SEOは難しく失敗しやすいか[体験談からの考察]
SEOには難しいことも多いですが、何が厄介かといえば口をそろえてGoogleのコアアップデートといいますが、本当に厄介なのはコアアップデートとは限りません。
むしろコアアップデートはユーザーファーストを追求した結果ですので必ずしも悪い結果ではありません。
SEOの敵はGoogleではない
まず最初に誤解を解いておきますが、SEOの敵はGoogleではありません。Googleのコアアップデートのせいで順位が大幅に下落し売り上げが落ちたというのは実害でしょうが、ユーザーを意識せずに常に上位を維持し続けることはできません。
Googleはユーザーを第一に考えてアップデートをしていますので、ユーザーを第一に考えてサイト運営をしていれば、そこまで大きな打撃はないはずです。
順位が下がったといえば聞こえは悪いですが、競合の評価が高くなっただけでサイトの評価自体は変わっていない可能性もありえます。
ユーザーファーストが最終目標
結局のところSEOはユーザーファーストをどこまで考えられるかが大きく、最終目標は昔からまったくぶれていません。アルゴリズムの評価基準が変わってくるのはその通りですが、それをもってGoogleが敵というのはお門違いです。
SEOの本当の敵は会社と上司!?
ではSEOの本当の敵は何なのか?という話になりますが、敵という表現になるかはやや怪しいのですが、障壁になるのは会社になることはあります。
正確には会社ではなく、上司がSEOを実践するうえでの障壁になることがあります。SEOを実践しようとしているということはWEB担当者またはSEO担当者なのでしょうが、WEBで調べていると意外にこの手の方は上司が仕事の邪魔をしているというケースはあるようです。
なぜ上司はSEOの邪魔をするのか
厄介なのは上司はSEOの邪魔をしている認識がまったくないということです。なぜこんなことが起こるのかといえば、以下のような理由が挙げられます。
- SEOは誰でもできると思っている
- SEOの施策内容を理解していない
- 自分の知っているSEOを上限にしている
大前提として、SEOは誰にでもできるわけではありません。誰にでもできると思っている人はSEOの知識が非常に浅い人であると言わざるを得ず、そういう上司は部下の業務の専門性を理解していないということです。
そして、SEOの提案をして効果を説明してもSEOの知識がないので理解ができず、実践できないというケースは散見されます。
さらに、自分が知っているSEO(だと思っているもの)を業務内容の上限にしがちなので新しいことを受け入れてくれないことがよくあります。
SEOを知らない上司の実例
ケース1.metaを最重視する
metaとはタイトル、meta description、meta keywordsのことです。タイトルとmeta descriptionは非常に重要な要素ですのでSEOで重視するのも納得です。確かにタイトルはSEOに直結することがありますし、meta descriptionはクリック率に影響します。
問題になるのはmeta keywordsです。SEO担当者の中では常識ですが、meta keywordsはGoogleは評価していません。情報を入れることに問題はありませんが、積極的に対応する個所ではありません。
しかし、上司曰く「サイトのmeta keywordsが最適化されていないから順位が上がらない」とのことです。
meta keywordsが順位に影響する可能性は否定しませんが、数百ページのサイトのmeta keywordsを1つ1つ精査して対応する時間と労力を考えれば他の作業を行いたいというのが現場の意見のはずです。
タイトルとコンテンツにキーワードを含めず、極めて検索ボリュームの少ないキーワード(特に検索で出てこないワード)をmeta keywordsに入れることで順位がつくことがあります。
ただし、このケースはあまりにも検索結果に出す候補がないために最終手段でmeta keywordsを使ったのではないかと考えられます。何件か試してみたのですが出るワードと出ないワードがあり、正確な判定が極めて難しいです。また、コンテンツとして価値があるかどうかも怪しく、普通に考えればやめた方がよいです。
ケース2.ページ数が多ければよいと思っている
ページ数がSEOに重要ではないといいつつも、やはり関連ページが多い方が内部リンクも張り巡らせるというメリットがあり、サイト内のページ数はSEOに影響します。
ただし、闇雲にページ数と増やせばよいというものではありません。ページを増やす場合にはキーワードの重複は厳禁であり、低品質なコンテンツは存在するだけ無駄というのが絶対条件です。
しかし、単にページ数が多い方が強いと思い込んでいる上司は次のような手段に出たりしました。
- コンテンツの冒頭だけ表示して「続きを読む」と出し、別URLに飛ぶ(これにより1コンテンツで2ページ確保できる)
- ニュースに全記事のアップ記録を載せる(これにより1コンテンツで2ページ確保できる)
これがユーザー導線を考えた上で必要なことであれば歓迎ですが、単にページ数を増やすために行うことが目的であれば無駄というほかありません。
ケース3.コンテンツだけで大丈夫だと思っている
コンテンツ作成は非常に重要なSEO対策です。しかし、コンテンツだけがSEOではありません。
コンテンツを作り続けるだけでSEOは成功すると断言する人はいますし、これは間違いではありません。ですが、前提としては表示速度、テクニカル面、サーバー設定、導線、内部リンク、モバイル対応などが準備できていることがあります。
この辺りをおろそかにしてコンテンツを増やすだけで順位が上がると考えているといつまでも上がらないことは大いにあり得ます。
コンテンツ作成に注力するのはよいのですが、アップして終わりということが多く、内部リンクもろくにつけないようでは孤立ページが増えるだけで改善が必要なケースが大いにあります。
アメーバブログやはてなブログなどの無料ブログは最初からサイト設定が出来上がっています。自身で改良することは可能な場合もありますが、設定が終わっているのでコンテンツを作り続けるだけで順位が付きますし、SEOができます。これが無料ブログの非常に優れた点です。
WordPressは自分で設定する箇所はありますが、それでもかなり体系的に作り込んであるので適当なテーマを入れて投稿を繰り返すだけでも順位が上がることがよくあります。これはWordPressの製作者が最初からサイトに必要な設定をされているためです。
自身でサイトを一から作るという場合には諸々の設定を施さなければなりませんのでコンテンツだけでは上がりづらいです。
ケース4.担当を無視してSEO会社に相談する
過去に体験した中で最悪だったのがSEO会社の介入です。
順位が上がらない理由を担当者をはさまずにSEO会社に聞いているというパターンがあります。SEO会社に意見を聞くことそのものは何も問題ありません。自身で気が付かないこと、別視点でのアドバイスが得られることがありますし、確認したつもりになっていた箇所の発見や別の切り口での戦略もあるかもしれません。
問題なのは上司が勝手にSEO会社に意見を仰ぎ、その意見を正として担当者を否定してくる場合です。
本当にSEO会社の意見が正しいのであれば依頼すればよいのですが、依頼もしない、具体的な改善策も出さない、SEO会社との話もさせてもらえない。しかし、SEO会社が言うから正しいという思い込みで施策を否定してきます。
専門会社の意見にしてはあまりにも稚拙と思えるような内容があるので否定しても、頭からSEO会社が正しいと思っているので意見を受け入れないあたりはかなり問題があるといえます。
おそらく、本当はSEO会社には相談せずに自分の意見をぶつけているだけなのだと思います。
上司とダニング・クルーガー効果
少し話はそれますが、ダニング・クルーガー効果というものをご存じでしょうか
言葉を知らない人でも上図のようなグラフは見たことがあるのではないかと思います。簡単に説明すると、経験が短い人は自分の能力を見誤るということです。僅かな経験をして自信を付けて「自分はできる」と思い込んでしまうものですが、経験を積めば積むほどわからないことが増え「自分はできないかも」と思うようになり、研鑽を積むことで本当に「できる」と思えるようになります。
SEOができる人は本当にできる人以外は「できる」とはなかなか言いません。それほど難しいからです。謙遜でもなんでもなく「自分はまだまだ」と考えている人は非常に多いです。
しかし、困ったことにSEOを少しだけ経験したことがある上司は「自分は本当にできる」と思い込んで部下に接触することがままあります。担当者に言わせればまったくできない素人レベルなのですが、自分はできると思っているので会話になりづらく、説得もできません。
「実るほど頭を垂れる稲穂かな」という言葉がありますが、こうありたいものです。
ではどうすればよいのか?
さて、上司がSEOを知っているつもりで知らない場合、どうすればよいのかというのが問題です。裏で陰口をたたくのは簡単ですが解決にはなりません。上司のさらに上に話を持っていく方法もありますが角が立ちます。
2つの方法を考えました・・・。
- 具体的なプランを数字で示す
- SEO会社を間に入れる
上司は数字を出すことが仕事ですから具体的に未来が見えるプランを数値で示すことで考え直してくれることはあります。数値目標は読みづらいところですが、合理的に話を進めるためにはどうしても必要です。
もう1つはSEO会社もしくは第3者を間に入れることです。今まで否定的だった人が間に誰かを入れると同じことを言っているのになぜか納得するということは非常によくあります。ある意味では権威性なのでしょうが、同じ意見を持っている人は自分だけではないですよと暗に主張することで意見が変わることがあります。
まとめ