旅館サイトに必要なSEO対策とは?メリット・デメリットを紹介
旅館サイトでは、自社サイトとして運用する場合とOTAを活用する場合がありますが、どちらにおいてもSEO対策が欠かせません。特に自社運営のSEOに強いサイトであれば、OTAを利用しないことで将来的に数百万以上の費用削減につながると考えられます。
旅館サイトのSEO対策
旅館サイトは自社で運営し集客を行う場合と、OTA(Online Travel Agency)を活用して集客から予約までを行う2パターンがあります。
自社サイトであれば一般的なコーポレートサイトと同じく、検索エンジン上でのアクセス増加を目的とすることがSEO対策です。またGoogleマイビジネスを活用したMEO対策は、サイトへのアクセス数を増やすためには欠かせないSEO対策の一つになります。
対して「じゃらんnet」や「楽天トラベル」などインターネット上で手続きを完結させるOTAでは、費用を払うことで自社の掲載ページを持つ仕組みです。そのためSEO対策は、OTA上での検索上位が目的となります。
ここでは、旅館サイトにSEO対策が必要な理由について詳しく解説していきます。
旅館サイトにSEO対策が必要な理由
旅館サイトでSEO対策が必要な理由は、自社サイトを検索上位に表示させ、アクセス数を増やすことや旅館の認知度を高めることです。
特にOTAを活用している旅館であれば、自社サイトで集客することは重要なマーケティング手法の一つといえるでしょう。
なぜならOTAではどんなに集客効果があったとしても、送客手数料として広告コストがかかるからです。契約するOTAによって金額は異なるものの、手数料として5〜10%前後が必要になります。
比べて自社サイトであれば広告コストの削減につながり、売上を大きく高められます。また投稿内容が制限されることもないため、コンテンツの発信や旅館のブランディングも可能です。
ただし自社サイトであっても対策なしに集客ができるわけではありません。検索エンジンに向けた適切な対策が上位表示につながるため、旅館サイトにではSEO対策が必要となります。
旅館サイトがSEO対策を行うメリット
旅館サイトの場合、自社サイト・OTA問わずにSEO対策の効果は大きく、集客力を高めるためには不可欠な対策といえます。なかでもOTAに依存する必要がない自社サイトでは、将来的な売上や経営の安定につながるメリットが魅力的なポイントです。
ここでは、旅館サイトがSEO対策を行うメリットについて詳しく解説していきます。
自社サイトのSEO対策のメリット
旅館が自社サイトのSEO対策によって集客ができれば、最終的にOTAを利用する必要が無くなります。OTAの広告コストの削減はもちろんですが、旅館で自社集客が行える点は非常に強みといえるでしょう。
仮にOTAを軸にしている場合、万が一サービスが停止したり運営会社が倒産したら集客は激減してしまいます。他サービスを活用している以上、売上や経営が不安的な点は考慮しなければいけません。
しかし自社サイトであればOTAに依存すること無く、売上を安定させられます。自由なコンテンツ発信によって旅館のブランディング戦略など集客方法の幅も広がるため、自社サイトSEO対策では多くのメリットが得られるでしょう。
OTAのSEO対策のメリット
OTAのSEO対策では、検索上位に表示され競合旅館との差別化につながる点がメリットです。
通常であればOTAでの掲載内容は事前に定められているため、オリジナル性を打ち出すことは難しく、競合旅館との差別化は図れません。
差別化がなく他旅館と同じ掲載をしていれば、元から認知度がある人気の旅館に勝つことは難しいでしょう。
しかし検索上位に表示されればユーザーに閲覧される機会は増え、元の認知度に関係なく集客効果が得られます。 どんなに大手会社の競合だとしても、検索上位の表示であれば競うことも可能です。
それほどOTA内での検索順位は重要となり、SEO対策による上位表示のメリットは大きいといえます。
旅館サイトがSEO対策を行うデメリット
SEO対策はサイトの立ち上げや対策期間にかかる運用コストは必須のため、長期間の計画に基づいて実践する必要があります。またOTAのSEO対策では、簡単には成果を出せない点や広告コストがかかり続けることが前提のうえ成り立ちます。
ここでは、旅館サイトがSEO対策を行うデメリットについて詳しく解説していきます。
自社サイトのSEO対策のデメリット
自社サイトでSEO対策を行う場合、サイトの立ち上げやその後の運用コストが必要な点はデメリットといえるでしょう。
検索上位に表示されれば安定したアクセス数が見込めますが、そもそも検索上位に表示することは簡単ではなく、時間も労力も必要です。
具体的な期間は、だいたい半年〜1年ほどです。仮に競合の少ないキーワード対策の場合、早くて数ヶ月程度で検索上位も可能なものの、アクセス数が極端に少なく集客効果がないこともあります。
したがって自社サイトのSEO対策に取り組む際は、前もって運用コストを明確化し、計画的に実践していくことが重要です。
OTAのSEO対策のデメリット
OTAは一般的なサイトほどSEOの対策項目はなく、競合旅館も多い点から自社サイト以上に成果を出すことが難しいです。OTAによっても独自のアルゴリズムが導入されており、それぞれに効果的とされている対策を学んでから実践する必要があります。
仮に「楽天トラベル」で検索上位に表示されたとしても、「じゃらんnet」や「Airbnb」で通用するわけではないため注意をしましょう。
またOTAのSEO対策で上手くいったとしても、総客手数料がなくなることはないため、広告コストは払い続けなければいけません。
そのため資産力のある企業でない場合は、気軽にOTAのSEO対策に取り組むのではなく、しっかりと考えたうえで実践しましょう。
旅館サイトに効果的なSEO対策
旅館の自社サイトに効果的なSEO対策では、潜在客へ的確にアプローチするキーワード選定や、間接的にでも旅館の魅力を伝えるコンテンツ制作が重要です。また地域を踏まえたキーワード検索が多い旅館だからこそ、ローカルビジネスに向いているMEO対策も効果的な方法になります。
ここでは、旅館サイトに効果的なSEO対策とMEO対策について詳しく解説していきます。
OTAにおいてもSEO対策は必要ですが、OTAごとに対策内容が異なるため、公式ドキュメントに基づいて対策しましょう。
宿泊に直結するキーワード選定
旅館サイトで最も効果的なSEO対策は、宿泊に直結するキーワードを選定し、コンテンツを発信することです。
宿泊に直結するキーワードであれば明確なニーズが読み取れるため、潜在客を効果的に集客できます。
主なキーワードは以下のとおりです。
- 〇〇温泉+旅館
- 地域名+宿
- 〇〇温泉+旅館+おしゃれ
「箱根温泉」や「草津温泉」はビッグキーワードと呼ばれるもので、競合も多く上位表示の難易度は高まります。そのため「〇〇温泉+旅館」や「地域名+宿」などの複合キーワードを選定し、明確な潜在客へアプローチしましょう。
「〇〇温泉+旅館+おしゃれ」などのスモールキーワードになれば、より上位表示のチャンスが広がるため、旅館の周辺地域への対策は必須です。
関連記事: SEOにおける検索意図の重要性!調べ方から利用方法まで
季節や料理名などのキーワード選定
旅館サイトでは「〇〇温泉+旅館」など宿泊に直結するキーワードの他にも、季節や料理名などを含めたキーワード対策も効果的です。
具体的には、以下のようなキーワードになります。
- 地域名+料理名
- 季節+デート
- 季節+おすすめスポット
例えば「湯河原 うなぎ押し寿司」のキーワードの場合、ユーザーは湯河原でうなぎ押し寿司を食べられる場所を探しています。仮に旅館であってもうなぎ押し寿司を提供しているのであれば、ユーザーは選択肢の一つとして考えるでしょう。
「季節+デート」のようなキーワードであれば、旅館を含めた「1日デートコース」などを紹介するコンテンツは需要が高く、ニーズに響く内容を作りやすいといえます。
一見、旅館につながらないと感じるキーワードであっても、ユーザーのニーズを深く考え旅館が魅力的に伝わる内容を探ることが大切です。
旅館の雰囲気が伝わる画像掲載
旅館サイトでは、掲載されている画像によって予約につながるかが決まるといっても過言ではありません。また多くの画像が使われているサイトは、ユーザーの滞在時間を高めることができ、結果的にSEO対策にもつながります。
写真が重要な理由はテキストよりも伝えられる情報量が多く、ユーザーはイメージを掻き立てられるからです。
仮にテキストで旅館の外観を記載したとしても、具体的なイメージが湧く人はほぼいません。どんなに上手な文章の場合でも、綺麗に撮られた写真1枚には敵わないといえるでしょう。
それほど掲載する画像は、旅館の特徴や強みをアプローチする効果的な方法になります。
したがって旅館の主要な部分はもちろんのこと、客室の細かい部分まで網羅するような充実した写真を掲載しましょう。
予約ページまでの明確な導線設計
旅館サイトを運営している目的は、多くのユーザーを集客し予約につなげることです。そのためSEO対策のなかでも検索順位やアクセス数だけでなく、最終的なコンバージョン数・率を高める対策も重要になります。
予約の導線に置いては、以下のポイントを確認しましょう。
- 申込みフォームが用意されている
- 一度の申込みで予約が完了する
- サイト内のどのページから予約ページや申込みフォームに移動できる
予約ページや申込みフォームは分かりやすい位置へ設置し、サイト内のどのページからでも移動できる状態を作りましょう。
またより確実に予約を獲得するためには、サイト経由で予約をした場合の特典として、料金割引きやチェックアウト時間の延長などを用意することも効果的です。予約ページまでの導線設計を意識し、コンバージョン率を高めていきましょう。
関連記事: Googleタグマネージャーの設定方法とは?4ステップから徹底解説
コンテンツ制作
コンテンツ制作では旅館の魅力を伝える内容だけでなく、強みやオリジナル性を伝える内容やコンバージョン率を高めるためのコンテンツなど、目的に応じて制作できます。ここでは、旅館サイトにおけるコンテンツ制作について詳しく解説していきます。
特集ページの掲載
おすすめプランが定まっている場合や期間限定のプランが用意されている場合には、専用の特集ページを掲載するとサイトのオリジナル性を高められます。
SEO対策では専門性やオリジナル性は重要な指標となり、特集ページの掲載は効果的な対策の一つです。
ただし特集ページには明確な差を設けるようにしましょう。仮にすべてのプランで特集ページを制作した場合、差別化が図れずに旅館の特徴を伝えきれません。
また特集ページは旅館のブランディング戦略にもつながるため、現時点でコンセプトが上手に伝えられていない場合はおすすめの方法になります。
旅館の周辺地域を紹介
旅館の周辺地域を紹介するコンテンツは潜在客に対するアプローチとなり、認知度の向上やアクセス数の増加に効果があります。
前述の「季節や料理名などのキーワード選定」にもありましたが、宿や旅館など直接的なキーワード以外にも、集客につなげることは可能です。
特に旅館の周辺地域を紹介するコンテンツであれば、旅館に関係がなくてもコンテンツが表示されるでしょう。なかには旅館に行くつもりがないユーザーの可能性もありますが、逆にコンテンツをとおして旅館に興味をもつ可能性も十分に考えられます。
仮に集客につながらなかった場合でも、旅館の認知拡大にはつながり、後にサイトへアクセスすることもあります。
したがって長期的なメリットではありますが、潜在客に向けて旅館の周辺地域を紹介するコンテンツを発信していきましょう。
よくある質問・お客さまの声を掲載
よくある質問やお客さまの声はユーザーが求めている情報となり、コンバージョン率を高める要素です。
どんなにサイト上に多くの写真があったとしても、実際に旅館へ行かない限りは不安に感じる部分もあります。
そのためユーザーが不安に感じやすい内容を事前に掲載しておくことで、安心して予約に促すことや、予約のキャンセルをなくすことにつながります。
特にはじめて旅館に訪れようとしている人にとって、第三者の意見である口コミは「良い旅館であるか」を判断する重要な指標といえるでしょう。
よくある質問に関しても旅館の丁寧さをアピールすることにつながるため、注意点などを踏まえて積極的に掲載しましょう。
MEO対策
旅館のGoogleマイビジネスでは他の業種と異なり「ホテル向けGoogleマイビジネス」の活用ができます。旅館やホテルなど宿泊施設に特化したサービスとなり、投稿機能がないものの基礎情報として登録できる項目数が特徴です。
ここでは、旅館サイトにおけるMEO対策について詳しく解説していきます。
旅館専用情報の更新
MEO対策として、まずはGoogleマイビジネスの情報を充実させることを意識しましょう。旅館のGoogleマイビジネスでは、基礎情報として以下の項目が設定できます。
- ホテルの設備情報
- 属性を編集する
- ホテルのおすすめポイント
- クラスの評価
- 営業時間
- 料金と予約リンク
- ホテル館内のビジネス
- ホテルをビジネスの「所在地」に設定する
- トラブルシューティング
「Wi-Fiの有無」や「駐車場の有無」などをはじめ、旅館の設備情報や特徴を伝えやすい設計となっています。
通常のGoogleマイビジネスの数倍は情報を掲載できるため、当てはまる内容はかならず更新しましょう。
全部屋の写真を掲載
旅館のGoogleマイビジネスでは、写真の掲載も大切なMEO対策です。
ユーザーからは掲載写真が一覧で表示される仕様のため、非常に扱いやすい点が特徴となります。写真においては10〜20枚を目安に充実させていきましょう。サイト同様にユーザーが求めている写真を選定し、多くのアクセス数を集めることが重要です。
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