フッターリンクがSEOに与える影響
WEBサイトを運営していく上でSEO対策は重要です。SEOが上がれば検索順位が上がり多くのユーザーからアクセスされます。そのなかでもフッターリンクがどのようにSEOに関わってくるかを知っておく必要があります。
フッターリンクにSEO効果はありませんが、ユーザビリティの向上により回遊性を高め、滞在時間を伸ばすことができるという点で間接効果は見込めます。
フッターリンクとは
WEBサイトのページの最上部がヘッダー、最下部にある領域がフッターと呼ばれています。フッターにはリンクを設置するためのメニューが設置でき、フッターの部分に貼られているリンクがフッターリンクと呼ばれています。
フッターリンクはユーザーがスクロールしきったあとに再度ユーザーをコンテンツに案内したり、スクロールせずともサイトのヘッダーにワンクリックで戻れるような導線の設置が可能です。
ユーザーにサイトを効率よく回遊してもらうために欠かせないのがフッターリンクで、WEBサイトのユーザビリティ評価にも大きく関わってきます。
サイトを効率よく回遊してもらいユーザーにサイトに長く滞在してもらえれば、結果として間接的にSEO評価を上げることに繋がりますので、フッターリンクは重要なポイントになってきます。
フッターリンクにSEO効果はない
フッターリンクそのものはSEOに直接的な影響はありません。そのため、フッターリンクに設置したコンテンツやリンクにより検索順位が上がったり、下がったりすることはありません。
ただし、フッターに設置したコンテンツにより間接的にSEOにプラスまたはマイナス効果を発揮することはあります。
例えば、次のような例です。
- ユーザービリティを上げるコンテンツの誘導
- クローラビリティを上げるコンテンツの配置
- 多すぎるフッターリンク(マイナス効果)
ユーザービリティを上げるコンテンツの誘導
ユーザーはコンテンツを読み終わったときに、ページを離脱します。そのページへの用がなくなるからです。しかし、コンテンツを読んで疑問に思ったこと、追加で知りたいことなどのコンテンツが目に入れば、ユーザーがクリックする可能性が高くなります。
ユーザーがクリックするということは、フッターリンクによりユーザビリティが上がったという可能性があり、回遊性が高まり、滞在時間が長くなったことで間接的にSEOにプラスに作用する可能性があります。
クローラビリティを上げるコンテンツの配置
SEOで重要なのはクロール、インデックス、ランキングの3つです。すなわち、検索エンジンがクロール(回遊)できるかどうかが最初の壁になります。
検索エンジンはリンクを元に新しいページを見つけます。リンクがなくても新規ページを見つけることはできますが、時間がかかるため、SEOの観点では新規ページへのリンクは重要です。
その観点で見るとフッターリンクをうまく活用することで検索エンジンへの認知が高まり、インデックスが促進される可能性がありますので、その意味でSEO効果があるといえます。
多すぎるフッターリンクはマイナス効果
フッターリンクは多くても少なくてもSEOにはプラスにもマイナスにも作用しません。しかし、あまりにも多すぎるフッターリンクは推奨されません。
Googleはペナルティになる基準については明言していませんが、あまりにも多すぎるフッターリンクが原因で検索順位が落ちた、あるいはペナルティを受けたと考えられる事例もいくつか確認できています。
ただし、単に多いだけでは基準がわからないのも事実です。フッターリンクの数については言及されていませんが、ユーザーに有益な情報であれば数が100あっても問題ありません。
しかし、多すぎるとユーザーが混乱する原因になりますので、ユーザビリティを考慮し、わかりやすく、関連性の高いリンクを設置するようにしてください。
フッターの役割
フッターリンクで役割に準じたリンクを設置することができれば、おのずとユーザーがサイト内を回遊することになり、間接的にSEOの評価を上げることにつながります。
- サイトのナビゲーション
- サイトデザインのバランス調整
- 重要なリンク先を設置
サイトのナビゲーション
フッターにはリンクを設置できるので、ユーザーがページの最後までスクロールしても目的の情報を得られなかった場合や情報を見逃してしまっている場合に再度ナビゲーションができます。
リンクの設置のしすぎはおすすめできませんが、フッターはヘッダーに比べて多くのリンクが設置でき、リンクを設置してもサイトデザインが崩れにくいため、リンクの貼り方によってはサイト全体を把握できるようなサイトマップとして活用できます。
ユーザーがフッターにたどり着く前に、適切なコンテンツにアクセスできるような導線が理想ですが、ユーザーが情報を見逃してしまうことも少なくありません。ユーザーが最下部までスクロールしても再度アクセスしてもらえるように興味を持ってもらいたいリンクの設置が重要です。
サイトのデザインバランスを整える
WEBサイトの全体的なバランスを保つうえでもフッターは重要な役割を持っています。WEBサイトの世界観やビジュアルに合わせて、フッターもデザインを変えていく必要があります。
フッターもさまざまなデザインに変更ができるので、クールなイメージのサイトであればポップなイラストは合いません。このようなミスマッチを避けてなるべく世界観を統一させるようにフッターもデザインを合わせなければなりません。
ユーザーはWEBサイトの世界観もよく見ているため、少しでも違和感を感じてしまうとWEBサイトのファンになってもらうことはむずかしく、WEBサイトの締めにあたるフッターこそ世界観を守りデザインを整えるための重要なポイントなのです。
重要なリンク先を設置
WEBサイトにアクセスしたユーザーのなかにはスクロール中に求めていた情報があり、それを認識しながらもページの最下部までスクロールしたうえで、再度戻ってコンテンツやお問い合わせリンクをクリックするユーザーもいます。
そうしたユーザーも少なくないため、フッターには重要なリンク先を設置しておいたほうがユーザーがスクロールして戻らなくてもアクセスでき、ユーザーが戻る手間を省けます。また、スクロールして戻る最中に認識していたはずの情報を見逃してしまうことも防止できます。
フッターにはカテゴリーのページやWEBサイトで一番興味を持ってもらいたいコンテンツ、重要なリンクなどを載せることでユーザーの離脱を防げます。お問い合わせフォームや予約フォームなどを再誘導できればなおユーザー離脱防止ができます。
フッターリンクには何を載せるのか
フッターリンクはSEOに直接的な効果はないものの、設置するリンクによってユーザーがサイト内に滞在、回遊するかどうかが大きく変わってきます。
そのため、重要度の高いコンテンツへのリンク、ユーザーが次の求めるコンテンツへのリンクを設置する必要があります。
しかし、それ以外にも次のような情報を載せるのが一般的です。
- プライバシーポリシー
- 特定商法取引に基づく表記
- サイトマップ
- お問い合わせフォーム
- 企業情報
- SNS情報
プライバシーポリシー
プライバシーポリシーとは個人情報保護のためにどんな方針をとっているかを明らかにすることですプライバシーポリシーは必ずしも公表する必要はありませんが、自社サービスを提供するにあたってクリーンなイメージを持ってもらうためにも必要なページでもあります。
プライバシーポリシーページは誰でも簡単にアクセスできるようにしておく必要があるため、WEBサイトに訪れた最初のページのヘッダーかフッターにリンクを設置してください。
特定商法取引に基づく表記
特定商取引法とは消費者を守るための法律であり、WEBサイト上で商品やコンテンツを販売する場合には特定商法取引に基づく表記をする必要があります。プライバシーポリシー同様、クリーンな販売のイメージのためにもアクセスしやすいリンク設置が必要です。
特定商法取引も重要な情報なため、ヘッダーもしくはフッターに載せることでユーザーの安心と信頼につなげられます。ヘッダーには設置できるリンクの数が多くないため、基本的にはフッターへの設置をおすすめしています。
サイトマップ
サイトマップには検索エンジン用のxmlサイトマップとユーザー用のHTMLサイトマップがあります。フッターリンクにはユーザー用のHTMLサイトマップを設置することでユーザビリティが向上する可能性があります。
HTMLサイトマップとはWEBサイトのすべてのページを1つにまとめたページのことです。フッターリンクからサイトマップへの導線を設置したり、小規模なサイトの場合にはフッターリンクそのものをサイトマップにしたりします。
コンテンツの量によってサイトマップの必要性やどんなサイトマップにしていくかが変わりますので、運営するWebサイトのコンテンツカテゴリーが将来増え続けるような状況であれば、最初からフッターに掲載するのではなく別ページにサイトマップを作るようにしてください。
コンテンツの量が多いサイトほどファーストビューやヘッダーで見逃してしまったユーザーを再度回遊させることに繋がるので、Webサイトのコンテンツボリュームに応じてサイトマップ導入の検討が必要です。
お問い合わせフォーム
すべてのサイトには目的がありますが、多くの場合には購入やお問い合わせがコンバージョンになっています。サイトトップの目立つところにコンバージョンボタンを設置することは重要ですが、記事の最後やフッターリンクにお問い合わせ先を入れることも非常に効果的です。
お問い合わせページへのボタンだけを設置することもよいですが、お問い合わせフォームそのものを設置することで、遷移せずともコンバージョンできるという点でユーザビリティが向上する可能性があります。
企業情報
コンテンツや商品が気に入ってもらえたとして、ユーザーはこの会社がどこにある、なんという会社なのかに興味を持つことがあります。企業情報は多くの場合、ヘッダーにありますが、フッターに設置することでユーザーからのアクセスが見込めます。
SNS情報
フッターリンクにSNSのリンクを貼ることも効果的です。SNSリンクを貼ることでWEBサイトに強く興味をもった関心があるユーザーに追加で情報を提供できます。
最下部であるフッターまでスクロールしてくれるユーザーは、比較的WEBサイトのコンテンツや世界観に関心が高い可能性があります。より身近に感じることができるSNSの発信にリンクすることができればより深くファンになってくれる可能性があるので、フッターリンクとしての設置が有効です。
フッターリンクの注意点
使い方次第では便利なフッターリンクですが、注意すべき点が2つあります。
- クリック率が低い
- 最初のリンクではない
クリック率が低い
フッターリンクにはユーザーの次のアクションをさせるリンクを設置することが効果的ですが、そもそも記事を読み終わったユーザーはそのまま離脱することが多く、特別に気になったコンテンツでもなければクリックすることはありません。
フッターリンクは回遊の補助にはなりますが、そもそものクリック率が低いことは認識しておくべきです。
もし回遊させることが目的であれば、フッターリンクではなく、メインコンテンツ内またはメインコンテンツが終わった直後に別のコンテンツへの導線を作る必要があります。
最初のリンクではない
1つのページからいくつのリンクがあっても構いませんし、1つのページから同じページへのリンクが複数あっても構いません。
ただし、SEOで評価されるのは同じページへのリンクのなかの一番上にあるものだけです。もしフッターリンクのリンクがそのページで2回目以降であればSEO評価としてプラスには作用しませんので、ユーザビリティ向上という観点ではプラスでもSEO観点では無駄になることがあります。
まとめ