ホームページの作成でSEOの視点からやってはいけないことを初心者向けに解説
ホームページ作成でやってはいけないことは、目的や戦略を考慮せずに見切り発車で作成を始めてしまう、検索順位を上げるためにSEOを悪用するなど、さまざまな注意事項があります。そこでまずは、ホームページ作成フローをイメージすることが大切です。
ホームページ作成時の大まかなフローとしては、目標やターゲットになるユーザー属性を定める、テーマや方向性を決めてサイト設計する、ユーザーの気持ちを考えて良質な記事コンテンツを作成していく、といった流れが必要です。
ホームページの作成でやってはいけないこと
ホームページ作成でやってはいけないことは、必要な作業フローを飛ばすことはもちろんのこと、それぞれフローのなかでも細かい注意点があります。ホームページ作成上で必要なフローは、下記のとおりです。
- 目標とターゲットを設定する
- ホームページを設計する
- デザインとレイアウトを整える
- コンテンツを作成する
- SEO施策する
ホームページとは
もともとホームページとは、ブラウザを開いた時に出てくるWEBページと定義されていました。現在では、さまざまな解釈をされていてWEBサイトのなかでもっとも上位の階層に設置したトップページを指すことがあれば、WEBページと同義の言葉として使われることもあります。よく利用される言葉として「サイト」という単語がありますが、これはWEBサイトの略称です。そもそもWEBとは蜘蛛の巣を意味します。転じてWEBサイトとは、蜘蛛の巣のように記事ページが絡み合って1つの場所(URL)に集合している状態を指します。
ホームページはあくまでWEBサイトの一部分、または同義として扱われていますので、いずれにしてもWEBサイトの作成や運用を見越してホームページの作成フローを考える必要があります。
ホームページ設定でやってはいけないこと
ホームページを作成するとなると、必ず目的や実現したいことがあるはずです。まずは目的に従って、目標設定とホームページに訪問してほしいユーザー属性を設定する必要があります。
一般的には、WEBサイト運用時にアクセス数やコンバージョン率などのデータをチェックしてサイト改修や追加コンテンツを検討します。しかし、事前に目標設定が明確になっていないと、適切にサイトを運用できない事態に陥ります。
明確に目標を立てていない
そもそも目標を立てていないと、どのようなホームページを作るのかが決まりません。テーマが決まらないままホームページを作成することになるので、あいまいなコンテンツになりがちです。それを避けるためにも、一般的には下記のような目標を設定します。
- 商品やサービスをプロモーションしてブランディングする
- 商品やサービスを販売して利益を上げる
- 広告掲載して利益を上げる
ホームページに訪問してほしいユーザーを決めていない
目標が設定できて作りたいホームページのテーマが定まったら、つぎに訪問してほしいユーザー属性を決めます。ユーザー属性を定めないと、需要から外れたコンテンツになりがちです。
作成側と同様に、訪問者も目的があってホームページを訪れます。訪問者の欲求を満たせるコンテンツに仕上げるためにも、ユーザー属性を設定する必要があります。
ホームページ設計でやってはいけないこと
サイト設計は、ホームページやWEBサイトの基盤になります。設計面で致命的なミスを犯すと、のちに取り返しがつかないケースが多々あるので注意が必要です。
Google評価が低いドメインを使用する
ホームページを作成する場合、まず始めにドメインとサーバーを用意します。前者はWEBサイトの住所を指し、後者はWEBサイトのデータを設置する土地のようなものです。このうちドメインには、新規ドメインと中古ドメインの2種あります。新規ドメインを取得する場合は何も問題ないのですが、中古ドメインを使用する場合には注意が必要です。
中古ドメインとは、過去にサイト運営に利用されていたドメインを再利用することなのですが、過去の運営時にGoogleからクリティカルなペナルティを受けているケースがあります。どんなに素晴らしいホームページを作成できても、ペナルティ付きの中古ドメインを使用している限りはGoogle検索で上位を狙うことは不可能です。
サイト内のページ構成が複雑になっている
ホームページを作成して運用していくと、トップページ以下に記事コンテンツを追加していくことになります。このとき、サイトの構造を不必要に複雑化してしまうと、ホームページ訪問者が閲覧したい記事ページにたどり着きにくくなります。一般的には、サイト内のどの記事ページであってもトップページから2〜3クリック以内に到達できるように設計することが推奨されています。
セキュリティ設定されていない
セキュリティが脆弱だと、ハッキングにあいWEBサイト内部に侵入されて外部から自由自在にホームページやサイト構成を改変されてしまいます。また、サイト運営しているなかで取得した顧客データの流出につながる恐れもあります。セキュリティ面で考慮したい点は、主に下記のとおりです。
- パスワードを強固に設定して徹底管理する
- サイトをSSL化(通信情報の暗号化)する
ユーザーがサイト運営に問い合わせる手段がない
サイト運営に問い合わせる手段を用意しておかないと、利用者が困ったときに課題を解決する手段を提示できません。特にECサイトのように決済が発生するホームページなどの場合、大ごとになりかねないので訪問者が運営に問い合せる手段を必ず設置してください。
さらに、運営情報を明確にすることで、サイト訪問者に安心感を与えられるとともにSEO効果も期待できます。明記しておくべき運営情報は、主に下記のとおりです。
- 運営会社や団体の名称(個人の場合は氏名やライターネーム)
- 運営者の住所
- 運営者の概要情報やプロフィール
- 運営者の過去実績(権威性)
のちにホームページ内容を変更できない
最初に設定したホームページの仕様をのちのち変更したいケースが多々あります。このとき、サイトに拡張性を持たせておかないと、仕様を変更できません。のちに変更となる可能性がある要素をイメージしてサイト設計することが大切です。ただし、サイトドメインやパーマリンク(URL設定上のルール)など、そもそも変更すべきではない要素もあります。
デザインとレイアウトでやってはいけないこと
近年では、パソコンではなくスマートフォンやタブレット端末でWEBサイトを閲覧するケースが半数以上を占めるといわれています。これはWEBサイトのジャンルにもよりますが、全体のアクセスのうちスマートフォンからのアクセスが8割〜9割を占める事例さえあります。
そのため、サイトデザインやレイアウトを構築する際は、パソコンとモバイル双方のデバイスを意識する必要があります。該当するすべての端末でレイアウトが崩れていないかをチェックしながら、デザインを構築してください。
モバイルフレンドリーに対応していない
Google社は、2015年にモバイルフレンドリーアップデートと呼ばれるシステムを導入しています。これはモバイルで閲覧しにくいデザインやレイアウトのWEBサイトは検索順位が上がりにくくなるというシステムです。
現代では大多数のホームページがモバイルで閲覧しやすいデザインに対応しています。SEOやモバイルによるアクセスを考慮したWEBサイトを作るならば必須の作業です。
文字サイズと文字色が適切に設定されていない
文字サイズと行間を適切に設定していないと、非常に読みづらい記事コンテンツに仕上がります。例えば、高齢者をターゲットにしたテーマを扱うホームページであれば、老眼でも読める文字サイズに設定するべきです。
このほか、ホームページの背景色と文字色に気を使う必要があります。相性が悪い色使いでデザインすると、背景に溶け込んで文字が読みにくいといった不具合が発生します。また、むやみやたらに文字をマークアップで強調すると、ゴチャゴチャした印象を与えがちになります。
コンテンツ作成でやってはいけないこと
WEBサイト内のコンテンツは、訪問者が直に接触する部分です。コンテンツの役割とはサイト訪問者の課題を解決に導くことですが、コンテンツの品質が低いと、課題解決どころか何を伝えようとしているのかを理解してもらえないといったことにつながります。
HTML言語の記述を間違える
一般的に、原稿や画像データなどのコンテンツとHTML言語を組み合わせることで記事コンテンツが仕上がります。
HTML言語の記述を間違えたまま記事コンテンツを投稿すると、不適切な表現や表記、サイト全体のレイアウトが崩壊することさえあります。また、内部リンクや外部リンクを貼る場合は、リンクが機能しないといった不具合につながります。HTML言語の記述ミスを放置しておくと、訪問者の離脱率が増加してGoogleからマイナス判定されますので注意が必要です。
記事コンテンツで伝えたいことがわかりにくい
記事コンテンツを作成する前に、そのページのテーマを明確にしておかないと伝えたいことがわかりにくいコンテンツに仕上がりがちです。コンテンツを作成するうえで大切なことは、総論(テーマや問題提起)と各論(個別の具体事例)に要素を分解して考えることです。
例えば、記事の原稿を書く場合に、まずはコンテンツのメインとなるキーワードを明確にします。そのうえで、具体的に記事内で何を書くのかを決めていきます。一般的に、記事の原稿を執筆する際は下記のフローで進めます。
- テーマとメインキーワードを決める
- メインキーワードに適した、見出しを考えてページ構成を組み立てる
- 見出しに適した、本文を執筆する
コンテンツ内容が重複している
ホームページを運営していると、さまざまな記事コンテンツを作成していきWEBサイトが形成されていきます。場合によっては、似たテーマの記事コンテンツを作成する必要性も発生します。
こうしたときに、既存の記事コンテンツと同じ内容のコンテンツを投稿すると、サイト訪問者の利便性が低下するとともにGoogleに重複コンテンツとみなされる可能性があります。重複コンテンツは、SEO上で大きなマイナス判定になるので注意が必要です。既存の記事と似たテーマの記事コンテンツを作成する必要がある場合は、切り口を変えた原稿を用意するなど工夫してください。
コンテンツで著作権侵害を犯している
原稿や画像データなどのコンテンツには、著作権があります。例えば、他サイトが公開した記事や画像データをコピー&ペーストして自分のサイトで投稿すると著作権の侵害になります。SEO対策以前の問題として、著作権の侵害は法律違反ですので絶対にやめてください。
どうしても他サイトや画像データを利用したい場合は、参考文献として引用することになります。Googleガイドラインに沿って引用タグを活用して、引用元サイトのページ名とURLを記述してください。
SEO施策でやってはいけないこと
Google検索サイトでキーワード検索すると、キーワードに基づいて関連性が高いWEBサイトが順位付けされて表示されます。この仕組みは、Google社が独自で開発したアルゴリズムを利用しています。
あくまでプログラムで検索順位が決まってくるため、プログラム上の穴をついて不適切な手段で検索順位を上げる施策を講じるケースがあります。この行為はブラックハットSEOと呼ばれて、Google社が禁止行為として定めています。
禁止行為は、Googleガイドラインとしてまとめられています。違反するとペナルティが発生して、該当ドメインの評価が下がる、または同ドメインで作成したあらゆる記事が今後、検索順位に反映されないといった処罰を受けることがあります。SEO対策を考慮するならば、大前提としてGoogleガイドラインに沿ってホームページを作っていくことになります。
参考:ウェブマスター向けガイドライン(Google検索セントラル)
有料リンクを購入する
外部サイトにリンクすることを発リンク、外部サイトからリンクされることを被リンクと呼びます。発リンクは、良質なコンテンツを紹介するために利用されるテクニックです。被リンクをもらった側は、引用された、または参考文献として紹介されたとGoogleに認識されてSEO面で効果を発揮します。
一方、被リンクはSEOに効果があるという理由でリンクを販売する業者がいますが、Googleとしては金銭の発生による手段でリンクを受け渡すことを禁止してます。ペナルティを受けたWEBサイトのリンクをもらうと、被リンクを受けた側のWEBサイトまでGoogleからの評価が下がるので注意してください。
キーワードだけで文章を埋める
SEOを考慮して記事コンテンツを作る際に、ページのテーマやキーワードを決めて作成します。そのことから、一般的に記事のタイトルや見出しにキーワードを使うことが推奨されています。ただし、過剰にキーワードを使うと逆効果です。
例えば、意味をなさないキーワードの組み合わせだけで記事のタイトルや見出しを構成する、または本文のセンテンスを無意味なキーワードで埋め尽くすなどでコンテンツを作り上げるとペナルティを受ける可能性があります。あくまで正しい文法で原稿を作ってください。
隠しテキストを使用する
SEOでキーワードが重視されるという理由から、キーワードを詰め込んだテキストを視覚的に見えないように配置するケースがあります。下記のようなテキストフォントの使い方はGoogleガイドラインで禁止されています。
- テキストフォントを背景と同じ色にする
- テキストフォントのサイズを極端に小さくする
不適切なリダイレクトを多用する
既存の記事コンテンツを別のページに引越ししたいときに、リダイレクト設定(転送設定)します。リダイレクト設定すると、URL(A)のページに訪問した読者ユーザーをURL(B)へ強制移動することが可能です。加えて、これまでURL(A)に蓄積したGoogleの評価をURL(B)に渡すことができます。
リダイレクト設定は、コンテンツ内容がほぼ一致している記事ページにユーザーを転送する機能です。例えば、コンバージョンページに人を集めたいという理由で、コンテンツ内容が異なるページに転送する行為は用途として誤りです。リダイレクトは便利な機能ですが、誤った使用方法で扱うとペナルティの原因となることもあるので注意してください。
noindex設定する
noindexとは、インデックスしてほしくない記事ページをGoogleに伝えるためのプログラムです。noindexは、一般的にWEBサイト内の利用規約ページなど、インデックスさせるべきでないコンテンツページに設定する機能です。意図せずに主力コンテンツページをnoindex処理してしまうと、せっかく作ったWEBサイトに訪問者がGoogle検索を通じてたどりつけないという事故につながるので注意が必要です。
まとめ