アウトバウンドリンクとは?SEO効果の出る効率的な使い方
アウトバウンドリンクとは、自社のウェブサイトから外部のウェブサイトへ向けて張るリンクのことを指します。SEOの観点では、インバウンドリンク(被リンク)が重視されがちですが、アウトバウンドリンクも同様に重要です。
アウトバウンドリンクはユーザーに補足情報を提供したり、参照元を明示したりするために利用され、サイトの信頼性を高める役割を果たします。また、適切に使用することで、検索エンジンからの評価を向上させ、結果的に自社サイトの順位を上げる効果も期待できます。
アウトバウンドリンクとは
アウトバウンドリンク(OBL、Out Bound Link、発リンク)とは、自社サイトから外部のサイトへ向けたリンクのことです。反対に外部サイトから自社サイトへのリンクはインバウンドリンク(In Bound Link、被リンク)と呼ばれます。SEOを意識した場合、被リンクの量と質を確保することが重視されがちですが、アウトバウンドリンクもSEOに影響します。
アウトバウンドリンクは専門用語の説明、事例や画像の参照元、引用、他社サイトの紹介などの際に利用され、ユーザーに対して説明の補足を促したり、出典元を明らかにすることで根拠を明示したりする際に使われます。
アウトバウンドリンクは被リンクが重視された2010年代には自社サイトの評価を他サイトに受け渡すことになるという理由で使わないことという対策がなされていましたが、現在では必要があれば積極的に使うことを推奨されています。特に効果のある使い方は質の高いサイトに対してリンクを張ること、リンクを張る際のアンカーテキストはリンク先の内容と合わせることの2つです。
アウトバウンドリンクのSEO効果
アウトバウンドリンクは自社サイトから他サイトにリンクを張ることです。他サイトに導線を作ることになるため、ユーザーの離脱につながる可能性はあります。しかし、Googleはユーザーファーストを意識したサイトを高く評価する傾向にあるため、ユーザーに対して意味のあるアウトバウンドリンクを設置することはサイトの評価を高め、検索順位の向上が見込めるため結果的には自社サイトにとってプラスに作用します。
効果的なアウトバウンドリンクの使い方には次のようなものがあります。
- ユーザー体験の向上:数値の出典、引用元の明記など信頼性を高めるために使う場合や紹介したツールへのリンクのように利便性を高めるために使う場合に評価されます
- 関係性の強化:自社サイトと関連性の高いリンクを設置することで、検索エンジンに業界やテーマとのつながりの強さを伝えることができます
逆を言えば、ユーザー体験を阻害するリンクやユーザーのためにならないリンク、関連性の薄いリンクは設置することでマイナス評価を受けてしまう可能性があるため、アウトバウンドリンクを貼る必要がないということになります。
リンク先サイトの品質の高さ
リンク先はユーザーがクリックして訪問するだけの勝ちがあるサイトでなければなりません。その意味では、リンク先のサイトの品質の高さはアウトバウンドリンクを張るに値するかどうかという判断基準になります。
アウトバウンドリンクは単に張ればよいというものではなく、自社サイトと関連性が高く、十分に信頼できるサイトです。例えば、数値や統計情報などであれば国の機関が公開しているデータであれば信頼性の高いものであり、コンサルティング会社が配布しているレポートも根拠が明確で信用できるものが多い傾向にあります。大学論文や業界の第一人者のサイトも権威性が高く品質の高いものが多いといえます。
反対に信頼性や権威性の低いサイトとしては、運営者がわからないメディア、個人ブログ、根拠の明示のない数値などが挙げられます。Wikipediaに掲載のあるページは個人が勝手に書き換えることができるという点では信頼性が薄いものの、記載内容には根拠が明示されているものが多く、アウトバウンドリンクまで加味すると総合的には高い品質だと評価されていると考えられます。
リンク先サイトとアンカーテキストの一致率
リンクをする際に「詳しくはこちら」や「more」のようなものを見ることがあります。話の流れでそうなることもあれば、前後の文脈からリンク先が何かが明らかにわかることもあるため、一概にNGとはいえませんが、SEO効果を狙うのであればアンカーテキストに何を使うのかは検討の余地があります。
検索エンジンは「こちら」だけではリンク先の中身が理解できません。前後の文脈から判断できることもありますが、やはりサイト管理側がリンク先を明示することでリンク元とリンク先の関係性が読者に伝わります。また、アンカーテキストに書かれている内容とリンク先の内容が大きくずれていれば、ユーザーにも読者にも嘘をついていることになり、評価されません。
適切なアンカーテキストとは、次の3つを満たす物のことです。
- 長さが適切
- キーワードが適度に入っている
- リンク先の記事の中身がわかる
よくアンカーテキストに記事のタイトルがそのまま使われることがありますが、これは最適化された記事のタイトルには文字数は長くても30文字前後、キーワードを入れて端的に記事概要をまとめているからです。
また、画像でのリンクの場合にはアンカーテキストを入れることはできませんが、それでもalt属性にアンカーテキストを入れることで検索エンジンに対してリンク先の情報を伝えることができるため効果的です。
アウトバウンドリンク設置時の注意点
前述したとおり、アウトバウンドリンクにはSEO効果があり、リンク先の質の高さとアンカーテキストを意識することで自社サイトの評価を上げることができます。
しかし、アウトバウンドリンクを設置すれば検索順位を上げると考えるのは少し違います。検索エンジンはユーザー体験を意識しますので、ユーザーにとってプラスに作用するサイトであれば高く評価します。その評価項目の1つがアウトバウンドリンクというだけですので、暗にリンクを付けることが順位に直結するというのは大きな誤解です。
具体的には次のようなサイトへのアウトバウンドリンクの設置はマイナス評価を受けます。
- 関連性の低いWEBサイト
- 低品質なWEBサイト
- 悪質なWEBサイト
また、リンク先には問題がなくとも、自社サイトが次のようなことを行うこともNGです。
- 常識では考えられない数のリンクを設置する
- リンクの見返りに金銭を要求する
総じて、SEOの観点で見ると不自然なアウトバウンドリンクは避けるべきであり、ユーザーのことを意識した結果、設置したほうがよいと判断できるリンクを置くべきだといえます。
アウトバウンドリンクによるペナルティ
Googleは有害サイトに対してペナルティを設けており、極端に悪意のあるサイトの評価を大きく下げることがあります。通常は無理な被リンク集めやリンク購入などGoogleが禁止している事項に抵触した場合にペナルティを受けますが、アウトバウンドリンクであってもペナルティを受けてしまう可能性はあります。
アウトバウンドリンクの設置によりペナルティを受けるケースは稀ですが、正しいアウトバウンドリンクの設置方法と対処法を知っておくことはWEB管理者としては重要です。
アンカーテキストの確認
アウトバウンドリンクが原因でペナルティを受けてしまった場合、最初に場所の特定をする必要があります。ページ数が少ない場合や該当箇所に思い当たるところがあれば目視確認することもできますが、ページ数が多くなるにつれ、該当箇所がわからなくなることが普通です。
そのため、Screaming Frog SEO Spiderのようなツールを使ってサイト内のページ情報を一括で抽出することを推奨します。
該当リンクを処理する
削除すべきアウトバウンドリンクが見つかれば削除すれば問題ないのですが、リンク先を載せたのには載せただけの理由があるはずです。そのため、削除をすることで記事を書き換えなければならないケースやリンク先を残したいケースもあるはずです。
例えば、セキュリティ系の記事で怪しいサイトや危ないサイトを見かけたので注意喚起のためや検証のために具体的にサイトを紹介したケースや良いものと悪いものを比較したため出典元として両方を掲載したケースなどが該当します。
また、金銭を受け取ってアウトバウンドリンクを設置することはGoogleの禁止事項にあたりますが、広告と明記して掲載したアウトバウンドリンクは問題ありません。掲示板のようにユーザーが自由に書き込みをできる場合で悪意のあるユーザーがリンクを張り付けるケースもありえます。
上記のような場合はすべてnofollowを使うことで解消することができます。nofollowとはリンク先をクロールしないようにGoogleに指示するためのHTMLの属性値です。コーディングの際には次のように記載することで対応できます。
<a href=”リンク先のURL” rel=”nofollow”>アンカーテキスト</a>
ただし、nofollowには次の3種類があり、状況により使い分けてください。
記述方法 | 役割 |
sponsored | 広告を掲載する際に使用するリンク |
ugc | コメント欄や掲示板のようにユーザーが作成できるコンテンツ(User Generated Content)内のリンク |
nofollow | 上記のいずれでもなく、推奨しているわけではないリンク |
なお、nofollowは以前からありましたが2019年からはsponsoredとugcが追加されました。2019年以前はnofollowはリンク先をクロールさせないための「命令」でしたが、現在では3種類とも命令ではなく「ヒントに使うシグナル」に変更されていますのでnofollowを使うことで必ず解消するとは限りません。
URL検査からリクエストを送信する
アウトバウンドリンクの修正が終わったらGoogleサーチコンソールのURL検査(旧Fetch as google)からリクエストを送ってください。URL検査はサーチコンソール上の最上部のURL入力欄に送ってエンターを押すだけで送ることができます。
URL検査からリクエストを送らなくてもGoogleは自動的にクロールするはずですが、ペナルティを受けているということはサイトの評価が低くなっていますので、クロール頻度が落ちている可能性が考えられます。いち早くペナルティを解除するためにもリクエスト送信してください。
まとめ