データベース型サイトのSEO対策!基本から具体的な施策まで解説
データベース型サイトとは、データベースに格納された情報をもとに自動生成される大量のWEBページを持つサイトのことです。ECサイトや求人サイト、グルメサイトなど、情報量が膨大で一貫性が求められるサイトに多く見られます。このサイト形式は効率的にページを生成できる一方で、SEOの観点から見るとクロールやインデックス、コンテンツの重複、内部リンクの最適化など、通常のサイトとは異なる独自の課題に直面します。
データベース型サイトとは
データベース型サイトとは、データベースに格納された大量の情報からWEBページを自動生成するWEBサイトのことです。通常のWEBメディアとは異なり、1記事ずつ作成するのではなく、テンプレートに当てはまるような情報を大量に用意して、動的に一気に大量生産することが特徴です。
情報をデータベースで管理・参照していることから、ユーザーがブラウザ上で格納データを検索できます。
データベース型のサイトは、膨大なデータに対応しやすい構造となります。テンプレートを活用し、ページ生成も自動で行えることから、網羅すべきデータやページ量が多くなる大規模タイプのサイトに採用されることが多いです。
ECサイト、求人サイト、不動産サイトなどが代表的ですが、旅行サイト、ホテルサイト、グルメサイト、レシピサイト、美容サイトなど大量の情報を扱うサイトであればデータベース型サイトであることが多く、口コミサイトやUGCサイトなどでもデータベース型を採用していることがほとんどです。
※UGC(User Generated Contents):ユーザーが作成したコンテンツのこと。Yahoo!知恵袋や掲示板のようにユーザーが投稿することでコンテンツとして成立し、データベースに格納することでページの大量生産を可能にしています。
なお、WordPressのようなCMSで作られたWEBサイトでもデータベースを利用していますが、CMSの場合はサイトの構築にデータベースを使っているだけであり、コンテンツにはデータベースを利用していないためデータベース型サイトとは呼びません。
データベース型サイトの例
データベース型サイトの例として、次のようなものが挙げられます。
種類 | 事例 |
ECサイト | Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピング |
求人サイト | マイナビ、リクナビ、ビズリーチ、doda |
不動産サイト | HOME’S、SUUMO、at home |
旅行サイト | JTB、じゃらん、楽天トラベル、トラベルコ |
ホテルサイト | エクスペディア、トリバゴ、Booking、agoda |
グルメサイト | 食べログ、ぐるなび、Retty |
レシピサイト | クックパッド、Nadia、ホームクッキング |
美容サイト | ホットペッパービューティー、楽天ビューティ、ミニモ |
口コミサイト | OpenWork、転職会議、エンゲージ会社の評判 |
上記のように、さまざまな業界でデータベース型サイトは利用されていますが、共通しているのは大量の情報が同じ粒度で揃っているということです。一例としてAmazonを取り上げると、商品のタイトル、画像、金額以外にも、サイズ、販売元、レビューなど決まったフォーマットで情報が揃っています。特定のページだけ情報が充実していて、別のページではほとんど情報がない、というようなことはありません。
このように情報が適切に整理されているためユーザーが商品やサービスを探す際に欲しいページにたどり着きやすく、わかりやすいのが特徴です。
データベース型サイトのサイト構造
データベース型サイトのサイト構造は次のようになります。
ページが大量にあるため、トップページでは検索をメインにカテゴリページへたどり着きやすくすることで最終的な商品やサービスにたどり着きやすくするためです。Amazonの例でいえば、検索以外にもレコメンド情報、過去の閲覧ページからの関連ページなどを積極的に配置してアップセル、クロスセルを試みていることがわかります。
データベース型サイトでは商品やサービスの情報をデータベースに格納し、動的にページを作成するため、非常に多くの詳細ページを持つことが一般的です。
特にECサイト最大手のAmazonでは3600万以上のページがあります。これはトップページやQ&Aページのような固定ページもありますが、ほとんどが商品ページであることから、商品数が多ければ多いほどページが増えます。対して、金融メディアとして大手のZUU ONLINEの保有ページ数は約12000ですので、Amazonと比べると約3000倍の差があります。
メディアサイトであればサイト運営ではPVがKPIの1つになりますので、記事コンテンツをどれだけ強化するのかという考え方になりますが、データベース型サイトでは文字通りに桁違いのページ数を持つため、1ページずつの改善という考え方にはなりません。必然的にサイト全体のクロールやインデックス問題の解消、内部リンクの戦略的配置、ページテンプレートによる情報の充実など、静的なWEBサイトとは異なる設計思想を持つ必要があります。
SEOの領域ではメディアはコンテンツSEOに偏重しがちですが、データベース型SEOの考え方ではコンテンツよりもテクニカル面の強化が重要視され、HTML言語だけではなくサーバーや開発言語の領域にまで踏み込むことがあります。
データベース型サイトがSEOに強い理由
データベース型サイトがSEOに強い理由はページが非常に多いため、情報の網羅性と専門性が高く、細かいキーワードまで取り切っていることが挙げられます。情報の網羅性が高いということは他のメディアで対策していないキーワードにまで対策している可能性が高く、関連するサイトからの被リンクも受けやすくなります。
また、単純にページ数が多いことはSEOでは有利に働くことが多いため、その意味でもデータベース型SEOは検索上位に表示されやすいサイト構造といえます。
情報の網羅性と専門性が高い
一般的にSEOでは雑多なサイトよりも特化サイトのほうが強いといわれています。これは特化サイトであれば1つの分野の情報発信だけを行うのでサイト全体での専門性が高くなり、雑多なサイトよりも権威性が高くなる傾向があるためです。
データベース型サイトの場合、コンテンツのほとんどが同じ分野ですので当然専門性が高くなり、情報量が桁違いに多いため網羅性も高くなります。不動産系キーワードで地域ワードを入れてもデータベース型サイトが上位に出てくることが多い理由はここにあります。
また、情報量が多いためバックリンク(被リンク)を受けることも多くなり、ドメインそのものが強くなる傾向があることもSEOに強い理由として挙げられます。
カテゴリとタグによる内部リンク
多くのメディアではカテゴリとタグを使ってページを整理しています。これは大量のページを分かりやすく振り分けるのと同時に、ユーザーが関連したページにたどり着きやすくなるように内部リンクを最適化しているためです。
データベース型SEOの観点では、大量に作成したページが検索エンジンにクロールされ、インデックスされることが最初の難関です。そのため、検索エンジンに見つけやすくなるように内部リンクを強化し、カテゴリやタグによりページを理解しやすくしている点もSEOでの強みとなります。
ロングテールキーワード対策になる
一般的なメディアでコンテンツSEOを行う場合には自社に関連の強いワードやコンバージョンになりやすいキーワードから順に取っていきますが、データベース型SEOではどのキーワードから順に作成するのではなく考えられるキーワードを最初から一気に全て取りきる戦略を取ります。
そのため、ロングテールキーワードへの対策になっていることが多く、メインキーワードの周辺ワードも取り切っていることが通常です。特定のテーマやカテゴリに非常に強いサイト構造になっているのがデータベース型サイトの強みともいえます。
データベース型サイトでのSEO対策のポイント
データベース型SEOでは、大量のページを効率的にクロールさせ、検索エンジンにインデックスさせることが重要です。まず、クロールとインデックスの最適化が必要であり、内部リンクの強化やsitemap.xmlの活用により、検索エンジンが新規ページを見つけやすくする対策を講じてください。また、コンテンツの重複を避け、独自性の高いテンプレートを使用することも欠かせません。
次に、ページテンプレートの改善がポイントです。タイトルやディスクリプション、メインコンテンツはもちろん、関連コンテンツやレビュー、構造化データを適切に設定することで、検索エンジンへの正確な情報伝達が可能となります。そして、社内体制の強化が不可欠です。テクニカルSEOに精通した専門人材や外部パートナーの協力を得て、長期的な視点での投資が必要です。上層部にテクニカルSEOの重要性を理解してもらうことが成功の鍵です。
最後に、コンテンツSEOとのハイブリッドを意識してください。テクニカルSEOによる基盤の最適化と、関連するコンテンツを効果的に配置することで、ロングテールキーワードの獲得が可能になり、サイト全体の評価を向上させることができます。
クロールとインデックスを重視する
データベース型SEOで最も重要なSEO対策がサイトのクロールとインデックスです。
Googleを中心に検索エンジンがサイトを評価するまでのプロセスは次の通りです。
- URL情報を取り込む
- 優先度の高い順にURLをクロールする
- レンダリングする(データ処理をする)
- ページを評価し、インデックスする
- ランキングを付ける
つまり、最初にURLを見つけてもらわなければコンテンツが評価されませんし、見つけてもらってもクロールされるとは限りません。SEOではコンテンツ品質が重視されることが多いのですが、品質はインデックスやランキングには影響しますがクロールには影響しません。
データベース型サイトのSEOではページが大量に存在し、かつ、各ページはテンプレートであることがほとんどですので個別ページを対策することよりも、どうやって大量のページを検索エンジンに認識してもらい、実際に見てもらうのかという方法を考える必要があります。
検索エンジンにクロールされやすくするためには、次のような施策が有効です。
- 不要な導線を制御する(robots.txtによる制御)
- 内部リンクの最適化
- xmlの最適化
- ページ表示速度の改善
特に内部リンクの最適化の重要度は高く、大量のページ群の中から新規ページを見つけてもらうためには、既に検索エンジンに認知してもらっている重要度の高いページからのリンクがあることが必須です。トップぺージからお勧め情報やレコメンド情報があるのは内部リンク強化のためです。
また、クロールされただけでは検索結果に出てきませんので、インデックスを促すためには次のような対応が必要です。
- E-E-A-Tの意識
- 重複コンテンツや類似コンテンツの制御
- コアウェブバイタルの対応
- 更新制の担保
データベース型サイトのコンテンツは基本的にはテンプレートですので、テンプレートでどのように情報を発信し、どれだけ独自性が高いものを作れるのかを考えることが重要です。また、データベース型サイトではコンテンツの重複が起きることがあります。代表的な例では同じ型番の商品の色違いページなどがありますが、これを重複コンテンツと判断されてしまうと大きくマイナス評価を受けることがあります。
コンテンツのクロールを促すためにはGoogleサーチコンソールからインデックス登録を促す方法がありますが、通常のメディアであればともかく、データベース型サイトではページ個別では対応することは現実的ではありませんので、サイトの全体感を調整するテクニカルSEOが効果を発揮します。
ページテンプレートの改善
データベース型サイトはページごとではなくテンプレートごとに改善することが基本です。テンプレートが最適化されていない場合にはすべてのページでの評価が進まないことがありえますし、情報不足があれば検索エンジンに正しく情報伝達できなくなる可能性があります。
特に重要な改善事項には次のものがあります。
- タイトル
- ディスクリプション
- メインコンテンツ
- サブコンテンツ
- レビュー情報
- 構造化データ
タイトル、ディスクリプション、メインコンテンツの3つは通常のコンテンツSEOと同様です。サブコンテンツとは、データベース型サイトにある関連コンテンツだと考えてください。メインコンテンツだけでもページ単体では問題ありませんが、データベースにある大量の情報とうまく連携するためには関連商品や比較できる商品などを掲載することも重要です。
また、ページの独自性を高め、ユーザー満足度を上げるという観点ではレビューも重要であり、構造化データのような検索エンジンをハックできるような情報もデータベース型サイトでは重要な要素となってきます。
社内体制の強化
データベース型SEOが通常のSEOと大きく異なる点はコンテンツSEOではなく、テクニカルSEOに注力する必要がある点です。しかし、テクニカル面は専門性が高く、具体的な成果として見せられるものが少ないため、工数を掛けた割には上層部の理解を得づらいのが現状です。
高度なテクニカルSEOを実施するためには専門知識を有した人材や外部との連携が必須であり、時には通常のコンテンツSEOよりも高くつくことがあります。テクニカルSEOへの理解の有無で担当者の成果創出の成否が大きく変わるため、目に見えるコンテンツや直近のPVのような短期目標ではなく、長期的な投資としてサイトを育てていく環境が必要です。
コンテンツSEOとのハイブリッド
データベースSEOで重要視されるのはテクニカルSEOによるサイト全体の最適化ですが、コンテンツの重要度が低いわけではありません。むしろデータベースで大量のページを作ってロングテールキーワード対策が進んでいるからこそコンテンツが活きるケースがあります。
例えば、商品の使い方や比較記事、選び方の記事などは商品ページ個別では対策が難しいのですが、関連ページとして載せることでサイト全体でキーワードを取りきることができます。大手不動産関連のデータベース型サイトではコンテンツSEOとの併用により、あらゆるキーワードで上位表示を獲得しているというような事例もあります。
抑えておきたい基本施策
データベース型SEOにおいても、まずはキーワード分析が重要です。メインテーマに関連するキーワードを網羅的に抽出し、優先順位をつけることで、上位表示を狙います。また、データベース型では取り扱えないキーワードについては、個別のコンテンツで対策を講じる必要があります。
次に、コンテンツの最適化では、データベース型サイトで生じやすい重複コンテンツを制御することが求められます。canonical設定やnoindex、ページ削除を適宜検討し、検索エンジンに正しい情報を伝えることが重要です。内部リンクの構築も欠かせない対策です。内部リンクを最適化し、ページ間をシームレスに行き来できるよう設計することで、クロール促進やユーザー体験の向上が期待できます。
さらに、被リンクの獲得もSEO効果を高める重要な要素です。大量のページがあるデータベース型サイトでは、関連サイトからの被リンクが多く期待できますが、統計データや有益なコンテンツを提供することで、より多くの被リンクを獲得できるよう工夫が必要です。最後に、XMLサイトマップの送信が重要です。データベース型サイトはページ数が膨大なため、正しいXMLサイトマップを作成し、検索エンジンに新規ページを迅速に見つけてもらうことが不可欠です。
キーワード分析
データベース型SEOであっても、最初にキーワード分析を行うことは変わりません。メインテーマに関するキーワードを可能な限り抽出し、優先順位を付けて上位表示を狙うことが重要です。また、抽出したキーワードでデータベースでは取り切れないものがあれば、個別にコンテンツを制作して対策できないかを考える必要があります。
コンテンツの最適化
大型のデータベース型サイトではコンテンツの重複や類似コンテンツの発生は避けられません。重複するようなコンテンツをどのように制御するかは非常に重要なSEO対策です。canonical設定を行うのが重複を避ける対策ではありますが、場合によってはnoindexやページ削除を検討する必要もあります。
内部リンクの構築
新規ページのクロールを促す意味でもデータベース型サイトでの内部リンク強化は重要な対策です。トップページから希望のページに辿りやすいサイト設計にすることはもちろんですが、リンクを設置する際のアンカーテキストの最適かも重要です。ユーザーの行動履歴からレコメンド情報を出すという手法はコンバージョン確保という観点では重要施策となります。
被リンクの獲得
被リンクの獲得は外部SEO対策として、あらゆるサイトに対して有効な施策です。データベース型サイトの場合にはページが多い分、関連するサイトが多くなりますので、どれだけ情報発信をして、被リンクを獲得できるかでサイト評価が変わります。そのためには、商品やサービスの個別ページだけではなく、被リンクを獲得できるようなコンテンツを作成したり、情報を網羅的に持っているからこそできる統計データを配信したりするような工夫が必要です。
XMLサイトマップの送信
XMLサイトマップとは検索エンジンに対して、自社サイトがどのようなページを持っているのかを発信できるファイルです。検索エンジンはXMLサイトマップを見て新規ページを見つけることができます。小規模サイトであればXMLサイトマップはなくても検索エンジンはサイト内を網羅的に確認できますが、ページ数が桁違いに多いデータベース型サイトでは正しいXMLサイトマップを作って送信することは非常に重要です。
ただし、XMLサイトマップに載せないというようなことがあれば検索エンジンからクロールされることが遅れる可能性もあるため、データベースから正しいXMLサイトマップを作るスキームが求められます。
実践編!データベース型SEOの具体的な施策
データベース型サイトの基本的なSEOは理解できたかと思います。ここでは、自社でも対策ができるようにもう少し深堀していきます。
前述してきたように、データベース型サイトとは、データベースを使って情報を管理・提供するWEBサイトのことですが、いわゆる動的サイトの一種で、格納されたデータベースと連携し、テンプレートに合わせてページを自動生成する仕組みです。データベース型のサイトは、膨大なデータに対応しやすい構造となります。テンプレートを活用し、ページ生成も自動で行えることから、網羅すべきデータやページ量を処理できます。
この仕組みをSEOにまずは最適化すればよいのです。
[step1]topタイトル・メタディスクリプションをキーワード最適化する(タイトルの最適化はこちら・メタディスクリプションの最適化はこちら)
[step2]トップページ配下にカテゴリーごとに検索を分けている場合は、カテゴリーごとのページ一覧のタイトル・メタディスクリプションをキーワード最適化する
[step3]テンプレート化してある商品一覧ページ,(もしくはエリアページ,店舗一覧ページなど)のタイトル・メタディスクリプションをキーワード最適化する
[step4]テンプレート化してある記事ページはタイトル・メタディスクリプションをキーワード最適化し、関連した内容をページは、step2やstep3のPLPに内部リンクをしてクラスター化する。
[step1]から[step4]では、動的ページを表示するデータベース型サイトでも変わらない固定されたテンプレート部分をPLPとします。これら4つのタイプのページをSEOで確実にランキング上位をさせていきます。各文章内でわからない単語は、リンクで説明記事に飛びますので、わからない知識は他記事で拾ってください。
このように、SEOで上位表示するタイプのページを4つにわけることができたら、次は、以下の5項目について考えてください。
- キーワードとPLPを考える
- 内部リンク構築
- URL構造の整理
- パーマリンク(動的ページから静的ページへ)
- インデックス登録の確認
詳しく見ていきましょう。
キーワードとPLPを考える
データベース型サイトのSEOでは、狙うキーワードも種類に分けます。コンバージョンにつながりやすいトランザクションクエリは、[step2]や[step3]のカテゴリーや店舗(エリア、商品)ページで狙います。また施設名などであれば、ナビゲーションクエリで狙うこともできます。
[step2]や[step3]のページは、ECサイトの商品ページや不動産サイトの施設詳細ページ、エリアページに該当し、記事ではないサービスページをSEOで上位表示させる手法となります。ここで、データベース型SEOでは、サービスページによるSEO上位表示の施策と記事枠で上位表示させるコンテンツSEOの2本柱の施策が必要であることがわかります。
データベース型サイトでも、コラム記事を書いてサイトへのセッション数を増やすコンテンツSEO戦略も有効です。この時に、各コラム記事の内容は、トピッククラスターモデルにして、PLPを記事ではなくて、[step2]や[step3]の商品、エリア、店舗ページに設定する技術もあります。ピラーページを記事ではなくて、サービスページにするのです。この場合、各記事のクラスターページからPLPとなるサービスページに内部リンクを集めます。そのようにして、サービスページの上位表示を狙っていきます。これは、トピッククラスターと内部リンクとSEO技術の応用編ですので、理解が難しい場合、Ⅹでお気軽にご質問ください。
内部リンク構築
データベース型サイトの内部リンクの構築は、トランザクションクエリのPLPページを上位表示させるのに重要です。データベース型サイトに限らず、サイト内においてリンクが集まるページがリンクジュースが増え、Googleの評価が上がり上位表示します。
よって、PLPにSEO記事や商品詳細ページなどからリンクを集めて意図的にランキングさせることが可能です。
トピッククラスターで各SEO記事を内部リンクでつなぎ、ユニット群にして、それをピラーページにリンクし、そこからさらにサービスページにリンクする方法もありますし、クラスター記事から直接PLPのサービスページに内部リンク構築する方法もあります。狙っているキーワードとサイトの内容によってどちらがより自然でユーザビリティがよいか判断して決めてください。
URL構造の整理
データベース型サイトで起こる問題として、URLのディレクトリ構造が複雑化し、きちんとトピックやカテゴリーごとにディレクトリ分類ができていないことです。適したURL構造でないとユーザーエクスペリエンスの低下や検索エンジンのクローラビリティの阻害につながる可能性があり、SEOの観点からも無視できない課題となります。
最適なURL構造は、きちんと親子の関係を各トピックごとにすることです。
例えば、下図のようにトピックとディレクトリを整理します。
例 | URL構造 | トピッククラスターモデル |
家具のECサイトのソファの商品詳細ページ‐予算検索 | https://ecmaker.com/furniture/sofa/buddget/ under100000yen/black-sofa/sofablack1 |
トップドメイン|家具|ソファ|予算|10万円以下|黒のソファー|商品詳細 |
家具のECサイトのソファのコラムページ | https://ecmaker.com/furniture/sofa/column/ howtochoose-sofa |
トップドメイン|家具|ソファ|コラム|快適なソファーの選び方 |
家具のECサイトのエリア店舗ページ‐エリア検索 | https://ecmaker.com/furniture/tokyo/toshima-ku/toshima-1shop | トップドメイン|家具|東京|豊島区|豊島1号店 |
特に、動的に生成されるURLは気をつけて統一し、無数のバリエーションが生成されないようにしましょう。また、パーマリンクは英文字でわかりやすくしましょう。ポイントは、トピッククラスターモデルで情報を仕分けするのとURL構造の設定を共通して定義づけしてクリーンなURL設計をすることです。
関連記事:SEOに有効なURLとは?Googleが推奨するURL構造のポイントを解説
パーマリンク(動的ページから静的ページへ)
動的ページとは、ユーザーのリクエストやデータベースの情報に基づいて、その都度異なる内容が生成されるウェブページを指します。例えば、「https://ecmaker.com/s?k=ソファ&page=2」といったURLです。これらの動的ページを静的ページにするとは、前述のURLを次のようにすることです。「https://ecmaker.com/furniture/sofa/black-sofa2page」。データベース型サイトのSEOの肝となる部分ですが、動的に表示されたサイトURLを静的ページにパーマリンクを修正することは非常にいいことです。最近では、Googleのロボットの性能が上がり動的ページでも問題ないともいわれていますが、上位表示を獲得しているサイトの多くは静的ページを構築しています。
動的ページのデメリットとして、検索エンジンのロボットは、動的ページに含まれる?
や=
、セッションIDなどのパラメータを認識できず、ページのクロールが阻害されることがあります。セッションIDがURLに含まれると、同じページが複数のURLでインデックスされ、SEOに悪影響を及ぼすこともあります。このように適切にインデックスされない場合があるので、データベース型サイトでは、静的ページを検討してください。
データベースにリンクする静的ページを設定できない場合でも、ApacheのModRewriteを使って、動的なURLを検索エンジンに適した形式へと最適化できます。ModRewriteは、.htaccessファイルを用いて、見やすいURLに変換する機能を提供します。
RewriteEngine On
RewriteRule ^products/([0-9]+)/?$ /product-display.php?productid=$1 [L,QSA]
上記コードを.htaccessに書き込みます。これ以上は、エンジニアの領域なので、ここでは割愛しますが、動的ページを静的ページにするようにエンジニアに指示を出してください。
インデックス登録の確認
Google検索エンジンは、世界中のWEBページをクロールして「どのページを検索エンジンに登録するか」検討しています。
WEBページは、クロールされてはじめてGoogle検索エンジンに登録されて、検索結果に表示されます。WEBページがクロールされない状況は、ページ側がなにかしらの問題を抱えている可能性があります。
Google Search Console(サーチコンソール)という解析ツールを利用することで、WEBページがクロールされているか否かがわかります。このツールにログインすると、メニュー「インデックス登録」の「ページ」という項目からクロール状況を確認できます。サーチコンソールは、Google社が無料で提供しているツールです。WEBサイトの運用者であれば、誰でも簡単に導入できます。
クロールされると、「登録する価値があるページかどうか」をGoogle検索エンジンが判断します。通常は、問題なくインデックス(登録)されます。仮に、WEBページがインデックスされない場合は、該当ページになにかしらの問題があると予測されます。
インデックス状況は、クロール状況と同様に、サーチコンソールで確認できます。サーチコンソールにログイン後に、メニュー「インデックス登録」の「ページ」という項目をチェックしてください。
インデックス登録されているか、PLP(Preferred Landing Page)に定めたページを確認します。
PLPのURL一覧表などを作成し、どのくらいの割合でインデックスされているかをチェックしてください。この割合が極端に低い場合は、WEBサイトがなにかしらの課題を抱えている可能性があります。
たとえば、ECサイトを運営していた場合、そのサイト内には、「メガネのリストページ」と「伊達メガネのリストページ」の2つのページがあります。そして、サイト運用者としては、「メガネのリストページ」のほうを検索結果に表示させたいと考えています。その場合、PLPは、「メガネのリストページ」になります。
しかし、Google検索エンジンで「メガネ リスト」と検索したときに、「伊達メガネのリストページ」が検索結果に出てきた場合、PLPの不一致ということになります。PLPが意図するものと違うページの場合、前述した対策をしてコントロールしてみてください。
データベース型サイトのSEOにおけるよくある問題
前述したように早速、データベース型サイトの抑えるべきポイントを理解してサイトのSEOに着手してください。次に、ここではデータベース型サイトのSEOで起こる問題点について解決方法を解説します。
特によくある問題は3つです。
- 重複コンテンツ
- クロール制限
- ページ表示スピード
重複コンテンツ
データベース型サイトのSEO対策では重複コンテンツの問題が出てくるケースがあります。同一のページが複数のURLで公開されてしまい、(例:sessionIDの違いによるURLの変化など)。これにより、検索エンジンから重複コンテンツとして扱われ、SEO評価が分散する問題が発生します。また、商品ページなどでは、色違いの商品ページはカノニカル設定をして、重複コンテンツが発生しないように、各ページに正規URLを設定する必要があります。重複ページは、Google Search Console(サーチコンソール)でも確認ができます。また、SEMRUSHやScreaming Frog SEO Spiderなどのツールで重複したタイトルタグ、メタディスクリプション、コンテンツページを検出できます。
データベース型サイトで急に順位が下落した場合、まずはサイト全体の重複を疑ってみてください。
クロールの制限
データベース型サイトはサイトの階層が何階層にもなってしまう場合が出てきます。クローラーは、3階層程度で引き揚げてしまうケースもあり、5階層以上のページはクロールされにくい傾向にあります。また、クローラーが特定のパラメータやリンク構造を理解できなく、データベース内のすべてのページがクロールされないこともあります。とくに、複雑なURLや深いディレクトリ構造が問題になります。よってなるべく深い階層にならないようなサイトURL構造を設計し、インデックスされない場合は、Google Search Console(サーチコンソール)でクロール申請をしてみましょう。
ページ表示スピード
データベース型サイトでは特にページ表示スピードに気を使う必要があります。膨大なデータと画像で、ページ表示スピードがどんどん遅くなってしまうことがあります。常に、PageSpeed Insightsで表示速度を計測し、改善を図りましょう。コアウェブバイタルも意識すると尚良いです。
まとめ