マーケティングにおけるリーチとは?メリットや増やす方法を解説
Web広告やSNSを活用する際に、「リーチ」という言葉を聞いたことのある人も多いのではないでしょうか?
リーチとは?
リーチとは広告やコンテンツの到達率を指す指標で、その広告やコンテンツに接触した人数、もしくは全体における割合をあらわします。
リーチはユーザー単位でカウントされるため、同一ユーザーが同じ広告を3回見た場合でもリーチは1とカウントされます。このように、リーチは広告やコンテンツの接触の広さを示す際に用いられる指標なのです。
リーチを獲得するメリット
広告やコンテンツの到達率を表すリーチは、マーケティングを行う上では重視すべき指標の一つとなります。
ではリーチ獲得はマーケティングにおいてどのような効果をもたらすのでしょうか?ここでは、リーチを獲得するメリットについて解説します。
認知拡大
リーチを多く獲得するということは、多くのユーザーにそのコンテンツを届けられたことになります。つまり、認知拡大に繋がります。
認知が拡大することで、自社の商品やサービスに興味を持ってもらいやすくなり、間接的に企業の売上にも影響するということになります。
広告効果の最大化
広告では、リーチした人の中でも一定数の人に興味を持ってもらえれば成果に繋がります。そのため、リーチ数が多くなれば興味を持ってくれるユーザー数も増えるため、広告効果が高まるというメリットがあるのです。
また、リーチ数を算出できればよりユーザーに受け入れられやすい広告を分析することでき、効果的な広告配信を行うことができるようになります。
フォロワーの増加
リーチ数を増やすことでユーザーの目に触れる機会が増え、その中から自社に興味を持ったり共感してフォローしてくれる可能性が増えます。
そのため、認知拡大ができると同時にフォロワーの増加も期待できるというメリットがあるのです。
また、リーチを分析することでターゲットに対してどのような情報を発信すれば良いのかを把握することができるでしょう。
リーチと混同しやすい指標と違い
マーケティング活動を行う際にはさまざまな指標をもとに分析を行いますが、リーチと似たような定義の指標もあります。分析の精度を高めるためにも、それぞれの違いをしっかり理解しておくことが大切です。
インプレッション
インプレッションは、広告や投稿の効果を表す指標の一つとして使用されますが、単に表示された回数となるため広告がクリックされたかどうかは考慮されません。
つまり、同じユーザーに広告が2回掲載された場合はインプレッション数は2とカウントされます。
そのため、広告やコンテンツを見たユーザー数単位の指標であるリーチとは異なり、インプレッションは広告やコンテンツの表示された回数をカウントするのです。
PV
PVはPage Viewの頭文字をとったもので、Webサイト内の特定のページが開かれた回数を表します。Webサイトがどのくらい閲覧されているかを測るための指標の一つとなるため、広告が表示されただけではPVとしてカウントされません。
反対に、ページ内に広告が表示されていない場合でもPVはカウントされます。また、単純にページを訪れた回数となるため、リーチのようにユーザー単位での計測はできません。
エンゲージメント
エンゲージメントは、広告や投稿に対してユーザーが反応した割合を表す指標です。各SNSによってエンゲージメントとしてカウントされるアクションは異なりますが、主に良いねやコメントなどがあります。
広告や投稿が表示されるだけのリーチとは異なり、表示されたものに対してユーザーが反応しアクションを起こすことをエンゲージメントと言います。
エンゲージメントは、双方向でのコミュニケーションを可能にしたり、ユーザーとの関係性を可視化できるなどのメリットがあるため、企業の成果に繋がる重要な指標の一つとなるのです。
フリークエンシー
フリークエンシーとは、ユーザー1人に対して平均で何回広告が表示されたのかを確認できる指標です。
一見するとインプレッションと同じ様に思えますが、インプレッションは広告の表示回数を表し、フリークエンシーはユーザー1人に対してどれだけインプレッションがあったのかを指すという違いがあります。
また、リーチが広告やコンテンツを表示したユーザー数を指すのに対し、フリークエンシーは一人あたりの表示回数を指すという違いもあります。
リーチを増やす方法
効果的な広告配信やSNS運用を行うために重要なリーチ獲得ですが、具体的にどの様に増やすことができるのでしょうか?ここでは、媒体別にリーチを増やす方法をご紹介します。
インターネット広告
インターネット広告とは、検索エンジンの検索結果に表示されるリスティング広告やWebサイト内に掲載される広告などがあります。
ターゲットを明確にする
広告配信を行う際には、ターゲットを明確にすることでより効果的な配信が可能となります。たとえば、20代の女子学生をターゲットする場合は、女子学生の間で流行っているものを広告クリエイティブ内で使用したりなどすることで、より興味を持ってもらいやすくなる、リーチ獲得にも繋がるでしょう。
このように、ターゲットを明確にすることでターゲットに合わせた配信が可能となり、広告を見てもらいやすくなるというメリットがあるのです。
曜日や時間帯を設定する
ターゲットが明確になれば、ターゲットの生活リズムに合わせて最適な配信時間を知ることができます。
学生の例で言うと、通学時間の朝方やお昼休憩の時間帯などに配信を行うことで、よりユーザーにリーチしやすくなるでしょう。
このように、ユーザーがもっとも盛んに活動している曜日や時間帯に広告を表示させることが重要です。
タイトルを工夫する
インターネット広告では、テキスト情報が重要な役割を果たします。どのような文言でユーザーに訴えかけるのかがリーチ獲得の大きなポイントとも言えるでしょう。
そのため、広告をクリックしたくなるようなタイトルを設定することが重要です。ユーザーの悩みに問いかける内容やキーワードを含め、なるべく分かりやすくかつ印象に残るようなタイトルを考えてみましょう。
また、ユーザーは日頃から多くの広告を目にしているため、他の広告との差別化も重要です。
クリエイティブ画像を作成する
インターネット広告の中には、画像が表示されるものもあります。画像を使用することで、ユーザー自身も広告の内容をイメージしやすくなり、より広告効果を高めることにも繋がるのです。
そのため、ユーザーの目に止まりやすいクリエイティブ画像を使用することで、リーチ数の拡大を期待できます。また、色合いやイラストなどターゲットに好まれるように工夫することも大切です。
SNS
SNSといってもさまざまな媒体がありますが、ここではそれぞれのSNSで共通してできるリーチ獲得の方法を解説します。
投稿回数を増やす
インターネット広告では、出稿数を増やせば増やすほど予算が必要となります。一方でSNSはコストを掛けずに投稿をすることができるため、投稿数を増やすことでリーチ獲得を増やすことができるのです。
投稿を増やすことで、ユーザーの目に留まる確率が高くなるだけでなく、より多くの人に見てもらえるようになります。
ただし、過剰な投稿はかえってユーザーに敬遠されるリスクもあるため注意することが大切です。
ハッシュタグを設定する
SNSには、ハッシュタグという機能があります。このハッシュタグを投稿に設定することで、SNS検索をした際に同じハッシュタグがつけられている投稿が表示されます。
そのため、自社のアカウントをフォローしていないユーザーにも見てもらえるチャンスがあるということになります。
ハッシュタグを設定する際には、投稿に関連性があるものや競合性を下げるために複数設定するなどの工夫をすることが重要です。
フォロワーを増やす
フォロワーが増えると、投稿を見てもらえるユーザー数も増えます。そのため、投稿数を増やすのと同じ様に、フォロワーを増やすことでリーチを獲得することができます。
また、フォロワーが投稿を拡散してくれることもあるため、多くのフォロワーがいればいるほど拡散される可能性も高くなるということになります。
フォロワーの増やすためには、プロフィール欄のリッチ化やフォロワーとの積極的なコミュニケーションを行うことが重要です。
投稿時間調整する
SNSでは投稿日時を細かく設定できるようになっており、各SNSでユーザーが最もアクティブになる時間帯が異なります。
たとえば、通勤や通学の時間帯となる6時〜9時や、お昼時の12時〜13時などは多くのユーザーがSNSを利用しているとされています。
(参考:令和2年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書)
つまり、これらの時間帯を狙って投稿することで、より多くのリーチを獲得できるのです。
フォロワーと積極的に交流する
SNSの大きな特徴として、ユーザーとのコミュニケーションが取れるというメリットがあります。ユーザーとのコミュニケーションにはさまざまな方法がありますが、主に次のようなものがあります。
- 投稿についたコメントに返信をする
- ユーザーの投稿にいいね又はコメントをする
- DMに返信する
- ストーリーズの質問スタンプを活用する
このように、フォロワーと積極的に交流をすることで拡散も期待することができるでしょう。また、こちらから積極的にコミュニケーションをとることで双方向のコミュニケーションが可能となり、マーケティングにも活かせるというメリットもあります。
SNS別に実施すべきリーチ獲得のポイント
SNSでのリーチ獲得は共通するポイントもありますが、SNSごとに違った特徴があるため、リーチ獲得の方法も異なる部分があります。そのため、各SNSのポイントを抑えておくことも重要です。
Twitterでリーチ拡大を狙う際には、Twitterの特徴を理解した上でそれを最大限に活かすことが重要です。
ハッシュタグを設定する
ハッシュタグはInstagramでも設定できるようになっていますが、Twitterではトレンドという機能があり、リアルタイムで注目されているキーワードが表示されます。
このトレンドとハッシュタグを上手く活用することで、多くのリーチ獲得を見込むことができるのです。
過去のツイートをリツイートする
Twitterでは、ツイートを再びツイートできるリツイートという機能があります。リツイートをすることで過去にツイートした内容を再度同じ内容でツイートすることができます。
Twitterの特徴として、フィードの流れが早いという特徴があります。そのため、ツイートをしてもすぐに流れてしまい、多くの人に届かない可能性も考えられるのです。
そこでリツイートをすることで、重要なツイートや特に見てほしいツイートを何度もフィードに流すことができるようになります。
InstagramもTwitter同様に、独自の機能や特徴があります。これらの特徴を理解して、リーチ獲得に活かすことが大切です。
ストーリーズでリポストする
InstagramにもTwitterのようにリポスト機能があります。他のユーザーの投稿や自身の投稿を引用して投稿することができます。
フィードでは埋もれてしまう投稿も、ストーリーズを使うことで埋もれにくくなり、よりリーチ獲得しやすくなるというメリットがあるのです。
また、新規投稿をストーリーズでリポストすることで、フォロワーに対して新規投稿を周知できるようになります。
キャンペーンを実施する
Instagramでは、キャンペーンと呼ばれるユーザー参加型の集客や認知拡大を目的としたプロモーションマーケティングを実施することができます。
投稿のハッシュタグ機能を活用した「ハッシュタグキャンペーン」が一般的で、オリジナルのハッシュタグを用意し、ユーザーにそのハッシュタグを付けて投稿することを呼びかけ、オリジナルのハッシュタグの拡散を狙うというものです。
オリジナルのハッシュタグを付けて投稿したユーザーに対して、プレゼントや特典を付ける必要がありますが、工夫次第で予算を抑えながら実施することができます。
このようなキャンペーンを実施することで、自社のアカウントや商品・サービスなどが多くの人に拡散されリーチ獲得ができるようになるのです。
Facebookは、TwitterやInstagramに比べると情報量を多く記載できるため、さまざまなリーチ獲得方法がありますが、ここでは2つご紹介します。
画像を使用して投稿する
投稿できる文章量が多いFacebookでは、テキスト情報が多いと興味を持ってもらいにくくなるため、画像を使用するようにしましょう。
画像を使用することで、見ているユーザーもいいねやシェアなどの反応を起こしやすくなり、結果としてリーチ数の増加に繋げられるようになります。
ページの説明文に詳細を記載する
ページの説明文はFacebookページのトップに表示されるため、それを読んだユーザーがページに対して興味を抱くか否かの重要な情報源となります。
そのため、どんな情報や内容を発信しているのかを具体的に記載すると良いでしょう。しかし、長々と説明してしまうと離脱する要因ともなるため、端的に分かりやすく書くことが重要です。