オウンドメディア集客の方法とは?メリット・デメリットも合わせて解説
近年、注目を集めているマーケティング施策の一つとしてオウンドメディアが挙げられます。とはいっても「オウンドメディアで本当に集客できるのか不安…」と悩まれている方も多いのではないでしょうか。
基本的にはコンテンツ発信が軸となりますが、複数の集客方法を組み合わせることで効率良く集客効果を得られます。
オウンドメディアの集客とは?
オウンドメディアとは自社で保有するメディアのことを指し、ユーザーに役立つコンテンツ発信によって見込み客へアプローチする施策となります。
そのためオウンドメディアの集客とは、ターゲットとなるユーザーからのアクセスを集め、見込み顧客を獲得することです。
具体的には自社の商品やサービスに興味を持っているものの、実際に購入したことはないユーザーに向けて有益な情報を発信します。そしてオウンドメディアにあるコンテンツを通し、アクセスしてきた見込み客を最終的には自社のファン・顧客へと育成する流れです。
集客が必要な理由
オウンドメディアを活用した集客が必要な理由は、消費者心理の多様化によって、集客方法が変化しているためです。
従来までは広告を出稿することで、一度に多くのユーザーへアプローチでき、効率良く顧客獲得を行えていました。
しかし近年ではユーザーが広告を嫌悪する傾向が強まり、企業としても複数の集客手法をかけ合わせることが一般的となっています。もちろん現在でもリスティング広告やSNS広告といったWeb広告も有効ですが、従来よりもユーザーの反応は悪いといえるでしょう。
そのため広告のみに絞ることなく、オウンドメディアを活用して顧客からの行動を促すインバウンドマーケティングが重要となります。
オウンドメディアで集客するメリット
オウンドメディアでは見込み顧客の獲得が主軸となりますが、他にも既存顧客へのアプローチやユーザー分析など、多くのメリットがあります。またアクセス数が増加することで、広告収入という新たな収益を得られる点もオウンドメディアの強みといえるでしょう。
ここでは、オウンドメディアで集客するメリットについて解説していきます。
既存顧客へのアプローチ
オウンドメディアでは見込み顧客だけでなく、既存顧客へアプローチが行える点が強みです。
企業として売上を増加させるためには、新規顧客はもちろんのことリピーターの獲得も欠かせません。
とはいっても一般的な集客方法の場合、新規顧客と既存顧客へは別の施策を行なう必要があります。しかしオウンドメディアではコンテンツが蓄積されるため、顧客のフェーズが異なる場合でも、それぞれに適した情報発信が可能です。
そのため一つのマーケティング施策で、新規顧客とリピーターの獲得を行える点がメリットになります。
アクセスデータによるユーザー分析
オウンドメディアとアクセス解析ツールを連携させることで、アクセス情報から詳細なユーザー分析が可能となります。
現代ではインターネットを活用したマーケティングが軸となるため、ターゲットとなるユーザー情報は重要な要素です。性別や年代、そして住んでいる地域を知ることで、効果的なアプローチが行えるでしょう。
そのためオウンドメディアだけでなく、他のマーケティング施策においても活用できる点が強みとなります。
広告掲載による収益化
オウンドメディアでアクセスが集まるようになれば、広告を掲載し収益を得ることが可能です。
収益を得られる広告例はこちら。
- 純広告
- ネイティブ広告
- アフィリエイト広告
ただしオウンドメディアとして有益な情報を発信している以上、過度な広告の表示はユーザーを不快にする可能性があります。
したがって広告を掲載する際は、閲覧するうえで迷惑に感じない範囲内で行いましょう。
オウンドメディアで集客するデメリット
近年は競合サイトの増加や検索アルゴリズムのアップデートにより、オウンドメディアで検索上位に表示することは簡単ではありません。また発信するコンテンツによっては企業イメージを悪化させる可能性があります。
ここでは、オウンドメディアで集客するデメリットについて解説していきます。
成果を出すまでの難易度が高まっている
オウンドメディアでは主に検索エンジンからの流入が軸となるため、SEOで検索上位に表示させる必要があります。
しかし近年では企業・個人問わずに多くのサイトが存在し、検索上位化することは難しいといえるでしょう。またSEOの順位を決めるアルゴリズムは日々アップデートを行っており、最新情報にもとづく対策は欠かせません。
したがってオウンドメディアで成果を出すまでの難易度が高く、簡単には成功できないことがデメリットとなります。
運用管理に人的リソースを割く必要がある
オウンドメディアを運用するには、サイト管理やコンテンツ制作、そして効果検証など行なうべきことが多くあります。
通常のコーポレートサイトであれば一人で運用することも可能ですが、オウンドメディアでは運用管理に人的リソースを割くことが必須条件です。
従業員数の多い企業であれば問題ありませんが、規模の小さい企業では大きな負担となるため、自社内で完結させる以外にも外注するなどの選択をとりましょう。
低品質なコンテンツはイメージが悪くなる
オウンドメディアにおいて、サイトの良し悪しを決める主な要素はコンテンツの質です。アクセスしてきたユーザーは、自分にとって役立つコンテンツがあれば会社に興味をもち、いずれは商品やサービスの購入へとつながるでしょう。
しかし質の低いコンテンツが多い場合、かえって企業イメージが悪くなることもあり、集客に逆効果となることも考えられます。
そのため情報を発信する以上、企業としての専門性や信頼性を伝えられる内容を意識し、企業イメージを損ねないように対策しましょう。
オウンドメディアの集客方法
オウンドメディアへ集客を行なうためには、以下のような方法があります。
- SEO対策
- Web広告
- SNS運用
- 動画コンテンツの活用
- インフルエンサーの起用
- プレスリリース・メルマガ配信
- オフライン集客
費用発生の有無、アプローチできる顧客層など集客方法によって特徴は異なるため、一つに絞るのではなく複数を組み合わせることも効果的です。ここでは、オウンドメディアの集客方法について解説していきます。
SEO対策
SEO対策では検索エンジンに向けてオウンドメディアの最適化を図り、検索結果での上位表示を目的とします。
具体的な施策内容はこちら。
- 検索キーワードから検索意図を分析し、最適なコンテンツ制作を行なう
- オウンドメディアのサイト構造を整え、クローラーが巡回しやすい状態を整える
- 外部サイトからの被リンク獲得を狙い、コンテンツの拡散を行なう
上記はSEO対策の一部となり、すぐに実施できるものから長期的な対策が必要なものまで多岐にわたります。
簡単に成果を出せるわけではありませんが集客方法の軸となるため、SEO対策はかならず取り組むようにしましょう。
Web広告
Web広告は出稿費用を支払う必要があるものの、ユーザーの属性や検索キーワードなど、詳細なターゲット選定が可能な集客方法です。
Web広告の種類はこちら。
- リスティング広告
- ディスプレイ広告
- リターゲティング広告
- アフィリエイト広告
- 動画広告
- SNS広告
一度サイトへアクセスしてきたユーザーへ再アプローチを行なうリターゲティング広告、出稿する媒体によっても特徴が異なるSNS広告など、Web広告にはさまざまな種類が存在します。
広告によってはユーザーからの反応が悪い場合もあるため、できるだけ自社のターゲットへ明確にアプローチできる種類を選択しましょう。
関連記事: SEOとリスティング広告の違いとは?集客の最大化を図る使い分け方を解説
SNS運用
SNS運用はオウンドメディア同様にユーザーにとって有益な情報を発信し、見込み客をサイトへ誘導する集客方法です。
オウンドメディアと違う点は、ユーザーとのコミュニケーションの取りやすさや、アプローチできるターゲット層になります。
そのため、SNS運用とオウンドメディア運用を両立すれば多くのユーザーへアプローチでき、効果的な集客を行えるでしょう。
ただし成果を出すためには長期的な対策が必要となり、オウンドメディアと両立する際は、コンテンツの質を高く維持することが重要です。
関連記事: SNS広告の種類と運用時の注意点からポイントまで徹底解説
動画コンテンツの活用
近年では動画を活用したプロモーションが増加していることもあり、YouTubeやTikTokといった動画プラットフォームが充実しています。(厳密にはSNSに分類されるが今回は動画コンテンツとして解説)
また従来よりも動画制作を行いやすい環境となり、どの企業でも簡単に取り組める点が特徴といえるでしょう。業種によって動画との親和性は左右されるものの、画像やテキスト以上に印象を与えやすく、短い再生時間でも十分に効果を得られる点がメリットです。
今後も活用の幅は広がると予想されるため、新しい集客として取り組む際はおすすめの方法となります。
インフルエンサーの起用
動画コンテンツと同様に、近年ではインフルエンサーを起用したプロモーションも活用されることが多い集客方法です。
インフルエンサーとは影響力の強い人物のことを指し、主にSNSで多くのフォロワーをもつユーザーを指します。
オウンドメディアの集客におけるインフルエンサーの活用は、以下の点がメリットです。
- 多くのユーザーへアプローチ可能
- 宣伝要素が少ないユーザー目線での発信
- インフルエンサーのファンに向けたアプローチ
フォロワーのなかには一定数のファンがいるため、扱う内容次第で多くの見込み客を獲得できます。しかし関連性が低いとマイナスイメージを与えやすいため、インフルエンサー選びは慎重に行いましょう。
プレスリリース・メルマガ配信
プレスリリース・メルマガ配信はオウンドメディアとの相性が良く、活用しやすい集客方法といえるでしょう。
プレスリリースとは報道機関に絞った情報発信のことを指し、2次拡散で多くのWebメディアから取り上げられることもあります。そのためオウンドメディアの認知度向上を目的とした場合はおすすめの方法です。
メルマガ配信では、すでに自社について興味を持っているユーザーをターゲットに情報発信を行います。見込み客と既存顧客を分類して配信することで、ターゲットに響きやすいアプローチが可能です。
このように同じ情報発信の手段だとしても、プレスリリース・メルマガ配信では特徴が異なります。使用目的やタイミングにも違いがあるため、オウンドメディアの状況をふまえたうえで活用しましょう。
オフライン集客
基本的にインターネットを活用した集客方法について紹介してきましたが、実店舗や紙媒体を活用するオフライン集客も選択肢の一つです。
特に実店舗を活用した集客は、顧客と直接的にコミュニケーションを取れる点が強みになります。SNSでもコミュニケーションは取れますが、リアルな場で会っている・いないでは、伝えられる情報量や信頼性は雲泥の差といえるでしょう。
そのため顧客とのつながりを強くしたい場合や短期間でファンへと育成したい場合には、オフライン集客を活用する方法もおすすめとなります。
オウンドメディアの集客を成功させるポイント
オウンドメディアで集客を成功させるには、以下のポイントを押さえましょう。
- 集客目的から集客方法を考える
- ユーザーの検索意図に沿う
- 運用体制を整える
- ツールを活用した効果検証
各々、解説していきます。
集客目的から集客方法を考える
集客を成功させるために最も重要視すべきことは、集客を行なう目的から集客方法を考えることです。
仮にオウンドメディアの集客目的が、自社について認知のない顕在層へのアプローチであれば、効果的な集客方法はSEO対策となります。しかし顧客のファン化を軸とする場合には、SNS運用やメルマガ配信といった集客となるでしょう。
オウンドメディアでは集客方法が多岐にわたるため、明確な目的を見据えたうえで適正となる集客方法の実施が重要です。
ユーザーの検索意図に沿う
オウンドメディアで重要となる有益な情報発信では、検索ユーザーが求めている情報を提示し「役立つ情報が掲載されているサイト」という価値を伝えることが重要です。
そのためには検索意図からユーザーのニーズを把握し、どのような情報を求めているのかや、どのような情報があればより役立つかを考えましょう。
またユーザーにとって有益な情報であればSEOからの評価も高く、検索上位に表示されやすくなります。さらなる見込み客の獲得へとつながるため、コンテンツ制作において検索意図に沿うことは大切なポイントです。
関連記事: SEOにおける検索意図の重要性!調べ方から利用方法まで
運用体制を整える
オウンドメディアで集客するデメリットでも触れましたが、運用管理には人的リソースを割く必要があります。そのため事前に必要となる人材を確保し、運用体制を整えるようにしましょう。
特にオウンドメディアでは日々のコンテンツ制作が軸となるため、制作にかかわる人材確保は必須です。仮に運用体制が整わければ更新頻度は定まらず、コンテンツの質も低くなってしまいます。
どうしても人的リソースが足りないようであれば、外注ライターの活用やコンサルタントへの依頼など、オウンドメディアのプロを活用することもおすすめです。
ツールを活用した効果検証
最後に紹介する成功のポイントが、ツールを活用した効果検証です。
オウンドメディアで集客するメリットにもある通り、ユーザー分析はマーケティング施策において重要な情報となります。
適切なターゲットからアクセスを集められているのか、ユーザーが最初にアクセスしたページから離脱している割合はどの程度か、サイトをより成長させるためには効果検証が必須です。
近年では分析ツールも増加し非常に扱いやすいため、定期的に基本となる情報を確認し、問題点や改善点の発見につなげていきましょう。