SFA(営業支援システム)とは?CRM・MAとの違いや基本機能を解説
近年、SFA(営業支援システム)を導入し成果を上げている企業が増えています。しかし、具体的にどのような機能が搭載されているか分からない、どのように選定・導入・運用するべきか分からない、といった疑問を抱いている人もいるでしょう。

SFAとは?SFAの意味と役割
SFA(Sales Force Automation)とは、営業支援システムのことを指します。
近年では、感染症予防のために対面での営業が減ったことや、インターネットの普及によって顧客が情報収集をしやすくなっています。便利になった反面、営業活動においては従来の属人的な営業スタイルが通用しなくなっているのが実態です。
そんななかで、SFA(営業管理システム)を導入し、営業活動の効率化や標準化を進める企業が増えています。多くの企業では、SFA(営業支援システム)を活用した成功事例が見受けられるため、SFA(営業支援システム)を導入することで売上の向上が期待できます。
CRM・MAとの違い
SFA(営業支援システム)は、CRMやMAといったツールと混同されやすいです。そこで、ここではSFA(営業支援システム)とCRM・MAの違いについて説明します。
CRMとの違い
CRMは、企業・顧客間の関係性を管理するために作成された顧客関係管理ツールのことを指します。具体的には、顧客の購入履歴や商談の内容をデータ化する機能が備わっています。
SFA(営業管理システム)は案件を通じて営業担当者と顧客の関係性を管理するものであるのに対し、CRMは営業担当と顧客の関係性を良好に保つことを目的として作られているのです。
MAとの違い
MAはマーケティングオートメーションの略称であり、企業のマーケティング活動を効率的に進められる機能が備わっています。MAを活用することで、見込み顧客の興味・関心・行動を可視化し、顧客へアプローチするのに適切なタイミングを把握できます。
また、ターゲット層である膨大な顧客のなかから、顧客に育成できそうな顧客を選定しやすくなる点もMAの魅力のひとつです。
SFAツール比較
SFAツールを導入したいものの、さまざまなサービスのなかからどれを選べば良いか分からない人も多いでしょう。そこで、この項では特に人気の高い4つのSFA(営業管理システム)の特徴を解説します。
使いやすさが好評のMazrica Sales(旧Senses)
シンプルさと成果を追求して作られたMazrica Sales(旧Senses)は、ドラック&ドロップで直観的に操作できて使いやすいと評判のSFAツールです。
また、AIによる受注予測機能が搭載されており、正答率は驚異の92%です。特別な開発をすることなく、導入してすぐに成果に直結するダッシュボードが使えるため、スピーディーに成果を上げられます。
カスタマイズがしやすいSalesCloud(セールスクラウド)
SalesCloud(セールスクラウド)は、企業規模・業種に関係なく世界で最も使われているSFAツールです。
多角的な観点からリードステータスと顧客情報をマネジメントし、営業効率を高めます。また、顧客情報や確度予測をリアルタイムに一元管理できるため、商談時に使いやすい点も魅力のひとつです。
グループウェアが実装されているKnowledge Suite(ナレッジスイート)
Knowledge Suite(ナレッジスイート)は、ユーザー数無制限かつマルチデバイスに対応しているため、1契約で全社員が利用できるコストパフォーマンスが高いSFAツールです。
最初から使える機能が豊富な反面、使う機能だけをセレクトしてカスタマイズできるため、無駄なシステムを使う手間を省けるのも嬉しいポイントだと言えるでしょう。情報共有や顧客情報管理などを一元管理できるため、効率的に営業活動を進められます。
手軽さが魅力のkintone(キントーン)
kintone(キントーン)は、案件・商談・見積・問い合わせなどを顧客情報に紐づけてまとめて管理できます。メンバーの工数や売上をワンクリックで可視化できるため、各営業担当のパフォーマンスを管理しやすい点も魅力的です。
25,000社以上の導入実績があるため、多くの企業から信頼を寄せられているツールだと言えます。
SFAの基本機能
ここでは、SFA(営業支援システム)にはどのような機能が搭載されているか具体的に紹介します。
顧客管理機能
顧客管理機能とは、顧客の社名・所在地・連絡先・担当者名・担当者の属性といった顧客情報を管理する機能です。営業担当者によるアプローチの重複を防げる・担当者を変更する際に引継ぎがしやすい、といったメリットがあります。
案件管理機能
案件管理機能は、案件ごとの細かい情報を管理できる機能です。従来の営業活動では、営業担当者の不在時にスムーズな対応ができない・営業活動が属人化する、といった課題がありましたが、案件管理機能を活用することで解消に繋がります。
行動管理機能
行動管理機能は、営業担当者が取り組んでいる業務の段階を可視化したうえで管理する機能です。テレアポ・訪問・商談の回数や、成約率といった成果を確認できるため、ボトルネックの解消や人事評価に役立ちます。
予実管理機能
予実管理機能は、部署・営業担当者・顧客ごとに売り上げを予測し、実績と照らし合わせられる機能です。営業担当や部署ごとに目標達成までの進捗を確認できるため、営業担当者が目標達成をするためのモチベーションに繋がるでしょう。
商談管理機能
商談管理機能は、日報・週報といった営業活動報告を支援する機能です。営業担当者がフォーマットに数値を入力するだけで、日報や週報を作成できます。スムーズな営業活動報告を実現できるため、営業担当の状況を把握しやすい点が魅力です。
SFAを導入するメリット
ここでは、SFAを自社に導入することで得られる3つのメリットについて、詳しく解説します。
営業活動を可視化できる
従来の営業活動では、各営業担当者の進捗や成果がブラックボックス化され、把握できない点が課題でした。しかし、SFAを活用することで、営業活動の進捗や顧客とのコミュニケーションなどを可視化できます。
営業担当の進捗や成果を可視化することで、評価制度を明確化できるため、社員のモチベーション向上に繋がるでしょう。
営業活動が標準化し再現性が高まる
営業成績の高い社員と低い社員の格差を問題視している企業も多いでしょう。営業活動が属人化すると、営業担当者の異動や退職によって部署の売上が大きく下がる恐れがあります。
その点、SFAを導入すれば営業活動が可視化できるため、ナレッジを共有して営業活動を標準化できます。再現性の高いナレッジが広まれば、営業担当者ごとの格差が改称されるでしょう。
タスクや顧客リストを管理しやすくなる
SFAを活用すれば、タスクや顧客リストを管理しやすくなります。ひとつひとつの情報を入力する手間や資料を1から作成する手間が省けるため、営業活動を効率化できるでしょう。
SFAを効率良く導入する方法
SFAを導入する際に、スムーズに進まないとストレスに感じるでしょう。SFAを効率よく導入するためには、以下の3つのポイントをおさえる必要があります。
SFAツール・MAツールを結び付ける
SFAツールを単独で使うのではなく、MAツールと結びつけることで、商談はしたものの成約に繋がらなかった案件や失注した案件に再びアプローチ出来ます。
ちなみに、MAツールの主な機能は以下のとおりです。
- 見込み顧客の管理機能
- スコアリング機能
- メール配信機能
- 社内アラート機能
営業プロセスの見直し・改善を行う
単にSFAツールを導入し活用するだけでなく、営業プロセスを見直しましょう。SFAツールを使っていくうちに、現状の営業プロセスが抱える課題を発見しやすくなります。
PDCAサイクルを回し続ける
営業活動の効率化および売り上げの向上を達成するためには、PDCAサイクルを回し続ける必要があります。計画を立てて実行するだけでなく、効果測定・改善を積極的に行いましょう。
自社が抱えている課題を洗い出す
SFAを導入したいと考えている企業は多いですが、抱えている課題はさまざまです。例えば、営業の属人化を課題として抱えている企業と、営業効率の悪さを問題視している企業とでは、適切なSFAツールは異なるでしょう。
このように、自社の課題を明確にすることで、適切なSFAツールを選択できるようになります。
営業担当者にとって使い勝手の良いSFAを選ぶ
どれだけ性能の優れたSFA(営業支援システム)であっても、実際に利用する営業担当者にとって使いにくいものでは社内で定着しない恐れがあります。そのため、直観的に操作できる使いやすいSFA(営業支援システム)を選びましょう。
誰でも入力・操作できるか、入力すべき項目は適切か、といった観点でSFAを選ぶのがおすすめします。
データ分析をする環境を整える
営業担当者が一生懸命SFA(営業支援システム)にデータを入力していても、データを分析しないと営業プロセスや人事制度の改善に結び付きません。ついつい営業担当者にSFA(営業支援システム)を浸透させることにばかり目が行きがちですが、営業マネージャーなどをデータ分析担当者にして、定期的にデータを分析することを習慣づけましょう。
そもそも、SFAツールの目的はデータ入力ではなく、データ入力を分析して営業効率や利益を向上させることだということを念頭に置くべきです。
SFAの運用定着のためのコツ
SFAを導入し、社内で定着させるためにはおさえるべき3つのコツがあります。それぞれについて解説するため、ぜひ参考にしてください。
既存システムとSFAを住み分ける
先述したとおり、SFA(営業支援システム)を導入することで、顧客管理・案件管理・行動管理・予実管理・商談管理などの機能が使えるようになります。そんななかで、既存システムに入力する内容とSFAに入力する内容がかぶってしまうと、入力者にとって膨大な手間となります。
SFA(営業支援システム)を導入する際には、既存システムの使い方を見直す必要があるのです。場合によっては、既存システムの利用を停止した方が良いケースもあります。ただし、外部システムとSFA(営業支援システム)を連携することでより効率的に営業担当者が成果を出しやすくなるケースもあります。利用を検討しているAFS(営業支援システム)が外部システムと連携可能か確認しておきましょう。
マネージャーも日頃からSFAを活用する
営業担当者だけでなく、営業マネージャーも日頃からSFA(営業支援システム)を利用するように心がけましょう。なぜなら、営業マネージャーがSFAシステムに触れていない状態では、営業担当者にとって「入力しても何の意味もないのではないか」と感じられてしまうからです。
大切なのは、営業担当者がSFAツールにデータを入力することで、各営業担当者や部署の売上が向上する実感を抱く環境づくりです。営業マネージャーがAFS(営業支援システム)を積極的に活用することで、営業担当者も自ら進んでデータ入力をするようになるでしょう。
評価制度やインセンティブに反映させる
営業担当者がAFSツールを活用するモチベーションを維持するためには、評価制度や陰線ティンブに反映させることも重要です。例えば、SFA(営業支援システム)の入力を基準に勤怠管理を行う・SFA(営業支援システム)上のデータに基づいて人事管理を行う、といった取り組みが挙げられます。
評価制度やインセンティブに反映するとなれば、営業担当者も日々欠かさずSFAツールにデータを入力するようになるでしょう。
まとめ
