カフェのSEO対策は?喫茶店やコーヒーショップのWEB集客の手法を解説
2020年から本格的に流行した新型コロナウイルス感染症の影響で、飲食サービス業の1つであるカフェ業界も大きな影響を受けました。しかし、近年の巣篭もり生活から社会全体が回復しつつあります。カフェ店舗においても、来客が戻りはじめています。
こうしたなかでは、カフェに対する集客を再び強化する時期に差しかかったとの見方もあります。とりわけ、カフェ店舗の集客に効果的な施策として、SEO対策の一環でもあるMEO対策、SNSを利用した情報拡散などが挙げられます。
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業種別のSEO対策 | 飲食店のSEO対策 |
カフェでSEO対策すべき理由
カフェ業界では、長い歴史を通じて、さまざまなコンセプトの店舗が存在します。そんななか、2020年には、新型コロナウイルス感染症が猛威を振るい、多くの飲食サービスが打撃を受けました。カフェにおいても、その例外ではなく甚大な影響を被りましたが、2024年現在では回復基調がみられています。
こうした流れから、カフェの経営者としては、MEO対策やSNS拡散などの施策を通じて、自店舗の認知拡大や集客を促す時期に差しかかっているといえます。
カフェの歴史は長く、2000年以降にさまざまなスタイルの店舗が生まれた
一般社団法人全日本コーヒー協会が集計した結果をみると、喫茶店の歴史は長く、1960年代から1970年代で加速度的に事業所数が増加したことがわかります。そして、1981年にはピークを迎え、全国に15万4,630件を超える事業所が乱立するほどに業界が成長しました。当時は珍しかったコーヒーも、さまざまな飲食サービス業やコンビニエンスストアなどで取り扱われるようになり、喫茶店ブームが去ると、年々と事業所数が減っていきました。
その一方で、大手カフェチェーンが増えていて、全国の喫茶店の数自体は堅調に推移していきました。このほか、2000年前後に突入すると、漫画を置く喫茶店とインターネットサービスが融合した漫画喫茶(ネットカフェ)、動物と触れ合える猫カフェ、「萌え」ブームで一躍有名になったメイド喫茶など、さまざまなスタイルのカフェが誕生しました。とくに漫画喫茶は、2024年現在でも「ネカフェ」の略称で親しまれ、一般的な純喫茶とは一線を画す、別のサービスとして進化を遂げています。
コロナで打撃を受けるも回復基調がみられる
2020年には、新型コロナウイルス感染症の影響で、3密になりがちな飲食店の全般が経済的に大きな打撃を受けました。カフェ業界も例外ではありません。一般社団法人日本フードサービス協会(JF)の調べで、喫茶店に対する客足が遠のき、売上高が落ち込んだことから、全国の店舗数が微減したことがわかっています。
喫茶店の集計項目 | 2020年時点の前年比 |
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売上高 | 69.0% |
利用客数 | 66.9% |
店舗数 | 98.7% |
しかし、喫茶店の場合、レストランや居酒屋などの別の飲食業態と比較して、はやめに復調の兆しがみられました。そのため、喫茶店における2023年の売上高がコロナ禍になる以前の2019年と比べると、96.2%にまで回復しています。
喫茶店の集計項目 | 2023年時点の2019年比 |
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売上高 | 96.2% |
喫茶店のコンセプト作りをWEBコンテンツで広めていくことが大切
中小企業を支援するJ-Net21の市場調査データでは、喫茶店の利用率は78.2%と高水準をマークしています(2024年5月調べ)。
属性の内訳をみてみると、女性の利用率、利用意向がともに高く、今後も女性ユーザーが増えそうな気配が見受けられます。J-Net21は、性別や年齢層によって店選びに影響がでることを踏まえて、今後は喫茶店のコンセプト作りが重要になると見解を示しています。こうしたことから、近年では、コンセプトカフェがトレンドとなっています。
そして、喫茶店のコンセプトをアピールするのにふさわしい場として、SNSやWEBサイトが挙げられます。つまり、喫茶店は、WEBコンテンツを用いて自店舗の認知を広めるとともに、集客することが重要になってくるということです。これは、飲食サービス全般にいえることですが、WEB集客においては、とりわけローカルSEOの一環として位置付けられるMEO対策と相性がよいです。
カフェ向けのSEOキーワードの例
カフェでWEB集客を検討するとなると、その起点となる自店舗のホームページ制作が必要です。制作時には、キーワードを設定して、SEO対策してください。本項目では、どのようなキーワードを設定すればよいのかを解説しています。
関連記事:SEOキーワードの選び方とは
※本項目で記載する検索ボリュームは、原則として2024年9月単体のもの
カフェのコンセプトや雰囲気
まずは、カフェのコンセプトをキーワードに設定してください。検索ユーザーは、自分好みのスタイルのカフェを探す傾向があります。具体的には、下記のようなキーワードが挙げられます。
キーワード | 月間検索件数と検索結果の特徴 |
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猫カフェ | 検索件数:550,000
検索結果:店舗サイト / SNS |
コーヒーショップ | 検索数:90,500
検索結果:ポータルサイト / 店舗サイト |
ブックカフェ | 検索件数:60,500
検索結果:店舗サイト / ポータルサイト / 解説記事 |
メイドカフェ | 検索件数:60,500
検索結果:店舗サイト / 解説記事 |
カフェバー | 検索件数:40,500
検索結果:ポータルサイト / 解説記事 |
レトロ喫茶 | 検索件数:33,100
検索結果:ポータルサイト / 紹介記事 |
検索結果(SERPs)では、カフェ店舗のサイト、「カフェ○○選!」といったポータルサイトのまとめ記事の露出が目立ちました。カフェ店舗のサイトにおいては、全国的にも有名な店舗のサイトが表示される傾向がみられました。たとえば、全国展開する猫カフェのMOCHA、世界進出を果たしたメイドカフェのめいどりーみんは、コンセプトを示すキーワードで1位表示(2024年10月現在)しています。
このほか、検索ユーザーは、カフェに求める時間の過ごし方や雰囲気をキーワードにして検索することもあります。
キーワード | 月間検索件数と検索結果の特徴 |
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カフェ おしゃれ | 検索件数:27,100
検索結果:ポータルサイト |
カフェ ゆっくりできる | 検索件数:12,100
検索結果:ポータルサイト |
カフェ 長居できる | 検索件数:6,600
検索結果:ポータルサイト / 解説記事 |
検索結果には、ほぼすべてがポータルサイトのまとめ記事が表示されます。こうしたキーワードの場合、店舗サイトがほぼ上位表示できていません。現実的には、店舗サイトで上位表示する事は困難といえます。
カフェの目玉メニュー
カフェのメニューをキーワードに設定します。とくに、自店舗で評判がよいものや目玉のメニューを優先的に紹介してください。検索ユーザーは、カフェを探す際に、好みのメニュー名で検索するケースがあります。たとえば、下記のようなキーワードで検索されます。
キーワード | 月間検索件数と検索結果の特徴 |
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カフェ モーニング | 検索件数:60,500
検索結果:大手カフェサイト / ポータルサイト |
カフェ スイーツ | 検索件数:40,500
検索結果:大手カフェサイト / ポータルサイト |
カフェ パンケーキ | 検索件数:12,100
検索結果:ポータルサイト / 店舗サイト |
カフェ コーヒー | 検索件数:8,100
検索結果:ポータルサイト |
検索結果の特徴としては、ポータルサイトのまとめ記事や大手カフェサイトの表示が目立ちます。その一方で、2010年ごろから若い女性を中心に流行したパンケーキのキーワードでは、インスタ映えなどで注目を集めた、湘南パンケーキ府中店といった人気カフェ店の上位表示がみられました。
地方の地域名
カフェ店舗として、もっとも重要なのは地域キーワードの設定です。検索ユーザーは、近場でカフェ店を探すことから、地域名をキーワードにして検索するケースが散見されます。たとえば、下記のようにキーワードを設定します。
キーワード | 月間検索件数と検索結果の特徴 |
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カフェ 表参道 | 検索件数:49,500
検索結果:ポータルサイト |
カフェ 名古屋 | 検索件数:27,100
検索結果:ポータルサイト / SNS |
神保町 カフェ | 検索件数:18,100
検索結果:ポータルサイト |
表参道には、若い女性が多く集まり、インスタ映えするおしゃれなスイーツを扱うカフェ店などが人気です。名古屋市は、もともとカフェが人気のエリアです。そのため、事業所数ベースでは、東京都を抑えて愛知県が全国2位となっています(一般社団法人全日本コーヒー協会の集計結果)。神保町は、昔から出版社や古本のメッカとして知られていて、購入した本を片手に喫茶店で過ごすという独自の文化があります。
こうした、表参道、名古屋、神保町などカフェが人気の地域だったり、全国のなかでも有名なエリアでは、ポータルサイトが上位表示を独占しています。そのため、地域キーワードで自店舗サイトを上位表示するのは、現実的には困難といえます。
その一方で、ローカルなエリアを地域キーワードとした場合は、カフェ店舗の上位表示がみられます。検索数自体は少なくなりますが、郊外に立地するカフェ店舗では、地域キーワードで上位表示を狙うことが可能です。たとえば、茨城県の那珂市、千葉県の流山市などをキーワードで検索すると、カフェの店舗サイトが上位表示されていることがわかります(2024年10月現在)。
キーワード | 月間検索件数と検索結果の特徴 |
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那珂市 カフェ | 検索件数:2,400
検索結果:ポータルサイト / 店舗サイト |
流山市 カフェ | 検索件数:390
検索結果:ポータルサイト / 店舗サイト |
カフェで効果的なWEB集客の手法
WEBコンテンツを用いて、カフェに集客するための方法をまとめています。カフェの場合は、MEO対策やSNSで情報発信する手法が効果的です。具体的には、下記のような手法があります。
- カフェ店舗をGoogleビジネスプロフィールに登録する
- 広報活動を通じて、自店舗をポータルサイトに掲載してもらうする
- 自店舗のホームページで、セールスポイントや店内の雰囲気を伝える
- SNS映えする空間やメニューを開発して投稿をバズらせる
- 飲食業界で話題のフォロ割など、SNSを活用してクーポン券や割引券を配布する
またこれらの施策は、レストランや居酒屋といった、飲食サービス全般に通じるものがあります。飲食店全体のSEO対策についても、別記事で解説していますので、あわせて参考にしてください。
関連記事:飲食店のSEO対策
カフェ店舗をGoogleビジネスプロフィールに登録する
ローカルSEOの一環に、MEO対策という手法があります。MEO対策とは、Googleビジネスプロフィールと呼ばれる検索サービスに施設や店舗情報を掲載することです。Googleビジネスプロフィールに掲載された情報は、Googleマップや検索結果に表示されます。詳しくは、下記の別記事を参考にしてください。
関連記事:Googleビジネスプロフィールとは?
自店舗のホームページで、セールスポイントや店内の雰囲気を伝える
ホームページは、WEB上でポスターや看板のような役割も果たすので、WEB集客の要として活躍します。たとえば、各種マーケティング戦略で、外部サイトから自店舗のホームページにアクセスが流入した場合、見込み顧客ができたことを意味します。
そこで、自店舗のセールスポイントや雰囲気を伝えてください。具体的には、ホームページ制作会社に依頼するなどして、自店舗の雰囲気を演出するデザインのホームページを用意してください。サイト訪問者がホームページをみて「行ってみたい」と思わせることができた場合、予約機能などを通じて、顧客化できます。
広報活動を通じて、自店舗をポータルサイトに掲載してもらうする
カフェ関連のキーワードで検索をすると、オーガニック検索結果の上位の大多数がポータルサイトに占拠されていることがわかります。こうしたポータルサイトは、ドメインパワーが極めて高く、検索結果上で上位表示しやすい傾向にあります。そのため、ポータルサイトに自社情報を掲載することが施策として挙げられます。
具体的には、大手ポータルサイトに取り上げてもらうべく、広報活動を通じて取材を促してください。たとえば、プレスリリースの配信、SNSアカウントの拡散などを通じて、自店舗の認知を高めるPR活動が重要となってきます。
まず、カフェは飲食業に該当しますので、下記のような大手グルメ系ポータルサイトと相性がよいです。
このほか、自店舗が立地する地域情報を発信するメディアに掲載できると集客効果を期待できます。
郊外の地域キーワードの検索結果で上位表示を狙う
自店舗が郊外の地域を拠点としている場合に限りますが、SEO対策で上位表示を狙えます。郊外地域名では、都市部と比較してキーワード検索ボリュームが少ない傾向にあります。そのため、大手ポータルサイトが力を入れていないケースがあります。つまり、SEOキーワードの観点では、ブルーオーシャン状態の可能性があるということです。さらに、条件を絞ったロングテールキーワードを抑えていくと、SEO対策の効果をえられやすくなります。
SNS映えする空間やメニューを開発して投稿をバズらせる
インスタグラムやTikTokといったSNSメディアでは、カフェメニューの盛り付け、カフェ店内の独特な雰囲気を伝える画像や動画を添付した投稿物が拡散しやすい傾向にあります。俗にいう、「インスタ映えで投稿をバズらせる」といった戦略を用いることになります。
たとえば、那珂市に立地するカフェレストランのHACHI CAFEでは、落ち着いた高級感ある空間にて、上質な食事を楽しめることをコンセプトに運営しています。店内の雰囲気が独特で、店内の内装がゴシック様式でデザインされています。そして、この店内の雰囲気を伝える、インスタグラムのリール投稿が2024年4月に投稿されました。このリール投稿は、300万再生されるなど「バズりまくっている」状態にあります。
この投稿をInstagramで見る
こうした反響などもあり、同店では、2024年10月分の予約席が全席満席になっているようです。
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飲食業界で話題のフォロ割など、SNSを活用してクーポン券や割引サービスを提供する
飲食サービスで集客する際の常套手段として、クーポン券や割引券を配布するといった施策が挙げられます。カフェ店舗においても、この施策が有用です。割引サービスの配布方法としては、下記のようなものがあります。
割引方法 | 施策概要と狙い |
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フォロ割 | 来店者のSNSフォロワー数に応じて金額を割引する。狙いとしては、インフルエンサーに来店してもらい、SNS投稿してもらうといったもの |
合言葉割引 | 店舗のSNSアカウント上で「合言葉」を投稿して、来店者が「合言葉」を知っていると割引する。狙いとしては、店舗のSNSアカウントの認知を拡大するといったもの |
LINEクーポン | 店舗のLINEアカウントと友達になった来店者にクーポン券を付与する。狙いとしては、店舗の告知やリピーター化を図るといったもの |
よくある質問(Q&A)
カフェのSEO対策に関する、よくある質問をまとめています。
Q:カフェ店舗にSEO対策は必要ですか?
Answer)カフェ店舗に集客するうえで、SEO対策は効果があります。とくに、ローカルSEOに位置付けられるMEO対策やSNS戦略が重要です。
一方、SEOキーワードを用いた、店舗サイトの上位も効果的です。ただし、カフェ関連のキーワードにおける検索結果では、ポータルサイトの「○○選!」といったまとめ記事が横行しています。そのため、自店舗のサイトを上位表示させるのは、現実的には困難といえます。
Q:MEO対策やSNS戦略のやり方がわからない場合は?
Answer)デジタルマーケティングに長けた専門業者に相談してください。
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まとめ