眼鏡やコンタクトレンズなどのアイウエア市場規模は、3年以上連続で伸びをみせています。コロナ禍の影響で巣ごもり生活が根付いた2020年に2割ほど落ち込んだものの、翌年の2021年にはプラスに転じ、2023年の時点ではコロナ流行前の2019年の水準に回復しています。

また、アイウエア製品は、ファンションとして、または目元を守るために装着する人も増えてきて多様化をみせています。こうしたことから眼鏡を複数持つ人が全体の6割にまでのぼっています。一方、こうした動きに呼応するようにアイウエア製品をECで購入する層も拡大しています。もともと眼鏡の市場は不況に強いジャンルといわれてきましたが、とくに既存の眼鏡店やECショップを展開する事業者にとっては、SEO対策をはじめとした集客強化の施策が重要性を増す時代に突入しています。

眼鏡店とSEO対策をテーマに解説します。とくに、地域に根差す眼鏡店舗の方、中小企業でECショップをスタートすることを検討している方は、本記事を参考にして集客や売上強化を図ってください。

眼鏡販売でSEO対策すべき理由

アイウエア市場規模は、コロナ禍で一度下落したものの、2021年以降は前年を超えています。そして、2023年にはコロナ禍以前の水準に戻っています。一方、ユーザーが眼鏡にファッション性や目元保護の機能性を求めている傾向があることから、2個以上の眼鏡を所有する人が一定数存在します。そのため、ECショップでアイウエア製品を購入する人が増えています。こうした背景から、既存の眼鏡店やECショップにとっては、競合に顧客を奪われないようにSEO対策をはじめとする集客施策の重要性が高まっています。

コロナ禍で外出需要が減少したものの、近年では回復基調に

株式会社矢野経済研究所のアイウエア市場の調査結果によると、近年は堅調に売上が推移していて、2023年には、コロナ禍前の2019年と同水準の規模に達する見込みとのことです（2023年当時調べ）。

※2023年は当時の見込み数値

2020年以降のコロナ禍で外出する機会が減ったことから、ファッション性が高いサングラスやカラーレンズなどのニーズも比例して減少しました。しかし、翌年の2021年から2023年にかけては、日常生活がコロナ禍前の状態に戻るとともに、サングラスなどの需要が回復しています。

眼鏡ECのニーズが拡大している

もともと、眼鏡を購入するためには、視力検査が必要であること、眼鏡が自分に似合うかのチェックのための試着ニーズが高いことから、眼鏡市場のEC化率は低いといわれていました。しかし、近年では、ファッションや目元の保護を目的として、伊達眼鏡や花粉防止の眼鏡商品が注目を集めています。そのため、眼鏡を複数所持している人が増えています。そして、インターネット調査会社のマイボイスコム株式会社のアンケートによると、眼鏡の所有者は8割以上、2個以上の所持者は6割を超えていることがわかっています（2024年現在）。

※本表は、マイボイスコム株式会社調べのデータを集計したもの

すでに自身の視力を把握していて、視力調査を要さない人が増えていることなどから、眼鏡をECで購入する層が一定数だけ存在するといわれています。たとえば、大手眼鏡ブランドのJINSの決算資料をみてみると、2024年8月の国内アイウエア事業の売上のうち、約7%がEC販売によるものであることがわかります。

眼鏡店向けのSEOキーワードの例

眼鏡店がWEBコンテンツを利用して売上を高める施策として、店舗ホームページやECショップの開設が挙げられます。そして、こうしたサイトを運用するためには、SEO対策をつうじて集客を強化する必要があります。そこで、眼鏡店のサイトに適切なキーワードをピックアップするとともに、検索回数や検索結果の情報を交えて解説します。

関連記事：SEOキーワードの選び方とは

このうち、中小企業や地域密着型の眼鏡店舗としては、地域キーワードや「伊達メガネ」といった自社の主力商品を示すキーワードを設定することが効果的です。

※本項目で記載する検索ボリュームは、原則として2024年10月単体のもの

アイウエアの種類

アイウエアとは、眼や眼球を装飾する商品の総称を指します。代表的な商品としては、眼鏡、サングラス、コンタクトレンズが挙げられます。検索ユーザーは、自身の目的に合わせて、アイウエアの商品を検索します。

検索結果では、アイウエア商品を販売するブランドの商品案内ページやECショップが上位表示しています。ECショップにおいても、眼鏡市場やZoff、JINSといった、大手眼鏡ブランドのECショップが目立ちました。一方、医療機器にあたる「コンタクト」の場合は、エースコンタクトなど、コンタクトレンズメーカーの案内ページが露出しています。このほか、眼鏡店が取り扱わないスマートグラスに関しては、ビックカメラなど、家電量販店や電機メーカーが露出していました。

また、検索ユーザーは、アイウエアを購入する手段をキーワードとして探すケースがあります。アイウエアの購入方法としては、実店舗での購入、オンライン上での購入の2つに大きくわかれます。

実店舗を指す「メガネ店」のキーワードでは、店舗のマップ情報をまとめたページがもっとも目立ちました。このほか、アイウエア会社の案内ページが表示されています。一方、「眼鏡 通販」では、アイウエア会社を中心としたECサイトのページが上位表示しています。

眼鏡の機能や性能

近年の眼鏡は、視力の補正を手助けするだけでなく、利用シーンに合わせた付加機能を有しています。たとえば、2011年にはJINSがパソコン作業に適したブルーライトカットメガネの販売を開始しています。そして、検索ユーザーは、利用シーンに適した眼鏡を検索キーワードにすることがあります。

検索結果では、アイウエア専門店を中心としたECページがもっとも目立っています。このほか、それぞれ機能の仕組みを解説する記事、使い心地のレビュー記事が上位表示しています。この結果からは、検索ユーザーが「特別な機能がついた眼鏡を探したい」だけでなく、「特別な機能の仕組みの解説や効果を知りたい」という検索意図があるとわかります。

また、眼鏡以外のサングラスやコンタクトレンズといったアイウエア商品でも、機能に関する検索ニーズがあります。とくに、「度入り」や「老眼」といった視力補正に関するキーワードで検索されることが多々あります。

検索結果では、眼鏡のものと同じく、ECページや解説記事が目立っています。「老眼 コンタクト」のキーワードでは、「老眼に対応したコンタクトレンズはあるのか」、「老眼の視力矯正にコンタクトレンズが適切か」を解説する記事が目立ちました。

ファッション性を表すキーワード

視力矯正や目元の保護のほか、ファッションとしてアイウエア製品を身につけるニーズがあります。そのため、検索ユーザーは、眼鏡のレンズやフレームの形状をキーワードにして検索することがあります。

検索結果をみると、ECページや解説記事が上位表示しています。このうち、「伊達メガネ」は、視力検査を要さないことから、必ずしも実店舗に来店する必要がなく、物販ECサイトと親和性が高いといえます。そして、代官山眼鏡工房といった、伊達眼鏡専門店が上位表示しています。このほかの「リムレス メガネ」などデザイン性を表すキーワードでは、「似合う顔の形や髪型」に関する解説記事が露出しています。

また、コンタクトレンズのうち、ファッション性が高いカラーコンタクトに関連するキーワードが検索されるケースも散見されます。

カラーコンタクトの場合、視力検査を要さず、試着ニーズも薄いことから、ECショップのページが上位を占拠しています。このうち、「カラコン」のキーワードでは、カラーコンタクト専門通販サイトのモアコンタクトやQUEEN EYESが、「コスプレ カラコン」では、コスプレに特化したカラーコンタクト通販サイトのチェルシーやアイトルテと、それぞれ専門のECショップが目立ちました。そして、「渡辺直美 カラコン」は、指名検索に該当することから、タレントの公式ショップが1位表示していました。

これらの結果をみてみると、伊達眼鏡やカラーコンタクトレンズのように極めてファッション性が高い商品では特化型の専門サイトが上位表示しやすい傾向にあることがわかります。

実店舗の地域名

眼鏡を購入するとなると、視力検査してレンズを調整する必要があります。また、自分に似合うかを確認する試着のニーズも高く、実店舗に購入するケースが多い商品に位置付けられます。そのため、「地域名 + メガネ」といった要領で検索されることが多々あります。

「新宿 メガネ」の検索結果をみると、大手眼鏡ブランドのサイトを抑え、都内エリアに特化した和真眼鏡が2位でした。一方、「メガネ 尼崎」でも、地域密着型の眼鏡店舗のメガネのアマガンが1位に表示されています。この結果からは、地方で店舗を営む眼鏡屋さんにとって、地域名をキーワード設定することがとても大切であることがわかります。

眼鏡販売で効果的な集客の手法

眼鏡店舗やECショップに集客するうえでは、下記のような施策が効果的です。

このほか、販売形式ごとに、下記のような施策が存在します。

関連記事：ECサイトのSEO対策

SNSでデザイン性や色合いをアピールする

眼鏡やサングラス、カラーコンタクトでは、デザイン性や色合いの美しさをアピールする投稿をするとバズる傾向がみられます。

たとえば、愛知県で眼鏡販売や加工を手がけるメガネのジンノは、ドイツのレンズメーカーのZEISS（ツァイス）を扱っています。このレンズは紫外線に反応することで調光し、美しいブルーに変色します。その様子を撮影した動画をInstagramのリール投稿をしたところ、大きな反響をえています。

 

この投稿をInstagramで見る

 

メガネのジンノ(@meganenojinno)がシェアした投稿

このリールは、2024年3月に投稿されたものですが、同月中には100万再生に到達しており、同11月現在で177万再生を超えるほど注目されています。同社によると、本投稿の反響で問い合わせが殺到したとのことです。

データベース型SEOを導入する【自社ECのケース】

アイウエア製品を販売するECサイトを立ち上げる場合、個々の製品を紹介するために大量のページを生成することになります。こうした大規模サイトを運用する際には、一般的にデータベース型サイトを構築し、専用のSEO対策が必要です。東京SEOメーカーでは、データベース型サイトのSEO対策の実績があります。ECサイトの立ち上げを検討している方は、下記リンク先のサービスページをチェックしてください。

>>データベース型サイトのSEO対策サービス

モールEC内で表示回数を増やす【モールECのケース】

アイウエア製品を販売するにあたり、モールECを活用するケースでは、モールEC内で自社のショップの露出を高める施策が求められます。そして、利用するモールECによって、効果的な施策が異なります。下記記事を参考のうえで、自社が利用しているモールECに適切な施策を取り入れてください。

Googleビジネスプロフィールに店舗情報を掲載する【実店舗のケース】

実店舗の集客を図るうえでは、MEO対策が効果的です。MEO対策とは、ローカルSEO対策の一環に位置付けられるもので、Googleビジネスプロフィールと呼ばれるサービスに店舗情報を掲載する施策です。この施策を採用することで、Googleマップや検索結果上の専用の掲載枠に自店舗の情報が載ります。Googleビジネスプロフィールの詳細については、下記記事で解説しています。

関連記事：Googleビジネスプロフィールとは？

よくある質問（Q＆A）

眼鏡販売とSEO対策に関する、よくある質問をまとめています。
 

まとめ

眼鏡の市場規模は、コロナ禍で落ち込んだものの、現在では以前の水準にまで回復しています。そして、近年では、ブルーライトカットメガネや花粉眼鏡、伊達眼鏡、カラコンなど、アイウエイ製品のあり方が多様化しています。複数の眼鏡を所持する人も増えてきていて、手軽にECで購入するニーズも高まっています。既存の眼鏡店舗やECショップにとっては、これから先の時代を生き残るためにも、SEO対策やSNS戦略などの施策を用いて、集客強化を図りたいところです。これから本格的に集客施策することを検討している方は、SEO対策やWEBマーケティングに特化した専門会社に相談してみてください。

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