ドメインパワーとは?SEOとの関連性やスコア改善の施策など解説
WEBサイトのパフォーマンスを評価する上で、ドメインパワーは非常に分かりやすい指標の1つです。特に、SEO対策を進める際に、このスコアを改善することで、将来的な検索エンジンでのランキング向上を見込むことができます。
ドメインパワーの概念
ドメインパワーとは、Google公式のものではありませんが、被リンクの質や数、コンテンツの有益さなどの要素を考慮して計算される、WEBサイトの信頼性に関する指標です。基本的には、このスコアが高いほど、検索エンジンの結果ページで上位表示される可能性が高くなります。
ドメインパワーでGoogleのランキングが決まる訳ではありませんが、WEBサイトの健全性や競合他社に対するランキング力を評価するための指標として、多くのSEOプレイヤーに注目されています。
SEOにおけるドメインパワーの重要性
ドメインパワーの計算には、WEBサイトへの被リンクや経過年数、コンテンツの質など、Googleがランキングを決定する際に考慮する多くの要素が含まれています。そのため、ドメインパワーを高めるための施策は、SEOにとってもプラスに働く可能性が高いです。
しかし、ドメインパワー(ドメインランク、ドメインオーソリティなど企業によって呼び方は異なる)は各企業が独自の指標によって決めたもので、Googleが計測してランキングに使用しているわけではありません。そのため、SEOランキングを向上させる1つの目安程度に捉えてください。
ドメインパワーを確認する方法
ドメインパワーは主にSEO関連企業が独自のアルゴリズムに基づいて決めたものです。そのため、いくつか計測方法があります。ここでは代表的なものを3つとりあげ解説します。
MozのLink Explorer
SEO関連のツールを開発しているアメリカのMoz社が「Moz Link Explorer」を提供しています。Moz独自の指標である「ドメインオーソリティ」を計測することができ、この指標は被リンク数やアンカーテキストなどをもとに評価されます。
結果は0から100までの数値で表されるため、ユーザーは簡単に自社や競合のドメインパワーを比較することができます。
参考ページ:MozのSEOツールとは?Mozで効果的なSEO対策をする方法を解説
AhrefsのWebsite Authority Checker
被リンク分析やキーワードリサーチなど、さまざまなSEOツールを提供するAhrefsが「Website Authority Checker」というものを提供しています。Ahrefsが独自の基準によって定めた「ドメインレーティング(DR)」という数値を計測することができます。特徴としては、トラフィックやドメインの運用年数などは考慮せず、被リンク先WEBサイトの信頼性などを基準に評価しており、結果は0から100までの数値で表されます。
参考ページ:Ahrefs(エイチレフス)とは?使い方から注意点まで徹底解説
SemrushのWebsite Authority Checker
広告のパフォーマンスやキーワードリサーチ、競合分析などを提供するSemrushは、独自指標「オーソリティスコア」を計測するツールを提供しています。「オーソリティスコア」は、バックリンクの質と量、オーガニックトラフィック、スパム要因などを考慮して、0から100点までの数値とグラフで結果を表示します。
参考ページ:Semrushとは?セムラッシュの特徴や使い方を解説
ドメインパワーを高めるのに役立つ施策
ここでは、ドメインパワーを高めるために役立つ施策をとりあげ、その実施方法について詳しく解説します。ドメインパワーを高めることは、SEOパフォーマンス向上につながるため、早速、自社でできることから取り組んでください。
有益なコンテンツ作成と被リンク
WEBサイトの信頼性や権威性を高める基本は、コンテンツが有益で魅力的であることです。価値あるコンテンツを提供すれば、結果として、他のWEBサイトが自社サイトにリンクを張ってくれることにつながります。
また、質の高い被リンクが多いほどドメインパワーは高くなるため、 同業者や大手サイトが参照するに足る高品質なコンテンツや、引用されやすさを重視したデータやレポートなどを提供してください。
施策 | 概要 |
引用されやすいコンテンツ制作 | 被リンクされやすいコンテンツを公開。具体的には、業界に特化したデータや統計、オリジナルレポートなど |
インフルエンサーや業界リーダーとの共同コンテンツ | インフルエンサーや業界リーダーとインタビュー形式のコンテンツを作成。専門家へのインタビューも効果的 |
メディアの活用 | 自社の製品やサービスをテーマにした記事。業界内で話題性のあるものをプレスリリース |
参考ページ:被リンクとは?概要や獲得するテクニックを紹介
WEBサイトの技術的な改善
WEBサイトの技術的な改善により、ユーザーエクスピリエンスを高め、結果としてドメインパワーを向上させることができます。例えば、読み込み速度が遅いWEBサイトは、ユーザーが離脱しやすいため、コンテンツ自体を読んでもらえる可能性が低くなります。逆にレスポンシブWEBサイトで、ページの表示速度が速ければエンゲージメントが高まり、トラフィックや被リンクの増加に役立ちます。
施策 | 概要 |
読み込み速度の向上 | 画像の最適化や圧縮。不要なスクリプトやプラグインの削除 |
SSL証明書の取得 | HTTPS化。HTTPページからHTTPSページへのリダイレクト |
セキュリティ対策 | WAF(Web Application Firewall)の導入。セキュリティプラグインの使用 |
参考ページ:サイトスピード(ページ表示速度)とは? チェックツールや改善方法を解説
指名検索を増やす
指名検索を増やすことは、そのWEBサイトの認知度がそれだけ高いことを意味します。そして、ユーザーからの信頼度も高いと判断できるため、ドメインパワーの向上に役立ちます。オンラインだけの施策ではなく、オフライン施策も効果的です。
施策 | 概要 |
SNSでの情報発信 | SNSでターゲットに価値あるコンテンツ発信。インフルエンサーや有名人とのコラボレーション |
オフライン施策 | 店舗やイベントでのプロモーション活動。オフライン広告によるブランド認知向上 |
メディアやレビュー活用 | PR記事をオンラインニュースや雑誌に掲載。顧客にレビュー投稿を依頼 |
ドメインパワーを軸にしたSEO戦略
ドメインパワーはSEOで成果を出すための指標です。そこで、ドメインパワーを高めることを軸にしたSEO戦略をステップバイステップで解説します。ただし、一般的にドメインパワーを高めるには、半年以上の時間がかかります。一朝一夕に結果がでるものではないため、長期的視点で取り組むようにしてください。
Step1.現状分析
まず最初に、自社WEBサイトのドメインパワーを計測し、現状を把握します。ドメインパワーは、上述したMozやAhrefs、Semrushなどが提供するツールで計測することができます。気に入ったものを使えばかまいませんが、それぞれのツールは独自のアルゴリズムを用いてドメインパワーを算出するため、スコアが異なる場合があります。
Step2.競合他社リサーチ
自社WEBサイトと同じ業界・分野の競合サイトのドメインパワーを計測します。できれば自社よりドメインパワーの高いWEBサイトをベンチマーク(パフォーマンスの比較対象)し、どのような被リンクを獲得しているのか、コンテンツの質は自社と何が違うのかといったことを分析します。
Step3.目標の決定
戦略の目標を設定します。目標の対象は、ドメインパワーに大きく影響する要素にしてください。例えば、WEBサイトのトラフィック増加量、被リンク数などが考えられます。 ただし、目標は具体的かつ測定可能なものにすることが重要なので、「より質の高いコンテンツを提供する」など、曖昧なものは避けるようにしてください。具体的な目標設定の例は次のとおりです。
目標例 | 概要 |
被リンクを10件獲得 | ドメインパワーを高めるためには、権威のあるWEBサイトからの被リンクを獲得する |
データをもとにしたコンテンツを20本作成 | 引用されやすい質の高いコンテンツを作成。特に、データやアンケート調査結果などは引用されやすい |
WEBサイトの平均ページビュー数を20%向上 | WEBサイト内のページ同士を適切にリンク。ユーザーの回遊率を増やし、WEBサイト全体の評価を高める |
Step4.評価と改善
SEO戦略を実行に移すだけでなく、施策の評価と改善をおこなう必要があります。Step1で用いたMozなどのドメインパワー計測ツールを用いて、自社スコアの推移を確認します。スコアの変化を時系列で追跡することで、施策の効果を把握することができ、それをもとに新たな改善策を練ることができます。ただし、ドメインパワーは、短期間で変化するわけではないため、数ヶ月単位での計測をおこなってください。
ドメインパワーにまつわる誤解
ドメインパワーは点数化され、指標として分かりやすいのですが、多くの誤解もあります。そこで、よく間違って認識される点をとりあげ詳しくお伝えします。
Googleが使用している指標である
ドメインパワーは、GoogleがWEBサイトの検索エンジン結果ページの順位決定のためには使用していません。ドメインパワーは、Moz社などがWEBサイトのランキング向上の可能性を予測するために開発した指標です。そのため、1つの基準にはなりますが、ドメインパワーの評価が上がれば、必ずGoogleのランキングが上昇するというわけではありません。
ドメインパワーは固定スコアである
一度、ドメインパワーのスコアが決まったら、もう変わることがないという誤解もよくあります。しかし実際には、ドメインパワーは、被リンクの状況やコンテンツの質、トラフィックなど、さまざまな要因にもとづいて時間とともに変化する指標です。また、ドメインパワーは自社WEBサイトだけで評価が決まる訳ではなく、他のWEBサイトとの相対比較で計算されます。そのため、スコアは流動的で下降することもあれば、上昇することもあります。
よくある質問(Q&A)
ここでは、ドメインパワーのよくある質問をとりあげ解説します。スコアの改善はSEOの評価にも影響することが多いため、詳細まで含めて確認してください。
Q:新しいWEBサイトでも高い評価をえられますか?
Answer)新しいサイトでは、基本的にスコアは低くなります。理由としては、そもそも新しいWEBサイトだと、被リンク自体が増えにくく、WEBサイト内のコンテンツ量も不足しているなどのことが挙げられます。
Q:競合より評価が低い場合、どうすればいいですか?
Answer)競合の被リンクを分析し、自社でも同じようなリンクを獲得することができないか検討してください。競合が獲得している被リンク先に連絡をとり、自社WEBサイトにもリンクを張ってもらえないか依頼します。あるいは、高品質なコンテンツを用意し自然に被リンクが増えるような施策などが具体策として考えられます。
Q:ドメインパワーを上げるのにどの程度時間がかかりますか?
Answer)一概にいえませんが通常、短期間で評価を変えることは難しく、通常は半年から1年以上、必要なことが多いです。高品質なコンテンツを継続的に提供し、信頼性の高いWEBサイトからの被リンクを獲得することで、少しずつ評価が変化します。ただし、競合の動きによっても、進捗のスピードは異なるので注意してください。
まとめ