SEO（検索エンジン最適化）とは検索順位を改善し、集客することで売上やブランディングにつなげるWEBマーケティング手法です。しかし、SEOの業務範囲は非常に広く、自社ですべてをカバーすることは現実的ではありません。そこで外部に業務を依頼することになりますが、外注費用は意外に高いため、コストパフォーマンスを高く、効果の出る手法を実施する必要があります。

特に予算が潤沢ではない中小企業は格安でSEOを実施することで大手企業に対抗する必要がありますので、SEO会社の選定はWEBマーケティングの成功の重要な要素になるはずです。

SEO対策とは

SEO（Search Engine Optimization）とは検索エンジン最適化のことです。検索エンジンで検索上位に表示されることでユーザーを集め、問い合わせを増やしたり、ブランディングに利用されたりします。WEB広告を出すことで集客をすることはできますが、出稿を止めることで集客も止まってしまうため、継続して集客できる点や集客コストを下げる点、WEB上でのプレゼンスを向上させるためなどに有効なWEBマーケティング手法といえます。

2010年代はリンクを人為的に増やすことで検索順位を操作する手法（ブラックハットSEO）でも効果が出ましたが、2020年代ではユーザーファーストを意識したサイト改善や高品質なコンテンツの拡充により効果が出ることがわかっていますので、正しい知識を身に着けたうえで実行を繰り返す必要があります。

クライアントにSEOを提供するSEO会社（SEO対策会社）も多数存在し、大手マーケティング会社や広告代理店のサービスの1つとして提供されたり、SEO対策専業のマーケティング会社もあったりします。これらのSEO会社はサイト設計やキーワード選定などの実施前の調査や要件定義、内部対策やコンテンツ制作、外部対策などの実行支援までもサポートしています。

自社だけでSEOをおこなうことは工数を考えても、最新情報をアップデートし続けるという点でもむずかしく、SEO関連業務の全部または一部をSEO会社に依頼していることがほとんどです。WEBマーケティング会社の総合サービスと1つの手法としてのSEOというよりも、SEO会社に依頼したほうがコスト面では実施しやすく、特に中小企業にとってはコストを抑えたWEBマーケティングが重要になってくる点でSEO会社への業務委託の活用が望まれます。

内部対策（内部SEO）

内部対策（内部SEO）とは、自社サイトやオウンドメディアなどの際と内部を最適化することで検索エンジンからの評価を高め、検索結果で上位表示を取る施策のことです。日本ではSEO対策とは事実上、Googleへの最適化を意味していますので、Googleが自社サイトをどれだけ見つけやすくするのか、データベースに登録しやすくするか、高い評価を得られるかなどの対策を施します。

そのためにはSEO会社は次のような改善を実施することで内部対策をおこないます。

コンテンツSEO

Googleはコンテンツを重視する傾向が強く、ユーザーニーズを満たすコンテンツを配信することで検索上位を狙うことができます。そのため、SEO会社はユーザーニーズを分析し、キーワード調査をし、ユーザーニーズから逆算してコンテンツを作ります。同時に、既に公開されているコンテンツもユーザーニーズを満たすようにリライトをおこないます。

このようにコンテンツを新規作成したり、書き換えたりすることで検索順位を向上させ、集客をすることをコンテンツSEOと呼びます。

SEO会社はコンテンツSEO実施のために、次のようなことをおこないます。

外部対策（外部SEO）

外部対策とは、自社以外のサイトからのリンクや露出を増やすことでサイト全体の評価を向上させるためのSEO施策です。外部サイトから自社サイトへのリンクを増やすことが中心ですが、リンクがなくとも言及されるサイテーションを増やしたり、スパムリンクを削除することも同時におこないます。

自社サイトではないコンテンツに自社の情報を入れてもらうことになるため、難易度は高いものの、被リンク営業をおこなう、拡散されやすい企画を考える、外部露出を増やすなどが該当します。

2010年代では外部対策がSEOの中心でしたが、その後、ペナルティを受けるようになり下火になりましたが、現在でも非常に重要なランキング要素であることは間違いないため、誤った手法を理解し、継続して実施していくことが重要です。

格安で効果を出すSEO会社の選び方

SEO会社は多数存在し、それぞれが得意領域を持っていますので、限られた予算で効果を出すにはSEO会社の選び方が重要です。しかし、SEO会社であっても大手であったり、サービスが手厚いがために高額になってしまうこともあり、自社にとってどこまでが必要なのか、どこからが過剰なのかの線引きをおこなう必要もあります。

一口にSEO会社といっても、ユーザー分析やキーワード分析からサイトのリニューアルを前提とした最適化までおこなうSEO会社もあれば、内部対策やコンテンツ制作に優先度を振り実施するSEO会社、外部リンクを積極的に取りに行くSEO会社などさまざまです。

何を重視するかは企業規模やサイトのフェーズによって異なるため、一概には答えられませんので、SEO会社との面談時に確認すべきですが、最低でも次の4つはSEO会社選定の際に確認してください。

売上を意識する

SEOは検索エンジン最適化という意味ですので、検索順位で上位を取れれば成功といえます。しかし、企業がSEOをおこなうのは売上向上のため、知名度向上のためなど何かしらの理由があるはずです。そのため、決められたキーワードで上位を取るだけではなく、目的を達成するためにどうするのかを考えているSEO会社が必要です。

多くの場合、SEO会社に依頼する際の最終ゴールは売上向上ですので、どのようなキーワードで、どうやって改善すれば売り上げを上げることができるのかを提案してくれる企業との取引をするようにしてください。

同業種の実績ある

SEO会社には多数の実績がありますが、クライアントの規模や業界はさまざまです。中には特定の業界に特化しているSEO会社もありますので、自社と同業種の実績があるかどうかを確認し、その際にはどのように最適化をしていったのかを確認するようにしてください。

同じ業種であっても規模があまりに違いすぎた場合には自社には向かないかもしれません。その場合であっても、自分たちにはどのようなサービスを提供するのかを確認することで理解度が上がり、他のSEO会社との比較の際に役立ちます。

費用感が正しい

SEO会社の料金体系は非常に幅広く、月5万円〜月100万円の月額費用がかかったり、初期費用や成果報酬がかかったりすることもあります。SEOでおこなえる範囲は非常に広いため、一般的に効果があることであっても自社には過剰なサービスであったり、費用対効果が合わないことが考えられます。

そのため、自社のかけられるコストを、効果が出るまでの期間、回収にかかる期間をある程度予想して予算を組む必要があります。一般的にSEOを開始して効果が出るまでに6か月はかかるといわれています。ということはそこまでにかけたコストと売上の増加を鑑みて判断しなければなりません。

SEO会社によってはオプションがつくこともありますので、なぜ必要なのか、本当に必要なのか、コストに対する効果はどの程度なのかを綿密に打ち合わせたうえで自社に合ったコスト感で依頼するようにしてください。

SEO対策以外のWEBマーケティング知識を持っている

SEO会社のなかにはサイト制作、コーディング、サーバー管理、広告運用、SNS運用、運用代行など、直接SEOにかかわる領域以外の業務を引き受ける会社もありますが、SEOだけを専門におこなう会社もあります。このときにWEBマーケティング全般の知識がないと他の会社との連携ができなかったり、企業側の担当者と話が合わなかったりすることが考えられます。

特に大手のSEO会社は新卒を採用することから経験が浅いスタッフがいることも多く、WEBマーケティング全般の知識を持ち合わせていないことが考えられますし、小規模のSEO会社であれば大規模案件を受けたことがないために企業規模に合った提案ができないということも考えられます。

SEO対策を格安で成果を出すコツ

自社でSEOのすべてを実施できる企業は少なく、本気でWEBマーケティングをおこなう場合には少なからずSEO会社に依頼することになるはずです。しかし、いくらSEO会社が専門業者だからといって限られた予算ではすべてのことを実践することはできません。

現実的にはコストを効果を考えて、業務の優先付けをおこなったうえで依頼することになります。特に格安でSEOをおこない、効果を出すことを考えた場合には自社に担当者を置き、SEO会社と連携すること、SEOのために必要な情報は共有すること、特に重要となるキーワード選定についてはSEO会社の担当者と自社の担当者で十分に話し合って決めることが求められます。

SEOの担当者を置く

SEO会社に依頼する際に、業務のすべてを丸投げできると思っている企業もありますが、丸投げでは効果を最大化することはできません。SEO会社はSEO対策の手法に詳しいだけであって、商品やサービスの訴求点や業界知識は企業側から提供する必要があります。

また、SEO会社のなかには実施したい対策内容を指示書という形で提出し、実動はは企業サイド（企業から依頼された制作会社）になることも少なくありません。作業を代行してくれるSEO会社もありますが、オプションとして別途費用がかかることもありますので、工数を確保できるようであれば自社でおこなったほうがコストを抑えられます。

さらにいえば、SEO会社に外注できるところは外注し、残りは自社内に専任の担当者を置くことで全体のコストを大きく抑えることができます。格安でSEO対策をする場合にはどこまでを実施し、どこからを切り捨てるかを考える必要がありますので、費用対効果の高いものを順次対応し、検証していくというサイクルを作ることで効果的なSEOになります。

必要なデータはすべて共有する

SEOを実施する場合、最初に現状の分析から入ります。そのため、過去におこなった施策やデータを持っている場合には、可能な限りすべてをSEO会社と共有する必要があります。一定以上の規模の会社であっても管理状況がずさんなことも多く、GA4やサーチコンソールの情報すらわかっていないというケースもありますが、GA4とサーチコンソールは最低限必要となる情報です。

まったくデータがない状態では分析ができないため、一度データが揃ってからキーワード選定に入るということになりかねません。そうなると無駄な時間とコストがかかることになりますので、早い段階でデータを取る体制を作り、共有できる体制を作るようにしてください。

キーワード選定には時間をかける

SEO会社に依頼する際によくあるのが、会社側でビッグキーワードを設定するケースです。設定したビッグキーワードが自社サイトに合っている場合には問題ありませんが、最適化するのに適していないことも多く、改めて検討する必要があります。どのようなキーワードを選定するべきかはケースバイケースですが、キーワード選定はSEOの過程では非常に重要なステップですので、SEO会社と企業側の担当者で時間をかけてでも最適なものを見つけるべき内容です。

SEO会社のなかには企業側にキーワードの設定を求めることもありますが、このやり方は必ずしも最適なものではないということは理解する必要があります。

まとめ

SEO対策はWEBマーケティングにおける重要な施策ですが、広告、SNS、メールマーケティング、動画マーケティングなどさまざまな施策にコストをかけていくことを考えるとコストが大きな問題となります。特に効果が保証されておらず、継続が必要な割に効果が出るまでの期間を読みづらいSEOではコストを抑えることが企業課題となりがちです。費用を抑えつつ、効果のあるSEOを実施することは当然ですが、SEO会社の選定を誤ると大きな機会損失につながることがあり、自社内でも体制を整えないと十分な効果は発揮できません。特に格安でSEOを成功させようとする場合、やることよりもやらないことを考えなければなりませんので、自社にとっての過剰なサービスは避け、コストパフォーマンスの高いSEO会社への依頼が必要になってきます。

 

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この記事の監修者

アドマノ株式会社　代表取締役　天野　剛志

日本大学法学部卒業、広告代理店で12年間働いている間、SEOと出会い、SEO草創期からSEO研究を始める。SEOを独学で研究し100以上のサイトで実験と検証を繰り返しました。そのノウハウを元に起業し現在、11期目。営業、SEOコンサル、WEB解析（Googleアナリティクス個人認定資格GAIQ保持）コーディング、サイト制作となんでもこなす。会社としては今まで2000以上のサイトのSEO対策を手掛けてきました。