Ahrefs(エイチレフス)とは?使い方から注意点まで徹底解説
GoogleがWEBサイトの運用者に対して提唱する検索評価ガイドライン によると、2023年現在のGoogle検索エンジンの検索アルゴリズムでは、E-E-A-T(専門性、経験、権威性、信頼性)という概念が重要視されていることがわかります。
E-E-A-Tは、WEBサイトのドメインやページURLに対して「利用価値があるのか否か」といった存在意義を問うものです。こうした背景から、外部施策や被リンク施策は、自社サイトのE-E-A-T評価を高める手法として期待されています。
被リンク施策のためのSEOツールは数多くあります。そんななかでも、とくに、Ahrefs(エイチレフス)は、競合サイトや被リンクの状態を詳細に調査できるツールとして有名です。加えて、コンテンツやキーワード調査など、さまざまなSEO対策に対応する機能が備わっています。
Ahrefs(エイチレフス)とは?
Ahrefs(エイチレフス)とは、自社サイトだけでなく競合サイトも分析できるSEOツールです。Ahrefsはシンガポールやウクライナで開発されているツールですが、日本語対応も進んでいます。そのため、日本国内に多くのユーザーを抱えています。
被リンク調査ツールとして有名ではありますが、実際にはさらに多くの機能を搭載しており、SEO対策全般をカバーできます。
Ahrefsを活用する際には、具体的にどのような機能があるのかを理解して、サイト分析に役立てられるようにすることが重要です。
Ahrefsの3つの機能
Ahrefsには、主に3つの機能があります。そして、3つの機能を応用することで、サイト全体をコンテンツとキーワード単位で分析できます。ここでは、それぞれがどのような機能なのかを解説していきます。
サイトエクスプローラー
サイトエクスプローラーは、自社サイトだけでなく、外部サイトも調査できる機能です。そして、サイトエクスプローラーは、Ahrefsのなかでもメイン機能にあたります。
その機能とは、URLやドメインを指定することで、分析したいサイトのデータをえられるというものです。ドメイン評価や被リンク数のほか、流入キーワード、リスティングキーワードなど、SEO対策に必要なデータを取得できるため、競合分析と自社分析の双方で役立ちます。
コンテンツエクスプローラー
コンテンツエクスプローラーは、コンテンツ分析に特化した機能です。競合サイトのなかから、高評価をえているコンテンツを発見し、評価が高い要因を分析してくれます。そのため、自社のコンテンツ制作に役立てることができます。
このほか、需要が拡大しているソーシャルメディアの情報をえられるという機能があります。SNSに力を入れている企業には欠かせない機能です。
また、コンテンツが獲得している被リンクなども確認できるため、被リンク調査にも活用できます。
キーワードエクスプローラー
キーワードエクスプローラーでは、キーワードの検索ボリュームや難易度など、検索したキーワードに関するさまざまなデータを取得できます。
キーワード調査だけではなくキーワードのアイデアを出してくれるため、目的に合わせた理想のキーワードを知ることができます。指定したキーワードで上位表示するための難易度を分析し、推定トラフィックを計算してくれるなど高度な機能も備わっています。
さらに、リスティング広告で使用するキーワードの調査も可能で、リスティング広告運用にも活用できます。
キーワード選定、コンテンツ制作や広告運用の際に重視されます。ときには、選定ミスでうまく成果を出せない場合もあります。そんなシーンで、Ahrefsのキーワードエクスプローラーが活躍します。
サイトエクスプローラーの使い方
サイトエクスプローラーは、Ahrefsのなかでもメイン機能として広く利用されています。自社サイトと外部サイトを問わず、あらゆるサイトを分析できます。
サイトエクスプローラー画面の見方
分析したいURLを入力し、解析する範囲を選択するだけでデータを取得できます。URLを入力すると概要画面に遷移し、次の項目を確認できます。
画面内のデータ | 解説 |
①Ahrefs Rank(AR) | Ahrefsが提唱するドメイン評価のランキングのことです。被リンクの量や質を基に、世界中のドメインをランキング付けしたものです。そのため、数値が小さいほど、ドメインの価値が高いことを意味します。 |
②Domain Rating(DR) | Ahrefsが提唱するドメインパワーのことです。被リンクを基に、「0」〜「100」のいずれかの評価数値が割り振られます。数値が高いほど、ドメインパワーが大きいことを意味します。 |
③URL Rating(UR) | Ahrefsが提唱するページ評価の指標のことです。被リンクを基に、「0」〜「100」のいずれかの評価数値が割り振られます。数値が高いほど、ページの価値が高いことを意味します。 |
④Backlinks | WEBページの被リンク数のことです。 |
⑤ref. domains | WEBページに対してリンクしているドメイン数のことです。 |
⑥Organic Keywords | Google検索エンジンのオーガニック検索結果で、100位以内の順位を獲得しているキーワード数のことです。 |
⑦Organic Traffic | Google検索エンジンのオーガニック検索結果から、流入しているトラフィック量のことです。 |
⑧Paid Keywords | 広告キーワードの検索結果で、検索順位を確保しているキーワード数のことです。 |
⑨Paid Traffic | 広告キーワードの検索結果から、流入しているトラフィック量のことです。 |
サイトエクスプローラーで調査できること
サイトエクスプローラーは、SEOの外部対策である被リンク調査に活用されるケースが多いですが、それ以外にもさまざまなサイトデータを調査できます。
被リンク調査
サイトエクスプローラーでは、被リンクの獲得総数だけでなく、被リンク先のアンカーテキストやURLを知ることができます。被リンク評価が高い競合サイトのデータを調べることで、自社サイトの外部対策において参考になります。
Ahrefsは、14兆以上の被リンクに関するデータベースを持ちますので、被リンク調査をおこなううえでは、適切なツールに仕上がっています。
発リンク調査
サイトエクスプローラーを利用すると、WEBサイトにおける発リンクのデータを取得できます。
発リンクを設置することで、間接的にSEO効果を生むことがあります。たとえば、発リンクがきっかけとなって被リンク獲得につながるケースが挙げられます。「競合サイトがどのようにリンクの設置をしているか」を把握することで、自社サイトのコンテンツを作成する際のヒントにつながります。
また、リンク切れも確認できるため、自社サイトの被リンク分析にも利用できます。
関連記事:発リンクとは?SEOの評価に影響する発リンクを解説
キーワード調査
サイトエクスプローラーを使うと、他社サイトがランクインしているキーワードを把握できます。
たとえば、キーワードの検索ボリュームがわかります。これにより、大きなトラフィック量を見込めるキーワードを探せますので、自社サイトで優先して狙う記事テーマをピックアップする材料になります。
トラフィック調査
通常、他社サイトの正確なオーガニック検索による流入の総数は、Googleアナリティクスでないと確認できません。しかし、Ahrefsを活用することで、指定したサイトの月間トラフィック数の目安を知ることができます。
Ahrefsは、アメリカだけでも1億5千万ものキーワードを監視しており、これに加えて150カ国以上でキーワードの監視をおこなっています。こうしたことから、実際のオーガニック検索の流入数に近いデータを提供できます。
競合サイトのアクセス数のほか、「どのキーワードでランク付けされているか」、「どのページが最も検索経由のトラフィックが多いか」といったことを確認できます。つまり、競合サイトは、どのような戦略でSEO対策をおこなっているのかを把握できるようになるということです。
リスティング広告の調査
サイトエクスプローラーでは、リスティング広告についても調査できます。
たとえば、次のようなことを確認できます。
- 競合サイトが利用しているリスティング広告
- リスティング広告のトラフィック量
- リスティング広告で誘導しているWEBページ(コンバージョンページ)
こうした情報からは、競合サイトの広告戦略に対する仮説を立てることができますので、自社の広告運用にも応用できます。
コンテンツエクスプローラーの使い方
コンテンツエクスプローラーは、外部サイトのコンテンツを分析するツールです。早速、コンテンツエクスプローラーの使い方やできることについて解説していきます。
コンテンツエクスプローラー画面の見方
調べたいキーワードをフォームに入力するだけで、WEBサイト内におけるコンテンツの分析データが表示されます。さらに、投稿日や言語、Organicトラフィック、単語数などさまざまな項目でフィルタリングできます。コンテンツエクスプローラーでは、主に、次の要素を確認できます。
画面内のデータ | 解説 |
①Domain Rating(DR) | Ahrefsが提唱するドメインパワーのことです。被リンクを基に、「0」〜「100」のいずれかの評価数値が割り振られます。数値が高いほど、ドメインパワーが大きいことを意味します。 |
②ref. domains | WEBページに対してリンクしているドメイン数のことです。 |
③Page traffic | WEBページに流入するトラフィック量のことです。 |
④Page traffic value | WEBページに流入するトラフィックの金銭的な価値のことです。 |
⑤SNSのシェア数 | WEBページに対するSNSの反応数です。 |
コンテンツエクスプローラーでできること
コンテンツエクスプローラーを用いることで、どのようなことができるかを理解し、自社のWEBマーケティングに活用してください。
コンテンツエクスプローラーで実現できることは、以下のとおりです。
SNSで話題のコンテンツを調査
コンテンツエクスプローラーでキーワード検索すると、SNSで話題になっている人気の記事コンテンツを探せます。
具体的には、SNSで話題になっているコンテンツのオーガニックトラフィックや、被リンクの参照ドメインなどのデータを閲覧できます。本機能を活用することにより、「どのような記事が話題を喚起するのか」といった仮説を立てるうえで役立ちます。
詳細なコンテンツデータの調査
Ahrefsには、高度な検索演算子が備わっています。たとえば、WEBページの著者や公開日など12個の条件をフィルター機能で絞り込んで検索が可能です。
さらに、ページの被リンクやオーガニックトラフィックの変化を確認でき、コンテンツのあらゆる部分を深く掘り下げることができます。
こうした特徴から、「自社サイトでどのような記事を作るべきか」、また「どのトピックが競争の少ないキーワードなのか」といったサイト構築の戦略を立てるうえで役立ちます。
リンク調査
コンテンツエクスプローラーのキーワード検索には、リンク切れと参照ドメインで絞り込むフィルター機能があります。
この2つのフィルターを組み合わせることで、競合サイトに対してはあって、自社サイトに対してはない被リンクを調査できます。そのため、自社の外部施策に役立てられます。
キーワードエクスプローラーの使い方
キーワードエクスプローラーは、キーワードの詳細なデータを調査できるツールです。キーワード選定に役立つ便利な機能となっています。
キーワードエクスプローラー画面の見方
検索したいキーワードを入力するだけで、次のような情報を得ることができます。
画面内のデータ | 解説 |
①Keyword Difficulty | キーワードで上位表示する際の難易度のことです。 |
②Volume | キーワードが検索される回数(ボリューム)のことです。 |
③Clicks | WEBページがクリックされた回数のことです。 |
④Cost per click(CPC) | 広告のクリック単価のことです。 |
⑤Clicks per serch | 1回の検索で訪問されるページの平均数のことです。 |
⑥Traffic Potential | 検索ボリュームとクリック率から割り出した、流入数の推定値を指します。トラフィックポテンシャルと読みます。 |
⑦Terms match | 関連キーワードのことです。 |
⑧Questions | キーワードに対するFAQワードのことです。 |
⑨Also rank for | シードキーワード(メインキーワード)の上位表示ページで、ほかにランクインしているキーワード数のことです。 |
⑩Also talk about | シードキーワード(メインキーワード)に関連する上位表示ページで、頻繁に利用されている単語数のことです。 |
このほか、リスティング広告のデータや、検索ボリュームにおける国別の内訳データなども閲覧できます。
キーワードエクスプローラでできること
キーワード調査では、指定のワードに対するさまざまなデータを取得できます。そのため、キーワード選定時には、活用したいツールの1つです。ここでは、具体的にどのようなことができるのかを詳しく解説していきます。
複数の検索エンジンからキーワード候補を取得
本ツールは、10種の検索エンジンに対応しています。そして、対応している検索エンジンは下記のとおりです。
- YouTube
- Amazon
- Bing
- Yahoo
- Yandex (ロシア)
- Baidu (中国)
- Daum (韓国)
- Naver (韓国)
- Seznam (チェコ)
キーワード検索をする際に対象の検索エンジンを選択することで、選択した検索エンジンでのデータが表示されます。Google検索エンジン以外でも、SEO対策したい場面で役立ちます。
キーワードの各種データを調査
キーワードエクスプローラーでは、キーワードの検索ボリュームだけではなく、トラフィックポテンシャルやランキング履歴など、キーワードにまつわる多彩なデータを調査できます。
たとえば、トラフィックポテンシャルを参考にすることで、効果的なキーワードを選定できるようになります。また、過去のランキングを確認することで、Googleに評価されやすいページの傾向を知ることにつながります。
関連キーワードの調査
Ahrefsでは、関連キーワードに対して次のような指標も確認できます。
- キーワード難易度
- 検索ボリューム
- クリック数
コンテンツ制作をおこなう際には、メインキーワード以外だけでなく、このような関連するキーワードの情報を把握しておくことが重要です。すると、この機能を応用して自社サイトが狙うべきロングテールキーワードを見つけることもできます。
Ahrefsを使用する際の注意点
Ahrefsを使用する際には、注意しておくべき点があります。ここでは、ツールを使用する際の注意点について解説していきます。
Ahrefsを使用する際には、下記のような注意点を充分に理解した上でサイト分析に活用することが大切です。
- 各種データは、あくまでもAhrefsの独自基準である
- Googleのクローラーと必ずしも同じ挙動ではない
各種データは、あくまでもAhrefsの独自基準である
Ahrefsは、SEO対策に役立つさまざまな情報を取得できるツールですが、あくまでも独自基準に基づくデータであることを理解しておくことが重要です。そのため、Ahrefsでの評価が高いページであっても、Googleの検索結果の上位に表示されるとは限りません。
具体的には、被リンク分析で参考とされるURやDR、キーワード難易度といった指標は、WEBサイトの施策やコンテンツ作りの参考データとして扱ってください。さらにいうと、サイト分析を行う際には偏った分析や調査結果にならないよう、複数のツールを活用することが望ましいです。
Googleのクローラーと必ずしも同じ挙動ではない
もう一つ注意しなければいけないのが、Googleのクローラーと同期しているわけではないということです。仮にGoogleのクローラーが辿っているページがあったとしても、Ahrefsのクローラーが辿っていなければ、Googleサーチコンソールなどの計測ツールで表示されるデータとズレが生じる可能性があります。
関連記事:Googleサーチコンソールとは?
Ahrefsでは、被リンクデータを14兆、ページURLを1.8兆以上と保有しているデータ量も膨大なため精度の高い分析が可能です。しかし、Googleのクローラーと必ずしも同じ挙動になるとは限らない旨を理解しておくことが重要です。
Ahrefsのよくある質問
Ahrefsに関する、よくある質問をFAQ形式でご紹介します。
Q:Ahrefsでなにができますか?
Answer)Ahrefsは、主にコンテンツSEOや競合調査に利用できるSEOツールです。
SEOツールとしては、SEO施策をするうえでの守備範囲が広いため、本格的にSEOを実施したい人に適しています。具体的には、次のような場面で役立ちます。
- どのようなサイト構成にするべきか
- どのようなコンテンツを作るべきか
- どのような内部リンクや外部リンクを設置するべきか
Q:AhrefsはSEO施策で必要ですか?
Answer)SEO施策のなかでも、コンテンツSEOや競合調査に力を入れたい場合は必要です。
ただし、Ahresfsは原則的に有料ツールです。そのため、すでにコンテンツ作りや競合調査のノウハウやテクニックが社内に蓄積されている場合は、無理してAhresfsを導入する必要はありません。
Q:Ahrefsの読み方を教えてください
Answer)「エイチレフス」と読みます。
Q:Ahrefsの価格はいくらですか?
Answer)月額で12,500円から利用できます。
Ahrefsには、複数の料金プランが用意されています。そのため、自社の目的に適したプランを検討してください。
プラン名 | 価格 |
---|---|
ライト | 12,500円 |
スタンダード | 25,000円 |
アドバンスド | 50,000円 |
エンタープライズ | 125,000円 |
詳しい料金プランや機能は、下記ページからチェックしてください。
Q: Ahrefsは無料で利用できますか?
Answer)Ahrefsは、原則的には有料ツールですが、一部機能を無料で利用することも可能です。
Ahrefsには、無料で利用できるSEOツールが複数あります。一例となりますが、下記のようなツールがあります。
- キーワードジェネレーター
- Youtubeキーワードツール
- 被リンクチェッカー
Ahrefsが提供する無料の各種ツールは、下記ページから利用できます。
まとめ