meta refreshとは?SEOで損しない取り扱い方法を解説
meta refresh(メタリフレッシュ)はサイトのアドレスが変更になった際に、旧アドレスから新アドレスにユーザーを転送させるために使用できる数あるHTMLタグのひとつです。
例えばサイトが移転した場合には、旧サイトに訪れたユーザーにサイトが移転していることを伝えて移動を促さなくてはなりません。このとき、ユーザーの手を煩わないために、自動的にユーザーを新しいサイトに転送させる仕組みがリダイレクトです。
ユーザーをリダイレクトさせる方法は複数ありますが、なかでも難易度が低く誰でも使用しやすいのがmeta refreshです。しかし、SEOの観点で考えるとmeta refreshには大きな問題があります。
meta refreshとは
meta refreshを設定するのは簡単です。HTMLを編集するだけでリダイレクト設定できます。WEBサイトに関する特別な知識を必要とせず容易に設置できることから、運営者にとって便利なリダイレクト手法です。
ほかの方法では、サーバーを設定したりプログラムを書いたりしなければならないので一定以上のWEBの知識やコーディングスキルが求められます。
HTMLにタグを追記するだけのmeta refreshは、誰もが使用しやすいリダイレクト設定です。
リダイレクトとは
特定のWEBページにアクセスしたユーザーを別のWEBページに自動で転送する仕組みがリダイレクトです。リダイレクトが必要なケースの事例を以下に挙げました。
- サイトの移転や改装
- サイトのhttps化
- 2つのWEBサイトの結合
- ページを削除した際の新しいページへの誘導
- メンテナンスによる一時的なURLの変更
- スマートフォンサイトへの転送
サイトの移転や改装でWEBサイトのURLが変更になっている場合、情報が古くなっている旧サイトに到着したユーザーを新サイトに誘導しなければなりません。
このほかにも、メンテナンスやキャンペーンで一時的に別のURLにユーザーを誘導したいケースもあります。
いずれのケースでもリダイレクトは有効です。ユーザーが旧サイトに着地した途端に自動で新サイトにユーザーを誘導します。
ユーザーニーズを満たす情報に、ユーザーの手を煩わせることなく誘導するのでユーザビリティが高く、ユーザーの離脱防止対策にも有効です。
リダイレクトの方法
リダイレクトの方法はmeta refresh以外にいくつもあります。
そのなかでGoogleが推奨しており、広く採用されているのがHTTPリダイレクト(サーバーサイドリダイレクト)です。このほかにもプログラミング言語であるPHPやJavaScriptを使う方法やWordPressプラグインをインストールする方法もあります。
リダイレクト設定の方法と違い
リダイレクト設定の方法 | 設定方法 |
meta refresh | HTMLを編集 |
WordPressプラグイン | プラグインをインストールする |
HTTPリダイレクト(サーバーリダイレクト) | サーバーに.htaccess(ドットエイチティアクセス)ファイルをアップ |
PHP | プログラムを書き込む |
JavaScript | プログラムを書き込む |
meta refreshは難易度の低い設定方法です。HTMLに記述するだけで設定できます。
WordPressのプラグインによるリダイレクト設定は難易度が低いことに加えて、meta refreshにはできないサーバーの設定が簡単にできるメリットがあります。WordPressを使用している場合は、プラグインの導入も検討したいところです。
HTTPリダイレクトはサーバーにリダイレクト指示を出す設定をします。meta refreshに比べると難易度が高くなりますが、SEOの観点ではもっとも推奨され、重要度の高いリダイレクト処理です。
また、プログラミング言語の知識があれば、PHPやJavaScriptで転送させることもことも可能です。
このようにリダイレクトをおこなう手法はいくつかありますが、SEO評価を落とさないためにはHTTPリダイレクトをおこなうようにしてください。
meta refreshの記述方法
以下はHTMLでmeta refreshを記述する例です。
<head>
<meta http-equiv=”refresh” content=”0;URL=https://sample-url.com”>
</head>
この例はページを開いて0秒後に(開いてすぐに)https://sample-url.comに転送するということを意味しています。
contentプロパティの記述方法
contentプロパティ | 記述内容 |
秒数 | リダイレクトまでの秒数 |
URL | 誘導したいURL |
秒数の部分には、ユーザーが旧WEBページに到着してから新ページに移動するまでの秒数を半角数字で記述してください。URLに記述するのは新URLです。
記述箇所
HTMLのheadタグ内であればどこに設置しても構いません。ただし、誤ってbodyタグ内に記述するとリダイレクト設定が機能しません。meta refreshの記述は前述のコードを追記するだけですが、記述場所には注意してください。
秒数の設定
秒数は0以上の任意の数字で設定できます。
0秒の設定で即時リダイレクトし、0より数字が大きくなるほど旧サイトでの滞在時間が長くなります。ただし、旧サイトにはユーザーが求めている情報はありません。一刻も早くユーザーを新サイトに移動させる意味で、0秒の設定が推奨されています。
なお、Googleはmeta refreshに設定する秒数について、以下のように定義しています。
meta refreshに設定する秒数
リダイレクトタイプ | 秒数 | 利用するケース |
永続的なリダイレクトタイプ | 0秒 | ● サイトの移転
● URLの変更 |
一時的なリダイレクトタイプ | >0秒 | ● メンテナンス
● 一時的なキャンペーン |
参考出典:リダイレクトタイプの概要(Google検索セントラル)
リダイレクトタイプの違い
永続的リダイレクトと一時的リダイレクトのどちらを使用するかは、旧URLと新URLのどちらにインデックスさせる必要があるかで判断します。
インデックスとはGoogleやYahooなどの検索エンジンがWEBサイトのデータを認識し、検索エンジンのデータベースに登録することです。WEBサイトがインデックスされなければ検索結果に表示されないためユーザーの目に触れず、必然的にアクセスも増えません。
インデックスされることはSEOで重要な意味を持つため、永続的リダイレクトと一時的リダイレクトを適切に使い分けることが欠かせません。
永続的リダイレクトと一時的リダイレクトのインデックス先
リダイレクト方法 | インデックス先 | 利用するケース |
永続的リダイレクト(301リダイレクト) | 新URL | ● サイトの移転
● URLの変更 |
一時的リダイレクト(302リダイレクト) | 旧URL | ● メンテナンス
● 一時的なキャンペーン |
永続的リダイレクト(301リダイレクト)では、新URLがインデックスされます。サイト移転やURLの変更では、今後も永続的に新URLを使用すると想定されます。旧URLより新URLの重要度が高いので、旧URLのインデックスは新URLに移行されます。
一時的リダイレクト(302リダイレクト)の場合は旧URLにインデックスされたまま移行されません。将来的に旧URLに戻るという前提で使われているからです。302リダイレクトはサイトのメンテナンス時のほかに、クリスマスやバレンタインといったキャンペーンページを別URLで展開する場合にも使用します。
SEOで適切な評価を受けるために、301リダイレクトと302リダイレクトの選択は慎重におこなってください。選択を誤るとSEOでの評価に影響します。
特に気をつけるべきは、301リダイレクトを選択すべきケースで誤って302リダイレクトしてしまうことです。誤って一時的リダイレクトにしてしまうといつまで経っても新URLがインデックスされない事態に陥る可能性があります。
meta refreshのメリット
meta refreshでリダイレクトするメリットは次の3つです。
- 簡単に設定できる
- すべてのWEBページで使用可能
- リダイレクトの秒数を設定可能
簡単に設定できる
meta refreshを活用すると手軽にリダイレクト設定できます。具体的な作業は、先に紹介したコードをHTMLに記述するだけです。専門的なWEBサイトの知識を持たずに設定できる便利なツールです。
すべてのWEBページで使用可能
HTMLはすべてのWEBページで使用されているコンピュータの言語ですから、HTMLタグであるmeta refreshもまたすべてのサイトで使用できます。サーバーの種類や設定などの条件を問わず利用できるので便利です。
リダイレクトの秒数を設定可能
meta refreshなら新しいURLに移動するまでの時間を任意に指定できます。ほかの方法でも設定できますが、WordPressプラグインを除くと難易度が高いので汎用性はありません。なお、HTTPリダイレクトでは秒数の指定はできません。
リダイレクトまでの秒数設定
リダイレクトの方法 | 秒数の設定 |
meta refresh | 可能 |
WordPressプラグイン | 可能なプラグインもある |
HTTPリダイレクト(サーバーリダイレクト) | 不可 |
PHP | 可能 |
JavaScript | 可能 |
簡単にリダイレクトまでの秒数を設定できるのは、meta refreshもしくはWordPressプラグインです。WordPressプラグインでもそれぞれ機能が異なるので、インストール前にご確認ください。
meta refreshの弱点
ここまでmeta refreshのポジティブな側面を説明してきました。しかし、SEOの観点では見過ごせない大きなマイナス要素があります。
- 旧URLのSEO評価を引き継げない
- GoogleがHTTPリダイレクトの代替策としている
- ユーザビリティが低い
旧URLのSEO評価を引き継げない
サイト移転といった永続的リダイレクトでもっとも重要なのは、旧サイトでのSEO効果が新サイトに引き継がれることです。しかし、meta refreshは検索エンジンによる評価を新しいサイトに引き継ぐことができません。積み上げた旧サイトの評価が大きければ、より大きな損害を被ります。
リダイレクトの種類とSEO効果
SEO効果 | ||
HTTPリダイレクト (サーバーサイドリダイレクト) |
永続的(301)リダイレクト | 旧URLのSEOランクを新URLに引き継げる |
一時的(302)リダイレクト | 旧URLのSEOランクは引き継がない | |
meta refreshによるリダイレクト | 0秒(即時)リダイレクト | 旧URLのSEOランクを引き継げない |
0秒(遅延型)リダイレクト | 旧URLのSEOランクは引き継がない |
301リダイレクトであれば、旧URLでのSEO効果がそのまま新URLに移行されるため、旧サイトの評価や検索順位を新アドレスでも引き継いで使えます。旧サイトのSEO評価をそのまま新WEBサイトで受け継ぎ、より一層成長させることも可能です。
ところがmeta refreshは旧サイトの評価を引き継ぐことができません。行き場をなくした旧サイトでのSEOスコアもコストもすべて損失です。しかも新サイトで新たにSEOの評価を積み上げていかなければなりません。これでは何重にも損害を被ります。
特にサイト移転のように永続的な転送が必要なケースでは、旧URLで培った検索エンジンからの評価を引き継げるか否かは重要な問題です。サイト移転と同時にSEOの評価がリセットされた状態に陥る悲劇的な事態は避けねばなりません。
meta refreshはSEOにおいて大きな損害をもたらします。これは到底無視できない欠点です。
SEOではHTTPリダイレクトを使うべき
SEOでの評価を考えるなら、HTTPリダイレクトを使用してください。
HTTPリダイレクトには永続的な301リダイレクトと一時的な302リダイレクトがあります。URLアドレスが永続的に変更される場合は301を選択してください。旧URLのSEO評価を引き継ぐことができるので、スタートしたばかりの新しいサイトであってもドメインパワーを強化できます。
meta refreshは代替策
GoogleはHTTPリダイレクトを推奨しています。
SEO対策の成功は検索エンジンの指針を考慮せずには実現しません。meta refreshは優先的に活用する転送方法としてではなく、応急処置に使用するものとして紹介されています。SEOの観点から、HTTPリダイレクト導入を検討してください。
ユーザビリティが低い
meta refreshではユーザーを新サイトに着地させるまでに時間がかかります。必要な情報に到着するまでに長い時間がかかるだけではありません。いったん不要なページに到着させられるという二重のストレスがユーザーに降りかかります。
最短距離と時間で転送完了するHTTPリダイレクトと比較すると、時間をかけてユーザーを遠回りさせるmeta refreshのユーザビリティは低いといわざるを得ません。
HTTPリダイレクトとは
HTTPリダイレクトはサーバーからブラウザに指示を出すことから、サーバーサイドリダイレクトとも呼ばれます。
サーバーで転送の指示を出すHTTPリダイレクトでは、ユーザーは最短距離で新しいサイトに移動できるため利便性が高く推奨されています。
ブラウザはWEBページのデータを要求しますが、サーバーは転送が必要であることを把握しています。そこで旧WEBページのデータの代わりに新URLを返します。
サーバーから転送先の情報を受け取ったブラウザは、遠回りすることなくユーザーを新サイトに誘導できます。これが最短距離で最適な情報にユーザーを導くユーザーフレンドリーな転送の仕組みです。
HTTPリダイレクトでは、ユーザーがクリックしたアドレスと着地するURLは異なります。しかし、転送情報の受け渡しがスムーズなため、端末画面に表示されるのは新WEBサイトのみです。ユーザーに画面を移動するストレスを与えることも、待たせることもありません。
すべての流れがユーザーに見えないところで円滑に処理されるため、終始ユーザビリティの高い状態を維持できます。ストレスなく必要な情報に辿り着けたユーザーの満足度の高まりは、SEOの評価にも影響します。
まとめ
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