CDNとは?CDNを使うべきはいつなのか?SEOへの影響も解説
2000年代、インターネットの黎明期にはテキストが中心で画像があるとサイトが重たくなるということが普通でしたが、インターネットの回線速度が向上すると高画質画像を使いよりリッチなサイトを作るようになりました。2010年代になると動画も頻繁に使われるようになり、サーバー負荷は高まるようになっています。
CDNとは
CDNとはコンテンツデリバリーネットワーク(Content Delivery Network)の略で、インターネットに張り巡らされたネットワークをうまく利用して、より効率的にコンテンツを配信する仕組みのことです。
WEBサイトはサーバーに保管されていますので、サイトを見るためにはサーバーにアクセスする必要があります。もし大量の人が1度に1つのサーバーにアクセスしてしまえばアクセス過多となりサーバーの速度が遅くなったり、ダウンしたりする懸念があります。
しかし、CDNを利用することでサーバーを分散が可能ですので負荷が軽くなりますし、ユーザーに近いサーバーから配信をすることができますので高速化が可能になります。
SEOの観点でもCDNは有効
上図はページ速度計測ツールGTmetrix の調査結果画面の一部です。GTmetrixではPage Speed insights とは別の指標でページ速度を評価してくれますますが、評価と同時に改善方法も示してくれます。
表示速度の改善方法の比較的高い位置にCDNの利用(Use a Content Delivary Network)とあるように、CDNを使うことで高速化できることが多く、SEOの観点でも取り入れることは重要といえます。
ただし、表示速度は速ければ速いほどユーザー満足度は高くなりますが、速ければ速いほどSEOに強くなるというわけではありませんのでご注意ください。
CDNの仕組み
一般的に、WEBサイトはサーバーにデータをおいてユーザーに配信します。この配信基になるサーバーのことをオリジンと呼びます。そして、オリジンから取得したコンテンツをコピーしたサーバー(キャッシュサーバー)をあらかじめ用意し、ユーザーに最も近いキャッシュサーバーからデータを配信することで負荷を軽くし、高速化できるというのがCDNの基本的な仕組みです。
もっとも近いサーバーを選択
CDNを使う場合、自動的にもっとも近いサーバーを選択することで高速化ができていますが、ここでいう「もっとも近い」というのは物理的な近い、遠いとは意味が異なります。
上図はパソコンからとあるサーバーへのアクセス経路をトレースしたものですが、いくつかのサーバーを経由しています。このようにサーバーを経由することをホップと呼び、ホップ回数が少ないほどインターネット上で「近い」ことを意味します。
CDNでは、基本的にはホップ数が少なくなるように自動的に経路が選択されています。
負荷分散できる
前述した図のようにオリジンから複数のキャッシュサーバーにコンテンツがコピーされ、アクセスするパソコンにもっとも近い経路を選択することでアクセスするキャッシュサーバーを分散することができます。
これによりサーバー負荷が減りますのでネットワーク遅延の原因をなくすことが可能です。
CDNを利用するデメリット
CDNの仕組みで説明したようにCDNを利用するメリットは大きく次の2つです。
- ネットワーク負荷の軽減
- レスポンスの改善
しかし、導入することによるデメリットも存在しますので必ずしも導入した方がよいとは言い切れません。
コンテンツの更新が遅れる
オリジンのコンテンツが更新されたとしても、キャッシュサーバーがオリジンのデータを取ってこなければ古いデータを配信することになります。このような事故を防ぐにはコピーを保持する時間を短くする設定が必要です。
一度コンテンツを作成したらほとんど変更することがないという場合にはリスクにはなりづらいですが、頻繁にコンテンツを変更するという場合には設定を細かく調整するか、CDNの導入そのものをやめるかを検討しなければなりません。
キャッシュ事故のリスクがある
CDNの最大の欠点はキャッシュサーバーにデータをコピーすることです。これは負荷減少と高速化のためには必須ですが、会員サイトのように個人情報を集めている場合、設定を失敗してしまうとキャッシュサーバーに個人情報がコピーされ、他人から閲覧できるようになってしまいます。
このような減少をキャッシュ事故と呼びます。
設定さえ間違えなければ問題ありませんが、キャッシュ事故のリスクは常にあるということは覚えておいてください。
メルカリのキャッシュ事故の例
2017年、メルカリはキャッシュ事故を起こしたと公式で報告しています。原因はCDNのプロバイダを切り替える際に本来キャッシュされるべきではない情報までキャッシュしてしまったことにあります。
このように大手企業や有名企業であっても設定次第では事故が起きてしまいます。
参考:CDN切り替え作業における、Web版メルカリの個人情報流出の原因につきまして
CDNを使うべきケース
CDNは必ず使うべきというサービスではありませんが、利用することでより安定的、より高速にコンテンツを提供することができます。
そのため、次のようなサイトはCDNを導入することで高速化ができるかもしれません。
- 動画配信をメインで行っているサイト
- ライブラリーを多用しているサイト
- 動的なシステムを導入しているサイト
動画のような重たいファイルを多数扱っているサイトであればアクセスが集中するとサーバーへの負荷がかかりすぎることがあります。このような場合にはサーバー負荷を減らす必要があります。
jQueryやReactなどのライブラリーを多数使っている場合、オリジンに取りに行くよりもキャッシュサーバーから取った方が速いのが普通です。また、WordPressのように動的なシステムを使っている場合にはCDNを使うことで高速化ができるのが一般的です。
※WordPressは静的ページと比較すると重たくはありますが、そもそもがWordPress単体ではかなり軽快に動作します。WordPressを使っているからCDNを導入しよう、ではなく現状の環境では動作が重たいときになってからCDNを検討するようにしてください。
CDN サービスを提供する会社
CDNサービスを提供している会社は数多くあります。ここではCDN会社の一例をご紹介いたします。
一概にどこが良い、どこが安いというのは判断が難しく、必要な機能に応じて選ぶようにしてください。
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