クリニックや医院のSEOとは? 病院などの医療業界のSEO対策について解説
昨今では、2020年に本格的に流行したコロナウイルスの影響もあり、社会全体でオンライン活動する機会が増えています。
そんななか、クリニックや医院が患者を集めるうえで、SEO施策を進めることが効果的です。SEO施策を実行することで、自院サイトのアクセス数が増えていきます。そして、サイト訪問者が来院するきっかけになり得ます。
クリニックや医院がSEO対策すべき理由
自院サイトでSEO(Search Engine Optimization)施策をして、検索エンジンの検索結果で上位表示されると、サイトのアクセスが増加します。そして自院サイトに検索ユーザーが集まると、来院につながる可能性があります。
さらに、検索ユーザーは、クリニックや医院の評判を気にする傾向があります。自院サイトを設置して、かつ医療機関としての役割を果たすことで、WEB上で自院の知名度が上がることもあり得ます。
なぜ医療業界でSEO対策が必要なのか?
医療業界においてSEO対策が必要な理由について紹介します。
新規患者からの信頼を高められる
医療業界でSEO対策をする大きなメリットは、新規患者からの信頼を上げられる点です。なぜなら新しく訪れる医療機関に不安を感じており、それを払拭するためにサイトを検索するからです。
たとえば、急激な腹痛で新宿の内科を受診を検討するとき「新宿 内科」と検索します。すると新宿の内科が検索結果に表示されるので、そのなかで比較検討することになります。
このとき、有利になるのはSEO対策を実施している内科です。特に記事を書いている内科は上位に上がりやすく、またコンテンツがあることで患者からの信頼を獲得しやすくなります。
患者は自分の大切な体の一部を医療機関に任せるので、少なからず不安をもっています。その不安を払拭して来院してもらうための方法こそがSEO対策なのです。
サイトから自動で集客できるようになる
SEO対策によってページが上位に表示されるようになれば、サイト自体が広告の役割を果たし、自動的に検索ユーザーを集客できるようになります。なぜなら、検索上位(1ページ目)に表示されると、サイトが閲覧される機会が増えるからです。
サイトから十分に集客できるようになれば、チラシや新聞広告などの広告を出す必要もなくなります。なぜなら、広告を出さなくても、ユーザーが検索して自ら来院してくれるからです。
サイトから集客できるというのは、このように広告費の削減にもつながるのです。広告費の高騰や成果が出ていない状況に頭を抱えている場合は、SEO対策を検討してみましょう。
ターゲットのエリアを広げられる
SEO対策のメリットとして、インターネット上のあらゆるエリアにいるユーザーにアプローチできるメリットがあります。つまり、その医療機関がある地域にとどまらず、少しエリアを拡げて患者に来院してもらえるようになるのです。
のちに解説するSEO対策の手法「コンテンツSEO」を実施した場合、発信している情報によって患者からの信頼を高め、自院のファンをつくれます。そうすると、少し医療機関が遠くても、来院してもらえるようになるのです。
そのためターゲットとするエリアを広げたい場合は、SEO対策を実施するのがおすすめです。
病院にSEO対策は必要なのか
インターネットの普及により、今では何でもネット検索ができるようになりました。病院もその1つで、かかりつけの病院がない患者はまずネットで検索するでしょう。そのため、病院のホームページは集患や増患をする上では欠かせないものとなっています。
しかし、ホームページをただ作成するだけではなくSEO対策を行わなければ集患や増患に繋げることができません。多くのユーザーは検索結果の上位に表示されているサイトしか見ないため、上位に表示されていなければそもそもホームページを見てもらうことができないのです。
特に競合の多いエリアでは複数の病院のホームページが表示されるため、上位表示させるためのSEO対策が集患や増患における重要なポイントとなります。
病院に適したSEO対策とは
インターネットで病院を探すようになった今では、SEO対策が重要となります。ここでは、病院に適したSEO対策を3つご紹介します。
E-A-Tを意識した高品質なコンテンツ作成
検索エンジンがランキングを行う際の評価基準として、コンテンツの質が挙げられます。中でも近年Googleが重要視しているのがE-A-Tです。
E-A-Tとは、専門性(Expertise)・権威性(Authoritativeness)・信頼性(Trustworthiness)の頭文字を取ったもので、これらの要素を満たしたコンテンツを高品質なコンテンツとして評価するといったものです。
特に病院などの、ユーザーの健康や生活に大きく関わる領域では更にE-A-Tを意識したコンテンツ作りが需要となります。
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ロングテールSEOの実施
ロングテールとは、特定のキーワードだけではなく複数のキーワードをかけ合わせて検索されるキーワードのことです。複数のキーワードを掛け合わせることで競合が少なくなり、上位表示されやすくなります。また、キーワードの掛け合わせが多くなるためリーチできるユーザーの幅も広がります。
たとえば、「新宿 皮膚科」のキーワード以外にも「新宿 皮膚科 アレルギー」といったキーワードを掛け合わせることで、ロングテールキーワードでも上位表示されるようになります。このように、関連する複数のキーワードを掛け合わせて行うSEO対策をロングテールSEOと言います。
ローカルSEOの実施
ローカルSEOとは、エリア名を含んだキーワードで地域性に特化した検索結果の中で上位表示を狙うSEOのことです。たとえば、「新宿 皮膚科」と検索すると新宿エリアに特化した検索結果が表示されます。
また、エリア名を含む検索キーワードの検索結果には、Googleマップが表示されマップ内に近隣の施設情報が表示されます。そのため、ローカルSEOではこのマップ上に表示させるための対策とも言えます。
特に病院やクリニックは、地域に特化しているためよりローカルSEOが重要となります。エリア検索をした目的を持ったユーザーに対して正しくアプローチするためにも、ローカルSEOの実施は欠かせません。
そもそもSEOとは
SEOとは、検索エンジンの検索結果で自サイトを上位表示させるための一連の施策を指します。その具体的な手法は多岐に渡るのですが、昨今ではコンテンツSEO と呼ばれる考え方も重視されています。
クリニックや医院、病院がすべきSEO施策
クリニックや医院、病院などの医療業界がSEO施策するうえで、下記のようなポイントを抑えてください。
- 地域の住民と最寄駅の利用者をターゲットにする
- 自院の強みや特徴をアピールする
- YMYL領域を考慮し、信頼性と権威性を示す
地域の住民と最寄駅の利用者をターゲットにする
自院のWEBサイトに集客するべきターゲットは、地域の住民と最寄駅の利用者が挙げられます。
現実的に、自院を構えている地域から離れた距離の生活者は来院する機会が滅多にありません。前提として、自院の近所に居住する生活者が来院者の中心になります。さらに、駅前や駅から徒歩数分以内に自院を構えている場合は、最寄駅の利用者も集患の対象にできます。
自院の強みや特徴をアピールする
自院のWEBサイト内では、自院の強みや特徴をアピールしてください。
例えば、自院が扱っている医療サービスの科目や採用している治療方法といったものを紹介すると、サイト訪問者としては自身のニーズと合致しているか否かを判断しやすくなります。このほか、自院の利用者に向けて専用の駐車場を確保している場合は、その旨を伝えることで自動車で来院できる生活者も見込み顧客に取り込めます。
YMYL領域を考慮し、信頼性と権威性を示す
Googleが発表した検索品質評価ガイドラインによると、クリニックや医院の情報は、SEO上でYMYL(Your Money or Your Life) と呼ばれる領域に分類されています。そのため、医療機関となる自院サイトは、信頼性や権威性を提示する必要があります。
YMYL領域とは、WEBサイトのテーマを種別に分類したときに、人の人生や幸福において重要な情報を含む可能性があるジャンルを指します。クリニックや医院では、人間の身体や生命に関わる医療や処方箋を扱います。そのため、Google検索エンジンから、WEBサイトが発信する情報の確かさを厳しく問われます。
YMYL領域のテーマでは、WEBサイトの権威性や信頼性を重視して検索結果の順位が決定されます。そこで、自院サイト内に在籍する医師のプロフィールや紹介文といった情報を載せてください。具体的には、医師の経歴を載せてください。そうすると、医療や医学に対して専門性を持つサイトである証明となり、SEO面で有利に働きます。
さらに、自院が外部の医療機関と医療連携している場合は、相互リンクすることでSEO効果を期待できます。
クリニックや医院、病院のキーワード例
通常、WEBサイトを作成してSEO対策する場合、コンテンツSEO という考え方が用いられます。コンテンツSEOとは、サイト構成や記事品質を高めて、WEBサイトの利便性を向上させる施策のことです。
このうち、重要なのがサイトやページ作りでキーワードを設定することです。Google検索エンジンでは、ユーザーが検索したキーワードと親和性が高く、かつコンテンツ品質が担保されているサイトほど、検索結果で上位表示されやすくなります。そのため、検索ユーザーの検索意図 を考慮して、ページのテーマやキーワードを決める必要があります。
そして、クリニックや医院が対策するべきキーワードは下記のとおりです。
- 医療機関の形態や自院名
- 自院が所在する地域名
- 病名や扱い科目名
医療機関の形態や自院名
自院がクリニックに該当する場合は「クリニック」をメインキーワードとして設定します。このほか、メインキーワードになり得る候補として、下記のようなものが挙げられます。
- クリニック
- 診療所
- 医院
- 病院
- 総合病院
さらに、自院名をキーワードに設定します。医療機関は、人の身体や生命に関与する存在ですので、評判を気にする検索ユーザーが多数います。仮に、自院や在籍する医師の評判がよかったとしたら、自院や医師の名前自体が検索キーワードになり得ます。
周辺地域の生活者が検索する
自院が所在する地域名は、自院サイトのキーワードになります。具体的には、下記のようにキーワードを設定します。
- 「○○県 クリニック」
- 「○○市 クリニック」
- 「○○区 クリニック」
さらに、自院が最寄駅の近辺にある場合は、次のようなキーワードを設定します。
- 「○駅 クリニック」
- 「○線沿線 クリニック」
自覚症状で病名や受診科目を推察して検索する
一般の生活者は、体調不良時に自覚症状や予測した病名で検索するケースが見受けられます。こうした場合は、近場で診察や治療を受けることを求めている可能性があります。そのため、下記のようにキーワードを設定してください。
- 「○○市 頭痛 クリニック」
- 「○○市 頭痛外来 クリニック」
クリニックや医院、病院におけるSEO施策の流れ
クリニックや医院、病院でSEO施策する場合、具体的には下記のような作業を進めていくことになります。
- 自院サイトのキーワードを設定する
- クリニックや医院の紹介ページを作成する
- 診察時間や在籍する医師の情報を修正をする
- Googleビジネスプロフィールに自院情報を登録する
1.自院サイトのキーワードを設定する
まずは、自院サイトで用いるキーワードを決めていきます。自院の特徴や集患すべきターゲットに合ったキーワードを選択してください。クリニックや医院の場合は、下記のような要素がキーワード候補として挙げられます。
- 医療機関の形態や自院名
- 自院が所在する地域名
- 病名や扱い科目名
なお、そもそも自院サイトを持っていない場合は、下記リンク先にWEBサイトの立ち上げ方に関する記事を用意していますので参考にしてください。
2.クリニックや医院、病院の紹介ページを作成する
キーワードが決まったら、サイト構成の作成に着手します。サイト構成とは、WEBサイトのイメージ図のことです。具体的には、「どのようなページを作るのか」と「どのようなサイト構成にするのか」を明らかにします。
クリニックや医院のサイトを作る場合は、一般的に下記のような構成になります。
-トップページ
–診療案内ページ
–治療の紹介ページ
–所属医師のプロフィールページ
–自院の基本情報ページ
–スタッフ採用ページ
また、新型コロナウイルスに対して、医療機関として取り組みをしている場合は専用ページを設けてください。例えば、東京医科大学病院のWEBサイトでは、コロナウイルスに対する病院の対応状況や来院者に向けて案内ページを設置しています。
3.診察時間や在籍する医師の情報を修正をする
クリニックや医院サイトでは、WEBページを更新する機会が限られています。ただし、下記のような場合は、ページ内の情報を修正して更新作業する必要があります。
- 自院のお知らせ記事を配信しているケース
- 診療時間を変更するケース
- 在籍する医師が入れ替わるケース
とくに、YMYL領域の医療を担うクリニックや医院にとっては、迅速に、かつ常に正しい情報を発信することが大切です。
4.Googleビジネスプロフィールに自院情報を登録する
Googleビジネスプロフィール(旧・Googleマイビジネス)とは、Google検索エンジンの検索結果にクリニックや企業情報を掲載できるサービスのことです。Googleビジネスプロフィールに登録すると、下記画像のように自院の情報が掲載されます。
このときに掲載される自院の情報は、主に次の項目です。
- サイトリンク
- 口コミ情報
- 所在地
- 営業時間
- 電話番号
Googleビジネスプロフィールへの登録方法は、別記事で用意していますので参考にしてください。
クリニックや医院、病院向けのSEO施策テクニック
クリニックや医院向けのSEO施策のテクニックとして、医師が監修したコラム記事を作成するといった手法が挙げられます。
医師監修のコラム記事でロングテールキーワードを抑える
クリニックや医院サイトでメインキーワードとなるものは、総じてビッグキーワードです。ビッグキーワードとは、その名のとおり検索回数が多いキーワードのことなのですが、具体的には下記のようなキーワードを指します。
- 「クリニック」
- 「診療所」
- 「病院」
ただし、ビッグキーワードで検索順位の上位を目指すことは困難を極めます。そこで、SEO戦略の一環として、ロングテールキーワード を抑える手法が挙げられます。ロングテールキーワードとは、複合キーワードや検索回数が少ないニッチなキーワードのことです。例えば、下記のようなキーワードを題材にして、医師監修のコラム記事を作成したとします。
- 「クリニック 選び方」
- 「クリニックと病院 違い」
- 「頭痛 診断」
こうしたテーマは、医療に対する高度な知見を有する医師だからこそ発信できる情報です。Google検索エンジンには、記事のオリジナル性を高く評価するといった性質がありますので、医師だからこそ作成できるコンテンツを発信するとSEO効果を期待できます。
そして、医師監修の記事を公開するときは、記事の執筆者や監修者のプロフィールを掲載します。医師のプロフィールを掲載することで、Google検索エンジンやサイト訪問者が記事に対して「信頼できる情報」と評価します。なお、下記画像の要領で監修者のプロフィールを記事下に掲載してください。
クリニックや医院におけるSEOのよくある質問
クリニックや医院におけるSEOについて、よくある質問をまとめています。
Q:SEO施策として、最初になにをすればよいですか?
Answer)自院サイトを立ち上げてください。
前提として、SEO対策する自院サイトが必要です。まだサイトを立ち上げていない場合は、下記リンク先の記事を参考にして、WEBサイトを立ち上げてください。
Q:クリニックや自院にとって、SEO施策のメリットは?
Answer)自院サイトへの集患が来院につながります。
自院サイトに訪問した検索ユーザーは、診察や治療を必要としている可能性があります。こうした見込み顧客を自院サイトに集めることで、来院のきっかけとなるケースがあります。
まとめ