フリーミアムとは?フリーミアムモデルと成功事例を解説
フリーミアム(Freemium)とは、基本的なサービスを無料で提供し、追加機能やプレミアムサービスに対して料金を課すビジネスモデルです。 このモデルは、2006年にベンチャーキャピタリストのフレッド・ウィルソン氏が提唱しました。
フリーミアムモデルは、ユーザーに無料でサービスを試してもらい、その価値を実感してもらうことで、有料サービスへの移行を促します。 この戦略は、DropboxやEvernoteなど、多くの成功事例があります。

フリーミアムとは
フリーミアム(Freemium)とは、「無料(Free)」と「プレミアム(Premium)」を組み合わせた造語で、基本的なサービスや製品を無料で提供し、追加の高度な機能や特典を有料で提供するビジネスモデルです。
このモデルは、2006年にアメリカのベンチャー投資家フレッド・ウィルソンが提唱し、同年に彼のブログ読者であるジャリド・ルーキンが「Freemium」という用語を考案しました。
その後、2009年にクリス・アンダーソンが著書『Free: The Future of a Radical Price』で紹介し、広く知られるようになりました 。
フリーミアムモデルは、特にデジタルサービスやソフトウェア業界で広く採用されており、ユーザーに無料でサービスを体験してもらい、その中から一部のユーザーが有料プランに移行することで収益を得る仕組みです。
このモデルの成功には、無料と有料のサービス内容のバランスや、ユーザーが有料プランに移行したくなるような魅力的な特典の提供が重要です 。
フリーミアムの定義
広告収入などでサービスの土台を支えながら無料でサービスを提供し、口コミや紹介で効率よく多くの顧客を獲得する。そして、付加価値の高い有料版を割増価格で提供するということが定義に挙げられます。
この手法を成功させるためには、無料の製品が魅力的で導入しやすいことや、無料と有料の違いが明確で、なおかつ有料版の優位性が明確になっていることが条件になります。
フリーミアムのルーツ
フリーミアムのルーツは、上述したアメリカ合衆国のフレッドウィルソンが発案しまし、2006年にビジネスモデルとして明確に示されました。
このフリーミアムという用語をアメリカ合衆国で1993年に創刊された雑誌「Wired」誌に紹介され、2009年に「FREE<無料>からお金を生み出す新戦略」という本を出版しベストセラーになりました。
フリーミアムモデルの分類
フリーミアムモデルは、以下の4つに分けられます。
- 機能制限型
- 容量追加型
- 会員限定型
- 都度課金型
それぞれ詳しく解説します。
機能制限型
この収益モデルは、有料版を購入することで無料版よりも高度な機能をうけられたり、操作自体の自由度が高まります。
このモデルを成功させるには、追加される機能がどれだけ優れているかを顧客に分かりやすく伝えるかが重要になります。たとえ優れた機能が追加されるとしても、それを伝える努力をしなければ有料版の優秀さに気づいてくれません。
容量追加型
この収益モデルは、料金を払うことで容量を追加できるというものです。主にインターネット経由のクラウドサービスで見られます。
たとえば、料金を払えば容量が追加されるというように、使用の幅が増えるなどが容量追加型にあたります。
会員限定型
会員限定型は、有料会員になることで魅力的なサービスが追加されるという収益モデルです。例えば、有料会員になることで限定クーポンが発券されたり、追加コンテンツを楽しめるというように、無料でサービスを受けるよりお得だと感じさせるサービスを考える必要があります。
都度課金型
この収益モデルは、必要な時にその都度課金し特典を受けるというものです。たとえば、ソフトのダウンロードは無料だが、特定のサービスを受けたい時のみ課金するなどが、都度課金型にあたります。
サブスクリプションとの違い
サブスクリプションは月額で決まった料金を払うことにより、一定のサービスを受けられるというビジネスプランです。したがって、サブスクリプションを受け続けるには月額料金を払い続けなければならないという顧客側の負担があります。
一方フリーミアムは、無料でサービスを受けられ、必要であれば課金したり購入するというビジネスプランです。したがって、顧客のサービスに対する取っつきやすさはフリーミアムに軍配が上がります。
フリーミアムを導入するメリット・デメリット
ここまでの解説で、フリーミアムの概要やモデルの違いについては理解できたかと思います。ここでは、導入するメリット、デメリットについて詳しく解説していきます。
メリット
導入する1番のメリットは新規顧客の獲得がしやすいという点です。口コミやや紹介などで広まりやすく、なおかつ無料で使用できるので顧客は登録しやすいからです。
また、有料版登録までの導線がしっかりと組まれていれば、有料版を使ってくれる顧客が多くなるのもメリットの1つです。
デメリット
フリーミアムはすでに市場ができている場合には成功しづらいというデメリットがあります。しかし、新しい機能との組み合わせなどで、市場を拡大しつつ展開すればこのデメリットは解消されます。
また、無料版のコストはゼロではないため、有料版使用者が集まらなければ無料版の運営にかかる資金が必要となるデメリットもあります。資金がゼロでは運営することは出来ないことを踏まえたうえでの資金計画が必要です。
フリーミアムに向いている事業
ここでは、フリーミアムに向いている事業について詳しく解説します。
向いている事業は以下の2つです。
- デジタルデータをもとにした事業
- ユーザー母数の増加が収益につながる事業
デジタルデータをもとにした事業
この事業は、インターネットを経由しサービスを提供するものを指します。たとえば、ソフトウェアやWebメディア、ゲームなどです。
ユーザー母数の増加が収益につながる事業
このような事業はフリーミアムにむいていると言えます。しかしコツが必要です。どれほど無料版の顧客が増えても、有料版を使ってくれる顧客がいなければ利益は見込めません。
したがって、どのようにして無料版の顧客を有料版にもっていくかの導線を考えなければいけません。
フリーミアムと無料トライアルの違い
ここまでフリーミアムについて解説してきましたが、無料トライアルと混合している方もいるかもしれません。なので、ここではフリーミアムと無料トライアルの違いについて解説します。
まずは、無料トライアルの特徴について解説します。特徴は以下の2つです。
- 無料で使用できる期間が決まっている(1週間、1ヶ月無料など)
- 有料版も期間内であれば無料で使える
無料トライアルにはこのような特徴があります。顧客獲得までのコストを引き下げることで、有料版を期間限定で無料で使用させることで有料版へ移行する導線を獲得するという目的があります。
フリーミアムと基本プレイ無料の違い
基本プレイ無料は、ゲームでよくみられるフリーミアムモデルの一種です。ゲームを最初から最後まで無料で遊ぶことができますが、ゲームの間で広告を見なければならなかったり、友人に紹介しなければならないという顧客の負担があります。
主なフリーミアムの成功事例
ここでは、実際にフリーミアムを導入して、成功しているサービスを詳しく解説します。解説するサービスは以下の3つです。
- ChatWork
- Dropbox
- 食べログ
ChatWork
ChatWork(チャットワーク)はメールや電話、会議、または訪問などの仕事で必要なコミュニケーションを効率化するチャットサービスです。
無料プランではグループチャットの登録数、ストレージ容量、遡れるチャットの日数などが制限されていますが、有料版ではそれらに制限なく使用ができます。
有料版が数百円なので長期的に利用している中で抵抗なく購入できるという特徴があります。
Dropbox
Dropboxは、米ドロップボックス社が提供しているオンラインストレージサービスです。有料版は個人向けストレージ容量の増加、ビジネス版は容量無制限となっています。
また、無料版でも新規ユーザーの紹介制度で容量を増やすという仕様が無料利用者を獲得し軌道に乗った背景があります。
食べログ
食べログも成功例の1つです。口コミでランキングで飲食店を探すことができるコミュニティウェブサイトです。会員登録もなく使用が可能で、導入が簡単です。
無料で使用が可能ですが、ランキングを検索したい場合や割引価格が高いクーポン券を利用したい場合は有料になります。
まとめ

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