構造化データテストツールとは?ツールの使い方とSEOの関係について解説
構造化データとは、HTMLなどのソースコード情報によりロボットに対してわかりやすくするデータの事です。
人間はWEBページを見れば、どのような内容であるか判断できますが、ロボットはHTMLから判断する必要があります。ロボットがHTMLなどの情報だけで会社名や電話番号などを区別しやすいように情報を補足するためのデータが構造化データです。
構造化データとは
構造化データとは、WEBコンテンツの内容を検索エンジンのクローラーに、わかりやすく伝えるためにHTMLにマークアップする専用のコードのことです。
クローラーはHTMLなどのコードを読み込むことにより、WEBコンテンツの内容を理解しますが、コードの内容だけでは理解し切れない部分が出てきます。そのような部分を正確に伝えるために使われるデータが構造化データです。
構造化データを組み入れるメリット
構造化データを組み入れるメリットは、検索エンジンのクローラーが理解しやすいことにより、リッチリザルトを表示できることです。
リッチリザルトとは、検索結果として表示される内容の一部分です。検索結果に表示されるWEBコンテンツは、基本的にタイトルや説明文(ディスクリプション)のみ掲載されますが、追加で画像や評価、FAQなどを表示する部分をリッチリザルトといいます。
リッチリザルトが表示されることにより検索結果に表示される情報が増えるため、検索ユーザーの検索をサポートし、クリック率が上昇します。そのため、構造化データを組み入れることにより、間接的にWEBコンテンツへの流入につながります。
リッチリザルトの集客につながる
SERPs(検索結果)として表示できる内容は変化し続けており、検索ユーザーが検索しやすいアルゴリズムに進化しています。構造化データをWEBコンテンツのコードに組み入れることにより、クローラーがWEBコンテンツの内容を詳しく理解でき、検索結果にリッチリザルトが表示されます。
リッチリザルトを表示されているWEBコンテンツは、リッチリザルトが表示されていないWEBコンテンツに比べ、検索ユーザーの目を引くことが多いため集客につながります。
リッチスニペットやリッチカードなどと呼ばれることがありますが、統一してリッチリザルトと呼んで問題ないです。構造化データをマークアップすれば、リッチリザルトが表示しやすくなります。
参考:構造化データの仕組みについて|Google検索セントラル
間接的にSEO効果がある
リッチリザルトはさまざまな表示内容があり、上記で紹介した商品の内容や評価だけでなく、30種類ほどの表示内容があります。検索ユーザーをWEBコンテンツに集客につながる内容ばかりです。
WEBコンテンツが検索エンジンのクローラーに認識されやすいように構造化データを組み入れるため、必然的にクローラーが認識する回数が増え、検索順位に良い影響を与えます。そのため、構造化データを組み入れることはSEO効果が期待できます。
SEOへの影響
構造化データを組み入れることによるSEOの影響は、前述したとおり、間接的なものです。
検索エンジンからの直接的な評価アップはない
構造化データは直接的な検索順位への影響はないとされていますが、クローラーの理解促進や巡回頻度向上によって、SEO上で効果があります。
構造化データを組み入れることにより、検索ユーザーをサポートする形で、リッチリザルトが表示されます。リッチリザルトは検索ユーザーとWEBコンテンツのニーズがマッチするような内容を表示するため、WEBコンテンツへ流入したユーザーの満足度・評価を高め、検索エンジンからの評価を高めることにつながります。よって、結果構造化データはSEOに好影響を与えると言っても過言ではありません。
ユーザーのCTRが向上する
構造化データがSEO上でプラスになる理由として、CTR(検索結果として表示された回数に対してクリックされる割合)が向上することがあります。リッチリザルトが表示されているWEBコンテンツが検索結果として表示された場合、掲載されている情報量が違うため、他のWEBサイトとの差別化につながります。その結果、表示回数に対してクリック回数が増え、WEBサイトへの流入につながります。
構造化データの組み入れ方法
WEBコンテンツに構造化データを組み入れる方法を2つ紹介します。
- HTML上に構造化データを組み入れる
- 構造化データ支援ツールを用いる
1.HTML上に構造化データを組み入れる
構造化データはGoogleが定めたフォーマットを使います。Googleでは、schema.orgというボキャブラリ(組み入れるデータ集)を記述します。
構造化データを組み入れる文法、構文をシンタックスと呼び、GoogleにサポートされているシンタックスはJSON-LD、microdata、RDfaの3種類です。Googleは「JSON-LD」を推奨してます。
現在はJSON-LDが主流であるため、JSON-LDで構造化データを組み入れる方法を解説します。
以下の内容は、レストランに関するリッチリザルトを表示させるための構造化データです。
<script type=”application/ld+json”> { “@context”: “https://schema.org”, “@type”: “LocalBusiness”,”name”: “ここに店舗の名前を入れる”, “image”:https://exmple.com/photo.jpg”url”: http://www.example.com/,”priceRange”: “1,000円〜5,000円”,”address”: { “@type”: “PostalAddress”, “streetAddress”: “1-1-1”, “addressLocality”: “〇〇区”, “addressRegion”: “東京都”, “postalCode”: “〇〇○-〇〇○〇”, “addressCountry”: “JP”,}} </script> |
JSON-LDは、WEBコンテンツのHTMLコード内のどこに構造化データを組み入れても問題ありませんが、システム的な管理であるため<head>〜</head>への記入がお勧めです。
構造化データの記述内容について解説します。
“@context” : “https://schema.org”,はschema.orgを使用するという宣言であるため、必ず記述しないといけません。
“@type” : ” LocalBusiness”,は構造化データのタイプを指定しており、こちらも必ず記入する内容です。また、タイプごとに必須となる項目があります。例えば、”@type” : ” LocalBusiness”,の場合は”url”(UR L情報)や”address”(所在地)、”name”(社名や店舗名など)の情報が必須です。そのほかの内容は、リッチリザルトとして表示させたい内容を記述しています。
構造化データのタイプは30種類ほど存在するため、それぞれのタイプに応じて、入力が必須である項目が異なります。各構造化データの一覧は、「検索ギャラリーを見る|Google検索セントラル」で確認ができます。
2.構造化データマークアップ支援ツール
構造化データマークアップ支援ツールを利用することにより、構造化データのコードを生成できます。構造化データマークアップ支援ツールはGoogleが提供しているものがあり、使用するためにはWEBコンテンツをGoogleサーチコンソールと紐づけが必要です。
構造化データマークアップ支援ツールにアクセスすると上図の画面が表示されます。構造化データのタイプを選択し、構造化データを組み入れたいWEBコンテンツのURLもしくはHTMLページソースをボックスに貼り、「タグ付けを開始」をクリックします。
構造化データタイプは一つしか選択ができないため、複数選択したい場合は、再度入力しないといけません。
上記画面では、FAQをリッチリザルトとして表示させたいため「リッチリザルトとは?」という要素に構造化データを組み入れようとしています。
構造化データを設定したい要素をクリックすると黄色く表示され、リッチリザルトに表示させたい項目を選択できます。右側のマイデータアイテムに追加された項目が表示されます。
必要な項目のデータを追加できたら「HTMLを作成」をクリックします。表示された画面で内容を確認し、完了をクリックすると、HTMLコードをダウンロードできます。ダウンロードしたコードをWEBコンテンツのHTMLコード内に追加することで、構造化データを組み入れられます。
スキーマ マークアップ検証ツール(構造化データテストツール)の使い方
Googleが提供しているスキーマ マークアップ検証ツールを利用すると、指定したWEBコンテンツの構造化データがGoogleに認識されているのかどうかを確認できます。
2020年までは構造化データテストツールが運用されていましたが、ドメインやシステムが変わり、スキーママークアップ検証ツールという名称で運用が開始されました。
手順は以下のとおりです。
- スキーママークアップ検証ツールにアクセスしURLもしくはコード入力
- エラー状況を確認
1.スキーママークアップ検証ツールにアクセスしURLもしくはコード入力
Googleが提供する構造化データをテストというWEBページにアクセスし、スキーママークアップ検証ツールの項目をクリックします。
URLもしくはHTMLコードを入力するポップアップが表示されるため、構造化データの確認をしたいWEBコンテンツのURLもしくはHTMLコードを入力します。
「テストを実行」をクリックすると確認が始まります。
2.エラー状況を確認
確認が終わると、エラーの有無が表示されます。
正しく構造化データが組み入れられているURLもしくはコードであれば、エラーなし・警告なしと表示されます。その際、すべての構造化データ内容が表示されるため、組み入れた内容が全て表示されているか確認できます。警告やエラーが表示されている場合は、メッセージ内容に従って構造化データの修正をおこなってください。
検証ツールによるエラー・警告時の対応
スキーママークアップ検証ツールを確認し、エラーもしくは警告が表示された場合、以下のことを確認してください。
- 構造化データの構文ミスによるエラー
- 推奨プロパティが未入力による警告
構造化データの構文ミス
構造化データの構文にミスがある場合、以下のようなメッセージが表示されます。
例えば、 “@context”: “https://schema.org”,という内容に対し、文頭の「”」や文末の「,」が正しく入力されていないとエラーが発生するため、構造化データの内容を一行一行確認してください。
推奨プロパティが未入力による警告
構造化データのタイプによっては入力することを推奨しているプロパティがあります。例えば、”@type”: “LocalBusiness”では必須プロパティではないですが、“telephone” (電話番号情報)や“priceRange”(価格帯情報)は入力した方がいいと推奨されているプロパティです。これらのような推奨プロパティが入力されていないと、上記のような警告メッセージが表示されます。
警告メッセージは表示されていてもリッチリザルトに表示されます。
リッチリザルトテストツールの使い方
リッチリザルトテストツールもGoogleが提供しているツールで、スキーママークアップ検証ツールと同様、構造化データをテストというWEBページに設置されています。
リッチリザルトテストツールを活用することにより、WEBコンテンツがGoogle のリッチリザルトを表示できる内容であるか確認できます。また、Google 検索でリッチリザルトがどのように表示されるかをプレビューもできます。手順はスキーママークアップ検証ツールと同じで、URLもしくはHTMLコードを入力することにより、検証できます。
URLもしくはコードを入力して、しばらくすると表示されます。エラーが発生した場合は構造化データの構文ミスであることが多いため、構造化データの構文を一行一行確認します。
まとめ
構造化データをHTMLなどのコードに組み入れることにより、検索エンジンのロボットの理解をより促進し、リッチリザルトの表示として反映されます。その結果、検索ユーザーにもわかりやすく情報を提供できます。Googleのロボット は構造化データを使用してページのコンテンツ内容をより正確に認識します。構造化データを使ってサイトに関する具体的な情報をGoogleに提供すると Google による認識に役立ち、よりリッチな機能を使って検索結果にサイトを表示できるようになります。しかし、構造化データを組み入れるには一定のリソースを割かなければならないため、成果とリソースのバランスを考える必要があります。構造化データマークアップ支援ツールなどを活用し、クローラーに認識されるWEBコンテンツの情報を増やしてSEO効果を高めましょう。