今すぐ覚えたいマーケティング用語30選!実務に便利な用語集
これからマーケティングについて学ぼうと思っても、用語が多いため意味がわからず、困っている方も多いはず。
マーケティングの基本用語
マーケティングで最初に覚えたい基本用語を紹介します。
マーケティング
マーケティングとは、世の中のニーズを捉え、自社商品が売れるための仕組みをつくることです。現代の消費者が求めている商品・サービスを知り、それを最適な形で届けることで、売上を最大化するのがマーケティングです。
ニーズ
顧客が必要性を感じている状態を「ニーズ」といいます。たとえば「掃除が楽になる家電がほしい」というのがニーズです。このニーズを捉えることが、マーケティングで非常に重要視されています。
顧客価値
顧客が企業の販売するモノ・サービスに対して、顧客が認める価値を「顧客価値」といいます。この顧客価値が顧客の求めるレベル以上だった場合、顧客満足が生まれ消費者に自社商品が購入されることになります。
一方で顧客価値が顧客の求めるレベルに達していない場合、継続して自社商品が購入されることはありません。ちなみに顧客価値は、価格によっても当然変動します。一般的に価格が上がるほど、顧客価値も上昇します。
市場(マーケット)
市場(マーケット)とは、買い手がいる抽象的な空間です。経済学や証券の世界ではマーケットはしばしば「買い手と売り手がいる空間」を指しますが、厳密にいえばマーケティングでは、買い手のみがいる空間を想定しています。
ブランド
消費者が、自社商品に対して抱いているイメージを「ブランド」といいます。簡単にいうと「消費者が自社商品のファンになる状態」です。消費者が自社商品を購入する理由を生み出せば、それが競合との差別化となり、ある程度価格が高くても売れる状態をつくりだせます。
STP
市場を細分化して、特定の市場に狙いを定めることを「STP」といいます。STPは、次の3つの頭文字から取ったものです。
<STPとは>
- Segmentation(セグメンテーション):市場を細分化して、同じ性質をもつようにグループ化すること
- Targeting(ターゲティング):市場を狙い定めること
- Positioning(ポジショニング):狙いを定めた市場で、ポジションを明確にすること
STPでは上記の順番で、自社が狙いを定める市場とそこでのポジションを明確にすることで、効果的に市場を開拓できるようになります。
マーケティングリサーチの用語
マーケティングにおいて、市場や顧客を調査する「マーケティングリサーチ」は非常に重要です。そこでマーケティングリサーチの主要な用語を見てみましょう。
マーケティングリサーチ
マーケティング手法で売上を最大化するための、科学的な調査を「マーケティングリサーチ」といいます。新規事業を始めたり既存事業を見直したりする際に最初に実施する手法であり、マーケティングの根幹ともいえるフェーズです。
定性調査
言葉や文章などを調べる調査を「定性調査」といいます。たとえば掃除機を販売している会社が、顧客にインタビューして「使い心地がよくて愛用している」という情報を得るのが定性調査です。
グループインタビュー
定性調査の主な調査方法に「グループインタビュー」があります。集めた特定の集団を1つの空間に集め、座談会形式で発言してもらうインタビュー形式です。
グループインタビューには、ユーザーの本音の部分をインタビューできるため、製品開発や改善などに大いに役立つ調査方法です。
オブザベーション調査
オブザベーション調査とは、ユーザーの行動を近くで観察し、購買行動の情報を得る調査方法です。実際に購入の場に訪れ、ユーザーの行動1つひとつを観察することで、深層にある購買心理まで明らかできます。
アンケートのような表面的な情報では不足する企業におすすめの調査方法です。
定量調査
数値を明らかにする調査を「定量調査」といいます。「商品の認知率」や「サービスの利用率」「店員のサービス接客に対する店数」など、数値することで客観的な情報取得が可能になります。
ネット調査
定量調査の一種で、今は主流のネット上でデータを収集する方法を「ネット調査」といいます。お金やポイントなどの報酬を交換条件に、インターネットユーザーにアンケートに答えてもらうことで、商品の認知率や利用率など数字データを取得できます。
調査側も回答側ももっとも手軽に参加できる調査方法として、定量調査よく使われる手法の1つです。
電話調査
定量調査の一種で、直接電話することで情報を得る調査方法です。定量調査の目的で電話調査を実施する場合、質問によって商品の認知度や満足度などを点数化してもらうことで、情報を収集します。
主に、インターネットの利用率が低いシニア世代へのインタビューに向いている調査方法です。
マーケティングミックスの用語
マーケティングリサーチで市場と顧客を知り、STPでこれらの狙いを定めたあとは、マーケティングミックスで具体的な戦略を決めていきます。
マーケティングミックス
複数の施策を組み合わせて集客の最大化を図ることを「マーケティングミックス」といいます。マーケティングミックスは「実行戦略」に該当し「どのような商品を、どのような形で顧客に届けるのか」を明確にするマーケティングのフェーズです。
4P分析
細かな戦略や具体的な内容を決める分析手法を「4P分析」といいます。4P分析は「買い手の目線」に立って分析するフレームワークです。4P分析の「P」は、次の4つの頭文字から取っています。
<4P分析とは>
- Product(商品):「自社商品の強みや弱み」「競合と差別化できているサービスは?」などを明確化する
- Price(価格):「同じような製品で、競合はどのような価格設定をしているのか?」「高くor安くすることで、売上を伸ばせるのではないか」など、価格設定の根拠やその結果を分析する
- Promotion(プロモーション):「自社ではどのような広告を使っているのか?」「競合で自社よりも優れている宣伝を洗い出す」など、自社・競合含めたプロモーション戦略を明確化する
- Place(流通):「顧客まで届けるまでの流通経路を洗い出す」「競合で低コストで、効果的な流通経路を使っている事例」など、自社・競合の流通経路を明確化する
このような4つの視点で自社商品を分析することで「競合に比べてどのような点が優れているのか?」という仮説を立てることで、自社なりの戦い方を明確にします。
4C分析
4C分析とは、 新規事業の開始や既存事業の見直しを図るときに用いられる分析手法です。4C分析は「売り手の目線」に立って分析するフレームワークです。4C分析の「C」とは、次の4つの頭文字から取っています。
<4C分析とは>
- Customer Value(顧客価値):顧客が自社商品に対してどれほど価値を認めているのかを明確化する
- Cost(経費):自社商品が顧客の手元に届くまでにかかる経費を算出する
- Convenience(利便性):「顧客がより便利に自社製品を手に取ってもらえているか?」「商品・サービスの販売不足で顧客が不便をしていないか」などの利便性を分析する
- Communication(コミュニケーション):顧客とのコミュニケーションがどれほど取れているのかを明確化する。コミュニケーションとは「直接的な言葉」に限らず「お問い合わせ窓口」や「SNS」なども該当する
このように売り手側の視点で自社商品を分析することで、新規事業を始まる際に自社の強みを生かしたり、既存事業の弱点を洗い出したりすることが可能です。
7P分析
7P分析とは、4P分析よりもさらに詳しく分析できるフレームワークです。7P分析では4P分析に加えて、次の3つの「P」を分析します。
<7P分析ならではの要素>
- Physical Evidence(物理的環境):顧客に安心・安全を提供すること。現代では安心・安全なくして、商品が購入されることはない。
- Process(サービスプロセス):顧客にサービスを提供する方法指します。サービスプロセスが充実しているほど、顧客満足度を上げられる。
- People(人):商品・サービスを提供する店員・スタッフ。接客態度やセールストークなど、買い手側から見て販売員を分析する
7P分析の特徴は「サービス」に焦点を当てて、自社・競合を分析している点です。サービスをよりよい形で提供できれば、リピート客を増やすことは難しくないでしょう。
デジタルマーケティングの用語
マーケティングのなかでも、現代では必須の「デジタルマーケティング」について、その用語を解説します。
デジタルマーケティング
マーケティングのなかでも、デジタル技術を駆使して自社商品が売れるための仕組みをつくることを「デジタルマーケティング」といいます。デジタルとは「Webサイト」のほか「メール」や「SNS」「デジタルサイネージ」などが該当します。
オムニチャネル
複数の販売経路を統合し、リアルとネットを融合させるマーケティング手法を「オムニチャンネル」といいます。オムニチャンネルで有名な事例といえば、セブン&アイの総合通販サイト「オムニ7」でしょう。
セブン&アイ・ホールディングスはオムニ7によって、インターネットで購入した商品をセブンイレブンで受け取れる仕組みをつくり、オンラインとオフラインを融合させました。これによりオンラインの購入がオフラインの来店動機にもつながる好循環をつくりだしたのです。
トリプルメディア
トリプルメディアとは、デジタルマーケティングにおいてメディアを3つに分類する考え方です。トリプルメディアは「オウンドメディア」「ペイドメディア」「アーンドメディア」の3つに分類できます。
オウンドメディア
「オウンドメディア」とは、自分(自社)で所有するメディアです。コンテンツを通じて顧客を育成し、成約までつなげるマーケティング手法「コンテンツマーケティング」は、このオウンドメディアを使って行うのが大半です。
オウンドメディアを作成するには、既存の「WordPress」のようなCMSを使うほかに、サイトの制作会社に依頼する方法もあります。
ペイドメディア
「ペイドメディア」とは、広告を支払って掲載するメディアです。たとえば「テレビ」や「ラジオ」「雑誌」のほかに「Web広告」もペイドメディアに該当します。
多くのユーザーを抱えているペイドメディアは、掲載するだけである程度読者が保証されるメリットがあります。プロモーションの初期段階で認知を増やしたい企業にとっては、ペイドメディアがぴったりです。
アーンドメディア
「アーンドメディア」とは、評判や口コミなどによって獲得したメディアです。ブロガーに紹介してもらった自社商品に関する記事や、SNS上の口コミなどがアーンドメディアに該当します。オウンドメディアやペイドメディア」に比べると、抽象的なメディアです。
アーンドメディアを獲得できれば、評判によって多くのユーザーに好印象を与え、かつ広告費も支払う必要がない理想のメディアです(もちろん逆も然りです)。
マーケティングオートメーション(MA)
主に見込み客の一元管理を目的としたマーケティング自動化ツールを「マーケティングオートメーション(MA)」といいます。
マーケティングオートメーションには、顧客のフェーズ別にメルマガを送信できる「メルマガ機能」や、お客様をスコアリングして成約に近いユーザーを特定できる「スコアリング機能」などがあります。
SEM(サーチエンジンマーケティング)の用語
マーケティングのなかでも、インターネットの検索からモノ・サービスを売る仕組みをつくる「SEM(サーチエンジンマーケティング)」の用語を解説します。
SEM(サーチエンジンマーケティング)
検索サイト上でWeb集客を伸ばすマーケティング手法全般を「SEM(サーチエンジンマーケティング)」といいます。SEMには、次の「SEO」に加えて、Web広告まで含んだ、検索サイト上のあらゆるマーケティング手法を包括しています。
SEO(サーチエンジンオプティマイゼーション)
SEOとは、インターネットの検索結果で上位に表示されることでWeb集客を伸ばすマーケティング手法です。GoogleやYahoo!で特定のキーワードを入力するとサイトが一覧で表示され、上位(1ページ目)に表示されることでユーザーの閲覧数を伸ばし、最後に成約までつなげます。
なお、Yahoo!の検索アルゴリズムもGoogleのものを使っていることから「SEO対策」=「Googleへの対策」と解釈すれば大丈夫です。
検索エンジン
インターネットの情報を検索するための機能を「検索エンジン」といいます。日本では「Google」と「Yahoo!」の2つが主流ですが、ほかにも「Bing」や「Microsoft Edge」などがあります。
検索クエリ
ユーザーが検索エンジンで入力するキーワードを「検索クエリ」といいます。SEMでは、この検索クエリに対してコンテンツをつくったり、Web広告を打ったりします。
またユーザーには検索クエリを入力する「検索意図」があり、これに応えるコンテンツや広告で返すことがSEMで重要です。
検索連動型広告
GoogleやYahoo!などでキーワードを入力して検索したときに、一番上に表示される広告を「検索連動型広告」といいます。1クリック=○○円と決められており、閲覧される度に広告費を支払います。
また「検索連動型広告」と、Webサイトやアプリなどで表示される「ディスプレイ広告」を合わせて「リスティング広告」と呼びます。
MEO(マップエンジンオプティマイゼーション)
Google検索の上にある地図上で上位表示されることで、Web集客を伸ばすマーケティング手法を「MEO」といいます。Googleでは地域名を含む、または関連するキーワードを入力したとき、自然検索の一覧上に「店舗ごとのマップ」や「店舗情報」の詳細が表示されます。
ここで自分の店舗が表示されるように対策するのが「MEO」です。MEOでは、Googleのツール「Googleマイビジネス」を使用します。
間際らしいマーケティング用語
日常でよく使われるマーケティング用語ですが、実は誤用されていることがあります。例えば、「ホームページ」と「Webサイト」の使い分け、また「キーワード」と「クエリ」の違いをご存じでしょうか。これらの用語にはそれぞれ正確な意味があり、適切に使用する必要があります。多くの人がこれらを一般的な用語として認識していますが、誤解が生じやすい事があります。