ECサイトで効果のあるSEO対策は?重要性やポイントなど解説!
アイルランドのデジタルマーケティング会社Wolfgang Digitalが発表した『KPI Report2020』によると、ECサイト全体のトラフィックの内、約33%がオーガニック検索によるものです。このデータからわかるとおり、競争の激しいEC市場での成功を左右する鍵は、検索エンジン経由のWEBサイト訪問者をいかに増やすかがポイントです。
ECサイトにSEO対策が重要な理由
なぜ、ECサイトにSEO対策が必要なのか。その理由は、検索結果の上位に表示されれば、トラフィックを増やし、収益に直結するからです。
しかし、トラフィックを集めるだけなら、SNSでも良いのではないかといった疑問もあるのではないでしょうか。そこで、検索エンジン経由からトラフィックをえることが重要な理由について詳しくお伝えします。
検索エンジンはECサイトと相性が良い
ECサイトは商品を販売するページのため、「今すぐ客(購入意欲が高いターゲット顧客)」との相性が非常に良いです。そして、このような購入意欲の高いターゲットは、多くの場合、検索エンジンを利用して情報収集をおこないます。
今すぐ客は、検索エンジンを利用し、価格や機能、他社製品との比較などの情報を検索しするため、高確率でコンバージョンにつながります。
事実、ロンドンに拠点を置くSEO・マーケティング会社Reboot Onlineの調査によると、ECサイトの注文のうち23.6%がオーガニック検索経由のコンバージョンによるものと報告されています。
一方で、SNSなどを利用してトラフィックを集めた場合、必ずしも購入意欲の高い顧客ばかりではありません。むしろ、多くの場合「今すぐ購入したいわけではない」と考えるユーザーの方が多いため、コンバージョンにつながる可能性低い傾向があります。
そのため、同じ予算をかけるなら、SNSをとおした集客を試みるよりも、SEO対策をおこない検索結果の上位に表示されるようにした方が、遥かに費用対効果が高いです。
参考ページ:ECOMMERCE SEO STATUS – Reboot Online
見込み客から信頼を獲得できる
商品を購入したいと考えるユーザーは多くの場合、「このECサイトは信頼できるのか」と心配します。近年、ECサイトでの詐欺が多発しているため、そのようなトラブルを避けたいという気持ちが強いからです。
こうした背景から、ユーザーはできる限り信頼できるECサイトで商品を購入しようとします。そして、その信頼性を判断する基準の1つとして、検索結果で上位に表示されているかどうかを確認します。
Googleは、信頼性の高いWEBサイトを上位に表示せるために、長年にわたり多くの労力を注いできました。その結果、ユーザーは検索エンジンで上位に表示されているWEBサイトに対して、自然と一定の信頼感を抱くようになっているのです。このように、ECサイトにとって検索エンジンで上位に表示されることは、自社ECサイトの信頼性につながります。
ECサイトに有効なSEO対策
ECサイトのSEO対策を強化することで、検索結果での順位向上やアクセス数の増加が期待できます。そこで、ECサイトに有効なSEO施策とその効果について解説します。自社のECサイトで、まだ取り入れていない施策がないか、早速下記よりご確認ください。
カテゴリを細かく分ける
ECサイトは競争が激しく、単に商品の概要や値段を載せただけでは検索上位をとることは難しいです。そのため、カテゴリを細かくわけてSEO対策をしてください。
例えば、バッグを専門に扱う場合には男性用なのか、女性用なのかでカテゴリを分けることができますし、バッグの種類によってもビジネスバッグやボストンバッグ、トートバッグ、ハンドバッグのように分類できます。このように細かくカテゴリ分けしたページを作成することで、絞り込んだキーワードで検索する購入意欲の高いトラフィックを集めることができます。
また、細かくカテゴリを分類したECサイトは、専門性の高いページになるため、検索エンジンからも評価されやすいです。
クロスカテゴリでページ作成
SEO対策を考えるとき、ブランド名や製品名だけで検索するユーザーを狙うのは難易度が高いです。それよりも、「ブランド名+商品名」のように、複合キーワードで検索上位を目指してください。
ブランド名や商品名だけの単一キーワードより、検索ボリュームが下がりますが、複合キーワードの方が自社のECサイトを上位表示させやすいからです。また、「ブランド名+商品名」で検索するユーザーは購入意欲が高いため、検索ボリューム自体が少なくても、コンバージョンが高くなる傾向があります。
例えば、パソコンのECサイトを運営しているなら、メーカー名としてSONY、Microsoft、富士通、NECなどが挙げられます。さらに、商品名ではVAIO、Surface、FMV、LAVIEのように分類できます。これらの単一キーワードでSEO対策をするのではなく、「Microsoft+Surface」のようにキーワードを掛け合わせたクロスカテゴリのページを作るようにしてください。
トレンドを反映する
自社のECサイトには、トレンドワードや季節ワードを含めた専用ページを作るようにしてください。一過性ではあるものの多くのトラフィックを集めることが可能です。例えば、雑誌やテレビなどでの流行はもちろん、ゲームやアニメなどが発端となって市場が動くこともあります。
また、季節でいえば、クリスマスやバレンタインなどのシーズンに合わせ特集ページをつくることで、関連商品の販売につなげることができます。ECサイトでは、このようなトレンドを考えた展開をすることで、大きなビジネスチャンスが生まれます。
コンテンツページを作る
ユーザーがある商品を欲しいと思っていても選び方が分からない、使い方が分からないというケースはよくあります。そこで、商品に関するハウツー記事を作成し、SEO対策につなげてください。
例えば、浴衣や着物などであれば「着こなし方」のHow Toページを作ることができますし、ネクタイであれば「おしゃれな結び方」などを紹介するページを作るといったことが考えられます。
How Toページは、多くのユーザーにとって役立つ情報が掲載されているため検索ニーズが多く、上位表示させるために役立ちます。可能な限り関連キーワードを意識してページを増やしてください。
参考ページ:ECにおけるコンテンツマーケティングとは?ポイントや注意点を徹底解説
プライベートブランドを展開する
もし自社でプライベートブランド製品を作れるなら、積極的にECサイトで販売をおこなってください。
独自な名称で商品を売り出し、対策をすることで指名検索を集めることができます。プライベートブランドは、他社が真似できないため、検索上位をとることが簡単で、しかも一度上位を取ると安定した順位をキープしやすいというという特徴があります。
また、プライベートブランドの商品は利益率が高いため、ECサイトの運営を盤石なものにすることができます。
被リンクを集める
SEOで検索上位表示をさせるには、他サイトからの被リンクが非常に重要です。他サイトから、自社のECサイトに対してリンクしてもらうこで、検索エンジンからも高く評価されます。
ただ、自社で扱う商品がコモディティ化したものだと、被リンク獲得の難易度が高くなります。一方、プライベートブランドであれば、その難易度を下げることができるので、被リンク獲得の施策とあわせて検討してください。
参考ページ:被リンクとは?概要や獲得するテクニックを紹介
実店舗との連携
実店舗を運営しているのなら、ECサイトと連携させることを考えてください。例えば、来店したお客様にチラシを渡しECサイトへのアクセスを誘導したり、逆にECサイトで購入したお客様には実店舗に足をはこんでもらう施策を打ち出すことが有効です。
近年は、店舗で見た商品をその場で買わず、あとでネットで購入するケースや、ECサイトで商品を見て実際に店舗に来店するケースが多くあります。そのため、ECサイトと実店舗との連携は、今後、益々重要度が高まるものと考えています。
SNSでの認知拡大
間接的なSEO対策として、SNSでの認知拡大を考えてください。SNSを利用してもSEOには影響がありませんが、SNS経由のトラフィックが増えることで間接的にプラスに働きます。
SNSでは、商品の紹介やキャンペーンだけでなく、ECサイトで扱っているジャンルに関して有益なコンテンツを用意し、ユーザーと共有するように運用してください。これがECサイトにアクセスしてもらうフックとして役立ちます。
参考ページ:SNSのSEO効果とは?SEO効果を高めるための方法
よくある質問(Q&A)
ここでは、ECサイトのSEOに関してよくある質問をお伝えします。どれもECサイトのSEOを考える際に重要なポイントが含まれているので、見逃さないようにしてください。
Q:内部リンクはどのようにおこなうべきですか?
Answer)ECサイトにおいて、内部リンクは同じ商品カテゴリ同士でつなぐようにしてください。例えば、家電のECサイトを運営している場合、掃除機のページは、他の掃除機のページとリンクします。逆に、掃除機のページを冷蔵庫のページとリンクさせることは、基本的には不適切です。
参考ページ:内部リンクとは?SEO強化のための内部リンクのポイント
Q:会員登録をしてもらうことはSEOに有効ですか?
Answer)直接的な影響はありません。しかし、ユーザーに会員登録をしてもらうことで、リピート訪問してもらう確率が大幅に上昇します。また、会員登録していただいたユーザーは、自社のECサイトに興味があるため、WEBサイトへの滞在時間も多くなる傾向があります。このように、ユーザーがリピート訪問したり、長時間閲覧してもらうと、検索エンジンからの評価が高まります。そのため、会員登録をしてもらう施策は、SEOに間接的に有効です。
Q:商品画像を掲載する場合の注意点は?
Answer)SEOの観点から注意すべき点がいくつかあります。1つ目は画像のファイル名です。こちらを「IMG1234.jpg」のようなデフォルト名ではなく、「red-leather-jacket.jpg」のように商品を説明する名前に変更してください。
また、alt属性には、商品画像を簡潔に説明するテキストを入力します。また、画像のファイル形式をWebP形式など、圧縮したものを使用してください。ファイルの容量が重ければ、ページの読み込み速度が遅くなり、ユーザーが離脱する原因になります。
参考ページ:画像SEO(画像検索最適化)とは?SEOに有効な画像の設定ポイントを解説
Q:アメリカ市場でのSEOは、どうすれば良い?
Answer)アメリカのSEOは、日本とは異なります。確かに、同じGoogleの検索エンジンを使用していますが、アルゴリズムは国ごとの地域差があるためです。そのため、海外のSEOに強い企業に相談することをおすすめします。下記のページも参考にしてください。
参考ページ:日本企業がアメリカ進出するなら?米国SEOのポイントを解説
Q:ECサイトの分析ツールのおすすめはありますか?
Answer)基本的なツールとしてSearchConsoleやGA4などがあります。まずはこの基本ツールを使用するようにしてください。それ以外でも顧客の行動データを抽出するKarteや、データ加工や集計に強いTableauなどもおすすめです。有益なツールは複数あるので、自社のニーズに合わせて使用してください。下記のページで役立つ代表的なツールを紹介しています。
参考ページ:おすすめのECサイト分析ツールは?改善施策に役立つマストツールを解説
まとめ