ペイデイローン・アップデートとは?具体的な影響や対応など解説
近年、Googleの検索アルゴリズムは頻繁に更新されており、その中の1つに「ペイデイローン・アップデート」があります。
ペイデイローン・アップデートとは?
ペイデイローン・アップデートはGoogle検索アルゴリズムの変更の1つで、低品質なスパムリンクやキーワードの詰め込みなど、検索結果を不正に操作しようとするSEO手法に対して対策したものです。特に金融・ギャンブル系など、スパム行為が多い業界を対象としています。
経緯
これまで、ペイデイローン・アップデートは3度おこなわれています。また、ペイデイローン・アップデート2.0がおこなわれた際には、ほぼ同時期にパンダ・アップデート4.0も実施されています。ちなみに、パンダ・アップデートとは品質の低いコンテンツを検索結果に表示されにくくすることを目的としたアルゴリズム更新のことです。
- 2013年6月 ペイデイローン・アップデート0
- 2014年5月 ペイデイローン・アップデート0(パンダ・アップデート4.0)
- 2014年6月 ペイデイローン・アップデート0
参考ページ: パンダアップデートとは?低品質コンテンツを避ける方法と改善の方法
名称の由来
ペイデイローン・アップデートという名称は、Googleが公式に発表しているものではありません。SEO業界でそのように呼ばれるようになったというものです。
もともとの由来は、アメリカにある「ペイデイローン」です。この金融商品は、給料日前後に短期で借りられる小額融資のことです。手軽に借りられるローンですが高金利なため返済に困る人も多く、以前から問題視されていました。
一方でインターネットでは、金融・ギャンブル系のキーワードは、上位表示されると売上に直結しやすい性質があるため、スパムが蔓延しがちでした。そこでGoogleは、こうした状況を改善する目的でアルゴリズムの更新を実施。SEO業界内で、その背景から「ペイデイローン・アップデート」と呼ばれるようになったのです。
ペイデイローン・アップデートが検索ランキングに与える影響
ペイデイローン・アップデートは、Googleが特定の高リスクな金融商品やギャンブル業界などで多発していたスパム行為や不正なSEO手法をターゲットにした検索アルゴリズムの変更です。
そしてこのアップデートの結果、低品質なコンテンツや明らかなスパム的要素を含むWEBサイトは、検索結果の順位を大きく下げたり、完全に除外されました。一方で、正確で信頼性のある情報や高品質のコンテンツを提供するWEBサイトは、この更新によって高い評価を受けやすくなったのです。
ただし、このアップデートの影響は、特定のキーワードや業界に限定されており、一般的なキーワードでSEO対策を行っている多くのサイトには直接の影響はほとんどありません。
自社サイトが影響を受けたかを知る方法
金融業界などのWEBサイトを運営している人にとっては、自社WEBサイトがペイデイローン・アップデートの影響を受けたのかどうか気になると思います。そこで、このアップデートの影響を受けているかどうかを確認する方法をお伝えします。
方法1.検索エンジンからの流入を確認
Google Analytics(GA4)などのWEB分析ツールを使用して、検索エンジンからの訪問者数を確認してください。2014年5-6月の前後で、突然のトラフィックの増減がないかを確かめます。検索エンジンからの訪問者数に大幅な変動がある場合、アップデートの影響を受けている可能性があります。
参考ページ : Googleアナリティクス4とは?導入方法や初期設定・基本的な機能の使い方を解説
方法2. サーチコンソールの確認
Googleから「WEBサイトがガイドラインに違反している」と判断された場合、サーチコンソールを通じて運営者に警告が送られます。多くの場合この警告には、違反内容と対処法が明記されています。
警告が届いているということは、WEBサイトがペナルティを受けているということですから、運営者は警告内容を真摯に受け止め、ガイドラインを遵守した対策を講じる必要があります。
参考ページ: Google Search Consoleとは?グーグルサーチコンソールの導入方法と使い方を解説
ペイデイローン・アップデートへの対応
自社WEBサイトがペイデイローン・アップデートの影響を受けている場合、ユーザーが求める情報を提供し、不正リンクを取り除くなどの対応が必要です。そこでここでは、対応策を整理してお伝えします。
ユーザー志向のコンテンツを提供
WEBサイトでは、ターゲット顧客が求めている情報を提供する必要があります。このようなユーザー志向のアプローチは、検索エンジンのランキングを向上させるだけでなく、ユーザーの満足度や信頼性を高めることにつながります。
例えば、自社が金融商品を扱うWEBサイトを運営していたとします。このサービスが単に融資の金額や金利の情報だけを記載している場合、ユーザーは競合サイトとの違いを感じにくいものです。しかし、自社のWEBサイトで「借入時の注意点」や「返済計画の立て方」、「金利の仕組み」など、ユーザーが融資を考える際に知りたい情報をあますことなく提供できれば、多くのユーザーから信頼の高いWEBサイトだと評価されやすくなります。
このように、ユーザーのニーズを考え、それに応えるコンテンツを提供することが、ペイデイローンアップデートの対策にも直結します。
不正リンクの排除
リンクはWEBサイトの信頼性や権威性を示す指標の1つとして検索エンジンに評価されます。しかし、すべてのリンクが価値を持つわけではありません。購入するなどして不正に取得されたリンクや関連性の低いリンクは、むしろWEBサイトの評価を下げる原因になります。したがって、もし不正リンクを取得している場合は、それを排除するようにしてください。
例えば、自社が金融系のWEBサイトを運営しているとします。この場合、業界の専門家や信頼性の高い金融情報サイトからリンクをえられていれば、検索エンジンから高く評価されます。
一方、福祉やアイドルなど異業種のWEBサイトからリンクをえていたり、リンクの購入サービスを利用する場合、ペナルティを受けるリスクがあります。
このように闇雲に多くのリンクをえることを考えず、リンクの質に注目し、関連性と信頼性の高いWEBサイトからリンクを獲得するようにしてください。
参考ページ: スパムリンクとは?確認方法と対処法、SEOへの影響について解説
スパム行為の排除
スパム行為とは、検索エンジンのアルゴリズムをだまそうとする対策のことです。例えば、WEBサイトに文脈とは関係のないキーワードを大量に詰め込む「キーワードスタッフィング」や、ページの背景色と同じ色でキーワードを目立たないようにする「隠しテキスト」などが該当します。
こうした手法はユーザーと検索エンジンを欺く行為で、Googleのガイドラインに違反しています。WEBサイトがペナルティを受ける原因となるため、こういったことは避けなければいけません。検索結果で上位に表示されるには、ユーザーにとって価値のあるコンテンツを提供することを心がけてください。
ペイデイローン・アップデートのよくある質問
ここでは、ペイデイローン・アップデートについてよくある質問をとりあげ解説します。
Q:このアップデートはどのようなサイトに影響しますか?
Answer)Googleのペイデイローン・アップデートは、主に金融やギャンブル関連の検索結果を改善するためのアルゴリズム変更です。そして、ユーザーにとって有益でないと判断されたサイトは検索結果が下落します。
具体的には、過剰なキーワードを詰め込んでいるWEBサイト、質の低いコンテンツを提供しているWEBサイトなどが対象です。アルゴリズム変更の影響を受けている可能性がある場合、ユーザー視点の運営に切り替えてください。
Q:サイト品質を向上させるには?
Answer)東京SEOメーカーでは、WEBサイトの品質を向上させる際にもっとも重要なことは、ユーザーのニーズに応じた価値あるコンテンツを提供することだと考えています。価値あるコンテンツとは、情報が正確で最新であり、ユーザーが求めている問いにズバリ答えることができるもののことです。
ただし、コンテンツだけでなく、技術的なSEOの最適化も重要です。これには、サイト構造の整理や内部リンクの最適化、モバイルフレンドリーなデザインの採用、ページの読み込み速度の向上などが該当します。このようなユーザーエクスペリエンスを向上させる要素にも注目してください。
Q:影響を受けた場合、どう対策を講じるべき?
Answer)不正なリンクやスパム的なコンテンツは、サイトの信頼性やユーザーエクスペリエンスを低下させます。そのため、これらの要素を徹底的に取り除くことが必要です。そのうえで、ユーザーの求める情報提供をおこなってください。
Q:このアップデートは定期的におこなわれますか?
Answer)Googleは、ユーザーにとってもっとも関連性の高い結果を提供することを目指して、検索アルゴリズムの更新をおこなっています。この中で、ペイデイローン・アップデートも例外ではなく、その変更は複数回にわたってリリースされてきました。しかし、ペイデイローン・アップデートの具体的な更新頻度やタイミング、予定などについては公表されていません。
Q:金融業界以外のサイトが影響を受ける可能性は?
Answer)ペイデイローン・アップデートは、金融やギャンブル関連の検索結果の品質向上が主な目的です。しかし、基本的にはGoogleのアルゴリズム全体の更新がおこなわれています。そのため、金融などの分野以外でも、Googleのガイドラインに違反するようなSEO手法を用いているWEBサイトは影響を受ける可能性があります。
今回指摘したような、大量のキーワードを詰め込む行為、隠しテキストの使用、低品質リンクの大量取得などの不正なSEO対策をおこなっているWEBサイトが対象となりえます。どの業界であってもこういった行為は避けるようにしてください。
Q:不正をしていないのにランキングが低下したら?
Answer)不正行為をしていないのに、ペイデイローンやその他のアップデートの影響を受けた場合、まずは状況を整理してください。最初に、WEBサイトのトラフィックやランキングが実際に下降しているのかGoogle Analyticsやサーチコンソールで確認します。その後、サーチコンソールでペナルティ通知が届いていないかもチェックしてください。その他、サイト内のコンテンツ、リンク、技術的要因などを検証し、問題点や改善点を特定していきます。
ただ、自社だけでこういった問題を解決することは困難なことも多いため、SEOの専門家に個別コンサルタントを依頼することを検討してください。当社のお問い合わせフォームからご連絡いただければ、適切なご案内をすることもできます。
まとめ