塾・予備校・教育関連業界のSEO対策!最新トレンドやキーワードなど解説
教育分野では、近年大きな市場変化が起こっています。教室型のサービスを提供する塾や予備校、自宅型の学習を援助する家庭教師や通信教育など、こういった従来からあるサービスに加え、eラーニングが新たな選択肢として加わったからです。
実際、eラーニング市場は顕著な成長を遂げており、矢野経済研究所の調査によると2023年の市場規模は3,773億円に達し、2019年当時と比較して約1.6倍に拡大しています。
こういったことを背景に、地元密着型の学習塾や予備校では今、WEBを活用した集客の重要性が高まっています。特にSEO(検索エンジン最適化)は、新規顧客の効率的な獲得において大きな役割を果たします。
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塾・予備校・教育関連業界におけるSEOの重要性
塾や予備校など、教育業界において、SEOはWEB集客の重要な役割を負っています。ここではポイントを整理してお伝えします。
入塾の際にWEBを参考にしているため
SEOが重要な理由の1つは、顧客が入会する際にWEBサイトを参考にしているためです。実際、株式会社マーケティングデザインが発行している『学習塾への入塾経路2019』によると、20代の50%、30代の33.4%、40代は20%が入塾するキッカケとなった情報媒体としてWEBを挙げています。
入塾する際きっかけになった情報
20代 | 30代 | 40代 | |
WEB | 50.0% | 33.4% | 20.0% |
チラシ | 7.9% | 11.8% | 16.2% |
紹介・クチコミ | 17.3% | 35.0% | 44.2% |
上記のデータから、どの年代においても折り込み広告より、WEBが主戦場になっていることが分かります。そのため今後、WEBサイトでの集客に力を注ぐことが必要不可欠といえます。
参考ページ:学習塾への入塾経路2019 – 株式会社マーケティングデザイン
ブランディング効果
自社のブランディングの点からも、SEOの重要性は非常に高いといえます。なぜなら、検索エンジンでの上位表示は、多くの顧客が「信頼できる会社」と認識するためです。
通常、塾や予備校を利用する顧客は、年単位でそのサービスを利用します。そのため、ある程度、自社のブランドが構築されていなければ顧客に選択してもらえません。「長く付き合える教室に通わせたい」と保護者は考えるからです。
このように、教育業界におけるSEOの役割は、単にWEBサイトのトラフィックを増やすだけでなく、教育機関としてブランド価値を高め、より広範な顧客にリーチするために重要な手段です。
参考ページ:オウンドメディアの作り方とは?オウンドメディアの立ち上げ段階ごとに手順を紹介
人材不足を補える
かつてはクラス単位の集団授業が主流でしたが、近年、学習塾の業界では個別指導型の授業が増加しています。
学習塾業務の受講生区分別受講生数
受講生構成比(%) | |
集団指導方式 | 74.9% |
個別指導法式 | 25.1% |
参考ページ:平成30年特定サービス産業実態調査報告書学習塾編 – 経済産業省
個別指導型の授業を運営するには大量の講師を確保する必要がありますが、簡単に良い人材を確保することは困難で、結果として多くの学習塾で人手不足に陥っています。この講師不足の問題を解消するためには、SEOが重要な役割を果たします。
なぜなら、学習塾の求人を探している求職者はWEBサイトを見て応募してくることも多いからです。教育に情熱を持つ質の高い人材を確保するためにも、SEO対策は欠かせません。
参考ページ:採用ブランディングを成功させるSEO~採用ブランディングで得られる6つのメリット~
塾・予備校・教育関連業界のSEO最新トレンド
ここでは、塾・予備校などの教育業界のトレンドを踏まえ、どのようなSEO対策をおこなうべきか傾向と対策をお伝えします。
体験授業・資料請求ページの最適化
学習塾業界においては従来、3月中心の入塾シーズンが一般的でした。しかし、個別指導塾などの普及により、入塾時期が多様化しています。この変化に対応するため、オールシーズンの入会に備えた「体験授業受け付けページ」や「資料請求ページ」に力を入れることが重要です。体験授業の受け付けページを「塾名+無料体験」「塾名+資料請求」などのキーワードで上位表示させることができれば、より確実に新規顧客を増やしていくことが可能です。
動画を併用
教育業界はYouTubeと相性が良いため、自社でも積極的に活用してください。特に10代のYouTube視聴時間は、テレビを上回っているため、YouTube内で授業の様子を配信したり、生徒の自習学習をサポートするようなコンテンツを提供することが肝心です。
参考ページ:YouTubeの利用実態に関する調査 – CrossMarketing
こういったコンテンツを視聴した顧客の一部は、自社のWEBサイトにもアクセスするため、コンバージョン増加に役立ちます。また、このような検索エンジン以外からの流入が増えることで、SEOに対しても間接的にプラスの影響が生まれます。
モバイル対応
生徒も親も主要な情報収集の手段として、スマートフォンを使用します。そのため、学習塾や教育機関がWEB集客を成功させるためには、モバイルフレンドリーなWEBサイトの構築が必須です。モバイルフレンドリーとは、スマートフォンやタブレットなどのモバイル端末でWEBサイトを閲覧した際、読みやすく操作しやすいようにデザインされているという意味です。
また、モバイルフレンドリーなWEBサイトは、SEOにおいても非常に重要です。なぜなら、検索エンジンはユーザーに最適な検索結果を提供するため、モバイルでの使用体験が良いWEBサイトを高く評価するからです。
参考ページ:モバイルフレンドリーアップデートとは?変更の背景や最適化の方法など解説
塾・予備校・教育関連業界のSEO対策
ここでは、塾や予備校などの教育業界が、どのようなキーワードに対してSEO対策をおこなえば良いのかについて詳しくお伝えします。
エリアキーワード
塾や予備校業界においては、エリア対策が特に重要です。多くの生徒や保護者は、塾や予備校を選ぶ際に「塾+地域名」というキーワードで検索をおこなうからです。通常、学習塾や予備校を選ぶ際、親は学生が通える地域内にある教室の中から選択します。そのため、地域名、駅名、建物などできる限り細かなエリア情報を加えてください。
参考ページ:地域のSEO対策とは?ローカルSEOをするべきケースについて解説
対象学年や対応教科
対応学年や教科に関するキーワードも、塾や予備校業界では重要です。各塾や予備校には、それぞれ特化している科目や対象学年があります。こういったキーワードでも検索上位を目指してください。生徒や保護者がインターネットで教室を探す際には「学習塾+小学生対象」、「予備校+高校生対象」、「塾+数学専門」などのキーワードで検索するからです。
数学や国語など、弱点科目だけを対策したいというニーズは昔から一定数存在するため、自社のWEBサイトにも専用のページを用意し、そのページに対してSEO対策を施すことで、集客を最大化することが可能です。
地元学校名
地元密着型の塾や予備校にとって、生徒の通っている学校名を含めたキーワードでのSEO対策も効果的です。例えば、「学習塾+A中学+中間テスト対策」といった具体的なキーワードを用いることで、その地域の学校に通う生徒やその保護者に自社のことを認知してもらえます。
また、このような地元の学校に特化したキーワードは、ターゲットをより絞り込んでいるため、一般的なキーワードよりも上位表示が達成しやすい傾向にあります。こういったキーワードでSEO対策をおこなえば、比較的短期間で成果を上げることも可能です。
塾・予備校・教育関連業界のSEOで注意すべきこと
ここでは、SEO対策を実施する際に注意しておきたい点をとりあげ解説します。これらの注意点を踏まえてSEO対策を進めてください。
Googleビジネスプロフィールに登録
塾や予備校にとって、Googleビジネスプロフィールに登録することは、ローカルSEO戦略の重要な一環です。Googleビジネスプロフィールを活用すれば、塾名で検索されたとき自社のWEBサイトに訪問してもらいやすくなります。
しかも、Googleマップ上でも、教室の場所が目立つ形で表示されます。このように、Googleビジネスプロフィールの活用は、地元の生徒や保護者に対して、自社の情報をスムーズに提供するうえで大いに役立ちます。
参考ページ:Googleビジネスプロフィールとは?集客ツールとしてのメリットや登録方法などを解説
マルチロケーションSEO
複数の地域に教室展開している場合、それぞれの場所に適したローカルSEO戦略をとることが重要です。いわゆる「マルチロケーション SEO」と呼ばれ、地域ごとにSEO対策をおこないます。具体的には、各支店の具体的な住所、連絡先、提供サービス、特有のプロモーションなどの各地域ごとにカスタマイズされたコンテンツの作成をおこないます。
塾・予備校・教育関連業界SEOのよくある質問
ここでは、教育業界のSEOについてよくある質問をとりあげ解説します。
Q:顧客の声は役立ちますか?
Answer)教育業界では、顧客の声が集客に大きく影響します。実際に教室に通っている人の生の声は、入会する際の参考になるからです。SEOの観点からは、顧客の声に含まれるキーワードやフレーズが検索エンジンのランキングにプラスの影響を与える可能性があります。例えば、特定の教科やプログラム、地域名などに関する言及は、関連する検索クエリにおいてWEBサイトの評価を高めることにつながります。
Q:SEO対策を外注できる?
Answer)SEO対策を外注することは一般的で、多くの教育関連の事業者が利用しています。SEOは専門的な知識や経験を必要とします。そのため、教育業界のような競争が激しい分野では、最初からSEO業者に対策を委託した方が短期間で成果を上げることができます。
参考ページ:SEO対策を外注したい人のために専門のSEO会社の見極め方を徹底解説
Q:併用したいSNSは?
Answer)SNSからの流入が増えるとWEBサイトへのトラフィックが増加し、間接的にSEOにもプラスの影響を与える可能性があります。具体的に、塾や予備校で効果的に活用できるSNSは、いくつか存在します。生徒や保護者が実際にSNSを確認して、問い合わせをすることも多いのでぜひ利用してください。
Instagram
ビジュアルコンテンツが中心のため、若い世代に人気があります。授業風景、学生の活動、特別なイベントなどの写真や短いビデオを公開し、塾や予備校の雰囲気を伝えることができます。
YouTube
教育コンテンツの提供や実際の授業の様子を紹介するのに適しています。
参考ページ:オウンドメディアにYouTubeを使うメリットは?動画の使い方や注意点など
Q:教育業界のキーワード選定方法は?
Answer)SEO対策でのキーワード選定は、ターゲットのニーズを理解することが肝心です。しかし、最初からそれをするのが難しい場合は、まず、他の教育機関がどのようなキーワードを使用しているかを分析することから始めてください。その後、自社の地域でも類似のキーワードで対策することで、良いスタートダッシュを切ることができます。
参考ページ:SEOキーワードの選び方とは?WEB集客に成功する効果的なSEOのキーワード選定を解説
Q:対策キーワードの検索数はどう調べれば良い?
Answer)SEOにおいて検索数を調べるためには、いくつかの主要なツールを利用することが一般的です。もっとも広く利用されているのはGoogleのキーワードプランナーです。このツールはGoogle広告の一部として提供され、特定のキーワードに対する検索ボリューム、競争度、関連キーワードの提案などの情報をえることができます。
参考ページ:検索数を調べるには?具体的な調べ方やツール、SEOへの活用法など解説
まとめ