逆SEOとは?基本から逆SEOをされた時の対処法まで解説
SEO対策は、自社のWebページを上位表示させ、潜在顧客とのタッチポイントを増やすメリットがあります。しかし、他のWebサイトに存在する自社サイトの悪口や誹謗中傷が潜在顧客の目に触れれば悪影響をもたらします。
悪影響のあるページの順位を下げることができれば、自社のブランドや商品の利益を守ることができます。
自社の商品に関する小さなミスや粗がSNSによって、切り取られ、拡散されやすい時代になりました。
理不尽なマイナス評価を放置せずに、逆SEO対策を講じることは、自社の商材やサービスを長期的へ導く非常に大切なノウハウになります。
逆SEOとは
逆SEOとは、あるキーワードで上位表示されているWebページを、下位に落とすための対策です。一般的なSEO対策が、自社で運営しているサイトを上位表示させるのに対して、逆SEOは、基本的には他のサイトを下位表示させるように働きかけます。
特に、採用の分野で逆SEOのニーズが高まっています。これは、転職等を目的とした企業クチコミサイトのドメインパワーが強く、「会社名 評判」などで検索した際に、口コミサイトが上位表示されるようになっているからです。
逆SEOと混同されがちなのが、サジェスト汚染です。サジェスト汚染は、「会社名 ブラック企業」「会社名 最悪」「会社名 パワハラ」といった形で、ネガティブな複合ワードが、表示されやすくなってしまう状態を言います。Webページの順位自体を下げる逆SEOとは違うものなので、認識を分けるようにしましょう。
逆SEO対策の目的
逆SEO対策の目的は、大きく2つあります。
- 風評被害から守るため
- 競合に勝つため
以下、説明します。
風評被害から守るため
例えば、「商品名 評判」で検索した際に、誹謗中傷、悪評、デマ、根拠のない情報など載せられたWebページが上位表示されていると、風評被害を受けてしまいます。
逆SEOとは、主にネガティブな情報によるダメージを防ぐ目的で行います。一般的なSEOは、自社のWebページを上位に表示させることしかできません。企業は逆SEO対策も含め、攻めと守りのバランスをうまく取ることで、事業を健全に持続させることができます。
逆SEO対策とは、Webマーケティングにおけるリスクマネジメントと言えるでしょう。
競合に勝つため
競合サイトが、自社の潜在顧客にとってニーズとボリュームのあるキーワードで上位表示されている場合、逆SEOを使って、競合サイトを蹴落す目的で利用するケースも見受けられます。
競合サイトの検索エンジンからの評価を下げることで、相対的に自社サイトの評価が高まり、同じキーワードで競合よりも上位に表示されるようになるからです。
こうした一部の業者が違法、もしくはグレーな逆SEOを行っているため、「逆SEOを受けてしまった」とトラブルを抱える企業が後を絶ちません。
逆SEOはすることも、あれば、されることもあることを念頭に置いておきましょう。
逆SEOの仕組み
逆SEOの仕組とは、言い換えれば、あるキーワードの検索結果に対して、あるWebページの検索順位を狙って下げるメカニズムです。
逆SEOは、検索順位を下げたいページそのものを何か操作するわけではありません。そのWebページが現状維持のままなのに、検索順位が下がる逆SEOが起きるのは、外的な操作によるものです。
言い換えれば、誰しもがあるWebページを、そのWebページをまったくいじらずに、逆SEOできることになります。
仕組みとしては、検索順位を下げたいWebページに対して、検索エンジンに対する評価が実際に下がるような外的操作をします。SEO対策には、内部対策と外部対策があります。逆SEOは、SEOの外部対策を逆手にとって、狙ったWebページの順位を下げる仕組みです。
参考:SEOとは?SEO対策とSearch Engine Optimization(検索エンジン最適化)完全ガイド【2023年最新版】
逆SEO対策の方法
まずはホワイトな逆SEOの手法をお伝えします。ホワイトな逆SEOとは、自前で用意したコンテンツページの順位を上げ、結果的に競合のWebサイトの順位を下げるという方法です。
逆SEOを自社で行い、ライバルになるWebページの順位を下げる正当な方法は、以下の2つになります。
- 競合コンテンツを作る
- 良質な被リンクを自身のサイトに送る
以下、説明します。
競合コンテンツを作る
特定のキーワードで、逆SEOしたいWebページよりも上位に表示されるような高品質のコンテンツを作ることができれば、必然的にそのWebページの順位は下がります。
文字数、記事の読みやすさ、ページの読み込み速度、独自性、効果的なHTMLタグなど、この点は、SEO対策と同じです。
参考:コンテンツSEOとは?【2023年最新完全ガイド】ポイントやメリットと成功事例をご紹介
良質な被リンクを自身のサイトに送る
ドメインパワーの強いサイトから、競合コンテンツを作ることで、任意のキーワードにおける検索順位を下げることができます。
2つのWebページがあり、それらの内容が同質であれば、検索エンジンが良質なドメインと認めているWebサイトのほうが、上位表示されやすいからです。
自社のサイト、運営サイトのページの順位を高め、特定のページを逆SEOする場合は、良質な被リンクを増やすだけでも効果が期待できます。
参考:被リンクチェックツールをご紹介!SEO対策に重要な被リンクとは?
逆SEO対策のグレーまたはブラックな手法
逆SEO対策は、グレーかつブラックな手法も存在します。この手法をおすすめしているのではなく、知っておくことで、被害にあった際に、グレーもしくはブラックな手法の可能性があることを想像し、特定できる可能性があります。
5つの方法をご紹介します。
- 評価の低いサイトからの被リンクを増やす
- コピーサイトを大量に作成する
- サイバー攻撃をする
- DMCAの申請をする
- MEOのクチコミを書き込む
評価の低いサイトからの被リンクを増やす
逆SEOしたいWebページに対して、悪質な被リンクを増やせば、そのWebページも検索エンジンが悪質なWebサイトと見なすようになります。
悪質な被リンクとは、スパムリンクとも呼ばれています。リンク集のみのWebサイト、質の低いコンテンツを有するブログ記事からの被リンクなどが挙げられます。
この対策は非常に敷居が低く行えるため、逆SEOの中で、被害としてされる確率が非常に高いとも言えます。
参考:スパムリンクとは?確認方法と対処法、SEOへの影響について解説
コピーサイトを大量に作成する
逆SEOしたいWebページのコピーコンテンツを大量に作り、様々なドメインから公開するという手法があります。検索エンジンは、どのWebページがオリジナルなのかを判定できずに、コピーがたくさん存在するため、オリジナルのWebページを間違ってコピーコンテンツとみなし、順位を下げる可能性があります。
また、コピーコンテンツが大量に存在するということは、そのコンテンツ自体に価値がないと判断し、すべてのページの順位を下げ、逆SEOへ結びつくことが期待できます。
サイバー攻撃をする
サイバー攻撃によって、サイトの閲覧やユーザビリティを悪化させることで、検索エンジンがそのWebサイトの評価を下げ、逆SEOに結び付ける方法です。
例えば、Webサイトやサーバーに対して、大量の情報を送りつけるDos攻撃、DDoS攻撃が挙げられます。Dos攻撃、DDoS攻撃により、Webサイトへのアクセスがしにくくなり、ネットワークの遅延が起これば、SEOの評価の1つであるページ読込速度のスコアが著しく悪化します。
DMCAの申請をする
DMCAの申請とは、デジタルミレニアム著作権法に準じて、著作権を侵害しているWebページの削除申請することです。GoogleはDMCAの申請を常時受け付けているため、狙ったWebページに対して、DMCA申請して、検索結果から除外してしまうという手段を取るケースが実際に存在します。
また、逆SEOしたいWebページではなく、そのWebサイトの別のページに実際に著作権侵害と思われる内容があった場合、DMCA申請を行えば、検索エンジンに対するサイト自体の価値が下がる可能性があります。ページは削除されなくても、サイト全体の価値が下がれば、検索順位が下がる可能性があります。
参考:DMCAとは?デジタルミレニアム著作権法の侵害への対処方法を解説
MEOのクチコミを書き込む
会社名で検索した際の逆SEOとして、MEO(マップ検索エンジン最適化)の仕組を利用する手法があります。会社名で検索した際、検索結果に、Googleマップ向けの地図エンジンで検索結果が上位に表示されます。
Googleマップの企業情報欄に「クチコミ」があります。このクチコミの評価が著しく低く、企業の評判等が悪い場合、ユーザーは、企業名で検索を掛けた際に、その企業のページではなく、違うページを信用し、内容をリサーチしようとする可能性があります。
すると、その企業ページの検索表示に対するクリック率は自然に下がります。検索エンジンは、その企業ページに対するニーズが低いと認識し、その企業ページの順位を下げる可能性が出てきます。
このように、外的にあるWebページの検索順位を下げる方法はたくさん存在し、これからの検索エンジンの仕組がアップデートする度に、逆SEOの手法も新しいものが生まれてきます。
SEOに関するノウハウは、常に逆SEOのノウハウであることを頭臭い置くことで、より安全なWebマーケティングを保つことができるようになります。
参考:SEOとMEOの違いとは?重視すべきはどちらか詳しく解説
逆SEOの被害を受けたときの対処方法
逆SEOの被害を受けたときの対処方法を6つご紹介します。
- コンテンツをリライトする
- ユーザビリティ向上させる
- サテライトサイトの作成
- コンテンツ削除の申請をする
- 逆SEO被害の専門業者に依頼する
- 弁護士に依頼する
コンテンツをリライトする
逆SEOを受けた際は、まずチャンスと捉えましょう。なぜなら、自社のサイト、WebページをSEO的な観点で見直す機会になるからです。
その中でも、コンテンツをリライトすることは非常に効果的です。投稿した期間からある程度経ったのであれば、狙った検索ワードに対する複合ワードのニーズも変わっている可能性があります。
コンテンツのボリュームをユーザーが必要だと感じる情報量に足しながらも、離脱しないような構成や言い回しになるようにより適切にリライトすることで、検索エンジンの評価は高まっていきます。
すると、グレーかつブラックな逆SEOの被害が消えた際に、被害を受ける前よりも、検索順位が高まり、利益やブランドを高めることにまで繋がっていきます。
参考:リライトとは?作業の流れやSEOの効果を上げるためのポイント
ユーザビリティ向上させる
Googleは、「Google が掲げる 10 の事実」というポリシーの中で、ユーザーの利便性を第一に掲げています。サイトのユーザビリティ向上は、Webページの上位表示に繋がり、逆SEOを受けた際の有効な対策の1つとなります。
タイトルタグの装飾を変えたり、画像を圧縮したり、不要なスクリプトを削除したり、できることは山ほどあるでしょう。
特に、スマートフォンでの閲覧が多いWebサイトの場合は、page speed insightで、モバイルのスコアが高まるように改善することをおすすめします。
参考:ユーザビリティとは?SEOにおける影響とアクセシビリティとの違いなど解説
サテライトサイトの作成
逆SEOを受けたサイトの順位が元に戻ったとしても、逆SEOをしてきたWebサイト自体がある程度の順位に留まっていることもあります。
その場合は、狙ったキーワードで上位表示されるようなサテライトサイトを作ると良いでしょう。サテライトサイトが多くあればあるほど、逆SEOしてきたWebサイトの順位が下げる可能性があります。
サテライトサイトは、デザインや主となるテーマを変え、その中の記事やページの1つとして狙ったキーワードに関するものを含めると良いです。また、サテライトサイトがドメインパワーの強いサイトから被リンクされていれば、より高い順位を獲得する可能性があります。
さらに言えば、サテライトサイト自体が価値を生み、新たな集客の柱になる可能性もあります。逆SEO被害対策だけの目的ではなく、同時に違う課題も解決できるようなサテライトサイトを作る設計をしても良いと言えます。
参考:サテライトサイトの基本を解説!目的や作り方、運用事例など紹介
コンテンツ削除の申請をする
逆SEOとして使われているWebページの運営元を調べ、連絡できる手段があれば、削除申請を行いましょう。逆SEOをしてきた企業が、企業自体の方針ではなく、企業の中いる社員の個人的な判断等で行っている場合、削除申請に柔軟に応じてくれる可能性があります。
もしも、運営元の情報が分からない場合は、「Google上のコンテンツを報告」もしくは「法的な理由でコンテンツを報告する -」から削除に対する申請を行うことができます。
逆SEO被害の専門業者に依頼する
逆SEOを専門としている企業に依頼すると、スピーディーかつワンストップなフォロワーが受けられます。また、逆SEOを専門としている企業は、SEOに対するプロフェッショナルであるケースが多いため、Webサイトの大幅な改善を同時に要らすることもできます。
コンテンツ最適化させて、検索エンジンからの除外要請、サジェスト対といった複数の手法を組み合わせたアプローチで一気に解決したいケースでは、専門業者への依頼が効果的と言えます。
弁護士に依頼する
逆SEO被害に対する専門企業ではフォローアップできない法的な専門知識、法的な手続きが必要な場合は、弁護士に依頼へ依頼して解決することが望ましいと言えます。
弁護士に依頼する際のデメリットは、費用と時間が掛かる点です。逆SEOの被害内容によって、解決の難易度が高くなれば、同時に費用も高まります。また、どんなに処理を早くしても、手続きに時間が掛かるケースが多くあります。
逆SEO被害を弁護士に依頼する場合は、逆SEOの事案を担当した経験のある弁護士に依頼するようにしましょう。
総じて、逆SEOを受けてしまった際の対策は、運営サイトの質を改善・向上させ、サテライトサイトで味方となるサイトを増産、削除申請、専門業者や弁護士への依頼と段階を踏んでいくことになります。
逆SEOのよくある質問
Q:逆SEOって何ですか?
Answer)検索エンジンで任意のキーワードで検索した際に、作為的にあるWebページの検索順位を下げるWebマーケティング施策のことを言います。SEO対策の真逆という意味で、リバースSEOや反対SEOとも呼ばれています。
Q:逆SEO対策は何をするか?
Answer)検索順位を下げたいページと同様のコンテンツを作り、さらに内部対策や外部対策を施すことで、新たに作ったWebページが対象としたWebページよりも、上位表示されるようにします。
新たに作ったWebページを、検索エンジンの評価が高いサイトから被リンクさせることで、対象ページよりも順位の高い位置へ表示させることも、逆SEO対策の1つです。
Q:逆SEOの手法は?
Answer)逆SEOの手法は、他のWebページのSEOランクを高めるホワイトな手法と、下げたいページを妨害するグレー及びブラックな手法の2つがあります。
ホワイトな手法は、Webページのライティングの質を高める、HTMLタグの構造を改善する、被リンクを増やす、離脱せずに滞在時間が長くなるようなユーザビリティを向上させるといったことが挙げられます。
グレー及びブラックな手法とは、逆SEOしたいWebページに、評価の低いスパムリンクを大量に張り付ける、コピーサイトを大量に作成する、サーバーに大量の負荷を掛けるサイバー攻撃を仕掛ける、言いがかりとして著作権侵害を申し立てるといったが挙げられます。
Q:逆SEO対策は自分でできるか?
Answer)はい、逆SEO対策は自分で行うことができます。新たなWebサイト、Webページを生成し、内部対策と外部対策を自分で行うことができれば、対象サイトより上位表示され、逆SEO対策を自身やインハウスで取り組むことができます。
Q:逆SEOの費用はいくらですか?
Answer)逆SEOを専門業者に発注する際の費用は、月額数万円から数十万円が相場になります。低額なプランから取り組み、検索結果の動向を見ながらサービスの内容や施策を変えていくことで、費用対効果の高い逆SEOが実現できます。
まとめ