを見つけるのに時間を要します。
SEOタグは最適化する
SEOで使用するtitle、meta、hタグの3種類のタグは、検索エンジンのクローラーが記事内容を把握するために必要なタグです。正しく情報を読み取ってもらうためには、正しいタグの使いかたをしなくてはなりません。
グローバルナビゲーション
ユーザーがサイトに訪れたときに欲しい情報にたどり着けるように、トップページの上部に必ずグローバルナビゲーションを設置します。グローバルナビゲーションを設置する目的は、次のとおりです。
- 探している情報を見つけ出す
- サイトのどの位置にいるのか現在地を表示する
- サイト内にどのような情報があるのかを示す
- サイト自体の使いかたを示す
グローバルナビゲーション
ユーザーがサイトに訪れたときに欲しい情報にたどり着けるように、トップページの上部に必ずグローバルナビゲーションを設置します。グローバルナビゲーションを設置する目的は、次のとおりです。
パンくずリストを設置
パンくずリストはWEBサイト内で、ユーザーがどの階層のページを見ているのかを「>マーク」を使って表示しているリストです。パンくずリストを設置することで、回遊率や滞在時間が向上します。
さらにパンくずリストがあると、検索エンジンのクローラーの巡回がしやすくなり、サイトの構造を正しく理解できるようになります。
常時SSL対応
ユーザーが安心してインターネットを利用できるように、通信を暗号化したhttpsでにすることを常時SSL対応といいます。情報が暗号化されることで、個人情報の盗難や、悪意のある攻撃から守られるようになります。
SEOとして高いというのではありませんが、安心して情報を伝達できるSSL 対応は必須です。
XMLサイトマップを送信する
XMLサイトマップは、公開したばかりのサイトやhttps化したサイトや、リンクの構造が複雑なサイトは設置が推奨されています。オウンドメディアをWordPressで作成するのであれば、Google XML Sitemapsというプラグインで対応可能です。
モバイル対応
制作したオウンドメディアは、必ずモバイル対応をしなくてはなりません。Googleは2016年11月にモバイルファーストインデックスを導入しているためです。モバイルページの評価により、検索順位が決定します。
モバイル対応をするのであれば、レスポンシブWEBデザインを用いるのが最適な方法です。レスポンシブWEBデザインであれば、PCでもモバイルでも最適なページレイアウトで表示されるのです。
読み込み速度の改善
新しく制作するオウンドメディアはWEBページの表示や読み込みのスピードの速さが重要です。Googleは検索順位を決める際の指標として、表示速度も採用しています。
ユーザーは読み込みに時間のかかるサイトは読むのをやめてしまいます。読むのを止めてしまうスピードは3秒とも言われているので、表示スピードは常にチェックが必要です。
オウンドメディアを運用していくためのポイント
オウンドメディアを運用するために、気を付けておくポイントを紹介します。
- 結果を短期間で求めない
- ユーザーが必要とする情報を掲載する
- コンテンツの軸をずらさない
- 宣伝を適切に実施する
結果を短期間で求めない
オウンドメディアの運用を開始した早々に、アクセスも増えないし問い合わせも増えないといって効果がでないと判断するのは間違いのもとです。オウンドメディアはユーザーに有益な情報を提供して、時間をかけて潜在客をリピーターとして育成していきます。
ユーザーが必要とする情報を掲載する
オウンドメディアを運営していくうえで気を付けなければならないのは、コンテンツは常にユーザーが求める情報をユーザ―がたどり着けるように掲載しなくてはなりません。
運営側の目線の記事になってしまうと、ユーザーが欲しい情報にたどりつけず、情報を閲覧してもらえなくなります。
コンテンツの軸をずらさない
オウンドメディアでコンテンツを多数制作していくうえで、ユーザーにアクセスしてもらうために、テーマを追加や変更してしまうケースもあります。
オウンドメディアを運営するときは情報掲載は取捨選択をして、最初に設定したペルソナやカスタマージャーニーマップのタッチポイントからコンテンツがずれないように注意しなくてはなりません。