オウンドメディアを売却する手順は?売却額の目安や高く売るコツなど
オウンドメディアを売却して売上を得たいと考えていても、手順や売却額の目安など、わからない点が多い企業もいるでしょう。
オウンドメディアを売却する手順
一般的なオウンドメディア売却手順として、仲介会社を使って売る方法について紹介します。
- 売買仲介会社にオウンドメディアを登録する
- 買い手から問い合わせが入る
- 買い手と条件交渉する
- 売買契約が成立(売買契約の締結)
- 買い手が仲介会社へ入金
- 買い手へオウンドメディアを譲渡する
- 買い手の確認後入金される
1. 売買仲介会社にオウンドメディアを登録する
まずは仲介会社に、売却するオウンドメディアを登録します。オウンドメディアのURLや会社名、メールアドレスなど、基本情報を入力しましょう。基本情報を登録したあと、オウンドメディアを売却できるかどうかを仲介会社が審査します。
審査通過後、仲介会社にオウンドメディアが掲載され、買い手を募集することになります。
2. 買い手から問い合わせが入る
仲介会社にオウンドメディア購入募集を掲載すると、気になった買い手から問い合わせが入ります。買い手からの問い合わせに応じた場合、次に条件交渉に入ります。
3. 買い手と条件交渉する
買い手からお問い合わせが入ると、条件交渉を進めます。
売却額や売買後のサポートなど、細かな条件を決めていきましょう。ここでは仲介会社が間に入り、買い手と売り手の交渉が進められることもあります。
4. 買契約が成立(売買契約の締結)
両者の条件が合意に至ると、次に売買契約を締結します。売却の内容や条件を定めた「譲渡契約書」を締結して、売買成立となります。
5. 買い手が仲介会社へ入金
売買契約が成立したあと、買い手が売り手に入金します。このとき、仲介会社に仲介手数料も含めたお金を入金するのが一般的です。
6. 買い手へオウンドメディアを譲渡する
買い手の入金を確認後、相手にオウンドメディアを譲渡します。ここが非常に大変で、オウンドメディアによっては以下のような引き継ぎ業務が発生します。
- 操作方法
- マーケティング戦略
- コンテンツ制作マニュアル
- 広告主
- ライター など
特に、広告主やライターにとって取引先が変わるので、買い手との間に立って慎重に引き継ぎを進める必要があります。
売買契約が締結できたからといって適当に引き継ぎを進めていると、広告主やライターが離れて、買い手に損をさせることもあるので注意しましょう。
7. 買い手の確認後入金される
引き継ぎを行ったあと、買い手と合意した一定期間内で、相手がオウンドメディアを確認します。買い手は引き継いだ内容でオウンドメディアを運用できるか、欠陥がないかなどを慎重にチェックします。
買い手の確認後、問題がなければ売却完了です。仲介会社から入金があり、取引は終了となります。
なお契約内容によっては、売却後も売り手が買い手のサポートに入ることもあります。買い手側もオウンドメディアの仕様でわからないことが多々あるので、できれば売却後も丁寧にサポートするのがおすすめです。
オウンドメディアの売却額(目安)
オウンドメディアの売却額の目安は、月の収益の2~3年分といわれています。しかし、当然オウンドメディアによってコンテンツ量や、広告主・ライターとの契約状況などが異なるので、一概にはいえません。
オウンドメディアの売却額は、買い手との条件交渉のなかで決まっていくものです。たとえば多少PV数やUU数が少なくても、コンテンツが買い手の求めるものであれば、相場よりも高く売却できる可能性もあります。
売却で大切なのは、自社のオウンドメディアにしかない価値をアピールすることです。USP(独自の強み)を押し出せば、買い手から価値を感じてもらい、高く売却できる可能性も高くなります。
高く売却できるオウンドメディアの特徴
オウンドメディアを売却するからには、高く売りたいと考えるのが当然の心理でしょう。そこで、高く売却できるオウンドメディアの特徴を6つ紹介します。
- 収益を上げやすいキーワードで流入が多い
- PV数やCV数などが多い(買い手基準)
- コンテンツの質が高い
- 運営しやすいドメイン名(奇抜なものはNG)
- 収益構造が明確
- 記事カテゴリやコードが整理されている
収益を上げやすいキーワードで流入が多い
1つめは、収益を上げやすいキーワードで流入が多いオウンドメディアです。収益を上げやすいキーワードとは、主に「ロングテールキーワード」を指しています。基本、月間平均検索ボリュームが1,000以下のキーワードが、ロングテールキーワードに該当します。
ロングテールキーワードとは、複数の単語を組み合わせた検索キーワードです。たとえば「掃除機 吸引力 弱くなった」のように、複数の単語で構成されているのがロングテールキーワードです。
キーワードにもよりますが、検索キーワードの単語数が増えるほどニーズは明確化するので、成約まで至りやすい特徴があります。たとえば「掃除機」と「掃除機 吸引力 弱くなった」では、以下のようにニーズに違いがあります。
- 「掃除機」…どのような製品がほしいか決まっていないものの、漠然と掃除機がほしいと考えている
- 「掃除機 吸引力 弱くなった」…家の掃除機の吸引力が弱くなっているので、吸い込む力の強い製品がほしい
このようにロングテールキーワードはニーズが明確なので、検索上位を多数獲得できているオウンドメディアは、高く売却できる傾向にあります。
関連記事: SEOにおける検索意図の重要性!調べ方から利用方法まで
PV数やCV数などが多い(買い手基準)
PV(ページビュー)数やCV(コンバージョン)数などが多いオウンドメディアは、高く売却できる傾向にあります。検索ユーザーを多く獲得し、そこから成約までつなげられる”強いサイト”は、当然高く売れるでしょう。
ただしPV数やCV数の多い・少ないは自社が考える数字であって、買い手の基準によってどう捉えられるかは異なります。たとえば多少PV数が少なくても、CVR(コンバージョンレート)が高ければ、高額で売却できる可能性もあります。
そのため「買い手がサイトのどこを重視しているのか」を見極め、そこに合わせたオウンドメディアの強みをアピールするのが、高く売れるポイントです。
コンテンツの質が高い
コンテンツの質が高いオウンドメディアは、高く売却できる傾向があります。コンテンツはオウンドメディアの大切な資産であり、質が高いと長期に渡って集客が可能だからです。
特に、オウンドメディアならではのオリジナルコンテンツが充実していると、評価も高くなります。たとえば取材記事や、自社で実施したアンケートをもとにしたコンテンツなどは、そのオウンドメディアにしかない唯一無二の資産です。
このようなコンテンツは、買い手から好印象をもたれやすくなります。
運営しやすいドメイン名(奇抜なものはNG)
実はドメイン名も、オウンドメディア売却において重要な要素です。適当だったり、名前が奇抜だったりするドメイン名は、買い手にとってオウンドメディア運用の障害になるからです。
また売却によってオウンドメディアの運用企業は変わるので、企業名が入ったドメインも売却しづらくなります。
逆に「検索キーワードが入ったドメイン」や「サイト名が入ったドメイン」などは、買い手にも好印象をもたれやすくなります。ドメイン名によって売却の有無に影響を与える点は、理解しておきましょう。
収益構造が明確
収益構造が明確なオウンドメディアは、買い手も購入しやすくなります。購入にあたって買い手が気にしていることは「このオウンドメディアからどれほど収益を上げられるか」です。
オウンドメディアの買い手が気にしている収支は、たとえば次のようなものです。
- 月間の広告売上(広告の種類ごと)
- 商品販売の売上
- コンテンツ制作費用(撮影費用、ライターへの外注費など)
- Web広告への広告宣伝費 など
これらの収支がはっきりしているオウンドメディアほど、買い手の不安は払拭されるので、人気が出やすい傾向にあります。
記事カテゴリやコードが整理されている
もちろんコンテンツの質や収支も大切ですが、ほかにも意外に重要なのが「記事カテゴリ」と「コード」です。記事カテゴリとコードが整理されているオウンドメディアほど、買い手から好印象をもたれやすくなります。
記事カテゴリとコードが乱雑な場合、売却後に買い手が整理するための負担が増えます。たとえば、親カテゴリや子カテゴリが適当だとSEOでもマイナスに働くので、買い手が1からすべて設計しなおす必要があるのです。
またコードでも、コンテンツの装飾のためにむやみやたらとCSSを追加していると、譲渡された買い手もオペレーションに困ります。
一方で記事カテゴリとコードがシンプルに整理されており、内部構造を明確に説明できるオウンドメディアは、買い手に好まれ高く売却しやすくなります。
オウンドメディア売却前にやっておきたい3つのポイント
上記の「高く売却できるオウンドメディアの特徴」では、日々の質の高いオウンドメディア運用が必須なので、売却前にすぐ対応できるものばかりではありません。一方で、売却前に対応できる方法で、買い手の印象を高められるものもあります。
そこで、売却前にやっておきたい3つのポイントを紹介します。
- Googleアナリティクスのレポートを作成する
- 収支に関するレポートを作成する
- 記事カテゴリやコードを整理する
Googleアナリティクスのレポートを作成する
PV数やUU数など、Googleアナリティクスに関する数値は必ず買い手に聞かれます。そもそもこれらの数値を記載しないといけない仲介サービスも多いですが、条件交渉用に別でレポートも作成しておくと、買い手からの印象も高くなります。
Googleアナリティクスのレポート作成にあたって、過去1年分を目安に、次のようなレポートを出力しておくのがおすすめです。
- 訪問したユーザーの属性(曜日・時間帯・男女・年齢層など)
- サイト訪問からCVへの主要導線
- CVRの高いコンテンツ など
買い手は特に「収益を出せるオウンドメディアか」を気にしているので、この不安を解消できるようなレポートを、前もってGoogleアナリティクスで作成しておくようにしましょう。
関連記事: Googleアナリティクスの見方を基礎から重要項目まで徹底解説
収支に関するレポートを作成する
仲介サービスには月間の売上やコストなども載せますが、別で「損益計算書」や「収支明細書」などのレポートをつくっておくと親切です。
こちらも過去1年分を目安に、売上面では広告売上や商品販売売上、経費面ではシステム費や外注費などの報告書をまとめます。このような収益の明細があると、買い手も譲渡後の収益をイメージしやすいので、買い手からの印象もよくなります。
記事カテゴリやコードを整理する
記事カテゴリやコードは、売却前にチェックしておきましょう。シンプルな記事カテゴリやコードは、買い手に好まれます。
記事カテゴリやコードでチェックしたいポイントは、次のとおりです。
記事カテゴリのチェックポイント
- カテゴリに検索キーワードが入っているか
- 親カテゴリと子カテゴリに関連性があるか
- 使用頻度が少なく削除できるカテゴリはないか など
コードのチェックポイント
- HTML内に無駄なタグが入っていないか
- 今は使っていない装飾のCSSはないか
- わかりやすいようにCSSにコメント入れる など
このように売却前に整理しておくだけでも、スムーズに引き継げるので買い手に喜ばれます。
売却におすすめの仲介サービス3選
オウンドメディアの売却におすすめの仲介サービスを3つ紹介します。
- SiteStock
- ラッコM&A
- サイト売買Z
SiteStock
サイト売買の大手プラットフォームといえば「SiteStock」でしょう。2007年からサイト売買プラットフォームを運用しており、豊富な実績が特徴となっています。
サイト査定のプロがオウンドメディアを審査するほか、資料作成や契約書作成などのサポートも手厚いのが、SiteStockの魅力です。大手プラットフォームで安心して売却を進めたい企業は、SiteStockがおすすめです。
ラッコM&A
出典:ラッコM&A公式サイト
コストを抑えてオウンドメディアを売りたい企業は「ラッコM&A」がおすすめです。手数料無料で売却できるので、売り手にとってもありがたい仲介サービスとなっています。
また、ラッコM&Aは案件掲載画面が非常に見やすいのが特徴です。たとえばGoogleアナリティクスや収支など、サイト売買に必要な数字の情報がわかりやすくまとめられています。
買い手に必要な情報がわかりやすく載っているため、購入への障壁が少なく、スムーズに売却につなげるメリットがあります。コストを抑えながら、スムーズに売却を進めたい企業はラッコM&Aがおすすめです。
サイト売買Z
出典:サイト売買Z公式サイト
仲介サポートの丁寧さで定評のある、サイト仲介プラットフォーム「サイト売買Z」。買い手側は、質の悪いオウンドメディアを購入することに不安を感じています。このような不安を払拭するため、仲介者の質に力を入れているのがサイト売買Zです。
仲介サポートが充実しているので、サイト売買の知見がなくても安心して売却を進めたい企業に、サイト売買Zがおすすめです。