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VRIO分析とは?基本事項やメリット、事例などをわかりやすく解説

VRIO分析とは?基本事項やメリット、事例などをわかりやすく解説企業が成功を収めるためには、自社の強みや弱みを知ることが肝心です。そこで役立つのがVRIO分析です。VRIO分析は、自社の持つリソースを評価し、どの点に競争優位性があるのかを判断することができるからです。

 

SEOコンサルタントそこで今回は、競争優位性の構築に役立つVRIO分析の基本や利点、事例などについて解説します。

 

SEOコンサルティング

VRIO分析とは

VRIO分析とは企業が業界内でどのような競争優位性を備えているのかを判断し、経営やマーケティング戦略に役立てることができます。

 

具体的には自社のリソースを「価値・希少性・模倣可能性・組織」の4つの観点から分析するフレームワークです。VRIOの各4つの視点について、1つひとつ解説します。

 

参考ページ: VRIO Analysis – OregonStateUniversity

 

Value (価値)

VRIO分析の「V」はValueの略で、価値を意味します。価値とは顧客や市場からみて価値があるもののことです。

 

例えば、ホームページ制作会社がWordPressをカスタマイズできる技術を持っていれば、Valueが高いと判断できます。WordPressをカスタマイズできるスキルは、顧客が求めている専門知識やノウハウだからです。

 

しかし、すでに誰も使わなくなったCMS(コンテンツ・マネジメント・システム)をカスタマイズできるスキルがあったとしても、それは価値が高いといえません。このように、時代遅れの技術や顧客のニーズを満たさないノウハウは価値が低いと判断します。

 

Rarity (希少性)

VRIO分析の「R」はRarityの略で、希少性を意味します。自社が所有するリソースが市場や業界において希少であるかどうかを評価します。

 

例えば、スイカはふつう球型ですが、冷蔵庫に入りやすいよう四角に改良されたものがごく稀に売られています。このように顧客がなかなか手に入れられないものは、Rarityが高いと評価できます。

 

一方「他社も使用しているノウハウ」や「どこでも、同一価格で購入できる商品」のRarityは低いと判断できます。

 

このようにRarityの評価は、市場で簡単に手に入るのか、そうでないかで決まります。

 

Imitability (模倣の難しさ)

VRIO分析の「I」はImitabilityを指します。競合他社がそのリソースを模倣することが難しいかどうかを評価したものです。

 

例えばある飲食店で「特定の野球チームを応援するコミュニティ」を築いている場合、それは他店が簡単に模倣できないため、Imitabilityが高いと評価できます。

 

一方、変わった料理を提供できる飲食店であっても、その料理のレシピが簡単ならどのお店でも模倣できる可能性があります。そして、実際に同じような料理を提供するお店が続々と登場すれば競争優位性が失われます。このような場合、Imitabilityが低いと評価します。

 

自社がもつリソースが他社によって簡単に模倣できるかどうかが、Imitability評価の基準です。

 

Organization (組織)

VRIO分析の「O」はOrganizationの略で、組織を意味します。組織とは、企業の経営資源を効果的に活用するための仕組みがあるかどうかで評価します。

 

例えば、あるホテルでは十分な人員がそろい、教育もいき届いているとします。そうすれば、従業員の高いホスピタリティ、パーソナライズされたサービス、質の高い食事など、さまざまな宿泊体験を顧客に提供できます。こういった場合、企業のリソースを十分に組織が活かしているため、Organizationは高い評価と判断します。

 

一方、組織内で情報共有や業務プロセスの効率化が十分におこなわれていないホテルもあります。こういった場合、ホテルは自社のリソースを十分活用できないため、Organizationの評価が低くなります。

 

VRIO分析のメリット

VRIO分析は、経営やマーケティングにおいていくつかのメリットがあります。以下にその主なメリットを挙げてお伝えします。

 

自社の強みと弱みを把握できる

VRIO分析をおこなうことで、自社の強みや弱みを把握できるというメリットがあります。強みを発見すれば、それをさらに伸ばし競争優位性を高めることができます。また、弱みを発見することができれば、新たな改善点として取り組むことができます。

 

例えば、企業の設備は他社が真似できるものであっても、そこで働く社員のスキルが独自のものであれば、その企業にとって人材が強みです。そのため、今後も人材のスキルアップにリソースを割くことによって、競争優位性を高めることができるといった経営判断をします。

 

差別化を生み出しやすい

VRIO分析をして自社のリソースを把握することで、他社と差別化しやすいというメリットがあります。近年、多くの企業が差別化できないで悩んでいますが、VRIO分析では4つの要素(価値、希少性、模倣の難しさ、組織の取り組み)を評価することで、差別化できる点を発見しやすいです。

 

「顧客にとって価値あるものは、他にないか?」「自社にしかできないことはないか?」といった4つのフレームに基づいた問いかけをおこない、改めて自社を再評価することで差別化ポイントの発見につながります。

 

戦略的な意思決定ができる

VRIO分析は経営戦略やマーケティング戦略を検討するうえでメリットがあります。VRIO分析をおこなえば今後、組織がどの資源や能力に重点を置くべきかを判断しやすいです。

 

例えば、企業が独自技術を保有していて、他の企業が容易に真似できない強みだと分析したとします。そうすれば、この技術をいかした新商品を開発すれば、新しい市場を開拓できるなどの経営判断をおこなえます。

 

【基本】VRIO分析の手順

ここでは、実際にVRIO分析の手順についてステップバイステップでお伝えします。

 

  • 競合他社を選定
  • 自社のリソースを整理
  • 4つの視点で評価
  • 経営・マーケティング戦略を立案

 

上記ステップを1つずつ解説します。

参考ページ: How to Use VRIO Framework, the Four Steps – IDEASCALE

 

Step1.競合他社を選定

VRIO分析をおこなう最初の段階で競合他社を決定します。なぜなら、希少性や模倣の難しさなどは、自社だけのことを考えていても評価できないからです。他社と比較することによって、自社の強みや弱み、模倣の難しさなどが明確になります。そのため、自社をどこと比較するのかを最初に設定する必要があります。

 

参考ページ: 競合サイトの分析におすすめのツール8選!競合分析の確認項目と方法を解説

 

Step2.自社のリソースを整理

自社のリソースを整理します。以下の点でどのようなリソースがあるのか確かめてください。

 

人的資源
従業員がどのようなスキルを使うことができるのか、顧客に提供できる知識としてどのようなものがあるのかといったことを確認します。

 

もの
例えば設備や施設、あるいは自社が提供している商品・サービスなどを確認します。

 

資格・権利・非物質的資源
自社が所有している特許や権利、資格、業界内でのブランド認知などを整理します。

 

Step3.4つの視点で評価

VRIOの各項目について、他社と比較したときの評価をおこないます。

 

例えば「A社と比較したとき、自社の技術は希少性があるといえるだろうか?」といった問いかけをおこないながら進めます。また、評価する際には1人でおこなうのではなく、できるかぎり現場に詳しい社員などと話しをしながら決定してください。

 

Step4.経営・マーケティング戦略の立案

4つの視点で自社の強みや弱みを把握したら、それをもとに経営戦略やマーケティング戦略を立てます。戦略とは自社のリソースを今後、どこに割くことがもっとも競争優位性を確保できるのかといった視点でおこないます。

 

参考ページ: マーケティング戦略とは?プロセスや重要ポイントについて解説

 

VRIO分析の課題や注意点

VRIO分析にはいくつかの課題や制約が存在します。以下に、VRIO分析の課題をいくつか挙げて解説します。

 

情報の不足

VRIO分析は正確な結果をえるために適切な情報が必要です。しかし、評価するのに必要な詳細な情報を入手することが難しいことがあります。

 

情報不足があると、評価は主観的になります。評価する人によって異なる診断をする可能性があり、客観性を保つことが難しいです。このような状況に陥らないよう、現場で働くスタッフや競合他社の事情に詳しい人物と一緒にVRIO分析を進めてください。

 

競合の変化

VRIO分析は現時点での評価のため、将来の状況を考慮することは難しいです。一方、市場や業界は常に変化しています。そのため、競合他社の動向や新たな技術の出現によって、突如、競争優位性を失ってしまう可能性があります。

 

VRIO分析の事例

ここではVRIO分析の事例をお伝えします。4つの視点でどのような点が優れているかを中心に解説します。

 

Teslaの電気自動車技術

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参考ページ:Tesla

 

Tesla(テスラ)は2003年に創立された企業で、電気自動車およびその関連商品の製造・販売をおこなっています。世界で最も多くの電気自動車を販売しており、イーロン・マスク氏がCEOを務めています。業界内では革命的なイメージがあります。このテスラを4つの視点で解説します。

 

Value
Teslaの電気自動車技術は、環境に配慮したものです。これは顧客からニーズがあるため、高い価値があると判断できます。

 

Rarity
電気自動車自体が、ガソリン車と比較して希少です。また、Teslaには独自のバッテリー技術や自動運転技術などがあり「Autopilot」と呼ばれる独自の自動運転技術を提供しています。こういった技術はTeslaでしか手に入らないため、Rarityの評価も高いといえます。

 

Imitability
自動運転技術は非常に複雑で、独自のアルゴリズムやセンサー技術が必要です。競合他社が同じレベルの技術を開発するのは難しいです。そのため、Imitability評価は高いといえます。

 

Organization
Teslaは伝統的な自動車メーカーにはない、柔軟で迅速な対応が可能な開発プロセスを採用しています。これにより、新しいテクノロジーや機能を素早く開発・導入し、市場の需要変化に迅速に対応することが可能です。この柔軟な対応ができる組織運営は、Tesla独自のものです。

 

Googleの検索エンジン技術

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参考ページ:Google Products

 

Googleは、1998年に創業されたアメリカのテクノロジー企業であり、世界中で幅広いインターネット関連サービスを提供しています。

 

オンライン広告、クラウド、ソフトウェア、ハードウェア、自動運転技術など、多岐にわたる分野で活動していますが、最も有名な製品は「Google検索」です。そこでGoogleの検索技術についてVRIO分析をおこないます。

 

Value
Googleの検索エンジン技術は、情報の効率的な検索を可能にしています。そのため、多くの人々にとって価値あるサービスといえます。

 

Rarity
Googleの高度な検索技術は、Googleでしか提供できません。そのため、Rarityが高いといえます。

 

Imitability
Google検索エンジンの模倣は技術的に難しく、他社が類似サービスを同水準で提供することは容易ではありません。

 

Organization
Googleは継続的に検索エンジン技術を進化させる組織体制を整えています。この組織体制によって、Googleは年々高まるユーザーのニーズに応えることができています。

 

VRIO分析のよくある質問

ここでは、VRIO分析についてよくある質問と答えをお伝えします。
 

Q:自社のリソースに価値があるのかどう判断?

Answer)リソースが顧客のニーズや要求にどの程度応えることができるかで評価します。言い方を変えれば、顧客が会社の保有する価値に対してどの程度お金を払ってくれるのかで判断します。

 

Q:どのような情報源やデータを利用して分析すれば良い?

Answer)VRIO分析には企業内部の情報やデータが必要です。具体的には、商品やサービスの特性、特許、専門知識、市場の動向などを評価材料として使用します。

 

また、会社に蓄積されたデータだけでなく、現場スタッフの声や顧客の感想なども役立ちます。現場スタッフや顧客の声を吸い上げるには、アンケート調査も良い方法です。

 

参考ページ: アンケート調査とは?概念や調査の進め方、種類などについて詳しく解説

 

Q:VRIO分析をする際の注意点は?

Answer)VRIO分析をする際は、できる限り客観的なデータを収集しておこないますがある程度、主観を含むことは避けられません。そのため、分析に携わるスタッフが少ないと評価に偏りが出る可能性があります。そこで、市場環境や競合状況に詳しい人物や現場スタッフなど、さまざまな人材を含めて評価してください。

 

Q:VRIO分析はマーケティングに役立ちますか?

Answer)VRIO分析をおこなうことで、自社の強みを確かめることができます。自身の強みは競争優位性の材料になるため、マーケティング戦略を立案する際にVRIO分析が役立ちます。

 

 

まとめ

SEOコンサルタントVRIO分析は、企業が自社の競争優位性を見極めるための強力なツールです。価値あるリソースを持つだけでは不十分で、それを希少で模倣困難なものとして活用し、組織力と結びつけることが成功へのカギです。年々競争が激しくなるビジネス環境において、VRIO分析は戦略策定の際の指針となり、競争優位性を確保する重要なフレームワークです。今回の記事を参考に取り組んでください。

 

 

この記事の監修者

SEOコンサルタント

アドマノ株式会社 代表取締役 天野 剛志

日本大学法学部卒業、広告代理店で12年間働いている間、SEOと出会い、SEO草創期からSEO研究を始める。SEOを独学で研究し100以上のサイトで実験と検証を繰り返しました。そのノウハウを元に起業し現在、11期目。営業、SEOコンサル、WEB解析(Googleアナリティクス個人認定資格GAIQ保持)コーディング、サイト制作となんでもこなす。会社としては今まで2000以上のサイトのSEO対策を手掛けてきました。

監修者:アドマノ株式会社 代表取締役 天野剛志
天野 剛志
マーケティングのエキスパート。Googleアナリティクス個人認定資格GAIQ保持。大学では経営法学を専攻。オーストラリア・イタリア・フランス・タイ・カンボジアなど世界各国を旅した後、イギリスで1年半生活し語学力と国際的視野を磨く。日本帰国後は広告代理店で営業を12年経験。SEOは草創期から独学で研究し、100以上のサイトで検証しつつノウハウを蓄積。2012年にSEO専門会社のアドマノを設立。
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