オウンドメディアにYouTubeを使うメリットは?動画の使い方や注意点など
オウンドメディア運用に、YouTube動画を活用する企業も増えています。なぜオウンドメディアに、記事だけでなくYouTubeも利用するのでしょうか?
オウンドメディアはYouTube動画で集客を強化できる
オウンドメディアの集客方法は記事だけではありません。実はYouTube動画も、オウンドメディア集客の方法の1つです。
オウンドメディアは、SEOと呼ばれるマーケティング手法で、検索からのサイト訪問を増やすのが一般的です。しかし年々、SEOは記事だけで流入を獲得できるほど簡単にはなっておらず、SNSや動画などと組み合わせて集客の幅を広げる動きが進んでいます。
さらに記事だけでは伝えづらい内容も、YouTubeを使って補完することも可能です。そこで、オウンドメディアにYouTube動画を用いるメリットについて紹介します。
オウンドメディアにYouTube動画を利用するメリット
オウンドメディアにYouTube動画を利用するメリットは、主に以下の6つが挙げられます。
- 動画検索から流入を獲得できる
- YouTubeから流入を獲得できる
- サイテーションを増やせる
- 文字だけよりも記事を読んでもらいやすくなる
- 短時間で多くの情報を伝えやすい
- YouTubeからも広告収益を得られる
動画検索から流入を獲得できる
動画をオウンドメディアに掲載することで、インターネットの動画検索から流入を獲得できるのがメリットです。
たとえばGoogleには、検索ボックスのタブの1つに「動画」があります。ここで「パソコン おすすめ」と検索して「動画」のタブを選ぶと、次のような画面が表示されます。
こちらからページをクリックすれば、動画を掲載したオウンドメディアに遷移できます。このように、動画に絞って検索流入があるのも、オウンドメディアに動画を埋め込むメリットです。
YouTubeから流入を獲得できる
YouTubeで企業アカウントを運用すれば、そこから流入を獲得できます。流入経路を増やせるのも、YouTube運用ならではのメリットです。
オウンドメディアで記事のみを投稿していれば、基本、流入元はインターネットの検索結果しかありません。サイトの検索結果は200以上にも及ぶGoogleのアルゴリズムが決めていますが、こちらは日々修正されています。そして年1,2回の大型アルゴリズムアップデートが実行されると、検索順位を大きく落とすオウンドメディアもあるのです。
つまりオウンドメディアの流入が検索からしかない場合、Googleのアルゴリズム次第で大きく集客力を落とすことになります。一方でYouTubeも運用していれば、たとえ検索結果からの流入を落としても、YouTubeにオウンドメディアのリンクを貼っていればそこから訪問を獲得できます。
このようなリスク管理の観点からも、YouTubeから集客を獲得できるメリットは大きいのです。
関連記事:Googleのアルゴリズムとは?
サイテーションを増やせる
YouTubeを企業アカウントで運営すれば、サイテーションを獲得できる機会が増えます。サイテーションはSEOでも重要な施策なので、YouTubeの運用が鍵になります。
サイテーションとは、企業名や店舗名などをインターネットやSNSなどで書き込む行為です。この指名検索が増えるほど、検索結果の上位に表示されやすくなるといわれています。
YouTubeでは、視聴する際に運営チャンネルも見る人が大半なので、企業名や店舗名でアカウントを運用すれば名前が認知されることになります。そこからインターネットでサイテーションが増えれば、オウンドメディアの強化にもつながるのです。
関連記事:サイテーションの意味とSEO効果
文字だけよりも記事を読んでもらいやすくなる
現代では読書量の低下やスマートフォンの発達などにより、昔に比べて全体的に読解力が低下しています。つまり文字だけの記事は読んでもらいにくく、そこで活躍するのがYouTube動画です。
動画であれば、集中しなくても情報を得られます。文字だけの記事よりも、動画があったほうがユーザーにとって障壁が少なくなるのです。記事の滞在時間が短かったり、直帰率が高かったりする場合は、コンテンツを充実させるためにYouTube動画の埋め込みを検討してみるのもおすすめです。
短時間で多くの情報を伝えやすい
短時間で多くの情報を伝えられるのも、動画ならではのメリットです。記事は文字で伝えるのが基本ですが、動画はイラストやナレーションなど多角的な伝え方が可能なので、短い時間で多くの情報を伝えられます。
記事の文字数が長くなりすぎて読者にとって負担になっている場合は、最初にYouTubeの動画を埋め込むのもおすすめです。導入部分に動画を挿入すれば、読者の負担を減らせるので、記事も読まれやすくなります。
YouTubeからも広告収益を得られる
YouTubeのアカウントは、いくつかの基準を満たすと広告収入を得られるようになっています。YouTubeからも収入を得られるのは、企業にとって大きな魅力です。
なお、YouTubeから広告収入を得るには「YouTubeパートナープログラム」への参加が必須です。また「チャンネル登録者数」や「コンテンツのクオリティ」などYouTubeの基準を満たすことで、動画に広告を挿入できるようになります。
ただしYouTubeに広告を貼り付けるのは簡単ではなく、厳しい基準を満たす必要があります。そのためコンテンツのクオリティを向上させたり、継続して投稿したりするなどの工夫が必要です。
オウンドメディアにYouTube動画を埋め込む方法
オウンドメディアにYouTube動画を埋め込む手順について紹介します。それほど難しい方法ではなく、簡単にYouTube動画を埋め込めます。
- 埋め込みたい動画を開く
- 動画下の「共有」を選ぶ
- 「埋め込む」を選び「コピー」を選択してコードをコピーする
- オウンドメディアの記事投稿画面で、埋め込みたい場所にコードを貼り付ける
オウンドメディアの仕様によっては、YouTubeのURLを貼るだけで動画を埋め込めることもあります。そのため詳しくは、オウンドメディアの管理マニュアルを確認しましょう。
成約率・リピート率を上げる動画コンテンツの使い分け
動画はむやみやたらと埋め込めば成果が出るものではなく、コンテンツに応じて使い分けることが重要です。そこで成約率・リピート率を上げるための、動画の使い分け方を紹介します。
- 記事には「解説動画」で内容を補完する
- ランディングページには「商品紹介動画」で視覚情報を伝える
- 過去の実績には「インタビュー動画」で信頼を高める
記事には「解説動画」で内容を補完する
オウンドメディアの記事には、その内容と関連する「解説動画」を入れるようにしましょう。文字だけでは伝えづらい情報を、解説動画で補完するのが理想の流れです。
特におすすめなのが、最初に記事と同じような内容の解説動画を埋め込むことです。まず解説動画でコンテンツについて説明し、詳しい解説は記事で紹介します。そうすると、まずユーザーにとって障壁の少ない動画で大方の内容を理解してもらい、そこで説明しきれなかった細部の内容を記事で読んでもらえるのです。
また滞在時間も上がるため、SEO対策でもプラスに働きます。1つのコンテンツをより充実させたい場合は、動画と記事を組み合わせるのもおすすめです。
ランディングページには「商品紹介動画」で視覚情報を伝える
商品・サービスを売るためのランディングページ(LP)には「商品紹介」のYouTube動画を埋め込みましょう。なぜなら文字だけでは、商品の具体的な利用シーンをイメージしづらいからです。
文字だけで商品・サービスの魅力を訴求されても、具体的な利用シーンがイメージしづらければ購入意欲は減ります。また購入後に役に立たない商品・サービスでないか、顧客は不安に感じているのです。
そこでランディングページでは、実際に商品を利用したYouTube動画を挿入します。そうすれば顧客の不安を払拭でき、成約まで至る可能性も高くなるでしょう。
過去の取引実績には「インタビュー動画」で信頼を高める
オウンドメディアに過去の取引実績を入れるならば「インタビュー動画」を挿入しましょう。文字だけでは信用されづらい取引実績も、インタビュー動画なら信憑性を高められます。
一般的に企業は、新規顧客から信頼を獲得するために、なるべく有名な取引先との実績を多く載せようとします。これ自体が悪いのではありませんが、取引実績を載せるオウンドメディアが多いため、決め手にするのは少々難しいのです。
そこで取引実績に信憑性をもたせるのに役立つのが「インタビュー動画」です。実際に取引先に商品・サービス利用の感想をインタビューすれば、文字だけで伝えるよりも信憑性が増します。
受注金額の割引や報酬の支払いなどを条件に、取引先にインタビュー動画の取材を依頼するのも、新規顧客からの信頼獲得に有効な方法の1つです。
オウンドメディアにYouTubeを活用する際の注意点
オウンドメディアでYouTube動画を埋め込む際は、いくつか注意点があります。YouTubeを始めるときは前もってリスクを知っておくことも大切なので、ぜひ参考にしてください。
- YouTube動画制作には専門知識とリソース確保が必要
- YouTubeの中途半端な運用は企業にマイナスイメージを与える
- 音楽を載せる場合はJASRACからの許諾が必要なケースも
YouTube動画制作には専門知識とリソース確保が必要
YouTubeの動画制作には、専門知識とリソース確保が必要です。YouTube自体は無料で運用できますが、知識とリソースを準備するための追加費用が発生するので注意しましょう。
YouTubeの動画を1本投稿するには、動画の構成を考えて専用の機材を用意し撮影、そのあと編集して公開する必要があります。これらのどの作業も素人にできるものではなく、ある程度の知識・経験や、専用の人材の確保が不可欠です。
そこで動画編集のみを外注して、運用している企業も多くいます。しかし結局のところYouTube動画のために社内でリソースを確保する必要があるので、前もって必ず調整するようにしましょう。
YouTubeの中途半端な運用は企業にマイナスイメージを与える
YouTube動画はリソース確保や公開までの工程に時間がかかることから、質の低いコンテンツを出していたり、投稿頻度が少なかったりする企業があります。このようなYouTubeの中途半端な運用は、かえってオウンドメディア運用にマイナスになる可能性があるので注意しましょう。
YouTubeを含めたSNSでは、企業アカウントは基本、継続を前提に進めるものです。顧客も取引先の選定で依頼先のSNSを見るケースが増えており、そこで中途半端な運用がされているとマイナスなイメージをもたれる可能性も高くなります。
そのためYouTubeを運用するからには、前もって必要なリソースを確保し、また動画公開の計画を立てるようにしましょう。
音楽を載せる場合はJASRACからの許諾が必要なケースも
オウンドメディア運用では珍しいケースですが、音楽の動画を埋め込むにはJASRACの許諾が必要なケースもあるので注意しましょう。
具体的には、法人や個人が制作したYouTubeの音楽コンテンツを、収入を目的とするオウンドメディアで埋め込む際はJASRACの許諾が必要です。無断でYouTubeの音楽コンテンツをオウンドメディアに掲載すると、権利侵害として最悪、損害賠償請求を受ける可能性があります。
JASRACへの許諾申請は手間がかかるので、オウンドメディアにはなるべく音楽コンテンツを載せないのが吉です。
YouTube以外にも活用したいSNS3選
YouTube以外にも、オウンドメディアと組み合わせたいSNSを3つ紹介します。
Twitterは140文字(全角)まで文字や画像などを投稿(ツイート)できるSNSです。拡散性の高さが魅力的で、コンテンツを広めたいときにTwitterが便利になっています。
特に「リツイート」と呼ばれる、ツイートを再びツイートできるのがTwitterの特徴です。一度ユーザーに注目されればツイートが拡散されやすいので、企業にとっても宣伝しやすい媒体といえます。
一方で拡散性も高いことから、炎上リスクももっとも大きいSNSです。そのためTwitterの運用には、細心の注意を払いましょう。
画像や動画の投稿に特化したSNSが「Instagram」です。アパレルや旅行など、視覚で訴えかけやすいコンテンツを取り上げる企業にはぴったりのSNSとなっています。
特に「ハッシュタグ(#)検索」と呼ばれる検索方法が、Instagramの特徴です。「#○○(商品・サービス名)」のように調べて、商品・サービスの購入を決めるユーザーも多くいます。そのため企業にとって、Instagramは対策必須のSNSといえます。
主にビジネス目的で使われることが多いのが「Facebook」です。Twitterと同様、文字や画像、動画などを投稿できるプラットフォームです。
ビジネス目的で使われることも多いため、企業アカウントで運用すると顧客からの信頼を獲得しやすくなります。ビジネス関連の交流も活発なSNSなので、集客の幅を広げたい企業はぜひ運用したいプラットフォームです。
関連記事: SNS運用のメリットは?企業に合ったSNSや運用の注意点など