WordPressでSEOを強化する方法とは?おすすめプラグインも紹介
WordPressでWebサイトを運営し始めたものの、検索上位に表示されず効果的なSEO対策を行いたいと考えている方も多いのではないでしょうか。WordPressのSEO対策では、自分で対策する方法からテーマやプログインを導入する方法など複数の手法があります。
WordPressとは
WordPress(ワードプレス)とは世界中に数あるCMS(content management system:コンテンツ管理システム)の1つです。
WEBサイトはHTMLでコーディングすることで作ることができますが、1ページずつコーディングするよりもテンプレートを用意したシステムを導入することで、より早く、より正確にコンテンツを量産することができます。
WordPressでは最初から必要な機能が数多く備わっていますので、何も設定しなかったとしても一定の効果が出ることもお勧めのポイントです。
圧倒的シェアを誇るWordPress
上図はUsage statistics of content management systems|W3Techs より引用いたしました。
これを見てわかる通り、2021年6月時点でWordPressはCMSの中で65%のシェアを誇り、すべてのWEBサイトの中では約42%が利用されています。これは他のCMSと比較しても圧倒的で、名実ともに間違いなく一番使われているツールといえます。
WordPressがSEOに強いのは嘘
ではWordPressがSEOに特別に強いのかというと、そういうわけではありません。2019年5月にTwitter上で次のようなやり取りがありました。
Does google give ranking boost to html website compare to those website made on WordPress???
A Page is a page. |
これを訳すと次の通りです。
ワードプレスで作られたサイトと比較してHTMLで作ったサイトは上位表示されますか?
ページはページだ。 |
話題になったのは回答者がGoogleのジョン・ミューラー氏だからです。
回答の通り、WordPressだから強い弱いではなく、シェア率が非常に高いので検索結果で上位に表示されているように見えたのでしょう。
WordPressのSEOを強化するには
WordPressは、導入した初期状態では十分なSEO対策がされていません。そのためWordPressのSEOを強化するには、運営者自身でSEO対策を行う必要があります。また、WordPressのテーマ設定やプラグインの導入も、SEO強化の効果的な方法となります。
ここでは、WordPressのSEOを強化する方法について詳しく解説していきます。
SEOに強いテーマを導入する
WordPressのSEO対策の中で最もおすすめの方法が、SEOに強いテーマを導入することです。
WordPressには7,000種類以上のテーマがありますが、テーマによってSEO対策の内容に違いがあります。そのため、Webサイトを検索上位に表示させたい場合には、SEO対策がしっかりと行われているテーマを選ぶことが大切です。
SEOに強いWordPressテーマの基準は、以下になります。
- ページを読み込む速度が早い
- スマホ対応している
- 最初からパンくずリスト・SNSシェアボタンが設置されている
- 内部対策が行われている
テーマを設定した場合、必要なSEO対策を一括で行えることがメリットとなります。
SEO対策が最初から設定されているテーマであればSEOに強いといえるため、テーマの導入前には対策項目を確認しましょう。
SEOに強いプラグインを導入する
足りていないSEO対策に絞って行いたい場合には、SEOに強いプログインの導入がおすすです。
テーマを設定する場合は良くも悪くも一括でSEO対策を行うことになります。そのため、結果的にWebサイトの読み込み速度が遅くなる場合がありますが、プラグインの導入であればWebサイトへの負担を減らすことが可能です。
またSEOに強くないテーマの場合も、必要なプラグインを導入することで対策を補うことができます。テーマのデザイン性は気に入っているがSEOでは劣る部分があるときは、プラグインを有効活用しましょう。
SEO対策を強化する
WordPressではテーマやプラグインを導入しなくても、自分でSEOを強化できます。自分でSEO対策をする場合のメリットは、Webサイトの表示速度に影響を与えないことです。
テーマやプラグインはWordPressの拡張機能のため、どうしてもWebサイトに影響を与えてしまいます。しかし、自分でSEO対策を行えばWebサイトへの負担を極力なくすことにつながるため、テーマやプラグインを導入した場合よりも影響がありません。
ただ、自分で全ての設定を行わなければいけないため、WordPressに関する知識が必要です。もし、自分で設定がすることが厳しいと感じるようであれば、テーマやプラグインの導入をおすすめします。
SEOに強いWordPressの無料テーマ3選
WordPressにあるテーマの中でも、SEOが考えられている無料テーマは数多くあります。また、有料テーマに匹敵するほど機能面が充実しているものもあるため、費用をかけずに対策したい場合には特におすすです。ここでは、SEOに強いWordPressの無料テーマを3つに絞って詳しく解説していきます。
Cocoon
Cocoonは多くのユーザーが導入しており、WordPressの中では1位2位を争う人気のテーマです。
Cocoonの特徴として、最新の機能面や必要なSEO対策が標準装備されている点が挙げられます。有料テーマ並のカスタマイズ性も強みとなり、無料テーマながら独自性を持ったWebサイトが制作できます。
また多くのユーザーが導入していることもあり、Cocoonの設定方法を解説した記事が多くあるのも安心できるポイントです。初めてWebサイトを運営される方や、WordPressの知識がない方にも扱いやすいテーマだといえます。
Xeory
コンテンツマーケティングを強みとしているバズ部によって開発されたテーマです。サイト型の「Xeory Extension」とブログ型の「Xeory Base」の2テーマが用意されており、個人・企業のWebサイトを問わずに活用しやすいのが特徴となります。
またSEO対策だけにとどまらず、Webサイトからの問い合わせを考えられたサイト設計など、マーケティングに強いバズ部の特徴を最大限に引き出したテーマであるといえます。特にコンテンツマーケティングを考えている場合にはおすすめのテーマです。
LION BLOG
LION BLOGはプログインがなくても十分なSEO対策が施されており、スタイリッシュなデザインに定評がある無料テーマです。モバイル端末を高速で表示させるAMPにも対応し、ページの読み込み速度にも問題点がないことも強みとなります。
しかし2018年の2月でLION BLOGのアップデートが止まっているため、今後も更新がないようであればセキュリティ面が弱まっていくと考えられます。有料版ではありますが、LION BLOGの後に開発された「THE THOR」も評判が良いため、気になる方はぜひチェックしてください。
SEOに強いWordPressの有料テーマ3選
有料テーマの場合SEOに強いだけでなく、無料テーマと比べて扱える機能の幅が格段に広がります。特にアフィリエイトで成果を出している方の多くは有料テーマを活用しているため、Webサイト運営に本気で取り組くことを考えている方は必見です。ここでは、SEOに強いWordPressの有料テーマを3つに絞って詳しく解説していきます。
JIN
JINはアフィリエイトで成果を上げている「ひつじさん」によって制作されたテーマです。基本的なSEO対策はもちろんのこと、シンプルながら閲覧ユーザーに見やすい設計のサイトデザインが特徴となります。
また定期的な最新機能の追加やアップデートも行われ、ブロガー目線での使いやすさを意識している点が強みといえます。テーマによってはカスタマイズできる項目が多すぎるがために扱いづらいこともあるため、シンプルながらSEOに強いテーマを求めている方にはおすすめです。
SANGO
「心地よいWordPressテーマ」をコンセプトに、鮮やかな色彩で優しい印象を与えるデザインのテーマです。内部SEOやスマホ対応もしっかり対策されており、40種類以上の見出しデザインやボタンなど機能面の充実度も魅力的なポイントです。
また、SANGOはTwitterで1万人のフォロワー数がいる「サルワカくん」によって制作され、SANGOの公式Twitterなどのサポート体制にも定評があります。有料の中では11,000円(税込)という安めの価格設定のため、初めて有料テーマを考えている人にもおすすめです。
ACTION(AFFINGER 6)
AFFINGER6は有料テーマの中でも使用率が高く、アフィリエイトに特化したテーマです。サイトデザインや機能面など、カスタマイズできる部分が多くオリジナル性を高めやすい点が特徴となります。
しかし、機能面のカスタマイズが多すぎて使いこなせないや、AFFINGER6専用のプログインが必要となる点は初心者の方からするとデメリットと考えられます。
とはいってもSEOの検索上位にある数多くのWebサイトで使われているテーマでもあるため、本気でアクセス数を増やしたい場合や、Webサイトの収益化を目指していきたい場合におすすめできるテーマです。
WordPressのSEOを強化するおすすめプラグイン5選
プラグインの中には有料版もありますが、SEO対策に特化したプラグインの場合は無料版が多いことが特徴です。またどれか1つを導入すればSEO全般の対策が可能なため、Webサイトに適したプラグインを選択し導入しましょう。
ここでは、SEOに強いWordPressのプラグインを5つに絞って詳しく解説していきます。
All in One SEO
All in one seoは無料でありながら、SEO対策に必要な要素をほとんど満たしているプラグインです。
主な機能は以下になります。
- タイトル・メタタグ設定
- サイトマップ設定
- AMP設定
- SNS設定
- noindex設定
- Robots.txt設定
中でもサイトマップ設定ではGoogle XML サイトマップを自動で送信することができるため、多くのコンテンツを扱っている運営者にとってインデックスの効率化につながります。
Webサイトを開設したばかりの方であれば、まずはAll in one seoを導入すれば問題ないといえるほど優れたプラグインです。
Premium SEO Pack
Premium SEO Packは無料と有料の2パターンがありますが、おすすめは設定できる機能の幅が広がる有料プランです。他のプログインと比べても、具体的なSEO対策に対応している点が特徴となります。
主な機能は以下になります。
- Google Analytics設定
- CSS・JavaScriptのコード設定
- サイトマップ設定
- タイトル・メタタグの一括設定
- エラーページ設定
中でも検索順位やページの読み込み速度など、Webサイトの詳しい解析を行える点が強みといえます。上級的なSEO対策も網羅したいと考えている場合におすすめのプログインです。
Yoast SEO
Yoast SEOは世界中で使用されているプログインとなり、無料版でも十分なSEO対策が可能です。アップデートの頻度も多いため、最新機能を即座に実装できる点が特徴となります。
主な機能は以下になります。
- タイトル・メタタグ設定
- サイトマップ設定
- パンくずリスト設定
- SNS設定
- SEO分析機能
- コンテンツ分析機能
コンテンツ分析機能では、コンテンツ内のキーワード量やユーザー目線の読みやすさを分析できます。表面的なSEO対策だけでなく、SEO対策において重要なコンテンツの質を対策できる点もYoast SEOの魅力的なポイントです。
The SEO Framework
The SEO Frameworkは自動でSEOの最適化を行える無料のプログインです。基礎的なSEO対策から網羅しており、100項目以上の機能を備えている点が特徴になります。
主な機能は以下になります。
- タイトル・メタタグ設定
- サイトマップ設定
- SEO分析機能
- AMP設定
- SNS設定
SEO分析では、簡単な操作でSEO対策の不足している部分を認識できます。例えば、記事のタイトルにキーワード対策が行われていなければ色で識別する仕組みです。ひと目で不足箇所が分かる点は、他のプログインにはない強みだといえます。
Rank Math
SEO対策全般を網羅しており、コンテンツごとにSEOのスコア表示が可能な無料のプログインです。有料版がないため機能の制限はなく、視覚的に分かりやすいSEOのスコア表示から、必要なSEO対策を判断できる点が特徴となります。
- Google Search Consoleの連携
- タイトル・メタタグ設定
- サイトマップ設定
- SEOスコア表示機能
- リダイレクト設定
他のSEOに強いプラグインとは違い、Rank Mathではリダイレクト機能がある点も扱いやすい特徴です。中でもSEOのスコア表示であればSEOの知識がなくても対策を行えるだけでなく、Rank Mathから学び知識の定着につながる点も魅力的なポイントとなります。
WordPressのSEOを強化できる10のポイント
- パーマリンク設定
- URLの正規化
- noindex設定
- レスポンシブ設定
- タイトル、meta description
- パンくずリスト
- 内部リンク・関連記事
- XMLサイトマップ
- サイト高速化
- コメントスパムの対処
WordPressではテーマによってSEO対策が不十分の場合や、SEOに強いプラグインを導入できない場合があります。そのため、テーマやプログインに頼らずに自分で対策を行う場合があることも覚えておきましょう。
ここでは、WordPressのSEOを強化する10の対策について詳しく解説していきます。
パーマリンク設定
WordPressで最初に設定すべき項目の1つにパーマリンクがあります。他の項目は後から設定変更しても影響が少ないものがほとんどですが、コンテンツを配信した後にパーマリンクを設定することでURLが変わり、ページ評価が変わってしまう可能性があるためです。
設定できる項目は以下の6つですが、特別な理由がなければカスタム構造で /%category%/%postname%/ のようにカテゴリと投稿名を繋げるだけで良いはずです。
基本 | /?p=123 |
日付と投稿名 | /2021/06/22/投稿名/ |
月と投稿名 | /2021/06/投稿名/ |
数字ベース | /archives/123 |
投稿名 | /投稿名/ |
カスタム構造 | 自由設定 |
パーマリンク設定が検索順位に影響することはほとんどありませんが、管理のしやすさ、分析のしやすさなどから初期設定から変更することをお勧めいたします。
URLの正規化
URLの正規化とはURLのwwwの有無やindex.htmlの有無などを統一して評価分散を防ぐ方法のことです。
.htaccessに追記することで簡単に設定できますが、初期設定である以下の記述内に追記してしまうと更新などの際に内容が書き換わる可能性がありますので、初期設定の前後に入れるようにしてください。
# BEGIN WordPress
<IfModule mod_rewrite.c> RewriteEngine On RewriteBase / RewriteRule ^index\.php$ – [L] RewriteCond %{REQUEST_FILENAME} !-f RewriteCond %{REQUEST_FILENAME} !-d RewriteRule . /index.php [L] </IfModule> # END WordPress |
noindex設定/低品質なコンテンツをインデックスさせない
SEO対策では低品質だと思われるコンテンツがある場合、検索エンジンに認識されないようインデックスから拒否することが効果的です。なぜなら、低品質なコンテンツがインデックスされているとWebサイト全体の評価を落としてしまう可能性があるからです。
インデックスから拒否するには、「noindex」や「canonical」をheadタグ内に記載しましょう。検索エンジンに認識させることで該当するページをインデックスから外し、検索結果に表示されない状態になります。
もし自分の中で低品質だと感じてしまうコンテンツがある場合は、一度インデックスから拒否してみることをおすすめします。再度コンテンツの見直しやリライトを行い、高品質なコンテンツをインデックスさせていきましょう。
レスポンシブ設定
WordPressでサイトを設計する場合には必ずテーマが必要になります。現在のWordPressテーマではほとんどがレスポンシブに対応していますのでモバイルでも表示が崩れたり、おかしくなったりすることはないはずです。
しかし、オリジナルのテーマを利用した場合や大きなカスタマイズをした場合にはレスポンシブにならないことがあります。
この場合にはプラグインを使うか、デバイスで切り分けて.htaccessでURLを設定するなどが必要です。
タイトル、meta description
WordPressではコンテンツを作る際にタイトルを入力する項目があるためタイトル設定で迷うことはないと思いますが、meta descriptionはテーマによっては分かりづらい箇所に項目があったり、設定自体できないことがあります。
タイトルもmeta descriptionもSEOには重要な要素ですので他のページと被らないように設定する必要があります。もし設定項目が内容であれば後述するプラグインなどを使うべきです。
パンくずリストを設定する
Webサイト内のパンくずリストの設置は、閲覧ユーザーに対してナビゲーションの役目を果たすため、SEOに効果的です。
例えば、ユーザーがコンテンツ内の内部リンクを複数回クリックした場合、Webサイト内で現状の位置を見失う可能性があります。しかしパンくずリストが設定されていれば、現状の位置をひと目で判断することができ、ユーザービリティの向上につながります。
また、クローラーがWebサイトの階層や構造を判断するのにも役立つため、必ず設置することを推奨します。
関連記事: パンくずリストとは?設置メリットと設置方法
関連記事の内部リンクを設定する
Webサイト内に関連性の強い記事がある場合は、積極的にリンクを設置しましょう。関連記事の内部リンクを設置することは、閲覧ユーザーに向けて他の記事をアピールするだけでなく、効果的なSEO対策の1つです。
特に、すでに検索上位に表示されている記事からのリンクは効果的となり、リンク先のページ評価を高めることにつながります。
リンクを設置する際に特別な対策をする必要はありませんが、ユーザーが見やすい箇所の設置を意識しましょう。文字装飾やリンクカードの設定も効果的な方法となります。
関連記事: 内部リンクとは?SEO強化のための内部リンクのポイント
サイトマップを送信する
SEOの中では検索エンジンのクローラーに向けた対策があり、中でも重要なのがサイトマップの送信です。クローラーとは、インターネット上にあるWebサイトをインデックスするために巡回をしているロボットのことをいいます。
通常、クローラーは新しく公開されたページを1つずつ巡回し、インデックス登録を行っています。したがって、ページを公開してからインデックス登録されるまでは数日かかることが一般的です。
しかしサイトマップを作成し、自分から新規ページの情報を検索エンジンに伝達できれば、通常よりも早い時間でインデックスの登録処理が行われます。またクローラーにとっても発見しやすい、良いWebサイトであるという判断につながり、結果的にSEOに効果的な対策となります。
関連記事: サイトマップにSEO効果がある!?実はリスクがあるサイトマップ
ページの読み込み速度を高速化させる
サイト高速化はユーザビリティの観点で非常に重要な施策ですが、コアウェブバイタルという点でもSEO効果が見込めます。
よく指摘されるのが画像の軽量化ですが、キャッシュ設定、HTMLやcssの最小化など細かいものであってもプラグインで簡単に設定できることがあります。
ページの読み込み速度は、WordPressのSEOを強化するためには欠かせない要素です。特に、テーマやプラグインを導入している場合には注意しましょう。なぜならSEOに効果的であると思って導入している場合でも、気づかぬ間にWebサイトに負荷を与えている可能性があるためです。
Webサイトに負荷がかかっている場合、特に影響を及ぼしやすいのがページの読み込み速度となります。
仮にテーマやプログインが原因でページの読み込み速度が遅い場合は、以下の対処が効果的です。
- テーマやプラグインを削除または変更する
- コンテンツ内で使用している画像を圧縮する
- キャッシュを残すプラグインを導入する
読み込み速度はできるだけ早めに対処し、ユーザーにストレスを与えないWebサイトを目指しましょう。
関連記事: ページ表示速度を早くする
コメントスパムの対処
WordPressは非常に普及していますのでスパム対策も必要です。
コメントスパムが大量に来ることがありますので自動的にスパムを削除してくれるプラグインを入れることもよいですが、そもそもコメント自体を閉じることで余計な手間をなくすことができます。
まとめ