2010年以降のジュエリー市場規模は、拡大傾向が続いています。2020年のコロナ禍による外出規制にて、ファッションの一部となるジュエリーのニーズが下がったものの、翌年の2021年には回復し、以降は市場規模の前年超えが続いています。

ただし、今後は物価高騰などが原因となり、高価なジュエリーの購入ニーズが停滞するとの見方もあります。さらに、ジュエリー販売ではEC化が進んでいて、市場全体が激化している状況です。こうしたことから、ジュエリー販売の事業者には、これまで以上にSEO対策を中心としたWEB集客の施策が求められることになります。

ジュエリーを販売するうえで効果的なSEO対策のやり方をご紹介します。これから販売集客の強化を検討している方は、本記事を参考にしてください。

ジュエリー販売事業者がSEO対策すべき理由

近年のジュエリー市場は、拡大傾向がみられるものの、今後は市場が落ち着くとの見方もあります。その一方で、ジュエリー販売のEC化率が高まっていて、市場全体が激化しています。実店舗集客、ECサイトの集客のいずれの場合でも、ジュエリー販売の事業者にとって、SEO対策の重要性が増しています。

ジュエリー市場は拡大傾向がみられるものの、今後はニーズが落ち着くとの見方も

株式会社矢野経済研究所の調査結果をみると、2010年以降はジュエリー市場が拡大傾向にあることがわかります。

推移をみると、2020年に落ち込みをみせています。この原因は、コロナ禍の外出規制により、装飾品の役割を担うジュエリーのニーズが減少したためです。しかし、翌年の2021年には復調の気配をみせ、2022年にはコロナ禍前の水準を上回っています。このように、近年のジュエリー市場では、全体的に増加傾向がみられます。この背景としては、インバウンドの増加によるニーズの高まりのほか、円安による原価の高騰化が挙げられます。しかし、それにともない、国内では物価の上昇が続いていることから、今後は主要ターゲットの富裕層にとってもジュエリーのニーズが落ち着くのではと、同社は分析しています。

ジュエリー販売のEC化率が高まっている

国内大手ジュエリーブランドの4°C（ヨンドシー）の製造販売を手がける株式会社ヨンドシーホールディングスの決算発表をみると、年々、ECチャネルによるジュエリー販売の売上高の比率が高まっていることがわかります。

2015年2月期時点では、ジュエリーのEC販売の売上高は8億7,400万円程度でした。しかし、その後、EC販売による売上高が増加していき、2024年2月期には、24億3,600億円ほどに達しています。ジュエリー事業全体の売上高の比率からみても、EC販売が占める割合が高くなっています。

ジュエリー販売事業者向けのSEOキーワードの例

ジュエリー販売事業者のサイトとしては、取り扱っているジュエリーの素材や装飾品の種類、ターゲットのユーザー属性をSEOキーワードに設定することが大切です。また、実店舗の集客を強化するならば、地域キーワードの設定も不可欠となります。

関連記事：SEOキーワードの選び方とは

※本項目で記載する月間検索件数は、原則として2025年2月単体のもの。また、検索結果は、2025年3月調べで、位置情報が東京都内のものです

ジュエリーの類義語や購入方法

ジュエリーは、宝飾品や装飾品などと別名で呼ばれることもあります。そのため、検索ユーザーは、ジュエリーを指して、次のように検索します。

検索結果では、上位枠の大半がジュエリーの販売ECページに占められています。このほかでは、ジュエリーブランドの案内ページが表示されています。このうち、ECページの配信元としては、たとえば、「ジュエリー」のキーワードをみると、Tiffany（ティファニー）公式オンラインストアやSTAR JEWELRY（スタージュエリー）公式オンラインストア、京セラジュエリーオンラインストア、GINZA TANAKA（ギンザタナカ）といったジュエリーブランドの公式ECサイトが並んでいます。

また、検索ユーザーは、ジュエリーの購入方法にあわせて、次のように検索します。

検索結果をみると、ジュエリーブランドの案内ページとECページが上位に表示されています。このうち、実店舗とEC店舗の両方を示す「宝石店」、「ジュエリーショップ」のキーワードでは、ジュエリー案内ページが露出しているものの、多数のECページが並んでいます。ただし、両キーワードともに、ローカルパック枠が表示されていて、実店舗の情報も豊富に取得できる状況です。一方、「ジュエリー 通販」では、ジュエリーブランドの公式ECショップのほか、QVCジャパンのような通販サイトの姿もみられました。

ジュエリー素材の種類

そもそもジュエリーとは、宝石や貴金属を加工して製造された装身具のことです。そのため、こうしたワードに置き換えられて検索されることがあります。

検索結果では、ECページや解説記事が目立ちました。ジュエリーと関連性が強いイメージの「宝石」のキーワードでは、「ジュエリー」や「ジュエリー 通販」と同じような検索結果が表示されています。その一方で、「貴金属」では、「貴金属とは」や「貴金属の価格」をテーマとした解説記事が並んでいます。このほかの特徴としては、貴金属ジュエリーの大手企業の田中貴金属工業株式会社の関連ページが上位表示の大半を占拠している点が挙げられます。

また、検索ユーザーは、宝石や貴金属の種類をキーワードにして、自身が求める素材を軸にジュエリーを探すことがあります。

具体的な製品名を示すキーワードであることから、検索結果では、ECページが目立っています。たとえば、「パール ネックレス」のキーワードでは、ZOZOTOWN、MIKIMOTO（ミキモト）といった大手通販サイトやブランド公式サイトのほか、ネックレスとパールジュエリーの専門ブランドのPearl for Life（パールフォーライフ）内のページが1ページ目に複数ランクインしています。Pearl for Lifeのサイトを詳しくみてみると、タイトルタグに「パール」と「ネックレス」を盛り込むとともに、description（ディスクリプション）で「パールのネックレスの通販サイト」であることをわかりやすくまとめています。この結果からは、ジュエリー販売の事業者としては、自社が扱う製品の特徴をキーワードとして全面に押し出すことで、上位表示を狙いやすくなることがわかります。

装飾品の種類やジュエリーブランド

検索ユーザーは、身につけたい装飾品の種類をキーワードにして検索するケースも散見されます。

検索結果では、ほぼすべての上位枠がECページに占められています。そんななか、「ブレスレット」のキーワードでは、レディースブランド通販サイトのベティーロードのランキング記事が上位に露出しています。比較やランキング記事は、SEO記事のなかでもニーズが高いコンテンツとなっています。そして、このように価値あるコラム記事を揃えていくことで、SEO効果を見込めます。

国内には歴史あるジュエリーブランドが複数存在します。しかし、世界的なジュエリーブランドは、日本人にとって魅力を感じるケースが多々あります。実際に、海外ブランドをキーワードとした検索ボリュームは、次のように大きなものとなっています。

本キーワードは指名検索に該当しますので、指名対象のサイトがもっとも目立って表示されています。このほかでは、指名対象のブランド製品を扱うECページが並んでいます。つまり、自社のECサイトで扱うブランド名のキーワード設定のほか、ディレクトリの整理やカテゴリの設置など、SEO内部対策を実施することがブランドキーワードの確保につながるということです。

ジュエリーの利用目的や属性

ジュエリーは、装飾品であることからデザイン性に優れた製品です。そして、ジュエリーを身につける人の性別や年齢など、ユーザー属性によって選ぶべき製品が異なります。そこで、検索ユーザーは、次のようなユーザー属性をキーワードにして検索します。

検索結果では、ジュエリーのECページのほか、ランキング記事や解説記事が露出しています。ランキング記事の配信元をみてみると、ギフトモール、ジェイウェル、ジャックロードといったECサイトが並んでいます。そして、自社が扱うジュエリー製品の売れ筋ランキングを紹介し、販売ページに誘導するテクニックを活用しています。

また、検索ユーザーは、ウェディングやプレゼント時など、ジュエリーの利用目的にあわせて検索する傾向がみられます。

検索結果では、ECページや案内ページ、ランキング記事が上位表示しています。まず、「結婚指輪」と「婚約指輪」の場合、単純な通販ページだけでなく、店舗の案内ページの誘導リンクを設置するサイトが多数を占めています。このケースでは、指輪が貴重な記念品となるため、店舗で実物をみて選ぶ、指のサイズを測るニーズが高いためです。このように、検索ユーザーのニーズを汲み取ったページ作りをすることがSEO上で大切になってきます。

その一方で、「彼女 プレゼント ネックレス」では、季節によって検索ボリュームに大きな差が開く傾向がみられます。この理由としては、本キーワードがクリスマスイベントに関連性が高いためです。具体的には、イベントに対してピンポイントのキーワードである「クリスマス ピアス」の場合、2025年2月時点で70回と検索ニーズが低いものの、2024年12月時点で8,100回と10倍以上に跳ね上がっていました。クリスマスプレゼントと関連性が高い「彼女 プレゼント ネックレス」でも、2月時点の1,900回に対して12月時点で4,400回と2倍以上の開きがありました。このことからは、たとえば、イベントのタイミングに合わせて特設ページを用意しておくと、高いSEO効果を期待できることがわかります。

ジュエリーショップが立地する地域キーワード

贈り物としてジュエリーを購入する人は、プロのアドバイスを聞く、または実物をチェックするニーズがあります。このほかでは、贈り相手とジュエリーショップに来店し、デートを兼ねて時間を楽しむケースも挙げられます。こうしたとき、ジュエリーショップの実店舗を探すために地域キーワードが用いられます。具体的には、検索ユーザーは、「〇〇県 結婚指輪」の要領で該当する店舗を検索します。

まず、検索結果ボリュームを確認すると、都会の地域名ほど数値が大きくなる傾向がみられました。たとえば、ティファニーの本店が立地するなど高級感あるイメージの「銀座」では、ジュエリー関連する多数のキーワードが検索されています。ただし、郊外の地域名でも一定の検索ニーズがみられます。そして、「水戸 結婚指輪」のキーワードでは、栃木県と茨城県周辺に店舗を構える結婚指輪の専門店のトンプキンスが1ページ目にランクインしています。このように、地域に根付いて活動する事業者にとっては、とくに地域キーワードの設定が重要な施策となります。

ジュエリーの販売で効果的なWEB集客の手法

ジュエリーを販売するうえでは、次のようなWEB集客の施策や注意事項があります。

このほか、ECサイトと実店舗の集客において、それぞれで次のような施策が存在します。

関連記事：ECサイトのSEO対策

SNSツールでジュエリーの美しさや魅力を伝える

デザイン性に優れたジュエリーの魅力を伝えるうえでは、画像が動画コンテンツが適しています。さらにいうと、「インスタ映え」しやすいことから、Instagram（インスタグラム）と相性がよいジャンルとなっています。実際に、WEB集客にInstagramを活用するジュエリーブランドや販売事業者が存在しています。

パーマネントジュエリー専門店のLink2Me（https://www.link2me.jp/）を運営するLIFELONG株式会社は、ヨーロッパで流行したパーマネントジュエリーのサービスを2023年12月より日本で展開しています。そして、Instagramで同店のサービスを紹介しています。

 

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このリール動画は、2024年10月に投稿したものですが、2025年3月現在で239万再生を超えるなど反響を呼んでいます。動画の内容は、「浮気防止の指輪」をキャッチフレーズにして、一度装着すると二度と外れないパーマネントジュエリーの魅力を伝えるものとなっています。このほか、パーマネントジュエリーが「水に濡れてもサビない」ことを訴求する動画など、数万から十万再生を超えるコンテンツが多数存在しています。こうした影響からか、「パーマネントジュエリー」のキーワードの検索ボリュームが2023年12月以降に急激に伸びて、2025年2月時点でも月間4,400回に達するなど、引き続き注目されていることがわかります。

宝石・貴金属等取扱事業者として、法令に順守した情報発信を心がける

ジュエリーは高価な製品であることから、詐欺をはじめとした犯罪に利用されるケースが散見されます。そこで、経済産業省では、宝石や貴金属を販売する事業者を宝石・貴金属等取扱事業者と定義し、法令の順守を義務付けています。そのため、下記を熟読のうえで、WEBサイトやSNS、各種広告にて自社サービスの情報を発信してください。

参考：宝石・貴金属等取扱事業者（経済産業省）

データベース型SEOを導入する【EC販売のケース】

自社専用のジュエリーECショップを立ち上げる場合は、データベース型サイトの構築をしてください。データベース型サイトとは、データベースで記事ページを自動生成する仕組みのサイトのことで、大量の商品ページを用意するECショップに適切です。そして、データベース型サイト向けのSEO対策を導入する必要があります。

関連記事：データベース型サイトのSEO対策とは

東京SEOメーカー（本サイト）では、データベース型サイトの構築、そしてSEO対策まで支援するサービスを提供していて、成功事例も有しています。ジュエリーのECサイト構築を検討している方は、下記よりご相談ください。

>>データベース型サイトのSEO対策サービス

モールEC内で自社ページの露出を高める【モールECのケース】

ECショップ運用のサービスを利用すると、手軽にジュエリー販売を開始できます。代表的なサービスとしては、楽天市場やAmazonm、Yahoo!ショッピングといったモール型のECサービスが挙げられます。ただし、こうしたサービスを利用する場合は、それぞれのモール内で自社ページの露出を高めて集客する必要があります。詳しい集客方法については、下記リンク先の記事を参考にしてください。

Googleビジネスプロフィールに登録する【実店舗のケース】

実店舗のジュエリーショップに集客するうえでは、Googleビジネスプロフィールを活用すると効果的です。Googleビジネスプロフィールとは、Googleマップ上などにジュエリーショップや施設情報を掲載できるサービスのことです。そして、この施策のことをMEO対策といいます。Googleビジネスプロフィールの登録方法については、下記リンク先の記事で解説しています。

関連記事：Googleビジネスプロフィールとは

よくある質問（Q＆A）

ジュエリーのSEO対策に関する、よくある質問をまとめています。
 

まとめ

近年のジュエリー市場規模は堅調に推移しています。しかし、一部の調査機関では、物価高が長引いていることから、ジュエリーをはじめとした高級品の買い控えが懸念されています。また、ジュエリー販売のEC化が進むなど、WEBコンテンツを交えた集客施策の重要性が増しています。これから、ジュエリー販売のためにEC事業を展開する、または販売強化のためにWEB施策を実施することを検討している方は、WEB施策のプロに相談してみてください。

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