BtoBビジネスとSEOの相性は?特におすすめのケースも紹介
BtoB企業においてSEO(検索エンジン最適化)はリード獲得やブランド認知度向上に効果的です。SEOは、オンライン上での自社の可視性を高め、潜在顧客との接点を増やすための重要な手段となります。
BtoBとSEOの相性が良いとされる理由
BtoBとSEOの相性が良い理由として、以下のような点が挙げられます。
- Web(PC)で情報収集している顧客が多い
- 商材が高額でコストを回収しやすい
- 顧客へ能動的に情報提供できる
それぞれの理由について、解説します。
Webで情報収集している顧客が多い
BtoBの購入プロセスは、複数の関係者が関与し、取引金額も大きいため、意思決定には慎重さが求められます。決裁者は、取引相手を選ぶために、まず多くの情報を集める必要があります。そのため、必要な情報を効率的に得られるインターネットの利用が一般的になっています。特に、仕事中にPCで発注先を検索して探すケースが多いです。
SEOを活用し、検索結果で上位表示しておけば、顧客が必要な時に、アクセスしてもらえます。営業担当の直接的な介入なしに、顧客の購買判断を支援することが可能です。検索上位に表示されるコンテンツを持つことで、効果的な情報提供が可能となり、競合他社に対して優位性を確保できます。
商材が高額でコストを回収しやすい
BtoB事業では、SEO施策への投資回収が比較的容易な傾向にあります。
一般的にBtoBの取引単価はBtoCより高額です。1件の成約で大きな売上が見込めるため、BtoBでは個々の取引成立が重要となります。
SEOは長期的な視点で上位表示とコンバージョン(CV)率向上を目指す手法です。投資回収の可能性は、コンバージョンあたりの利益に大きく依存します。利益率の高い商材であれば、コンバージョン数が少なくても投資回収の可能性が高まります。
BtoB事業は商材が高額のため、SEOに投資したコストを少ないCVで回収できます。さらにCVが増えれば、コストを大きく上回る成果も期待できます。
顧客へ能動的に情報提供できる
BtoBビジネスの顧客は、インターネットを活用して情報収集を行う傾向が強まっています。現在、BtoBでは、顧客のほとんどがインターネットで企業選定をしている、と考えても過言ではないです。
このため、顧客に選ばれるためには、インターネットを通じて適切な情報を効果的に提供することが重要です。従来の営業活動で行っていたアプローチを、インターネットを通じて実施する必要があります。判断材料となる情報を提供するためには、ネット上での存在感を増やすことが鍵となります。
SEO対策は、自社から顧客へ効果的にアプローチするための重要な手段となっています。質の高いウェブコンテンツで情報を提供し、必要に応じて営業活動でフォローすることで、成約率を高めることができます。
BtoB事業とSEOの相性が特に良いケース
以下のようなケースでは、SEOが効果的です。
- 専門的な情報を提供する必要がある場合
- グローバルに展開している場合
個々のケースについて、具体的に解説します。
専門的な情報を提供する必要がある場合
BtoB企業のSEO対策においては、オウンドメディアで専門的な記事を作成し、ユーザーの流入数を増やすことが有効です。
コンテンツ制作においては、自社独自の知見やリソースを活用し、他社との差別化を図ることが重要です。これにより、潜在顧客に、専門性が高く、課題解決能力のある企業、という印象を与えることができます。
SEOが特に効果を発揮する分野として、ITコンサルティングなどの、専門サービス業が挙げられます。これらの業界では、顧客が高度な専門性と信頼性を持つパートナーを、求めています。
自社にしかない独自の知見や技術がある場合、BtoBでは大きな武器になります。SEOを利用すれば、そのオリジナリティーを市場にアピールすることが可能です。
グローバルに展開している場合
各国の主要検索エンジンでの上位表示を目指すことで、世界中の潜在顧客にリーチできます。現地言語でのコンテンツ作成により、ターゲット顧客へのアプローチが効果的になります。物理的な訪問が難しい海外顧客にも、オンラインで自社の存在をアピールできる可能性が高まります。
例えば、日本のIT企業の技術力が国際SEOを通じて、海外で認知されるケースが増えています。グローバル展開企業は適切な国際SEO戦略により、幅広い地域で認知度と信頼性を向上させ、新たなビジネスチャンスを創出できる可能性があります。
関連記事:海外SEO(グローバルSEO)とは?[2024年最新版海外SEO対策完全ガイド]
BtoB事業とSEOの相性が悪いケース
SEOの効果が限定的になる可能性のあるケースも存在します。
- 顧客がWeb検索をしない場合
- SEOを継続するのが難しい場合
- すでに競合がSEOで結果を出している場合
ここでは、そのような場合について詳しく解説します。
顧客がWeb検索をしない場合
SEOはオンラインでの情報提供が前提ですが、顧客のインターネット利用が少ない場合、その効果を最大限に発揮しにくくなります。
例えば、製造業や建設業などの一部では、従来の対面ネットワークや、業界内の口コミが重視される傾向があります。しかし、近年はこれらの業界でも、Web検索を活用した情報収集が増加しています。そのため、SEOの効果は業界や顧客層によって異なります。
SEOの効果を判断する際は、自社の顧客のWeb検索利用状況を、慎重に分析することが重要です。Web検索利用が少ない場合でも、SEOとオフライン営業手法を組み合わせた、ハイブリッドアプローチが効果的な場合があります。
SEOを継続するのが難しい場合
SEOは継続的な取り組みが重要で、効果を維持するには、定期的な更新や最適化が必要です。人的リソースや予算が限られている場合、コンテンツの品質向上やリンク構築など、重要な施策に十分に、取り組めない可能性があります。
競争が激しい分野では、特に多くの時間と労力が必要となり、計画的なリソース配分が重要になります。SEO戦略を成功させるには、中長期的な視点と適切なリソース配分が、不可欠であることを認識することが大切です。
すでに競合がSEOで結果を出している場合
検索結果の上位が、競合のコンテンツで占められている状況では、同じキーワードでの順位向上が課題となります。上位表示を目指すには、綿密な戦略立案と、継続的な取り組みが必要です。競合も常に施策を行っているため、差別化が重要になります。
主要キーワードで、他社に先行されている場合、ロングテールキーワードの活用や、競合が提供していない、独自コンテンツの作成が効果的です。また、ユーザー体験の向上や技術的SEOの最適化など、総合的なアプローチが求められます。
競合が強い状況下でのSEOは、戦略的な取り組みが必要となるため、リソースの適切な配分が重要になります。
関連記事:ロングテールキーワードとは? ツールを使った探し方や選び方のコツ
BtoB SEOを成功させるメリット
BtoB企業がSEOを成功させた場合、以下のようなメリットが期待できます。
- 長期的なリードが獲得できる
- 広告費の削減につながる
- ブランド力を強化できる
- 成果を見える化できる
それぞれのメリットについて詳細に解説していきます。
長期的なリード獲得ができる
検索順位の向上により、関連性の高いユーザーからの問い合わせが増加し、リードの質が向上する傾向があります。
オーガニック検索からのアクセス増加は、潜在顧客の発掘につながり、効果的なリード育成を可能にします。この過程で、適切な情報提供を行うことで信頼関係を構築し、最終的に購買行動へと導くことができます。
ただし、結果が出るまでに時間がかかる点に注意が必要です。
広告費の削減につながる
SEOでオーガニックトラフィックを獲得することで、長期的にはコスト効率の良い集客が可能になります。
検索エンジンで上位表示を達成すれば、継続的な自社サイトへの流入が期待できます。一方、Web広告は即時的な効果がありますが、予算に応じた一時的なアプローチとなります。
SEOの強みは、広告費に頼らず、安定的にリードを獲得できる点にあります。ただし、SEOと広告は相互補完的な関係にあり、両者を適切に組み合わせることで、より効果的な集客戦略を構築できます。
ブランド力を強化できる
SEOを適切に実施することで、業界内での認知度と信頼性を高める効果が期待できます。
これは、検索結果の上位表示により露出が増え、質の高いコンテンツを通じて、顧客が自社の専門性を認識するためです。認知度と信頼性の向上は、業界内での地位確立につながる可能性があります。また、信頼できる情報源として認知されることで、新規リード獲得や顧客維持に寄与する可能性があります。
ただし、SEOはブランド構築の一要素であり、総合的なマーケティング戦略の一部として位置づけることが重要です。
成果を見える化できる
トラフィック、ユーザー行動、コンバージョンの経路などを分析することで、改善点を特定し、SEO施策の精度向上が可能です。ただし、施策の結果が反映されるまでには、時間がかかるため、長期的な視点でのPDCAサイクルが重要です。
多くのマーケティング施策は、定性的評価も重要ですが、SEOではデータに基づく評価が可能です。これにより、施策の効果を客観的に把握でき、関係者間で共通認識を持って取り組めます。ただし、数値だけでなく、ユーザー体験など定性的な側面も考慮する必要があります。
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まとめ