マーケティングDXとは!? メリットやデメリットを徹底解説
IT技術の進歩により、近年企業のDX化が急速に普及し始めています。そこでよく聞くようになったのでが、マーケティングDXです。
新型コロナウイルスの影響で社会環境や顧客の消費行動が変化し、これまでのマーケティング手法が通用しなくなり、マーケティング活動におけるデジタル化が求められるようになってきています。
マーケティングにおけるDXとは?
マーケティングとは商品やサービスが売れる仕組みを作ることとされており、市場調査や広告宣伝、効果検証などと業務の幅は広いです。これらのマーケティングプロセスをITツールやAIを導入してデジタル化することをマーケティングDXといいます。
マーケティングではさまざまなデータを活用して自社の商品やサービスを販売していきますが、複数のデータやチャネルをDX化することで連動させることでき、消費者の行動や反応が収集しやすいという特徴があります。
そもそもDXとは
そもそもDXとは、デジタルトランスフォーメーションの頭文字を取ったもので、2004年にスウェーデンの大学教授によって提唱された概念です。
「進化し続けるテクノロジーが人々の生活を豊かにしていく」というもので、進化したデジタル技術を生活の中に浸透させることでより良い生活へと変革することができるという考え方です。
私達の身近にあるIT技術の進化によって作られたシステムに着目してみると、銀行口座の開設から取引までオンライン上で行えるインターネットバンキングや、飛行機や新幹線などのチケット購入をオンライン上で完結できるシステムなどもDXの好例です。
近年では、このIT技術を活用したビジネスモデルが注目されており、多くの企業でDX化が推進されています。
マーケティングDXの重要性
DX化が進むにつれて、より一層マーケティングDXが重要視されるようになりました。DXは、社内に新たなIT技術を導入することが目的ではなく自社が達成したい成果を出すための1つの手段です。
マーケティングも同じように、データ収集や連携のためにITツールを導入するのではなく、変化する社会や顧客ニーズに対応するための手段であることを理解する必要があります。
そのため、IT技術が発達すればするほどマーケティングDXが重要となるのです。
マーケティングDXが注目される背景
ここまでマーケティングDXが注目されるようになった背景には、インターネットやスマートフォンの普及が挙げられます。
インターネットやスマートフォンが普及したことにより、人々はどこでも簡単にネット環境にアクセスできるようになりました。また、一人一台スマートフォンを所有しているくらい私達の生活の一部となっています。
これにより人々の消費行動が変化し、ネットで商品の購入が完結するようになりました。ネット通販の市場規模が拡大するにつれ、従来の新聞やテレビといったマスメディアを使った、企業側のタイミングを優先したマーケティングは通用しなくなりつつあります。
このようにインターネットの普及に伴い、顧客の消費行動にも大きな変化が起こりマーケティングのデジタル化が求められるようになったのです。
マーケティングDXを行うメリット
マーケティングDXは、今の時代には欠かせないものとなっていますが、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか?
マーケティングDXを行うメリットを理解することで、よりスムーズに社内に浸透させることができるでしょう。
業務の生産効率が上がる
マーケティングでは、データを分析することが重要となりますが、正しい分析を行うためにはデータを収集する必要があります。しかし、このデータを収集する作業は意外と時間がかかるものです。
中には、分析して施策を出す時間よりもデータ収集に時間がかかってしまう場合も珍しくはありません。そのため、マーケティングの各プロセスをデジタル化することで、必要な情報を簡単に収集でき見つけ出すことができ、業務の生産効率が上がるのです。
たとえば、デジタル化で複数チャネルや部署の情報を連携させることでさまざまなデータを客観的に判断できるようになると、膨大なデータを整理したり分析する時間が短縮されます。
PDCAの高速化
データ整理や分析する時間が短縮され業務の生産効率が上がることで、単純作業よりも施策立案により時間を割くことができるようになり、PDCAを早く回せるようになります。
ビジネスを行う上ではPDCAサイクルが重要となりますが、このPDCAが早く回せなければ市場や顧客ニーズの変化に対応できなかったりなどと、企業の売上に影響することもあります。
施策やプロジェクトは1つ実行してみて終わりではなく、常に自社の課題や市場でのチャンスを把握しながら新たな施策を動かしていくことが求められます。
新商品やサービスの開発がしやすくなる
常に変化していく市場や顧客ニーズに対応するためには、新商品やサービスの開発も必要となります。これはDX推進の目的の一つにもなるため、PDCAを高速で回すことによって新しいビジネスモデルを開発しやすくなります。
PDCAを回していくことで、より迅速に市場や顧客の消費行動の変化に対応できるようになるのです。
また、さまざまなデータを活用したり連携させられることから、これまで気づけていなかった自社の課題や顧客ニーズを発見することができ、新たなビジネスチャンスを生むことができる可能性もあります。
マーケティングDXのデメリット
マーケティングDXが必要不可欠とされる一方で、デメリットも存在します。これから解説していくデメリットを把握せずに取り組んでしまうと、思っていた成果が挙げられないこともあるので、事前にしっかりと理解しておくことが重要です。
時間とコストがかかる
DXではITツールやシステムを新らたに導入するため、初期費用が発生したり導入作業や既存システムからの移行などで時間がかかってしまうというデメリットがあります。
導入するツールやシステムにもよりますが、初期費用だけではなくランニングコストがかかる場合もあります。
また、導入時にかかる工数の他に社員が新しいツールやシステムに慣れるまでの時間もかかるため、マーケティングDXの効果を感じるまでには時間がかかるということを理解しなければいけません。
時間とコストが掛かるという点を手間に感じてなかなかDXに踏み出せない企業も多くあるため、事前にデメリットを把握しておくことでそれを踏まえた上での導入計画を立てることができるようになります。
一貫性のあるITツールの導入が必要となる
マーケティングを行う際にはさまざまなデータを扱い、各チャネルや部門のデータをかけ合わせて分析する必要があります。
そのため、データの見やすさや整理のしやすさが業務効率に大きく影響します。マーケティングDXを行う際には、一貫性のあるITツールを導入し業務効率を高めることを意識することが大切です。
便利なツールであっても各チャネルや部門で使用しているツールが異なれば、データ整理の仕方が異なったり、連携ができないなどと行った問題点が発生しかえって業務効率を悪くしてしまいます。
一貫性のあるツールを使用することで、業務の効率化を図れるだけではなくより高度な分析を行うことができるようになります。
社内全体で取り組む必要がある
DXは単に新しいITツールやシステムを導入するだけではなく、これまでの業務プロセスが大きく変わったり企業が目指す目的が変わることもあるため、組織全体の風土が変わる可能性もあります。
そのため、マーケティングDXを行う際にはマーケティング部門のみで行うのではなく、社内全体で取り組む必要があるのです。
従来のやり方で長く続けてきた社員に対しては、まずDXの目的やDXによって達成したい目的などのビジョンを共有することが重要です。
マーケティングDXを推進していくためには、社内全体の理解を得るようにしましょう。
マーケティングDXを成功させるためのポイント
マーケティングDXをすぐに成功させることは簡単ではありませんが、これから解説していくポイントを抑えることでより成功に近づけることができます。
それぞれのポイントをしっかりと抑えて、マーケティングDXをの推進に取り組んでいくようにしましょう。
目的の明確化と浸透
マーケティングDXは、経営層やIT部門だけに任せていては効果を出すことができません。実際に先頭に立って進めていくのは経営層やIT部門かもしれませんが、新しいIT技術やシムテムを運用していくためにはその他の部門とも協力して取り組んでいく必要があります。
そのためには、社内全体にマーケティングDXの目的を理解してもらい、一緒になって取り組んでいく体制を作ることが重要です。
マーケティングDXを行う際にはまず、マーケティングDXを行うことで何を達成したいのかを明確にする必要があります。そして、明確化した目的を社内に浸透させることで組織全体でDXに取り組むことができるようになるのです。
顧客体験の向上
DXの目的はIT技術やシステムの導入ではありません。IT技術を活用してより良いものを生み出すということがDXの本質となります。
そのため、マーケティングDXではIT技術を活用して顧客体験を向上させる事が重要です。IT技術を活用して集めたデータを元に、集客から顧客の中で課題となっている部分が何かを洗い出し、改善策を練る必要があります。
自社の課題となっている部分を把握し改善を繰り返すことで、顧客にとってもよりよい商品やサービスを届けられるようになります。
ユーザーにとって価値のある魅力的な商品にするためには、何が必要なのかをデータを元に常に考えることがマーケティングDXを成功させるための重要なポイントです。
経営者のコミットメント
マーケティングDXはマーケティング部門やIT部門に限らず、複数部門を超えて推進していく必要があるため経営者のコミットメントが重要です。
マーケティングDXを行うことで、組織やビジネスモデルが大きく変化する可能性もあり現場からの反発が起こることも考えられます。そのような場面で、社員の理解を得てマーケティングDXの推進に巻き込むことができるリーダーが必要となります。
組織横断的なマーケティングDXを行うためには、率先して指揮を取れる役員などの経営層のコミットメントが求められます。
経営者がマーケティングのDX化にコミットメントできていなければ、社員も当然コミットメントすることができません。
そのため、マーケティングDXを成功させるためには、経営者がある程度コミットメントしなければいけないということを理解しておくことが重要です。
外部パートナーとの連携
マーケティングDXを推進していくためには、ITの知識やスキルが少なからず必要となります。また、IT技術を活用して顧客体験の向上を目指すためには、これまでのマーケティングとは違った視点でアイデアを出していく必要があります。
そこで検討したいのが、外部パートナーとの連携です。内部リソースだけではカバーできない部分を外部パートナーと連携してサポートしてもらうことで、よりマーケティングDXの成功確率を高めることができます。
無理にすべて自社でやろうとせずに、ツール導入も含めてパートナー企業との連携も視野に入れると良いでしょう。
マーケティングDXの成功事例
では、マーケティングDXを成功させた事例にはどのようなものがあるのでしょうか?成功事例を知ることで、より具体的に自社のマーケティングDXの導入をイメージできるのではないでしょうか。
コカ・コーラ
コカ・コーラはモバイルアプリの「Coke On」を提供し、O2Oマーケティングに成功しました。ユーザーがアプリを自販機にかざして購入すると、15本購入で1本無料になるというサービスで、IT技術の活用によって「スタンプも貯まるし無料特典ももらえる」という新たな顧客体験を実現しました。
また、アプリを活用して顧客データを収集することで、各顧客に合わせたコンテンツやクーポンを配信することが可能となりました。
参照元: Coke ON
JTB
JTBは、2018年にインバウンド向けのAIチャットボットをマイクロソフトやナビタイムと共同開発しました。このアプリは、AIチャットボットが外国人観光客と英語で観光情報や問い合わせに対応することができ、双方向のやりとりをしながら日本観光ができるという顧客体験を実現させました。
このアプリを活用することにより、外国人観光客の行動データや嗜好データを集積することができ、より魅力的な観光プランを構築することができるようになりました。
江崎グリコ
江崎グリコは、法人向けの名入れノベルティ事業でMWツールを導入し、Webサイトを効果的に動かしたことで成約率を向上させました。
具体的には、MAツールで営業手法をデジタル化させオンライン営業へ移行したことで、データ分析などができるようになり、オンラインでのリード流入量や成約金額を大きく伸ばしました。
そして、Webサイトを効果的に用いたMAのノウハウは、まったく別の事業にも転用しており、マーケティングDXを成功させた有名な事例の一つです。
参照元: 戦略的なマーケティングシナリオ設計で ノベルティサイトから 質の高いリードを獲得
まとめ
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