Googleの検索候補が表示される仕組みとは? 活用方法を徹底解説
Googleの検索窓では、検索語句を入力すると検索候補も同時に表示されます。検索候補では主に関連性の高いキーワードが表示され、検索ユーザーに向けてカスタマイズされる仕組みです。また検索意図の分析など、マーケティングにも役立つ点が特徴になります。
Googleの検索候補とは?
Googleでは検索窓に検索語句を入力すると、キーワードに関連する検索候補が表示されます。表示される候補は「サジェストキーワード」と呼ばれ、検索エンジンがユーザーに向けて提案するキーワードのことです。
一般的には関連のある検索を行う際に活用されますが、他にもサジェストキーワードからユーザーの検索意図を分析するなど、マーケティングにも有効活用できる点が特徴です。
ここではGoogleサジェストの独自機能や、検索候補の活用方法について詳しく解説していきます。
Googleサジェストの独自機能
Googleだけでなく、Yahoo! JAPANやAmazonにも検索候補は表示される仕組みです。しかしGoogleのサジェストには独自の機能があり、さまざまな面で活用できることがポイントになります。
具体的には以下のキーワードを入力することで、それぞれの機能が表示されます。
- 天気検索:「天気+「地名」を入力すると、サジェストに現在の天気が表示
- 計算検索:計算式を入力すると、サジェストに答えが表示
- 外貨変換検索:「為替の種類+金額」を入力すると、サジェストに為替レートが表示
- 時間検索:「時間+「国名・地名」を入力すると、サジェストに現地時間が表示
画像検索でも関連する語句としてサジェストキーワードが表示されるため、幅広く活用できる点が特徴です。
検索候補の活用方法
前述ではGoogleサジェストの独自機能について触れましたが、検索候補ではマーケティング面にも有効活用できます。具体的には、ユーザーが検索した目的やニーズを考える「検索意図」の分析です。
例えば「SEO対策」の検索意図を考える場合、SEO対策に関する何を知りたがっているのか、具体的な部分までは読めません。
そこで検検索候補を調べてみると、
- 「SEO対策とは」
- 「SEO対策 やり方」
- 「SEO対策 費用」
- 「SEO対策 会社」
などが表示されます。
検索候補が表示される仕組みについては後述で詳しく解説しますが、基本的には「多くのユーザーが関心を持っているキーワード」です。
そのため「SEO対策」と大雑把な捉え方だったものが、SEO対策の「やり方」や「費用」や「会社」など、ユーザーが知りたがっている詳細な内容を判断できます。
このように検索語句を確認するとユーザーの検索意図が明確化するため、質の高いコンテンツ制作には欠かせない要素といえるでしょう。
Googleの検索候補が表示される仕組み
検索候補は、Googleの自動システムが表示するキーワードを生成する仕組みです。また自動システムでは以下の要素をもとに、ユーザーに最適なキーワードを決める流れとなります。ここでは、Googleの検索候補を決める要素について詳しく解説していきます。
検索ボリューム
検索候補に優先して表示される要素が、キーワードの検索ボリュームです。検索ボリュームは実際に検索されている回数のことをいい、検索ボリュームが多ければ多いほど、多くのユーザーが関心を寄せているキーワードと捉えられます。
例えば「マーケティング」の検索候補におけるボリュームを確認すると、
- 「マーケティングとは」:約40,000
- 「マーケティング 資格」:約6,000
- 「マーケティング 戦略」:約5,000
など、実際に検索回数の多いキーワードが表示されています。このように検索候補に「ユーザーが検索しやすい」キーワードを表示させている理由は、Googleがユーザーの利便性を考えた運営を行っているためです。
検索している人数
検索語句に表示されるキーワードでは、検索ボリュームだけでなく、実際に検索している人数も重要です。
仮に検索ボリュームが月間10,000回だとしても、5人程度しか検索していなければ需要が高いとはいえません。
むしろ検索ボリュームが半分の5,000回でも5,000人に検索されている方が、ユーザーが関心を集めやすいキーワードと考えられます。
とはいえ、検索ボリュームと検索している人数のどちらが重要といったものではありません。偏りがあるキーワードではなく、バランスよく多くの需要を集めているキーワードが表示されやすいといえます。
トレンド
検索候補には、その時期のトレンドにも影響されます。
トレンドとはキーワードの話題性をいい、直近で爆発的に検索されているキーワードや、今後話題になりそうなキーワードのことです。
例えばオリンピックを開催している時期であれば、
- 「東京オリンピック」
- 「東京パラリンピック」
などがトレンドとなり、
新型コロナの感染者数が増加すると、
- 「東京 コロナ」
- 「コロナ 感染者数」
などが検索候補に表示されます。
一時的にしろ検索数は大幅に増加するため、ユーザーにも注目されやすくなります。ただし短期的な表示も多く、トレンドにかかわる検索候補は移り変わりが激しいといえるでしょう。
検索ユーザーの位置情報
検索候補は同じキーワードを入力したとしても、検索ユーザーによって表示内容が異なることもあります。なぜなら検索ユーザーの位置情報も、検索候補を決める要素の一つであるからです。
例えば都内で「居酒屋」と検索した場合、検索候補には「居酒屋 新宿」や「居酒屋 池袋」など地名を含めたキーワードが表示されます。
しかし都内ではなく北海道で「居酒屋」と検索したら、「居酒屋 札幌」など位置情報を反映した検索候補が表示されるでしょう。
このように検索ユーザーに役立つ検索候補を提示するため、位置情報によって表示されるキーワードも左右されます。
検索ユーザーの使用言語
検索候補は、ユーザーが設定している言語によっても異なります。当然ではありますが、言語設定が日本語の状態で、検索候補に中国語のキーワードが表示されることはありません。
仮にいきなり中国語が表示されるようなことがあれば、ユーザーは困惑してしまいGoogleの利用率が減少するでしょう。
そのため、かならず使用言語に連動した検索候補となります。
もしもフランス語の検索候補を表示させたい場合には、使用言語をフランス語に設定するなど、状況に合わせて設定を変更しましょう。
検索ユーザーの検索履歴
前述で検索ユーザーの位置情報や使用言語について触れましたが、検索候補では使用履歴も重要な要素の一つです。
実際に検索エンジンを活用していると、同じキーワードを複数回検索することも多いのではないでしょうか。しかし同じキーワードを何度も入力することは、面倒に感じる行為です。
そのためGoogleでは、過去に検索回数の多いキーワードや直近で検索されたキーワードが優先して表示される仕組みになります。
また検索候補のなかでも最上部に表示されるため、目立ちやすくクリックしやすい点が検索履歴の特徴です。
Googleの検索候補によるメリット
Googleの検索候補では、サジェストキーワードを対策することによって、自社に関連するキーワードを表示させられます。
仮にGoogleの検索候補に自サイトへとつながるキーワードが表示されている場合、アクセス数の増加やブランディングの強化など、自社にとっていくつものメリットが得られるでしょう。
ここでは、Googleの検索候補によるメリットについて詳しく解説していきます。
アクセス数の増加
自サイトへつながるキーワードが表示されている最大のメリットは、アクセス数の増加が見込めることです。
検索候補は関連性の高いキーワードかつユーザーの目に留まる箇所のため、クリックされやすい特徴を持ちます。
そのため自サイトにつながるキーワードが表示されていれば、通常よりサイトのアクセス数が高まるといえるでしょう。
しかし押さえておくべきことは、検索結果の表示順位です。
どんなに自サイトへつながるキーワードだとしても、検索順位が低ければ意味がありません。したがってサジェスト対策だけでなく、SEO対策によって検索順位を高めることも重要視しましょう。
ブランディングの強化
検索候補に表示させる内容は、自サイトへつながるキーワードの他にも、企業名や商品名など自社に直接関係するキーワードにもメリットがあります。
なぜなら検索候補をとおして多くのユーザーに認知され、ブランディングの強化が行えるからです。
検索ユーザーもサジェストキーワードが「多くの人が検索しているキーワード」という認識はあります。
そのため「居酒屋」の検索候補に「店舗名」が表示されれば、有名なお店としてのブランディング効果を得られるでしょう。
さらに「店舗名+安い」や「店舗名+おいしい」などのポジティブワードが加われば、費用をかけずに広告と同等の宣伝効果が得られるといっても過言ではありません。
Googleの検索候補によるデメリット
検索候補ではポジティブワードが表示されるとは限らず、なかにはネガティブワードで埋まることもあります。ネガティブワードが多ければ風評被害への発展も考えられるため、かならずしも良い影響だけでないと認識しておきましょう。
ここでは、Googleの検索候補によるデメリットについて詳しく解説していきます。
ネガティブキーワードの表示
検索候補でデメリットとして考えられることは、自社に関するネガティブワードの表示です。
仮に「居酒屋」の検索候補に「店舗名+おいしくない」や「店舗名+接客が悪い」などのキーワードが表示されていればいかがでしょうか。目に入ったユーザーの多くは、マイナスイメージを持ってしまうと考えられます。
このようにネガティブキーワードで検索候補が埋まる状態を「サジェスト汚染」といい、企業であれば風評被害になりかねません。実際過去には、まるなか食品の代表作である「ペヤング」が「ペヤング 異物混入」などのサジェスト汚染を受けていました。
ボジションワードには良い影響がある反面、ネガティブワードでは大きな損失が発生する可能性について注意が必要です。
サジェスト汚染を簡単に解消できない
前述でサジェスト汚染について触れましたが、一度ネガティブワードで埋まった検索候補は簡単には解消できません。そのため長期的にマイナスイメージを背負ってしまうことが、大きなデメリットになります。
簡単に解消できない理由は、サジェストを削除するまでの手間や時間です。
サジェスト汚染の対策方法は以下になります。
- Googleサジェストの削除申請フォームを入力する
- 弁護士に依頼する
- 対策業者に依頼する
申請フォームで簡単に削除できれば問題ありませんが、ネガティブワードが発生する原因として、マイナス情報の記載されているサイトが挙げられます。サイトが原因の場合、検索候補に何度も表示される可能性があるため、サイトの管理者に削除依頼などを行わなければいけません。
このように申請の受領や連絡のやり取りが多く発生することもあり、サジェスト汚染の解消にはどうしても時間が必要になります。
サジェストキーワードの取得方法
サジェストキーワードを取得するには、手動の確認とツールを活用した自動確認の2パターンが存在します。基本的には簡単に取得できるツールがおすすめのため、ぜひご活用ください。
ここでは、サジェストキーワードの取得方法について解説していきます。
検索窓から手動で確認する
まず1つ目が、検索窓から手動で確認する方法です。検索キーワードを一つずつ手で打ち込み、表示されたサジェストキーワードを確認していく流れとなります。
仮に「マーケティング」のサジェストキーワードを調べた場合、
- 「マーケティング 本」
- 「マーケティング 企業」
- 「マーケティング 戦略」
- 「マーケティング 4P」
- 「マーケティング 事例」
という形で表示されます。
サジェストキーワード数が少なければ問題ありませんが、数が多いとすべてを確認するには大変な労力が必要です。実際「マーケティング」には900以上のサジェストキーワードが存在するため、どの程度の数かを見極めてから実施しましょう。
ツールを活用し自動で確認する
前述のとおり、キーワードによっては膨大なサジェストキーワードが存在します。そのため作業を効率化させるためにも、ツール活用し自動で確認する方法がおすすめです。
またツールであればサジェストキーワードが一覧で表示されるため、分かりやすくまとめる際にも役立ちます。
ここでは、サジェストキーワードの取得ツールについて解説していきます。
ラッコキーワード
ラッコキーワードは、無料でサジェストキーワードを取得できるツールになります。
主な特徴は、単にサジェストキーワードを表示するだけでなく、サジェストキーワードのサジェストまでを確認できる点です。
仮に「マーケティング」をラッコキーワードで調べると、「マーケティング ミックス」や「マーケティング 仕事」などのサジェストキーワードに加えて、
- 「マーケティング 資格 大学生」
- 「マーケティング ミックス モデリング」
までが表示されます。
シンプルなUI/UXで操作性も優れているため、どのサイト運営者にもおすすめできるツールです。
サジェストキーワード一括DLツール
サジェストキーワード一括DLツールも無料で利用できるツールです。
GoogleサジェストとYahoo! サジェストが存在し、どちらもキーワードを入力するだけで一覧が表示されます。
主な特徴は以下の2つです。
- 50音・英単語・数字の頭文字から検索可能
- csvで一括ダウンロードが可能
特にサジェストキーワードをまとめて整理したい場合に、おすすめのツールとなります。