誤字脱字はSEOに影響する?おすすめチェックツールや防止のコツ
コンテンツ制作やSEO対策において、なるべく避けたい問題の一つに誤字脱字があります。読者からの信頼性を損ねるだけでなく、サイト全体の評価にも影響を与える可能性も高くなってしまうためです。
ただ、具体的にSEOにどのような影響を及ぼすのか、詳しくわからない方も多いと思います。この記事では、誤字脱字を未然に防ぐためのチェックツールや効果的な防止策を紹介します。
誤字脱字はSEOに影響する?
結論、SEOに影響します。
検索品質評価ガイドラインには、文法や句読点のミスが多い記事が「低品質」と評価される(The writing of this article is unprofessional, including many grammar and punctuation errors. )といった旨が示されています。
このため、これらのミスは間接的にSEOに影響を与える可能性があることから、注意が必要ということです。
SEOに影響する誤字脱字の詳細
SEOに影響する誤字脱字の詳細としては、主に以下のようなものが挙げられます。
- 誤字脱字
- ゆらぎ・表記ゆれ
- 句読点・改行の位置
- 文末・語尾の表現
- 英数字の半角・全角
- トンマナ
それぞれ順を追って解説します。
誤字脱字
校正において基本的なチェック項目の1つが誤字脱字です。とくに長文になればなるほど、発生する可能性は上がっていきます。
文章の信頼性を損ねるだけでなく、クローラーにとって読みにくいものとなってしまうので注意が必要です。そのため、ツールや人間による誤字脱字のチェックは欠かせません。
校正時には誤字脱字があることを前提に、文章を声に出して読むとミスを見つけやすくなります。また時間を置いて複数回にわたって確認作業を行うことで、見逃しを防ぎ、より精度の高い校正が可能となります。
文章の品質向上とSEO効果を高めるためにも、確認は徹底することが大切です。
ゆらぎ・表記ゆれ
表記ゆれとは、同じ意味や単語であっても異なる表記方法が使用されている状況を指します。「スマートフォン」と「スマホ」や、「Web」と「ウェブ」などが典型的な例です。
こうした表記ゆれが発生するとユーザーに混乱を与える可能性があるため、コンテンツ内で一貫した表記に統一することが重要です。とくにWebサイトでは、複数のコンテンツ作成者が関与することが多いため、表記ゆれが発生しやすくなります。
対策としては表記ルールをあらかじめ定め、全ての関係者がそれに従うようにすることです。Googleスプレッドシートなどを活用して共通の表記ルールを文書化し、全員が参照できるようにすると効果的です。
句読点・改行の位置
読みやすい文章には、句読点の位置に注意を払うことも重要です。句点「。」や読点「、」の使い方ひとつで、文章の印象や読みやすさが大きく変わってくるためです。
一般的に句点は1文につき1回、読点は1〜2回程度使用するのが適切です。読点は、文章の流れをスムーズにし、読み手が内容を理解しやすくするためのツールです。
1文が長くなりすぎた場合には、読点を適切に配置することで、文章を自然なリズムで読み進められるようになります。ただ、読点を過剰に使うとかえって文章が断片的に感じられ、読みにくさを招く恐れがあります。
そのため、読点の使用は1文につき2回までにとどめるのが望ましいです。
文末・語尾の表現
文章を書く際には、文末表現を統一することも重要になります。一般的には、「ですます調」か「だ・である調」のどちらかを選び、全体を通して統一することで、文章に一貫性とまとまりが生まれます。
ただし同じ文末表現を繰り返し使いすぎると、文章が単調で長ったらしく感じられる恐れがあります。なので同じ語尾を3回以上続けて使うのは避けるべきです。
また、文末表現にはバリエーションを持たせることも大切です。「でしょう」「〜だろう」などの推量形や、名詞で文を終える体言止めなどを活用することで、文章にリズムと変化を与えられます。
例えば、具体的な事例を挙げる際には体言止めを使用し、文章の締まりを強調することが可能です。また、推量形を用いることで柔らかいニュアンスを加えたり、読者の共感を誘う効果も期待できます。
英数字の半角・全角
SEOにおいて、英数字の表記は半角か全角のどちらかに統一することも重要です。URLや数値、日付などが含まれる場合は、統一されていない表記が検索エンジンにとって混乱を招く原因となるため、注意してください。
英数字が混在していると、検索エンジンは異なるコンテンツとして認識する可能性があり、SEOの評価が低下するリスクがあります。たとえば、「100円」と「100円」や「abc」と「abc」など、半角と全角が混在していると、コンテンツの整合性が損なわれます。
このような誤りを防ぐためには、コンテンツ作成時に使用する英数字の表記ルールをあらかじめ決めておくことがおすすめです。特にWebサイト全体で統一されたルールを設け、関係者全員がそのルールを守ることで、SEOの効果を最大限に引き出せます。
トンマナ
記事の品質を確保するために、トーン&マナー(トンマナ)の統一も欠かせません。トンマナとは、文章の書き方や表記方法に関するルールを指し、例えば「です・ます調」や特定のキーワードの使用に関するガイドラインのことです。
トンマナは「表記ルール」や「執筆ガイドライン」とも呼ばれ、これに従うことで文章の整合性が保たれ、読者にとっても一貫性のあるコンテンツを提供できます。校正の際には、これらのルールが遵守されているかも確認し、SEO効果を最大化してください。
チェックツールを活用するメリット
誤字脱字を確認するのであれば、チェックツールを活用することがおすすめです。チェックツールを活用するメリットは、以下のとおりです。
- 素早いチェックが可能になる
- 知見が深まりスキルアップにもつながる
それぞれ紹介します。
素早いチェックが可能になる
チェックツールを活用すると、文章の誤りを短時間で効率的に発見できます。手作業での校正は言わずもがな時間がかかるうえ、肝心な部分のミスが見逃される可能性もあります。
しかしチェックツールを使うことで、瞬時に誤字や脱字、表記ゆれを検出し、修正が必要な箇所を指摘してくれます。手作業に比べて時間短縮できるだけでなく、品質の高いコンテンツをスピーディに提供できるようになります。
知見が深まりスキルアップにもつながる
チェックツールを活用することは、単純に誤りを発見・修正するだけでなく、自身のライティングスキル向上にもつなげられます。
ツールが指摘する誤字や文法のミスを確認することで、自分の弱点やよく間違えるポイントを把握できるため、それを改善できるからです。
また、ツールを何度も使用していくことで自然に正しい表現や表記ルールが身につき、ライティングの精度が向上します。結果として文章力の向上だけでなく、プロとしての信頼性も高まります。
誤字脱字をチェックできるおすすめツール
おすすめツールには、主に以下のようなものがあります。
- Enno
- Word(Microsoft)
- 日本語校正サポート
- 文賢
- Tomarigi
それぞれご紹介します。
Enno
Ennoはチェックしたい文章をフォームに入力して「誤字脱字エラーをチェックする」ボタンをクリックするだけで校正が可能です。誤りが見つかるとその箇所が黄色でハイライトされ、カーソルを合わせるとエラーの理由が表示されます。
指示に従って修正するだけで文章の品質が向上するので、非常に優れたチェックツールとして知られています。ただし長文の場合は一度に処理すると時間がかかるため、複数回に分けてチェックするのがおすすめです。
Word(Microsoft)
身近に利用できるチェックツールのひとつとして、Wordの文章校正機能が挙げられます。
上部メニューの「校閲」から「スペルチェックと文章校正」を選択するだけで、自動的に文章の検閲が行われ、誤りと思われる部分がハイライトされます。
修正候補が表示されるため「どの部分が間違っているのか」すぐに理解できるだけでなく、日本語の校正およびスペルチェックにも対応しており、間違いやすい英単語の確認にも便利です。
参考:https://www.microsoft.com/ja-jp/microsoft-365/word
日本語校正サポート
前述で紹介したEnnoと同じく、ブラウザ上で利用できるチェックツールです。1度に最大1万字までチェックできるなど、SEO対策を目的としたライティング記事にも十分な対応力を持っています。
このツールの特徴は、ウェブブラウザ上で動作しながらも、設定のカスタマイズができる点です。デフォルトではすべての項目にチェックが入っていますが、校正に不要な項目は外して自分好みに変更でき、自由度が高いです。
たとえばあえて難しい漢字を使用する場合、「常用漢字表外の漢字」のチェックを外すのがおすすめです。
参考:https://www.kiji-check.com/
文賢
「文賢」はWebライダーが開発した「校正・校閲・推敲」を簡単に行える有料ツールで、ライティングの分野では有名な存在です。有料ツールということもあり他のチェックツールとは一線を画す機能を備えています。
チェックに加えて文章表現の改善案も提示されるため、同じ言い回しを複数回使ってしまうことを防ぐのに役立ちます。またSEOを意識した記事作成を支援する企業が開発しているため、SEO対策を意識したライティングに注力したい方にも向いています。
参考:https://rider-store.jp/bun-ken/
Tomarigi
「Tomarigi」は、日本語表現法開発プロジェクトから生まれた無料の校正・推敲支援ツールです。ソフトをダウンロードしてエディタに文章を入力すると、チェックが可能になります。
また、応用機能として「係り受け解析」が搭載されており、長文になりがちな文章でも修飾関係を分かりやすく図示してくれます。この機能は、文章内の曖昧な表現を整理したり、より明確な文章作成をサポートしたりするのに役立ちます。
Tomarigiは主に「精度の高い文章作成」を目指す人にとって重宝するツールといえます。
参考:https://www.pawel.jp/outline_of_tools/tomarigi/
誤字脱字を防止するコツ
防止するコツには、以下のような方法があります。
- プリントアウトやプレビューで読み返す
- いったん時間をおいて見返してみる
- 自分のチェックだけで完結させない
それぞれ解説していきます。
プリントアウトやプレビューで読み返す
防止するためには文章をプリントアウトして確認するか、プレビュー画面で読み返すのがおすすめです。画面上でのチェックでは見落としがちな誤りも、印刷物やプレビューなどレイアウトが変わることで発見しやすくなるからです。
とくにプリントアウトすると行間やレイアウトが変わるため、文章の流れが目に付きやすくなります。また時間に余裕があれば、紙に印刷して赤ペンなどで修正することで、よりいっそうミスを減らすことにつながります。
いったん時間をおいて見返してみる
防ぐためには、文章を書き終えた後、時間をおいて再度見返すこともとても重要です。
書き終わった直後は書いた内容が頭に鮮明に残っていたり、脳が疲れている状態になっていることから、誤りを見逃しやすくなるためです。そこで少し時間を置くことで頭がリセットでき、客観的な視点で文章を見直せるようになります。
こうすることで見落としていた誤字や脱字、または文脈の不自然さに気づけるため、文章のクオリティを向上させられます。
自分のチェックだけで完結させない
防ぐためには、自分だけでチェックを完結させないことが重要です。自分で見直すだけでは、どうしても見落としがちなミスが発生しがちだからです。
執筆にまったく携わっていない第三者に文章を読んでもらうと、異なる視点からの指摘を受けられ、誤りに気づく確率が高まります。
ここで文章校正ツールを併用するのもひとつです。これらのツールは自動で文法のエラーを指摘してくれるため、自分では気づけないミスも拾ってくれます。
最終的にツールや他人など、複数のチェック手段を組み合わせることで、より正確で読みやすい文章を仕上げることが可能です。
誤字脱字をチェックで気をつけること
チェックにおいては、以下の点に気を付けるようにしてください。
- 不自然な文章になっていないか
- ファクトチェックがおろそかになっていないか
- 目視確認がおろそかになっていないか
それぞれご紹介します。
不自然な文章になっていないか
文章が不自然になっていないかを確認することも大切です。チェックに注力するあまり、文章表現が不自然になってしまうケースは往々にしてあるからです。
とくに言葉の入れ替えや追加によって文が冗長になってしまったり、意味が曖昧になったりすることがあります。あくまでチェックするのは誤字脱字であり、読みやすく自然な流れが保たれているかを意識して、全体の文章を再度読み返すことが重要です。
長い文章や複雑な構成の文ではこの点に注意を払うことで、読者にわかりやすい文章に仕上げられます。
ファクトチェックがおろそかになっていないか
チェックだけでなく、ファクトチェックも徹底することが重要です。文章中の事実関係が正確でないと、読者に誤解を与える可能性があるからです。
とくにデータや統計、引用された情報は、必ず信頼できるソースを基にしているか確認してください。また修正時、無意識のうちに内容が変わってしまうこともあるため、修正後の情報が正確であるか再確認することが大切です。
ファクトチェックを怠ると文章の信頼性が失われるだけでなく、読者に誤った情報を伝えてしまうリスクがあります。
目視確認がおろそかになっていないか
チェックツールは非常に便利ですが、頼りすぎるあまり目視確認がおろそかになっていないか注意が必要です。
ツールは誤字や文法のエラーを自動で検出してくれますが、すべての文脈やニュアンスを理解できるわけではありません。とくに専門用語や独自の言い回しなど、ツールでは見逃してしまうミスもあります。
最終的な確認は自分の目で行うのがおすすめです。目視で確認することで微妙なニュアンスの違いや文脈にそぐわない表現など、ツールでは発見しにくい誤りにも気づけます。
よくある質問(Q&A)
ここではよくある質問について紹介していきます。
Q:チェックは自動化できる?
Answer)自動化できます。いまや多くのチェックツールが提供されているからです。
チェックツールは文章内の文法ミスを迅速に検出し、自動で修正提案を行います。SEO対策において正確な文章は検索エンジンの評価にも少なからず影響を与えるため、誤字脱字を減らすことは不可欠です。
とはいえツールだけに頼ると文脈にそぐわない修正が行われるリスクもあるので、最終的な確認は目視で行うことをおすすめします。
Q:エクセルでチェックは可能?
Answer)エクセルでチェックを行うことは可能です。エクセルには基本的なスペルチェック機能が備わっており、セル内のテキストの誤字を検出できるからです。
ただ、チェックの目的で使用するのであれば、おなじMicrosoft製の「Word」のほうが精度および使い勝手に軍配が上がります。エクセルのチェック機能は補助的に使用しつつ、Wordや他のチェックツールを併用するのが効果的です。
Q:誤字脱字が多くなる原因は?
Answer)原因は多岐にわたります。
たとえば急いで文章を作成する際、確認作業が不十分になることです。時間に追われていると細部まで注意が行き届かず、誤りが見過ごされがちです。
次に自己修正に依存しすぎることです。同じ人が何度も見直すと脳が誤りを自動的に補完してしまい、ミスに気づきにくくなってしまうからです。
最後に長時間にわたる作業で集中力が低下することも原因のひとつです。疲れがたまるとケアレスミスが増え、誤字脱字が多くなる傾向があります。
Q:誤字脱字を完全になくす方法はある?
Answer)完全になくすにはチェックツールやセルフチェック、また第三者からの目視確認など、とにかくチェックを繰り返していくことに尽きます。
最小限に抑えるための自らの努力に加え、ツールや第三者の力を借りつつ、徐々に完全にない状態に持っていく必要があります。
自動校正ツールも万能ではなく文脈やニュアンスを理解できないため、正確な修正が難しいこともあります。また第三者も誤りを見落とす可能性ももちろんあります。
そのため実際には完全にゼロにすることは難しいのですが、最終的には誤字脱字を完全になくした状態でリリースしなければなりません。
まとめ