近年では、エステサロン（エスティックサロン）の市場規模が微減していることがわかっています。内訳をみると、レディースエステが減少しています。この要因としては、美容医療の発達によって、手術を要さない施術が注目されていることなどが挙げられます。つまり、美容医療の利用に対する抵抗が薄くなっている人が増加していて、エステサロンから顧客が流れているということです。

エステサロンとしては、顧客の奪い合いの競争が激化しており、WEB施策を中心とした集客の強化が求められる状況に差しかかっているといえます。とくに、ローカルSEO、MEO対策、SNS戦略などの重要性が増しています。ただし、SEO対策においては、大手ポータルサイトのほか、医療機関、製薬、化粧品など、強力な競合が立ちはだかります。そのため、SEO対策を進めるうえでは、狙うキーワードを徹底的に吟味する必要があります。

エステサロンのSEO対策について解説します。これからWEBを用いてエステサロンに集客を図ろうとしている方は参考にしてください。

エステサロンがSEO対策すべき理由

ここ数年のエステサロンの市場規模は、減少傾向にあります。年々、美容クリニックや美容家電の発達していて、こうした市場に女性の利用者が流れているなどの背景があります。その一方で、メンズエステ市場は増加傾向にあり、今後も伸びが期待されています。

また、ここ最近では、エステサロンを探す際にWEBを用いる人が増えています。そのため、エステサロン側としては、施設に集客するために、ホームページの設置、SNSアカウントの運用などの施策が不可欠になりつつあります。前者では、とくに、ローカルSEOやMEO対策をすることで集客効果をえられやすくなります。

近年、エステサロン全体の市場規模は微減している

株式会社矢野研究所の調査によると、国内のエステサロン業界の市場規模は、ここ2020年以降は微減傾向にあるとのことです。

※2023年度と2024年度は、2022年調査時点のデータ

内訳をみていくと、メンズエステ市場が拡大傾向にあるものの、半数以上を占めるレディースエステ市場が減少傾向にあることがわかります。これには、さまざまな要因が影響しています。そのうちの1つとして、昨今では、手術を要しない美容医療や美容家電がZ世代を中心に注目を集めていることが挙げられます。つまり、美容クリニックの利用に対する抵抗が薄くなってきていて、さらに、自宅で手軽に美容対策できる時代が訪れているということです。こうした背景がエステサロンの市場に影響を与えているとの見方もあります。

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一方、メンズエステ市場規模においては、脱毛サロンを中心に好調に推移しています。市場規模は、全体が3,139億円（2023年度の見込み）に対して、162億円（同見込み）と小規模であるものの、コロナ禍などをきっかけにニーズが伸びている傾向にあります。そして、今後も市場の拡大が期待されています。

エステサロン施設を探す手法として、WEBの利用が大多数を占めている

J-Net21のエステティックサロン市場調査データによると、コロナ前の2019年の段階で、すでにWEB検索やネット予約、SNSを交え、エステサロン施設に対する集客が定着しているとのことです。さらに、都内で金融業や情報サイトを運営する株式会社アルファノートのアンケート調査では、「ポータルサイトで探す」「検索して探す」と回答した人が大多数を占めているという結果が出ています。

こうしたデータからは、エステサロンに集客するためには、WEBマーケティング全般が重要視すべきことがわかります。具体的には、ホームページの設置やSEO対策、SNSアカウント運用などの施策を組み合わせて施設に集客することを検討してください。

エステサロン向けのSEOキーワードの例

エステサロンの施設サイトを設置するとなると、SEO対策としてキーワードを設定することになります。そこで、エステサロンと相性がよいキーワードをピックアップするとともに、検索ボリュームや検索結果とあわせて解説していきます。

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ただし、エステサロンの場合は、美容や健康に関連するというサービスの性質上、YMYLと呼ばれる領域のキーワードが多数存在します。そして、Google検索エンジンの仕様上、YMYL領域のキーワードで自社サイトを上位表示することは極めて困難です。そのため、キーワード選びの際には注意してください。

※本項目で記載する検索ボリュームは、原則として2024年10月単体のもの

エステサロンの種類や施術内容

エステサロンでは、ユーザーの要望に合わせてさまざまな施術が用意されています。そして、検索ユーザーは、自身の目的に合わせてキーワード検索します。たとえば、エステサロンの種類として、下記のようなキーワードが挙げられます。

検索結果では、サロン施設のサイトのほか、エステサロンを紹介するポータルサイトが目立ちました。また、「脱毛エステ」のキーワードでは、「医療脱毛とエステ脱毛の違い」をテーマとする解説記事が目立ちました。この解説記事では、主に、医療機関のサイトのコラム記事として公開されています。このことから、医療機関のサイトが「脱毛」に関するキーワードを奪おうとしていることがうかがえます。その一方で、検索回数をみてみると、顔を施術するフェイシャルエステや脱毛サロンの検索ニーズが高いことがわかります。

このほか、検索ユーザーは、具体的な施術内容をキーワードにして検索することがあります。

検索結果では、エステサロンの種類をキーワードにしたものと同じく、エステサロンの施設サイトやまとめ記事が上位表示しています。

美容関連のお悩みキーワード

検索ユーザーは、美容に関する悩み事、また悩みをどのように改善したいかをキーワードにして検索することがあります。そして、こうしたキーワードをSEO業界では悩みキーワードと呼びます。悩みキーワードの検索意図としては、「改善する手法を探す」ことにありますので、エステサロンとしてはコンバージョンに直結しやすいキーワードとなっています。

ただし、身体的な悩みに関しては病気や治療に関連する可能性を秘めています。そのため、下記のキーワードのように、検索結果の上位表示が医療機関に抑えられているケースが多々ありますので注意してください。

このようなキーワードは、YMYLと呼ばれるテーマに該当します。そのため、エステサロンのサイトの場合、E-E-A-Tの観点から上位表示を狙うことは困難といえます。

エステサロンに所属するエステシャンの名称

エステシャンやセラピストとして有名になると、人名が検索キーワードになるケースがあります。たとえば、下記のような要領で人物名が検索されます。

検索結果には、エステシャンやセラピストが在籍する施設サイトやSNSなどが上位表示されます。そのため、エステサロンの施設サイト内に在籍するエステシャンなどの紹介ページを設置するとSEO対策につながります。とくに、SNSでエステサロンに集客を図っている場合は、ホームページ上でキーワードを設定して連動してください。

エステサロン施設が立地する地域

もっとも重要なSEOキーワードがエステサロンの施設が立地する地域名称です。検索ユーザーがエステサロンを利用するとなると、実際に通うことになりますので、「生活圏内に立地しているエステサロン」を探す必要があります。そのため、下記のように地域名とセットでエステサロンが検索されます。

検索結果をみてみると、ポータル記事のまとめ記事がもっとも目立ち、次いでエステサロンの施設サイトが露出しています。エステサロンの施設ページでは、大手チェーンが多数を占めています。ただし、「エステ 柏」のように、郊外のキーワードでは、地域に根付くエステサロンのサイトも上位表示しています。そのため、とくに、地方を拠点とするエステサロンの事業者は、ローカルSEOで高い集客効果を見込めます。

エステサロンで効果的なWEB集客の手法

エステサロンに集客するためのWEB施策としては、次のようなものが挙げられます。

エステサロンの施設情報をGoogleビジネスプロフィールに登録する

Googleビジネスプロフィールとは、施設や店舗情報をGoogle検索結果などに表示できるサービスのことです。ざっくりと手順を説明すると、Googleビジネスプロフィールにアクセス後、自社が運営するエステサロンの施設情報を登録するだけで作業完了です。詳細は、下記ページで解説していますので参考にしてください。

関連記事：Googleビジネスプロフィールとは？

エステサロン業界を扱うポータルサイトに掲載してもらう

エステサロン関連のキーワードの検索結果では、エステサロンを紹介するポータルサイトのまとめ記事が上位表示するケースが多々あります。そのため、ポータルサイトに自社のエステサロンの情報を掲載できると、アクセス流入経路の確保につながります。

エステサロンの場合は、とくに、下記のような美容と関連性が高いポータルサイトと相性がよいです。

サロン施設サイト作りではE-E-A-Tを意識する

Google検索エンジンには、金銭や健康、進路など、YMYLと呼ばれるテーマを扱うサイトの品質を厳しくチェックするという性質があります。そして、エステサロンは、人の容姿や健康に影響を及ぼすサービスですので、YMYL領域のテーマに当てはまります。

関連記事：YMYLとは

そこで重要になるのが、E-E-A-Tという概念です。E-E-A-Tとは、Google検索エンジンがサイトを評価するうえで用いられる基準を指します。簡単にいうと、「エステサロンのサービスは、人間の健康に関与するので、信頼性が強く問われる」ということです。そのため、下記のように、サイトの信頼性を裏付ける対策が求められてきます。

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SNSで投稿をバズらせて予約につなげる

SNS施策として挙げられるのが、サロン施設の情報を投稿して拡散するといったものが挙げられます。大まかな流れとしては、SNS上で投稿をバズらせて、アクセスを自社ホームページに誘導します。そこで、ホームページ内に予約機能を設置して、予約顧客を集めるといったものです。

たとえば、全国に店舗を構えるスピード美人が提供する、痩身メニュのセルライトクラッシュは、「世界一『痛い?!』」として有名なエステサロンです。そして、このキャッチフレーズを表現する投稿がTikTokやInstagram、X上などでバズっています。

@speedbijin_tokyo #Speed美人　#セルライトクラッシュ　 #ふくらはぎ痩せ　#脚痩せ　#詳しくはインスタまで ♬ オリジナル楽曲 – speedbijin_tokyo – スピード美人（世界一『痛い?!』で有名サロン）

事例の動画は、スピード美人がTikTokに投稿したものです。再生回数は、170万回を超えています（2024年10月現在）。こうした施策が身を結び、予約が困難なサロンとしても知られています。

よくある質問（Q＆A）

エステサロンのSEO対策に関する、よくある質問をまとめています。
 

まとめ

エステサロン業界の市場規模は、近年では微量ではあるものの減少傾向にあります。そして、この背景の1つとして、外科手術を不要とする美容医療が発達しブームになっていることが挙げられます。このように、エステサロンにとって、美容医療が競合として立ちはだかっていることから、WEBを中心とした集客施策が求められています。しかし、SEO対策といっても、医療機関が競合となっているため、キーワードの上位表示が容易ではありません。そこで、まずはローカルSEOやMEO施策といった切り口で集客することを検討してみてください。

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