リフォーム業界の市場規模は、ここ数年間で大きく伸びています。この理由として、2020年に端を発した新型コロナウイルス感染症によって引き起こされた、業務の在宅ワーク化、巣ごもり生活化が関与しています。自宅で過ごす時間が増えたことから、快適に過ごせるように、リフォームサービスを利用するニーズが高まりました。

こうした背景から、リフォーム業界は不況に強いといわれています。さらに、リフォーム事業の開業は参入障壁が低いということも相まって、他業界の大手企業による新規参入が増えています。そのため、リフォーム専門会社としては、ビジネスの戦争で生き残るためにも、SEO対策などで集客を強化する必要があります。

リフォーム会社のSEO対策について解説します。とくに、これからSEO対策に力を入れていくことを検討しているリフォーム専門会社の方は、本記事を参考に集客強化を図ってください。

リフォーム業界がSEO対策すべき理由

リフォーム事業は景気に強く、参入障壁が低いことから、経営の観点から魅力的な業界に映ります。そのため、建設や住宅以外の業種の大手企業がリフォーム事業に参入しています。そして、現在のリフォーム会社には、リフォーム専門、住宅や建設設備メーカー、不動産、小売と、多岐に渡る種類の企業が存在します。こうしたことから、リフォーム専門会社としては、他業種の大手企業に顧客を奪われないように、SEO対策などの集客施策を強化する必要性に迫られています。

景気に左右されにくい

2024年9月に発表された、株式会社矢野経済研究所の住宅リフォーム市場に関する調査結果によって、国内の住宅リフォーム市場は、2020年から本格的に流行したパンデミック下において成長をみせていたことが明らかになっています。

この理由としては、コロナ禍で在宅ワークや巣ごもり生活が余儀なくされ、自宅で快適に過ごしたい需要が増えたためとみられています。また、住宅は時間と共に老朽化が進み、一定期間ごとに軽微な工事が不可欠であることから、不況に強い業界ともいわれています。そして、このリフォーム適齢期は住宅の竣工から8年〜47年ほどとの見方もあります。

コロナ需要の反動が懸念されるも、長期的には市場が伸びるとみられる

その一方で、現在はアフターコロナの時代に突入し、社会全体の生活がコロナ禍の前の姿に戻りつつあります。そして、2024年では、コロナ禍の特需の反動でリフォーム市場規模が縮小すると予測されています。さらに、この反動は、2025年まで続くとみられています。

ただし、株式会社矢野経済研究所では、2026年以降は市場が拡大に転じて、2030年には再び、7兆5,000億円の市場規模に戻るとシミュレーションしています。

リフォーム市場に新規参入が増えている

国土交通省は、リフォーム事業を軽微な工事に位置付けています。そして、リフォームを実施する際には、建設業法の許可を必要としません。さらに、リフォーム事業を開業するためには、特別な許可や資格も不要です。そのため、参入障壁が低い事業とされています。

こうした背景も手伝って、リフォーム市場では、不動産業界や建築業界だけでなく、さまざまな業界から新規参入する企業が増加しています。たとえば、下記のとおり、電機メーカー、小売業界、インフラ業界など生活や暮らしに関連する業界の大手企業がリフォーム事業を展開しています。

リフォーム業界向けのSEOキーワードの例

一般的には、企業ホームページを制作する際には、キーワードを設定してSEO対策をします。そこで、リフォーム会社のホームページに相性がよいキーワードをご紹介します。あわせて、検索回数や検索結果の情報を交えて詳しく補足の説明をしていきます。

関連記事：SEOキーワードの選び方とは

結論だけ先に書いておくと、リフォーム会社のホームページでは、地域キーワードの設定がもっとも効果的といえます。次いで、検索ボリュームが大きいリフォーム対象の部位のキーワードが重要となってきます。

※本項目で記載する検索ボリュームは、原則として2024年10月単体のもの

リフォームの類義語や同義語

リフォームとは、老朽化した建築物の一部を改善するための工事のことです。工事といっても、軽微な工事と位置付けられています。一方、リノベーションとは、建築物に新たな機能や価値を付与するための工事のことで、リフォームよりも規模が大きい工事に該当します。さらに、リフォームやリノベーションで工事する部位をわけて、内装工事、外装工事といった言葉を用いることもあります。そのため、検索ユーザーは、目的に応じて、下記のように検索キーワードを使い分けます。

「リフォーム」のキーワードの検索結果では、リフォーム会社の案内ページがもっとも目立ちました。ついで、「おすすめリフォーム会社○選！」といったポータルサイトのまとめ記事が露出しています。一方、そのほかのキーワードでは、「リノベーションとは？」といった用語の解説記事が大半を占めています。このことから、検索ユーザーは、それぞれの用語を混同していることがうかがえます。つまり、「リフォームや工事会社を探したい」だけでなく、「リフォームとリノベーションの違いを知りたい」といった検索ニーズもあるということです。

リフォームの部位名

一般的に、住宅のリフォームを検討する際には、どの部位を改善したいのかが明確になっています。そのため、検索ユーザーは、自宅の部位のキーワードとセットでリフォーム会社を探します。

まず、室内キーワードの検索結果をみてみると、リフォーム案内ページが目立ちました。とくに、住宅の全方位の部位に強い、株式会社LIXILや株式会社カインズなど、大手企業がほぼすべてのキーワードで上位表示しています。このほか、それぞれの部位に特化したリフォーム会社が露出しています。たとえば、「トイレ リフォーム」のキーワードでは、大阪府で活動するトイレリフォーム専門事業者の住設ショップRELIVEが上位表示しています。その一方で、室外キーワードの結果では、解説記事が目立っています。そして、その発信元をみてみると、リフォーム会社のサイト、ポータルサイトが大半を占めています。

リフォームの具体的な部位名

さらに、検索ユーザーは、具体的な部位をキーワードにして検索するケースもあります。

検索結果では、それぞれの部位をリフォームする方法を解説する記事がもっとも目立っています。この理由としては、検索ユーザーが「住宅をリフォームしたい」という思いがありつつも、「DIYでリフォームしたい」という検索意図があるものと推測されます。そして、この結果からは、具体的な部位のキーワードにおいては、自社の知見を活かしたコラム記事を作成するとSEO対策で効果的であることがわかります。

リフォームにかかる費用

その一方で、リフォーム会社を探すことを前提とする場合、検索ユーザーは、リフォームにかかるコストをキーワードにして検索することがあります。

検索結果をみると、すべてのキーワードでリフォームに必要な費用相場を伝える解説記事が並んでいます。発信元別では、大手リフォーム会社のサイトとポータルサイトが半々で露出がみられます。そのため、リフォーム専門会社としては、ロングテールキーワードを交えつつ、キーワードを設定するなど工夫しないと上位表示は困難といえます。

住宅の種類や言い回し

検索ユーザーは、住宅の種類や言い回しを指定して検索をかけることがあります。

検索結果では、リフォーム会社の案内ページや費用の解説記事などが上位表示しています。とくに、「マンション リフォーム」や「リフォーム 戸建て」のように建築物が明確なキーワードでは、リフォーム会社のページが多くみられました。一方、「家 リフォーム」や「住宅 リフォーム」のように、ざっくりとしたキーワードの場合、各種メディアの解説記事、官公庁の助成制度のページなど、さまざまなニーズに対応する情報記事が散見されました。

地域キーワード

実際にリフォームを依頼するとなると、自宅の周辺エリアがサービス圏内となっている必要があります。そのため、検索ユーザーは、自宅周辺の地域名をキーワードにしてリフォーム会社を探します。

検索結果では、地域検索に強いポータルサイトが目立ち、次いでリフォーム会社の案内ページが露出しています。リフォーム会社のページの発信元をみると、地域密着型のリフォーム専門会社が多数、上位表示しています。とくに、市区小村以下の地域名をキーワードにした場合、大手リフォーム会社よりもリフォーム専門会社の方が上位表示しやすい傾向がみられます。さらにいうと、「リフォーム 柏」のように郊外の地域であるほど、その傾向が顕著になっています。こうした結果からは、地方で活動するリフォーム専門会社にとっては、地域キーワードを設定することがもっとも重要だとわかります。

リフォーム業界で効果的なWEB集客の手法

リフォーム会社がWEB集客することを検討したとき、下記のような施策が効果的です。

そして、こうした集客テクニックは、建設業界全般で効果があります。建設業界における、別業種のSEO対策に関しては、別途で解説記事を設けています。建設業界のSEO対策に対する知識を深めたい方は、あわせてチェックしてください。

リフォーム会社をGoogleビジネスプロフィールに登録する

Googleビジネスプロフィールとは、各地域に立地する施設や店舗情報をGoogleマップなどに載せるサービスのことです。Googleビジネスプロフィールにアクセス後、無料でリフォーム会社の情報を登録できます。そして、この施策のことをMEO対策といいます。詳しくは、下記リンク先の記事で解説しています。

関連記事：Googleビジネスプロフィールとは？

リフォーム会社の情報をポータルサイトに掲載する

リフォーム関連のキーワードで検索すると、口コミサイトや施設の検索サイトといった、ポータルサイトが上位表示することがあります。そのため、自社の情報をポータルサイトに掲載すると、自社サイトに対するアクセスの流入源の確保につながります。まず、リフォームや住宅情報に特化したポータルサイトとしては、下記のようなものがあります。

さらに、他業種の商品やサービスを扱いつつも、リフォーム会社の情報も掲載している大手比較サイトとしては、次のようなメディアが存在します。

YoutubeチャンネルでDIYリフォーム情報を発信する

リフォームは、建築物を改装するサービスですので、動画コンテンツと相性がよいです。とくに、リフォーム前後のビフォーアフター、または昨今で流行しているDIYの工程を動画で伝えるといった使い方が可能です。そして、こうした動画コンテンツを配信する、リフォーム事業者のYoutubeチャンネルには下記のようなものがあります。

※表中のチャンネル登録者数は、2024年11月現在のもの

このうち、むらたかずREホームチャンネルでは、DIYの工程を伝える動画コンテンツが人気で、100万回再生を超える配信動画が多数あります。そして、下記の動画の場合、261万回再生（2024年11月現在）にまで達しています。

一方、生活堂でかんたんリフォーム by ライフワンは、ネット専業の大手リフォーム店舗の生活堂が運営するチャンネルです。生活堂は、ネット専業を謳うだけあってWEB施策に長けており、検索結果でも多数のキーワードで上位表示しています。これからWEB施策を強化したいリフォーム会社にとっては、同店のYoutubeチャンネルの運用方法が参考になります。
 

よくある質問（Q＆A）

リフォーム業界のSEO対策に関する、よくある質問をまとめています。
 

まとめ

近年のリフォーム業界の市場規模は、増加傾向にあります。そして、リフォーム業界は、不況に強い、または参入障壁が低いという2つの特徴をあわせ持ちます。こうしたことから、暮らしや生活関連の業界を中心にリフォーム事業に乗り出す大手企業が目立っています。そのため、リフォーム業界では、顧客の奪い合いが激化している状況が続いています。とくに、リフォーム専門会社の方は、本記事を参考にして、自社にとって適切なSEO対策を取り入れてください。

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