リッチコンテンツとは?リッチコンテンツのメリット・デメリットを解説
Web用語としてよく使われる「リッチコンテンツ」ですが、ネット環境やスマートフォンの普及により近年さらに注目が高まっています。リッチコンテンツとは、音楽や動画などの動的な要素を含むコンテンツを指し、テキストコンテンツなどに比べ多くの情報を盛り込むことができます。
リッチコンテンツとは
リッチコンテンツとは、ビデオ・アニメーション・CGなどの動画や、ナレーション・音楽などの音声を利用した動的なコンテンツのことです。多くの情報を盛り込むことができ幅広い表現ができることから、リッチ(贅沢な・豪華な)コンテンツと言われています。
従来の静的なテキストコンテンツや静止画像などとは違い、リッチコンテンツは動画や音声によりユーザーに視覚的・直感的に内容を伝えることができます。
静的なコンテンツでは難しかった、複雑な内容やニュアンス、雰囲気などをより分かりやすく表現することが可能なため高い訴求力が期待できる点がリッチコンテンツの特徴です。
また、リッチコンテンツは表現の幅が広いため、よりコンテンツごとの個性が出やすいのも特徴の1つです。
リッチコンテンツが注目されている背景
リッチコンテンツが近年注目されている背景には、インターネットの普及があげられます。通信環境が高速化・大容量化したため、テキストや画像以外のファイル容量の大きなリッチコンテンツをWebサイト上にのせることが可能になりました。
また、インターネットの普及に伴い、スマートフォンやタブレットも普及し始めました。自宅のパソコンからインターネットにアクセスしていた時代とは異なり、どこでも簡単にインターネットにアクセスできるようになり日常的にWebサイトを閲覧する時間が増えたのです。
今では、学習や買い物などの生活習慣までもがWeb上で行えるようになっているため、リッチコンテンツはもはやユーザーにとって特別なものではなくなっています。こうした背景から、企業も自社製品やサービスをユーザーに深く印象づけるためにリッチコンテンツを利用するようになっているのです。
リッチコンテンツの事例
リッチコンテンツは、動的な表現ができるコンテンツですが大きく分けて主に次の2つがあります。
- 動画コンテンツ
- 漫画コンテンツ
スマートフォンを1人1台持つ現代では、手軽に見られる動画や漫画などのリッチコンテンツが主流です。ここでは、どれぞれ具体的にどういったコンテンツなのかを解説していきます。
動画コンテンツ
リッチコンテンツの中でも比較的身近なものが、動画コンテンツです。動画コンテンツは、その名の通り動画を活用したコンテンツを指します。
通信技術の発達により、モバイル通信速度が向上しスマートフォンで簡単に動画を閲覧することができるようになりました。動画視聴の環境が整ってきていることから、ますます動画コンテンツの需要が伸びてきています。
動画コンテンツの代表的なものが、YouTubeやTikTokなどです。TVCMのような広告として使用したり、解説動画などの文章では説明がしづらい内容を動画で表現するなどの使われ方をされています。
テキストよりも短い時間で多くの情報を分かりやすく伝えることができ、ユーザーにも印象づけることができるため、近年では企業のWebサイト内に動画コンテンツを埋め込むケースが増えてきています。
漫画コンテンツ
リッチコンテンツの中でも、日本ならではの特徴として漫画コンテンツの活用が挙げられます。画像の中でもストーリが展開しているため、動画に近いリッチコンテンツとして注目されています。
漫画はユーザーにとって親しみを持たれやすく、見ただけで内容を把握できるためSNSでもシェアされやすいコンテンツの1つです。内容が難しいものや複雑なものでも、マンガ形式にすることでより分かりやすくユーザーに伝えることが可能なため、マーケティングにおいても注目されているリッチコンテンツです。
また、動画再生を制限しているユーザーに対しても漫画形式でコンテンツを届けられるというメリットもあります。
リッチコンテンツのメリット
近年更に注目を集めているリッチコンテンツですが、具体的にはどのようなメリットがあるのでしょうか。リッチコンテンツのメリットとしては、次の3つがあげられることが多くあります。
- 分かりやすい説明ができる
- ユーザー体験を向上できる
- 他者との差別化ができる
ここでは、リッチコンテンツのメリットを解説していきます。
分かりやすい説明ができる
リッチコンテンツは、テキストや画像だけではなく動画や音楽などの視覚や聴覚的にも印象を与えられるため、ユーザーにより多くの情報を分かりやすく届けることができます。テキストなどでは表現しきれない内容や複雑な内容をリッチコンテンツで提供することで、ユーザーの理解を深めることができます。
特に、ノウハウ系のコンテンツには動画が効果的です。化粧の仕方や料理の作り方など、テキストだけでは実践しづらいような内容も、動画を見ることで簡単に理解することができます。
今では、日常における全ての疑問をネット上の動画で解決できるほど多くの動画コンテンツが存在しています。もちろんジャンルにもよるため、サービスや製品との相性の良し悪しがありますが、ユーザーに分かりやすく情報を伝えるためにはとても効果的です。
ユーザー体験を向上できる
リッチコンテンツは、幅広い表現をができるためよりクリエイティブなアイデアで個性を表現することができます。そのため、これまでのコンテンツとは違った価値や体験をユーザーに提供できるようになりました。
また、リッチコンテンツは見たり読んだりするだけではなく、実際にユーザーにクリックやタップなどの動作をしてもらう「体験」が可能です。Webサイト上で、ユーザーにさまざまな体験をさせることでページの滞在時間を伸ばすことができます。
滞在時間が長くなることで、検索エンジンからユーザーに評価されているページだと判断され、サイト自体の評価も高くなります。このように、リッチコンテンツはユーザー体験を向上させるだけでなく、検索エンジンからの評価向上にも大きなメリットとなります。
他社との差別化ができる
リッチコンテンツでは自由な表現ができるため、より他のコンテンツとの差別化ができるようになります。制作者のセンスによって作成され、他のコンテンツと似ることがなくオリジナリティのあるコンテンツを作成できるため、他社との差別化を図りやすいのもメリットとの1つです。
他商品やサービスとの比較や差別化ポイントを分かりやすく伝えることで、より自社の強みを伝えることができます。また、映像や音楽などを活用して五感に訴えかけることで、強いインパクトを与えることができます。
そのため、ユーザーの印象に残るようなコンテンツを作ることで高いプロモーション効果を期待できます。プロモーション効果を発揮することで、ブランドイメージの向上にも繋がります。
リッチコンテンツのデメリット
さまざまなメリットがあるリッチコンテンツですが、デメリットも存在します。リッチコンテンツを作成する際には、次にあげる3つのデメリットを理解することが大切です。
- 制作コストがかかる
- ページ内の動作が重くなることがある
- コンテンツの質が悪いと離脱に繋がる
ここでは、リッチコンテンツの各デメリットを解説していきます。
制作コストがかかる
リッチコンテンツの制作には、静的なコンテンツに比べコストがかかります。質の高いものや、編集に手の込んだものなどは制作コストが高くつく場合もあります。
テキストコンテンツなどとは異なり、テンプレートがあるわけではなく0からデザイン等を考える必要があります。そのため、リッツコンテンツの作成には工数を要し、作成に必要な技術を持つスタッフも必要になるのでさまざまな面でコストやリソースが大きくなってしまいます。
手の込んだリッチコンテンツになればなるほど、時間・リソース・コストのいずれも必要になるため、簡単に作りたいリッチコンテンツを作れるというわけではありません。
ページ内の動作が重くなることがある
通信技術の発達により普及したリッチコンテンツですが、ユーザー側の通信環境次第ではうまく見てもらえない可能性もあります。動画や音声などを使用している分、ファイル容量が大きくなってしまいます。
その月のデータ通信量が上限に達し、低速度痛有心になっている場合は大容量ファイルの閲覧ができなくなります。また、コンテンツにアクセスする場所や時間によってもページ内の動作が重くなるなど、まだまだ課題はあります。
5Gの到来が注目されるなか、大容量通信に対するハードルが下がったとはいえ、容量を重くしすぎてページ内の動作が重くなってしまっては本末転倒です。そのため、ユーザー体験を阻害しないためにも、必要以上にコンテンツの容量を大きくしないことが大切です。
コンテンツの質が悪いと離脱に繋がる
コンテンツの質が悪いものは、ユーザーの離脱率が高くなってしまいます。コンテンツの表示速度もそうですが、画質や音質などユーザーにストレスを与えないようなコンテンツ作りが必要です。
少しでもユーザーを不快に思わせてしまう要素があると、最後までコンテンツを見てもらうことができず伝えたいことも伝えられません。面白い映画を最後まで見てしまうのと同じように、最後まで見たいと思わせるような工夫が重要です。
離脱されないように、ユーザーが不快と思うポイントがないかユーザー視点に立って作成することが重要です。
リッチコンテンツの注意点
リッチコンテンツを作る際には、情報を詰め込めすぎないよう注意する必要があります。さまざまな表現ができるからと言って、多くの情報を詰め込みすぎるとかえって逆効果になることもあります。
情報量の多いコンテンツは、リッチコンテンツに限らずまとまりのない内容になってしまします。ユーザーに伝えたい内容がぶれてしまい、ユーザー側も内容を理解しづらくなります。
また、情報量を多く詰め込むことにより尺が長くなってしまうと、途中でユーザーが離脱する可能性も高くなります。静的なコンテンツよりも多くの情報を分かりやすく伝えられる点がリッチコンテンツのメリットでもありますが、ユーザーにとって適切な情報量を意識することが重要です。
まとめ