日本語検索アップデートとは?注意点や対策方法などを解説
2016年に発生した国内のキュレーションメディア問題に端を発して、SEOやGoogle検索エンジンのあり方が改めて問われました。
この問題に対して、Google社は、さまざまな再発防止策を講じました。たとえば、この対策の一環として、E-E-A-TやYMYLといった概念が誕生しました。
このほか、日本語に限定したアルゴリズム更新として有名となった、日本語検索アップデートもその施策の1つです。
日本語検索アップデートとは
日本語検索アップデートとは、日本語のGoogle検索エンジンを対象として、2017年2月に実施されたアルゴリズム更新のことです。
このアップデートでは、WEBサイトの品質における評価方法が改善されました。そして、日本語で作成されたWEBサイトやページのうち、中身が薄い低品質コンテンツの評価が下がりました。その結果、日本語圏における検索エンジンの検索品質が高まりました。
日本語検索アップデートを実施した背景
- キュレーションメディア問題が発生
- Google検索エンジンのアルゴリズム更新
1.キュレーションメディア問題が発生
2016年に、国内の大手企業が運用するキュレーションメディアで虚偽の情報を掲載するページが複数あるとして問題になりました。のちに、このキュレーションメディアでは、コピーコンテンツも含まれているということが発覚しました。
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そして、このメディアは、医療をテーマに扱っていました。医療関連のキーワードでは、検索エンジンの検索結果で上位表示するほどに成長していました。そんな医療という人間の生命を脅かしかねない重要な情報で、誤情報やコピーコンテンツが発見されたことから、本案件は社会問題にまで発展しました。
2.Google検索エンジンのアルゴリズム更新
こうした経緯から、Google社は下記のような対策を打ち出します。
- YMYLの設定
- 検索エンジンのアルゴリズム更新
YMYL(Your Money or Your Life)とは、健康や金融のように人生において重要なテーマを扱うコンテンツを厳しく評価するという考え方です。YMYL領域では、サイトに対して、E-E-A-T(経験、専門性、権威性、信頼性)の4つの要素が問われます。
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さらに、検索エンジンのアルゴリズム更新も進められました。2017年には、こうした問題の再発防止策として、検索エンジンでさまざまなアルゴリズム更新が実施されました。
2017年2月 日本語検索アップデート
2017年3月 フレッドアップデート
2017年4月 アウルアップデート
2017年12月 健康アップデート
この問題は国内で発生したため、異例ではありますが、日本語を対象とした検索エンジンのアップデートがおこなわれました。それが、日本語検索アップデートです。
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日本語検索アップデートで影響を受けるコンテンツ
本アップデートでは、次のようなコンテンツが影響を受けます。
- 日本語を表示するWEBページやサイト
- 低品質コンテンツやサイト
日本語を表示するWEBページやサイト
まず、日本語検索アップデートの対象は、日本語を表示するWEBページやサイトです。ただし、すべての日本語サイトが該当するわけではありません。
アップデートの目的を考慮すると、虚偽の情報やコピーコンテンツといった低品質コンテンツが大きな影響を受けると想定されます。ですから、サイト訪問者に価値を提供できているWEBページやサイトは、本アップデートの影響を受けることがありません。
低品質コンテンツやサイト
今回のアップデートでは、日本語サイトにおける低品質ページやサイトがマイナス評価を受けます。
このことは、Google社がGoogle検索セントラルで明確に示しています。
今回の変更は、日本語検索で表示される低品質なサイトへの対策を意図しています。このような改善が、有用で信頼できるコンテンツをユーザーに提供する皆さんを、正当に評価するウェブのエコシステム作りの助けとなることを期待しています。
どうやら、アップデートの目的が低品質サイトに対する対策であるとともに、良質なコンテンツを提供しているサイト運用者を正しく評価するといった狙いがあるようです。
アップデートにいたるまでの経緯を考慮すると、ここでいう低品質コンテンツとは、主にコピーコンテンツや誤情報を指しています。つまり、下記のようなサイトもアップデートの影響を受けていたということです。
- 情報の真偽判定が困難なまとめサイト
- 一般ユーザーの投稿のみで情報が構成される口コミサイト
- 一般ユーザーが自由にコンテンツを編集できるWiki型サイト
こうしたメディアは、交流の場として、またエンターテインメントとして楽しめるといった強みがあります。ただし、誤情報やコピーコンテンツが多いという側面もあわせ持っています。
日本語検索アップデートの注意点
Google社は、Google検索セントラル にて、本アップデートで日本語検索のすべての問題を解決できていないことを明示しています。そのため、今後もアルゴリズムの改善を続けていくとのことです。
仮に、現状ではペナルティの対象になっていないことでも、再び大きな問題が起きた際に、アルゴリズムの仕様が変更される可能性があります。新たな仕様変更で自メディアに影響を及ぼす可能性を留意しておくべきです。
ただし、原則的には、SEOを悪用してGoogle検索エンジンの「抜け穴」を突くような施策を講じなければ、大きな問題にはなり得ません。こうした点に心当たりがあるWEBサイトは、改善するように努めてください。
日本語検索アップデートの対策方法
今回のアップデートは、低品質コンテンツをなくすことが目的におこなわれました。そのため、大半のWEBサイトにとっては無関係のアルゴリズム変更です。
Google社が示す、Google検索に対する基本的な要件を満たしていれば、本アップデートの対象になることはほぼありません。
ただし、もし、自サイトに誤情報やコピーコンテンツが掲載されている場合は、下記のような対策が必要です。
- ライターを指導する
- ディレクターが記事を監修する
- 信用されるサイトを目指す
ライターを指導する
WEBやライティングに対してリテラシーが低いライターは、コピーコンテンツを作成して納品する危険があります。また、こうしたライターは、情報の真偽を確かめずに記事を執筆することがあります。
まずは、「他サイトの記事をコピペをしてはいけない」ことや「情報の真偽を見極めることが大切である」ことをライターに伝えてください。
ディレクターが記事を監修する
仮に、コピーコンテンツや虚偽情報の混じった原稿が納品されたとします。そして、一般的には、サイト運用チームのディレクターが原稿をチェックして、WEBサイト上で記事の公開作業を進めていきます。
このとき、ディレクターには、納品物がコピーコンテンツや虚偽情報であることを見抜くスキルが求められます。記事監修においては、経験値や編集技術が高い人物をディレクターに配置してください。
信用されるサイトを目指す
日本語検索アップデートが実施された背景を考えると、信用されるサイトを目指すべきという仮説が立てられます。
キュレーションメディア問題が発生したのちに、Googleは、さまざまな対策を進めました。たとえば、日本語検索アップデートが実施される前後で、下記のような概念が生まれています。
- YMYL
- E-E-A-T
この2つの概念は、日本語検索アップデートと直接的に関係するわけではありません。ただし、キュレーションメディア問題の再発防止策として打ち出されている案である以上、間接的に関与しています。
要するに、「日本語検索アップデート」という一点で物事を考えるのではなくて、「日本語検索アップデートとYMYLとE-E-A-T」を線で結んで考えることで、正しい対策につながるということです。
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日本語検索アップデートのよくある質問
日本語検索アップデートについて、よくある質問をFAQ形式でご紹介しています。
Q:日本語検索アップデートは、いつ実施されましたか?
Answer)2017年2月です。
Q:なぜ、日本語だけがアップデートの対象になったのですか?
Answer)日本語や文化特有に対応するためです。
そもそも、当時のキュレーションメディアは、日本特有の広がりを見せていて、そこで大きな問題が露出しました。そのため、特別な処置として、日本語検索アップデートが実施されることになりました。
Q:キュレーションメディアとはなんですか?
Answer)特定のジャンルにおいて、WEB上の情報をまとめて提供するスタイルのWEBメディアのことです。
こうした性質から、専門知識が求められる傾向が強い点が特徴として挙げられます。そんななかで、事実確認を怠っていたとして、国内における大手企業のメディアが問題視されました。
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まとめ