SEO評価とは? 評価基準やツールで指標を確認する方法を解説
SEO対策を進める際は、「SEOは、どのように評価されるのか」を把握することが大切です。SEOには、明確な評価基準は設けられていません。しかし、Googleが発信する情報のうち、Googleが掲げる10の事実や検索品質評価ガイドラインを読み進め理解することで、そのヒントをえられます。
このうち、後者に関しては、年に1度ほど改定される機会があります。Google検索エンジンの大型アップデートにともない、内容が大きく変更される可能性もありますので、しっかりとSEOの最新情報を追うように努めてください。
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SEO評価とは
SEO評価とは、検索エンジンがWEBサイトやページに対して、「検索エンジンに掲載する価値があるか」を判断するための評価のことです。WEBサイトの運用者としては、SEO評価を高めることで、検索上位に表示される可能性が向上するため重要な指標となります。
SEO評価基準
Googleは、SEOの評価基準を明確に提示していません。ただし、そのヒントとなる、次のような情報を公開しています。
- Googleが掲げる10の事実
- 検索品質評価ガイドライン
Googleが掲げる10の事実の解説
Googleが掲げる10の事実は、Google社の理念である「世界中の情報を整理し、世界中の人がアクセスできて使えるようにする」ことを実現するために、同社の考え方を情報発信したものです。ここから読み取れる、SEO上のヒントになりうる情報を下記にまとめています。
- 検索ユーザーの利便性を最優先する
- 長所を絶え間ない努力で伸ばす
- ユーザーの時間を奪わない
- ユーザーの声を重視する
- ユーザーのアクセス環境に合わせる
- ユーザーのニーズを予測する
Google検索エンジンの検索結果の決定権はGoogle社にあります。そのため、WEBサイトの運用者としては、SEOを考慮するうえではGoogle社の考え方を踏まえる必要があります。具体的には、次のようなサイト作りを目指すことが推奨されます。
- サイトテーマを特化させて、専門性を持たせる
- 快適に利用できるよう、ページ表示速度を高める
- 使いやすいサイト構成とページ構成に仕上げる
- サイトの評判をチェックして、サイト作りに反映する
- モバイル対策して、どのような端末でも使いやすいサイトを作る
- 検索ニーズを考慮してサイトを作る
検索品質評価ガイドラインの解説
検索品質評価ガイドラインは、Google検索エンジンの品質を担保するためのルールが記された資料です。検索エンジンは、あくまで検索ユーザーのためのサービスです。そのため、検索ユーザーに対して、よりよい検索体験(ユーザーエクスペリエンス)を与えるために本ガイドラインを策定しています。
検索品質評価ガイドラインでは、検索エンジンが高品質なユーザーエクスペリエンスを与えるために、「ページ品質(Page Quality)」「ニーズメット(Needs Met)」という2つの評価項目を設けています。この2つの評価項目に加えて、検索ユーザーの利便性を考慮したページエクスペリエンスがSEOでは重視されています。
- ページ品質(Page Quality)
- ニーズメット(Needs Met)
- ページエクスペリエンス
ページ品質(Page Quality)の評価項目
ページ品質(Page Quality)とは、WEBページの目的達成度を指標化したものです。ページ品質を測るための要素としては、次のようなものがあります。
- E-E-A-T
- 被リンク数と品質
- コンテンツ作成者や監修者情報の有無
- WEBサイトの評判
- YMYL領域のジャンルか否か
こうした要素をチェックして、WEBページの品質が決定されます。そして、下記の5段階の評価に分類されます。
評価 | 意味 |
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Highest | 最高品質ページ |
High | 高品質ページ |
Medium | 中品質ページ |
Low | 低品質ページ |
Lowest | 最低品質ページ |
ニーズメット(Needs Met)の評価項目
ニーズメット(Needs Met)とは、検索結果が検索ユーザーの満足度を指標化したものです。ニーズメットでは、コンテンツが検索意図に沿っていて、なおかつ価値があるか否かで評価が変わります。具体的には、次のような要素がチェックされます。
- 再検索の必要性
- コンテンツの価値
- 情報の網羅性
- 情報のフレッシュさ
- 情報の信憑性
こうした情報から、WEBページの評価が下記の5つにわけられます。
評価 | 意味 |
---|---|
Fully Meets | 完全な満足 |
Highly Meets | 非常に満足 |
Moderately Meets | 概ね満足 |
Slightly Meets | 少し満足 |
Fails to Meet | 不満 |
関連記事:Needs Metとは
ページエクスペリエンスの評価項目
ページエクスペリエンスとは、WEBページの利便性を示す指標のことです。具体的には、検索ユーザーが検索目的を達成しやすいページか否かを問う指標です。ページエクスペリエンスは、次のような要素で構成されています。
- ページ構成
- インターステイシャルの有無
- ページ表示速度
- モバイル対応の有無
- SSL化の有無
関連記事:ページエクスペリエンス最適化を解説【上級SEO対策向け】
ページ構成
WEBページは、ヘッダー、メインコンテンツ、フッターの3要素で構成されています。
このうち、大半の検索ユーザーは、メインコンテンツを目的にサイト訪問します。このとき、メインコンテンツが閲覧しづらい作りになっていると、検索ユーザーが欲している情報を発見しにくくなります。とくに、メインコンテンツと混同するようなWEB広告の配置をすると、ユーザーの利便性が損なわれる要因となりますので注意してください。
インターステイシャルの有無
インターステイシャルとは、ページ遷移する際に表示される全面広告のことです。インターステーシャル広告の場合、コンテンツの全面に覆いかぶさるように表示されることから、ユーザーに対して誤クリックを誘発します。
こうした特徴から、インターステイシャル広告を過剰に設置すると、コンテンツの利便性が下がりますので注意してください。
ページ表示速度
ページ表示速度とは、WEBページが表示されるまでにかかる時間のことです。厳密には、検索ユーザーがリンクをクリックしてから、ブラウザ上でページが描画されるまでにかかる時間を指します。
そして、このときの時間が長いほど、検索ユーザーにストレスを与えます。その結果として、ユーザーの離脱率が高まります。
関連記事:サイトスピード(ページ表示速度)とは
モバイル対応の有無
モバイル対応とは、どのような画面サイズの端末でも、WEBサイトやページを快適に閲覧できるように調整することです。とくに、スマートフォンのように小さい液晶画面では、パソコン向けサイトが極めて利用しづらいといった課題があります。そこでスマートフォンでも閲覧しやすいように、モバイル用のサイトデザインを用意する必要があります。
2024年現在では、モバイル対策として、レスポンシブデザインという技術を採用するケースが主流となっています。
関連記事:レスポンシブデザインとは
SSL化の有無
SSL(Secure Sockets Layer)化とは、WEBサイトの通信を暗号化する技術のことです。WEBサイトをSSL化することで、外部の第三者によるハッキングや情報漏洩を防ぐことが可能です。
WEBサイトの役割は、検索ユーザーに対して情報やコンテンツを提供することです。仮に自社サイトがハッキングを受けた場合、サイト訪問者を危険に晒すことにつながりますので注意が必要です。
関連記事:HTTPS(SSL化)とは
SEOの評価を示す指標
2024年現在では、SEO評価をスコア化する指標として、次のような概念があります。
- コアウェブバイタル
- ドメインオーソリティ
- ドメインレーティング
- トラストフロー/サイテーションフロー
このほか、現在では非公開の指標となっていますが、下記の指標も有名です。
- ページランク
コアウェブバイタル(Core Web Vitals)
コアウェブバイタル(Core Web Vitals)は、ページ読み込み速度、ページの応答性、レイアウトの安定性に関するGoogleが提唱する指標です。そして、この3つの要素は、それぞれ下記のように呼ばれます。
指標 | 解説 |
---|---|
LCP | ページの読み込み速度 |
FID | 初回アクションに対するページの応答速度 |
CLS | レイアウト崩れに関する指標 |
ただし、このうち、FIDは新指標のINPに変更される予定となっています。つまり、2024年3月以降のコアウェブバイタルは、下記の要素で構成されることになります。
指標 | 解説 |
---|---|
LCP | ページの読み込み速度 |
INP | ユーザー滞在中における、全アクションに対するページの応答速度 |
CLS | レイアウト崩れに関する指標 |
関連記事:コアウェブバイタルとは
関連記事:INPとは? コアウェブバイタルの指標「FID」が「INP」に変更へ
ドメインオーソリティ(DA)
ドメインオーソリティ(Domain Authority / DA)とは、アメリカ企業のMOZ(モズ)社が提唱するWEBサイトが有するドメインパワーを示す指標のことです。ドメインオーソリティは、下記要素を基準にして、WEBサイトの権威性や信頼性を数値化したものです。
- 被リンク数と品質
- Google検索エンジンのランクインキーワード数
評価数値は、0〜100のいずれかで表され、100に近づくほど高評価となります。また、ドメインオーソリティの評価が高いほど、サイト内のページの検索順位が上がりやすくなるとされています。
また、ドメインオーソリティに対して、ページ単体の権威性を示す指標として、ページオーソリティ(PA)というものもあります。
ドメインレーティング(DR)
ドメインレーティング(Domain Rating / DR)とは、ドメインパワーの表すArefs社独自の指標のことです。ドメインレーティングは、被リンクの量と品質を基に計測されています。つまり、被リンクのみを調査対象としているということです。
評価の数値は、ドメインオーソリティと同様に0〜100の点数が与えられるというものです。そして、ドメインレーティングに対して、ページを評価するURLレーティング(URL Rating / UR)という指標とセットで情報を提供しています。
トラストフロー(TR)/サイテーションフロー(CR)
トラストフロー(Trust Flow / TR)とサイテーションフロー(Citation Flow / CR)は、Majestic社が提案するページ価値の指標です。前者は、WEBページにおける被リンクの品質を表すものです。一方、後者は、リンクの量によって決定します。つまり、トラストフローとサイテーションフローは、2つを合わせみることで、はじめてSEO評価の指標として機能します。
こうした特性上、両者のいずれかの数値のみが高いといったといった現象が起こります。たとえば、サイテーションフローの数値だけ高く、トラストフローの数値が低かったとします。この場合、低品質の被リンクばかりが集まっている可能性が高く、SEO面ではマイナス要素になりえます。
つまり、両者の数値に乖離があるほど、不適切な被リンク施策をしている可能性が高いということです。そのため、2つの指標のバランスをチェックすることが大切です。
ページランク(Page Rank)
ページランク(Page Rank)とは、GoogleがWEBページをスコア化した指標です。2013年まではGoogle公式のSEO評価の指標として公開されていましたが、現在では非公開となっています。
関連記事:ページランクとは
SEOスコアをチェックできるツール
SEOスコアをチェックできるツールには、次のようなものがあります。
ツール名 | 解説 |
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PageSpeed Insights | ページ表示速度の調査ツール |
MOZ PRO | ドメインオーソリティとページオーソリティの調査ツール |
Ahrefs | ドメインレーティングとURLレーティングの調査ツール |
Majestic SEO | トラストフローとサイテーションフローの調査ツール |
関連記事:SEOツールの有料無料別おすすめ40選!
PageSpeed Insights(ページスピードインサイト)
PageSpeed Insights(ページスピードインサイト)は、ページ表示速度を計測できるツールです。同ツールはGoogleが提供していて、コアウェブバイタルの各種指標もチェックできます。使い方は、下記のとおりです。
- PageSpeed Insightsにアクセスする
- 計測したいURLを入力して、「分析」をクリックする
手順どおりに作業すると、コアウェブバイタルを中心とした各種指標が表示されます。さらに、診断結果として、改善案を閲覧できます。ページの課題を抽出してくれますので、SEO内部施策にて役立ちます。
関連記事:PageSpeed Insightsを使ったページ表示速度の計測と改善方法を解説
MOZ PRO(モズプロ)
MOZ PRO(モズプロ)は、MOZ社が提供するSEOツールです。ドメインオーソリティとページオーソリティをチェックできます。使い方は、下記のとおりです。
- MOZにアクセスしてアカウントログインする
- フォーム左メニューから「root domain」「sub domain」「exact page」のうち、調べたい項目を選択する
- フォームに調べたいURLを入力して、「Analyze」をクリックする
作業を進めると、上記画面が表示されます。○印の部分にドメインオーソリティやページオーソリティが表示されます。このほか、被リンクのドメイン元やページ元の情報や、検索エンジンでランクインしているキーワード数が表示されます。さらに、被リンクの推移やテキストアンカーといった詳細な情報を取得できます。競合サイトと自社サイトを調査比較して、不足している点を洗い出して対策を練る際に役立ちます。
関連記事:MozのSEOツールとは?Mozで効果的なSEO対策をする方法を解説
Ahrefs(エイチレフス)
Ahrefs(エイチレフス)は、ドメインレーティングとURLレーティングなどの指標を調べられるツールです。操作方法は、次のとおりです。
- Ahrefsにアクセスしてログインします。
- 調査URLを入力します。
解析を終えると、上記画像の○印にドメインレーティング、URLレーティングが表示されます。前者はドメインパワーを、後者はページの価値を表します。さらに、ここでは次のようなデータが表示されます。
- Backlinks:被リンク数
- domains:リンクされているドメイン数
- Organic Keywords:検索エンジンでランクインしているキーワード数
- Organic Traffic:オーガニック検索結果による、流入トラフィック量
詳しい画面の見方は、下記で解説していますので参考にしてください。
関連記事:Ahrefs(エイチレフス)とは?使い方から注意点まで徹底解説
Majestic SEO(マジェスティックSEO)
Majestic SEO(マジェスティックSEO)は、トラストフローとサイテーションフローをチェックできるツールです。使い方は、次のとおりです。
- Majesticにアクセスしてログインします。
- 指定URLをフォームに貼って検索ボタンをクリックします。
上記画面の○印は、それぞれトラストフローとサイテーションフローを表します。ここには、リンク元ページのカテゴリのほか、ドメイン別、IP別などで被リンクが表示されます。さらに、左メニューから、それぞれ詳細情報を確認できます。トラストフローはリンクの質を、サイテーションフローはリンクの量を示しますので、バランスがよい数値になっていることが理想的です。この数値のバランスが悪い場合は、不適切な被リンク施策をおこなっている可能性がありますので注意してください。
SEO評価のよくある質問
SEOの評価に関する、よくある質問をまとめています。
Q:リダイレクト設定がSEO評価に与える影響は?
Answer)運用実績を持つURLを新たなURLにリダイレクトすることで、SEO評価の一部を引き継ぎます。
新記事を作成する際に、通常は新たにURLを発行します。ただし、サイト内に重複コンテンツがある場合は、リダイレクト設定でコンテンツを整理します。そして、既存コンテンツのURLには、運用実績として一定のSEO評価が与えられています。こうしたときは、リダイレクト設定を活用してSEO評価を引き継ぐようにしてください。
関連記事:リダイレクトとは
関連記事:301リダイレクトとは
関連記事:302リダイレクトとは
Q:サブドメインがSEO評価に与える影響は?
Answer)原則的には、サブドメインを運用することで特別なSEO効果をえることはありません。
そもそも、サブドメインとは、ルートドメインのWEBサイトと別テーマのコンテンツを作成するために設置されるサイトです。SEO面で有利にサイト運用したい場合は、サブディレクトリの設置を検討してください。
関連記事:サブドメインにSEO効果はある?サブディレクトリとの違いは?
Q:404エラーページがSEO評価に与える影響は?
Answer)404エラーページが表示されること自体に、SEO評価に影響を与えることはありません。
404エラーページとは、WEBサイト内でリンク切れを起こしたときに代替として表示されるWEBページのことです。そして、404エラーページが表示されること自体に、SEO的な悪影響はありません。ただし、「リンク切れを起こしている」ことや「サイト訪問者の離脱が増える」ことが原因でSEOにマイナス評価が発生する可能性はありますので注意してください。
関連記事:404 not foundとは
Q:SEO対策として、なにをすればいいですか?
Answer)SEOには、さまざまな対策方法があります。自社サイトの特徴や目的に応じて適切な施策を検討する必要があります。しかし、SEO対策は専門的な知識やスキルが求められます。不安がある場合は、プロのSEO会社に相談してみてください。
なお、SEO対策の種類などについて、下記記事で詳しく解説しています。
関連記事:【2024年最新版】SEOとは?検索エンジン最適化のためのSEO対策を詳しく解説
SEOコンサルタントに相談したいときは、まずは下記記事をチェックしてください。
関連記事:SEOコンサルティングとは?仕事内容やSEO会社の選び方を解説
まとめ