SEOモニタリングとは?なぜSEOモニタリングが重要なのか?
SEOモニタリングとは、WEBサイトとランキングをチェックし、改善するために何ができるかを確認する、SEO計画の重要なものです。何が機能していて何が機能していないかを確認し、戦略を改善するための課題を浮き彫りにしてくれます。
検索順位は潜在的な顧客が自社サイトをどうやって見つけるかに影響し、コンバージョンにかかわります。そのため、SEO戦略はビジネスのもっとも重要な焦点の1つであるといえます。
SEOモニタリングとは
SEOモニタリングとは、検索エンジンでのWEBサイトとランキングをモニタリングし、それらを改善するために何ができるかを確認することです。
SEOモニタリングを実施することで、次の点で自社がどの位置にいるかを知ることができます。
- オーガニックトラフィック
- 直帰率
- クリック率
- キーワードランキング
- 外部リンク
- ページの表示速度
- クロール頻度
- コンバージョン率
上記はすべてSEOに限らず、デジタルマーケティング戦略全般に大きく関わる重要な情報です。
SEOモニタリングを通じて、キーワードの選定、高品質なコンテンツの作成、タイトルやディスクリプション(説明)の改善、ユーザビリティ改善などを実践でき、検索順位の向上に貢献できます。
オーガニックトラフィック
SEOモニタリングは検索結果(SERPs)からサイトへの流入を確認するところから始まります。検索順位が上がれば必然的にトラフィックフローも増える点、トラフィックがなければ、その後の直帰率やコンバージョン率にもつながらない点からも重要なポイントです。
トラフィックを確認するにはGoogleアナリティクスがもっとも有効な無料ツールです。ただし、いわゆるGoogleアナリティクス(ユニバーサルアナリティクス)は2023年7月にサポートが終了し、その後はGA4(Googleアナリティクス4)に変わります。
GA4は操作感がまったく異なりますので、サイト運営をしているのであれば早期にGA4の操作になれるか、別のツールの導入を検討すべきです。
直帰率
直帰率とはサイトに流入し、別のページへの遷移や何かしらのアクションをせずにサイトを離脱してしまった人の割合のことを意味します。直帰率が高いということは検索結果に対してユーザーニーズが満たされなかったということであり、サイトの魅力度合いを表すことになります。
SEOと直帰率は直接の関係はありませんが、直帰率が高いということはユーザーが改めて検索をするということです。1回目の検索と2回目までの検索時間のスパンについてはGoogleは判断しているといわれているため、結果的には直帰率は検索結果に影響する可能性があります。
直帰率が高いということは原因を特定することができれば、劇的に数値改善できる可能性があるということであり、この点でSEOモニタリングは重要です。
例えば、ページの読み込み速度を改善したり、コラムコンテンツの冒頭のリード文に引きの強い書き方をするだけで直帰率が下がる可能性があり、どの記事が直帰率が高く、どの記事へのアクセスが多いのかを特定することはSEOの内部施策につながります。
GoogleアナリティクスではURLごとの直帰率を確認できますので、必ず導入してください。ただし、Googleアナリティクスの事実上の後継であるGA4では直帰率という指標はありません。
これは1ページで完結するコンテンツの場合には直帰するしかないことがあり、LPやWEBアプリでは直帰率を計測する意味がないことが起因します。代わりにGA4ではエンゲージメント率を確認することになります。
クリック率
クリック率とは検索結果に表示されたなかから、どの程度がクリックされたかを示す指標です。一般的な検索結果にはタイトルとディスクリプション(説明文)しかクリックするところはありません。そのため、タイトルとディスクリプションでどれだけユーザーにアピールするかがクリック率に影響します。
一般的な検索順位ごとのクリック率は次の表のとおりです。ただし、業界やキーワード、エリアによってクリック率は非常に大きく変動しますので参考値としてご確認ください。
検索順位 | クリック率 |
1 | 8.17% |
2 | 3.82% |
3 | 2.43% |
4 | 1.63% |
5 | 1.11% |
6 | 0.84% |
7 | 0.67% |
8 | 0.54% |
9 | 0.52% |
10 | 0.44% |
出典:2021 CTR Research Study(SEO Clarity)
検索順位がある程度とれているのに、クリック率が上記の表と大きくかけ離れていた場合には、競合のタイトルとディスクリプションに魅力がありすぎるか、自社サイトのタイトルとディスクリプションに大きな改善余地があることを意味します。
なお、クリック率はGoogleサーチコンソールにて簡単にチェックすることが可能です。GoogleアナリティクスとGoogleサーチコンソールは必ず導入すべきツールだといわれますが、SEOモニタリングのためには前提となる必須ツールです。
キーワードランキング
SEOは手段であって目的ではありません。そのため、コンバージョン数が増えたり、トラフィックが増えれば検索順位はさほど重要ではありません。
しかし、コンバージョン数を増やすためには母数であるトラフィックを増やす必要があり、トラフィック数は検索順位に影響することは事実です。そのため、狙ったキーワードごとに検索順位が何位なのかを定期的にチェックすることは重要なSEOモニタリングです。
ビッグワードやミドルワードであれば検索順位の改善までに半年~1年ほどの時間がかかることもありますが、スモールワードであればコンテンツ制作後、1ヶ月~2ヶ月ほどで効果が出ることも珍しくありません。
キーワードランキングを調べるのであればGRCが安価で導入しやすくお勧めですが、SEMrushやMozなどの有料ツールもSEOモニタリングをおこないながらランキングチェックできます。Googleサーチコンソールでも検索順位の確認はできますが、ランキングチェックツールではありませんので、キーワードランキングをチェックするという点では少し使いにくいかもしれません。
外部リンク
外部リンク(被リンク)はSEOのランキングシグナルとして極めて重要度が高く、検索順位を上げるためには外部リンク対策がどこまでできるかにかかっているといっても過言ではありません。
しかし、単に外部リンクを増やすだけでは悪質な行為としてGoogleからペナルティを受けかねません。SEOに効果的な外部リンクを集めるには、自社サイトに関連のあるサイトであり、ドメインパワーの強いサイトからのリンクが効果的です。
SEOモニタリングの観点では、AhrefsやMoz、SEMrush、majesticなどのSEOツールを活用することで、どこからリンクを受けているのか、そのサイトはどの程度のドメインパワーがあるのか、どのような推移で外部リンクが増えているのかなどを確認できます。
ページの表示速度
ページの表示速度はランキングのシグナルにもなりますが、ユーザビリティの観点や直帰率に影響する点からも改善すべき項目です。
Amazonの調査では、ページの表示速度が0.1秒遅くなると、売り上げが1%低下し、Googleからはページの反応が0.5秒遅くなるとアクセス数が20%低下すると発表されています。別の調査では、表示速度が1秒遅くなるとページビューが11%、コンバージョンが7%、顧客満足度が16%低下することが報告されています。
(参考:Webサイトのレスポンス速度から見るインターネットユーザーの閲覧行動と企業の課題)
このことからもSEOのランキングに影響するかどうかではなく、ユーザビリティの観点からページ表示速度は定期的にもモニタリングすべき項目といえます。
ページ表示速度の確認方法はPageSpeed Insightsでおこなえますが、Googleアナリティクスでもわかります。サイトのヘルスチェックという観点ではSEMrushのようなSEOツールを使うことでも把握することが可能です。
クロール
SEOでは検索順位を上げることを目指す必要がありますが、ランキングされる前にはクロールされること、インデックスされることが必須です。
インデックスがいつまでもされない場合やページの変更、追記をおこなった際にはGoogleサーチコンソールのURL検査ツールからリクエストすることができますが、通常はリクエストを送らなくてもGoogleのクローラーを待っていればインデックスまでは完了するはずです。このクローラーの動作のモニタリングにはGoogleサーチコンソールが使われます。
Googleは否定していますが、クロールバジェットと呼ばれる、クローラーが一定期間にどのくらい巡回するかの頻度が決まっているとされています。どの程度クロールされているのかはサイトの重要度に関わるといわれており、クロール頻度が高いということはインデックス促進が進む可能性が高いということですので、定期的にモニタリングすべき項目です。
コンバージョン率
SEOを何のためにおこなうのかと問われればコンバージョンを増やすためというのが答えのはずです。そのため、検索順位、クリック数、トラフィック数はいずれも重要ですが、最終的なKGIはコンバージョン数になります。
その意味で、KPIとしてコンバージョン率は非常に重要度が高く、どれだけアクセスが増えてもコンバージョン率が低ければ施策としては成功したとは言いがたいのが事実です。
サイトのCVRを計測するツールとしてはGoogleアナリティクスが挙げられます。
SEOモニタリングが重要な理由
SEOは常に進化しており、時代とともにトレンドが変わります。Googleも定期的に大規模アップデートをおこなうため、以前は成功したやり方であっても今後も成功し続けることができるかはわかりません。
WEBサイトが継続的に成長し、検索上位に居続けることはむずかしいことが多いですが、SEOモニタリングをすることで次のような課題確認と改善施策の検討が可能になります。
- 検索順位の改善
- WEB戦略の確認
- 改善箇所の特定
- 競合のモニタリング
- ペナルティの回避
検索順位の改善
SEOの目標は検索上位に表示され、アクセスを増やし顧客を増やすことです。施策内容とコンテンツを定期的に確認し、継続的にキーワードを対策を実施することでランキングを向上し、サイト全体のアクセス数を増やすこと、ひいてはコンバージョンを増やすことにつながります。
WEB戦略の確認
どのような戦略であっても施策を打ってみて一定期間がすぎなければ成功なのか失敗なのかを判断することはできません。効果的に機能したこと、悪化したことを分析することで成功要因を特定し、次の施策に活かすことができます。
言い買えば、SEOモニタリングを通じてサイト戦略の確認と次回施策の検討をすることができるといえます。
改善箇所の特定
SEO施策でおこなうべきことは非常に多く、通常はすべての施策を打つことはできません。必ず優先順位を付けて実行していくことになります。成功している場合にはさらに上を目指すため、失敗している場合には次に成功可能性の高い施策を打つことを繰り返すことでサイトは強化されます。
検索順位、タイトル、インデックスの有無などは日常的にモニタリングしている場合であっても、ページの表示速度、セキュリティ、外部リンク数などは定期的に確認すべきです。検索エンジンに読み込まれやすいサイトを作るためにも、可能な限り早くサイト改善をおこなってください。
競争のモニタリング
SEO施策は自社サイトに限りますが、コンテンツやサイト戦略は競合サイトを参照することがあります。特にコンテンツでは他社サイトが上位に表示される理由を明確にし、要素分化して自社サイトに反映することは極めて効果的な施策です。
場合によっては競合サイトの内部だけではなく、競合サイトにリンクしているサイトまで分析して施策に反映する必要があるかもしれません。そのような場合にはSEOツールを利活用する必要があります。
ペナルティの回避
検索エンジンには独自ルールがあり、ルールを守らない場合にはペナルティを受けて検索順位に悪影響を及ぼす可能性があります。Googleではウェブマスター向けガイドラインを公開しており、SEO施策をおこなう場合には、このガイドラインに違反していないかどうかをチェックすべきです。
通常はありませんが、ペナルティを受けてしまった場合には早急に対応する必要があり、多くの場合はGoogleサーチコンソールの管理画面でペナルティを受けているかどうかを確認することができます。
まとめ