マーケティング心理学を活用し売上を伸ばす方法!一挙22個のテクニックを公開
WEBでの収益を伸ばしたいと思ったとき、もっとも効果的な方法の1つはマーケティング心理学を活用することです。
マーケティング心理学では、効果実証済みのテクニックが多く蓄積されているため、効果的に利用すれば収益に直結する施策を実施することが可能です。
マーケティング心理学とは
顧客の心理を刺激して購買などを促すことを研究する分野をマーケティング心理学といいます。マーケティング施策を実施する際には、このマーケティング心理学のノウハウを随所にちりばめていきます。
例えば、WEB広告のキャッチコピーを考える際には心理学的に顧客がクリックしてくれやすいフレーズを利用しますし、ランディングページにはデザインからコピーまでマーケティング心理学のテクニックが随所に見られます。
マーケティングに心理学を活用すれば、消費者の心理を把握し販売促進の効果を高めるとともに、売上や利益の向上を実現できる可能性があります。
マーケティング心理学の知識が重要な理由
WEBマーケティングをおこなうといっても、相手は人間です。そのため、WEB広告のクリック率やコンバージョン率を向上させようと思えば、マーケティング心理学に基づいて仮説を立てる必要があります。
仮説というのは、たとえば次のようなことです。
- ランディングページでもっと商品の期待値をあげるためのキャッチ文章にすればコンバージョン率が高まるのではないか
こういったLPのABテストにおいてもマーケティング心理学に基づいた仮説を立てることによって、改善にかかる時間を大幅に短縮することが可能です。その意味で、マーケティング心理学は売上向上のための中核になるスキルの1つです。
マーケティング心理学の基礎
マーケティング心理学にはさまざまなテクニックがあります。しかし、細部の話をする前にまずは人間の欲求に関する基本を抑えておく必要があります。
どの欲求をもっている人をターゲットにするのかによって、マーケティングプランが大きく異なるからです。
マズローの欲求5段階説
顧客が商品を購入したいと思う気持ちを購買動機といいます。その購買動機を考える際、マズローの欲求5段階説を参考にしてください。
第1段階.生理的欲求
欲求の第一段階は生理的欲求です。例えば、食べ物を食べたい、睡眠をとりたいなど人としてのもっとも基本になる欲求です。
第2段階.安全の欲求
欲求の第2段階は安全の欲求です。危険を回避したい、安全に過ごしたいという心理です。経済的な安全を確保するために貯金したいなどは、安全欲求によるものです。
第3段階.愛情と帰属欲求
自分がどこかの集団に属して、居場所を確保したいというのは愛情と帰属の欲求です。孤立したくない、誰かに愛されたいという心理です。身近なところではユニフォームを揃えたり、会員に入会するなども含まれます。
第4段階.承認欲求
人から認められたい、尊敬されたいというのは承認欲求です。別名、尊敬・自尊の欲求ともいいます。例えば会社の上司から褒められて嬉しいというのは、承認欲求が満たされたから起こることです。
第5段階.自己実現欲求
自己実現の欲求は、自分の可能性を試したい、自分らしい生き方をしてみたいなどの欲求です。例えば、将来はモデルになりたいといった願望は自己実現欲求といえます。
マーケティングプランを考える
マズローの欲求5段階説をもとに、自社がどういったターゲットに対してマーケティングを実施するのかを考えることはマーケティング心理学の基本です。
例を挙げて考えてみます。例えば、砂漠で水がなくて困っている顧客がいるとします。この場合、生理的欲求が満たされていないということです。
このように、喉が渇いて仕方がないという顧客に対してセールスメッセージは必要でしょうか。
例えば「この水はアルプス山脈の麓でとれた硬度の高い水です。今ならこの水をキャンペーン価格で3割引で提供します」と商品の強みやキャンペーントークをすることは、現実的ではありません。
生理的欲求が満たされていない顧客には商品説明を最小限に留め、スピーディに水を提供することが求められます。
一方、水を求める顧客でも、健康志向の強い人に水を売る場合、商品説明は入念におこなう必要があります。
- なぜ他の水ではなく、この水が良いのか
- この水を飲むことによって、どういったメリットがあるのか
こういったことを丁寧に説明することによって購買意欲を高める必要があります。
このように、マズローの欲求5段階説のどこにいる顧客をターゲットにするのかによって、セールスメッセージからキャンペーンの展開方法までまったく変わってきます。
マーケティング心理学の使えるテクニック22選
マーケティング心理学では、マズローの欲求5段階説をベースにすることが多いですが、それ以外にも複数のテクニックが存在します。
そこでここでは、マーケティング心理学でよく使われる代表的なテクニックを22個お伝えします。
返報性の法則
受け取ったら、それを返したいという感情のことを返報性といいます。例えば、他人が自分に好意を持ってくれれば、自分も相手に好意を持ちやすいことを好意の返報性と言います。
マーケティングでも、ホワイトペーパーや動画コンテンツなどをユーザーに提供し、その代わりに商品を購入してもらうなどの応用例が考えられます。Give&Takeという言葉がありますが、返報性の法則はまさにその言葉どおりのテクニックです。
アンカリング効果
係留効果とも言います。判断の基準となるものを最初に与えると、顧客の決断がその基準に引きずられることをいいます。
例えば値段を伝える際、次のように伝えます。
- 相場価格は1万円です。しかし、当社の場合、仕入れが独自ルートなので8,000円で購入が可能です
このように伝えると、顧客は最初に聞いた1万円という価格が基準として設定され、それと比較して8,000円は安いと感じます。アンカリング効果を利用する場合、先に基準となる数値や具体例を伝えることがポイントです。
プレステージ価格法
威光価格法ともいいます。あえて相場額よりも少し高めの料金を設定することで、プレミアム感を演出します。
例えば、大切な人にギフトを贈りたいなどの場合、安いよりもある程度高価格な方が喜ばれることがあります。そういった商品には、このプレステージ価格法が顧客の自尊心を高めることに役立ちます。
栄光浴
栄光浴(BIRGing)というのは、社会心理学者ロバートチャルディーニ氏による造語です。社会的に高い評価を受けている人や組織との結びつきを強調することによって、顧客からの信頼性を獲得します。例えば、CMに俳優などを起用するなどの方法が該当します。栄光浴の逆は「CORFing」です。価値が低い他者との結びつきを避ける傾向をいいます。
おまけ付与効果
心理学者ヌーンズ氏らが提唱した方法です。おまけやボーナスをつけることによって購買を促進する方法です。例えば、今これを購入すれば、もう1つ同じものがついてくるというセールス方法がありますが、これはおまけ付与効果を利用しています。
囲い込み法
優良顧客だけに特別なサービスを提供することにより、他社に目移りしないようにする方法です。例えば、航空会社のマイレージなどは競合他社に顧客を奪われないようにする取り組みです。
カスタム・コミュニケーション
個人向けに仕立てられたコミュニケーション方法です。例えば、DMの中に名前を挿入するなどの方法があります。一般的にDMは不特定多数にあてたものですが、個人宛に届いたように見せかけることで、注意を惹きつけます。
理性&感情アピール法
心理学者シャンディ氏らが提唱した方法です。市場の成熟度に応じてセールスメッセージの重点を変えることです。例えばまったく新しいジャンルの商品を販売するなら、市場ではその商品が認知されていないため、理性に訴えるメッセージを伝えます。逆に、誰でも知っているような成熟度の高い商品を販売する場合は、感情に重点を置いたセールスメッセージが有効です。
希少性
顧客に対して提供できる数は限られていることを伝える方法です。数が少ないものは、価値が高いと判断されます。
心理学者ウォーチェル氏らは、箱の中に2個しか入っていないクッキーと、10個入っているクッキーを被験者に比較させたところ2個の方をより価値が高いと評価しました。自社でセールスする際もいくらでも提供できるとアピールするより、数に限りがあることを伝えた方が購買意欲を高めやすいです。
クラッター
ある程度、ハイスピードで顧客が受け取るメリットなどを伝えていきます。これでもかというくらい顧客へのメリットを連続して伝え、驚きや興奮を与えます。
対面営業の場合は、やや早口でメリットを伝えていくようにします。WEBでのセールスの場合は、顧客が驚くほどのメリットの数を挙げます。通常は、その勢いでクロージングに進みます。
公正手続き効果
商品の効果効能などを自社が告げるのではなく、公正な第三者機関などが効果を確認したということを提示する方法です。顧客が効果効能について信頼してくれやすいです。
ザッツノットオール・テクニック
おまけを二段階で提示する方法です。最初に1つ目のおまけを提示し、さらに時間差で追加のおまけを提示します。おまけが連続することによってお得感を強調します。
自由の呼び起こし
心理学者ゲガン氏らが提唱した方法です。購入するかどうかは顧客の自由ですということを強調し、顧客からの反発を回避します。ゲガン氏らの実験では、自由の呼び起こし法を活用するかどうかで、承諾率が5倍変わったと報告しています。
セールスの場面でもひたすら購入してくださいということを主張するよりも、購入するかしないかは自由ですということを伝えた方がコンバージョン率が高まる可能性があります。
初頭効果
顧客の頭には最初に伝えたことが印象に残りやすいという法則です。通常、キャッチコピーなどはWEBページの先頭に表示しますが、それは初頭効果を考慮しての対応です。
新近効果
初頭効果の反対の意味です。つまり、メッセージの最後に重要なことを伝えることによって、そのメッセージが顧客の頭に残りやすいというものです。
初頭効果と新近効果のどちらが正解なのかと悩むかも知れません。2023年1月現在では初頭効果を支持する科学的結果の方が多いため、最も重要なメッセージは冒頭で伝えるようにします。
しかし、新近効果も無視できないため、2番目以降に重要なメッセージは最後に伝えるようにするという方法が考えられます。
真実効果
繰り返しセールスメッセージを伝えることで、顧客にその内容が真実だと思ってもらいやすくなる方法です。心理学者ホーキンス氏らは、156の商品説明を被験者に読んでもらったところ、2回広告文を読んだ人の方がその内容を真実だと感じていました。
ただし、正反対の効果としてすり切れ効果というものがあります。あまりにも複数回同じ広告を見ると、次第に飽きられてしまい説得効果が薄れるというものです。心理学者クラグマン氏によると、真実効果が有効なのは3回だと伝えています。
鮮明効果
広告中に体験談やエピソードなどを掲載すると顧客がイメージをしやすくなり、記憶に残りやすいといわれています。例えば商品開発秘話などをWEBページで伝えるなどのことが考えられます。
調節理論
企業が顧客の使っている言葉や口調などに合わせていくことです。言語的にも、非言語的にも顧客のスタイルに近づけていくほど、顧客は企業のことを仲間と見なしてくれます。
例えば、自社がマニア向けの商品を販売しているのであれば、そのマニア達が使っている言葉をセールスメッセージに入れていくなどのことが考えられます。
DTR法
最初にやや難解な表現などを用いて(Disrupt)顧客の興味を引き、その後(Then)、わかりやすい言葉に置き換える(Reframe)方法です。それぞれの頭文字をとってDTR法と言います。
心理学者デーヴィス氏らが開発した方法で、最初から分かりやすくメッセージを伝えるよりも、顧客の承諾率が1.8倍に上昇したと報告しています。
例えば下記のようなメッセージが考えられます。
- DTR法というのがあるのですが(Disrupt)、これは(Then)コンバージョン率を高めるための方法です(Reframe)
デッドラインテクニック
期限・期日をつけることによって顧客の購買を促進する方法です。例えば、3日間限りのセールスをおこなうなどの方法です。単純ですが大変効果があります。
Amazonや楽天市場でも、ブラックフライデーやクリスマスキャンペーンなど、毎回といってよいほどデッドラインテクニックを使用しています。
デモンストレーション効果
動画などを使って、顧客に商品の使用イメージなどを伝える方法です。TikTok広告などでは頻繁に用いられています。言葉でセールスするよりも、動画を見てもらった方が直感的に分かりやすい商品を扱っている場合に有効です。コスメ・ファッション・スポーツ用品などが該当します。
同調性
同じような人が一杯いるということを認識すれば、購入に結びつきやすいということがあります。お客様の声などを掲載するのはこの同調性を刺激しています。
例えば、ターゲットにしている顧客と同じ年代・性別の人からお客様の声を頂き、それを掲載するなどの方法があります。
まとめ