よいSEOライターの見つけ方
オウンドメディアを展開している方と話す機会は多いですが、悩みを聞いていると非常によくあるのがよいライターが見つからないということ。
- 曰く、指示通りの内容を書いてくれない
- 曰く、納期を守ってくれない
- 曰く、依頼後に音信不通になる
これでは良い悪い以前の問題です。しかし、きちんと規定通りに納めてくれるライターでも思ったものと違う、ぜんぜん検索順位がつかない、トンマナがおかしいので相当量を自分で修正することになった、納品物は可もなく不可もなくだが文字単価が高いなど不満はあるようです。
さらに、SEOを深く理解して検索ワードで上位表示していく記事が納品できるライターとなるとその数はかなり少なくなります。
では、よいライターはどこで見つけることができるのか。これはオウンドメディア担当者からすると大きな課題です。
よいライターとは
そもそもですが、よいライターとは何かという話になります。
冒頭にあった指示を守らない、納期を守らない、音信不通になるは良い悪い以前にプロではありません。納期は守るもの、レギュレーションも守る、文章量も指示通りで記事の方向性も正しいのであればライターとしての仕事はしているようです。
ですが、納期もレギュレーションも文章量も記事の方向性も正しいのに、このライターは質が悪いという担当者は意外にいます。何が不満なのか聞くとこのライターが書いた記事には順位がつかないというのがあります。
でも待ってください。他のライターで順位が付くのに一人だけ順位がつかないのであれば記事の質かもしれませんが、他のライターも順位がつかないことがあればそれはサイト側の問題である可能性が高いです。
SEOを意識してライティングを依頼したわけなので順位が付くまでが仕事だと主張する方もいますが、十分な品質が担保されていてもサイト側に問題があったり、キーワードの難易度次第では順位がつかないということはよくあることです。
ライターはライターであって記事を納品するところまでが業務です。それを越えて期待するのは酷な話ですし、その調整をするのはコンテンツディレクターなはずです。
レギュレーションはあるか
オウンドメディア担当者からの相談でライターの質が悪いというのでレギュレーションが悪いのではないかと話を聞くと、担当者からはレギュレーションは送っていないという場合や送っているというので見せてもらうとキーワードとターゲットしかない場合があります。
ライターによってはキーワードだけ貰えば自身で入念に調査し必要な情報、不必要な情報を判断し、事前に掲載メディアをよく読み込んでどういう読者なのかを想定して記事を書いてくれる方もいます。
しかし、これはあまりにも期待しすぎです。一般的にはメディア側できちんとしたレギュレーションを用意し、統一ルールに則らない限りよい記事は出来上がりません。
これをメディア担当者に伝えたところ、「でも優れたライターならそれくらいは自身でできるはず」という呆れた回答が来ることもあります。
記事の質が悪く感じるはずです。
レギュレーションは想定読者、記事の目的、見出しの付け方、箇条書きや表組のルール、使用禁止の言葉や必要な言い換え、引用ルール、画像掲載時の注意点など細かく指定したマニュアルです。マニュアルがないということは羅針盤のない航海ようなものです。これでSEOで成功するというのは難しいといわざるをえません。
ライターの育成方法
このようにメディア担当者側の認識不足がライターを過小評価していることがありますが、とはいえ、レギュレーションを作ったとしても質が良くないという思うような記事が出てくることは多分にあります。どのようなライターにも得手不得手がありますので、どのようなジャンルであっても書けるというライターは非常に稀です。
また、非常に高い権威性が求められる医療や法律の分野では専門家によるライティングが望ましいですが、専門家は記者でもライターでもありませんので今度は文章が書けないということがあります。
ライターに専門記事を書いてもらい専門家に監修してもらうのと、専門家に執筆をしてもらうのとではどちらがよいのかは難しいところですが、知識の点でも専門性の点でも専門家に書いてもらった方が多くの場合でうまくいきます。
ここで次の課題が「どうやって育成するか」です。ポイントは3つです。
- タイトルと見出しまで作る
- 関連語と共起語を調べる
- フィードバックは細かく行う
タイトルと見出しまで作る
記事タイトルは記事の内容と一致している必要がありますので、記事が出来上がった後に修正するものです。ですが、ライターに依頼する前に仮タイトルを付けておくことで記事の方向性がわかりやすくなります。
また、事前に仮見出しを付けることで記事の方向性が大きくずれることがなくなります。場合によっては見出しの中に何を書くのかを箇条書きで記述しておくことで品質を担保することができます。
ライターによってはタイトルや見出しの作成までできることもありますが、依頼した当初はレベルを見極めるという点でもライターに作ってもらったものを執筆前に確認するか、メディア側で用意する必要があります。
関連語と共起語を調べる
記事を書く際には競合記事を参考にして必要な情報を網羅しつつ、独自コンテンツに仕上げる必要があります。競合を参考にしただけでは例えコピーしていなくても独自とまではいえないことが多く、成果が見込めないからです。
その際に役立つのが関連語と共起語です。ツールを使ったり、目視で確認したりすることで情報を集め、適切に文章内に含めることでよりよいSEOコンテンツができます。
ただし、関連語や共起語は入れればよいというものではなく、自然に入ることが望ましいものですので無理やり入れて不自然な文章になるくらいならやめた方がよく、独自コンテンツを作る際に不要な情報であればそもそもが調べる必要もありません。
フィードバックは細かく行う
ライターを育成する上でもっとも重要なのがフィードバックです。一時納品された記事をコンテンツディレクターでチェックし、修正してほしい部分を事細かく指摘する必要があります。
この時に注意するのはyes,but・・・で伝えることとライターのわからないこと、勘違いしていること、調査が不足していること、追加で書いてほしいことを箇条書きではなく理由や背景、記事の流れなども添えて伝えることです。
時には記事よりもフィードバックの方が長くなることもありますが、よいコンテンツを作ろうと思ったらそれくらいの手間はかかります。
ライターの集め方
ライターを育成する以前に、ライターが見つからない、見つけ方がわからない、集め方がわからないという人も多くいます。多くの企業でライター不足は悩みのようですが、集めようと思えば意外に集まります。
ライターは個人でブログをやっていることが多く、問い合わせると返信が来ますし、TwitterなどでDMを送ると高確率で返答があります。ライター間で繋がりがあることも多く、ジャンルさえ問わなければ数を集めることは可能です。
問題は記事の質の担保ですが、質についてはどうしてもジャンル次第で得手不得手がありますので、それなりの長いお付き合いを前提に少しずつ慣れてもらうほかありません。