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DMPとは?概要やメリット・デメリット・選定方法について解説

DMPとは?概要やメリット・デメリット・選定方法について解説共同通信グループの矢野経済研究所が2021年に発表した調査によると、2021年日本のDMPの市場規模は約600億円でした。この市場規模は、前年比110%で、同研究所によるとこの市場の成長ペースは続き、2026年には865億円の市場規模になると予測されています。

オンラインの事業を展開している中堅・中小企業のデジタルマーケティングへの投資が進んだことが市場拡大の主な要因です。今後もこの流れは変わらず、市場規模は拡大すると言われています。

 

DMPとはマーケティングに役立つデータを管理できるツールのことです。大量のデータを一元管理したり、効率的に分析できたりと様々な特徴があります。しかし、導入して使いこなすためには、正しい知識が必要です。

 

SEOコンサルタント今回の記事では、DMPの概要、種類、メリット、デメリット、導入手順などを紹介しています。DMPを使用するための参考になれば幸いです。

 

SEOコンサルティング

DMPとは

ここでは概要を説明します。

 

マーケティングに役立つデータを管理できるツール

DMPはData Management Platformのイニシャルをとった略語で、顧客情報を管理できるツールです。

 

今までは、ネット広告、メールマガジンの登録情報、サイト内の行動履歴など別々に管理されていました。

 

しかし、このツールを用いれば、取得した様々なデータを容易にグループ分けできたり、過去の商品購入履歴から個別にメールを送ったりと、必要に応じ顧客とコミュニケーションをとることもできます。そのため、個別にマーケティングも可能となり、広告の効果を最大限に高められます。

 

DMPの種類

DMPには2つの種類があります。ここではその種類とそれぞれの特徴、用途について解説します。

 

パブリックDMP

自社では管理できない外部の企業が保有するデータを管理できるツールです。このデータには「性別や年齢などの顧客情報」や、「WEBでの行動履歴」といったものが含まれ、様々なWEBサイトへのアクセスから取得されたビッグデータが集約されたものです。自社のみでは獲得できない多岐にわたるデータを扱えるので、新規顧客獲得のためのマーケティング施策を展開するために活用できます。

 

プライベートDMP

自社で蓄積した、「顧客情報」「自社サイト・アプリ内での行動履歴」「過去の購入履歴」などの情報を分析や管理できるツールのことです。このデータは自社でのみ管理され、このデータは他社には共有されず、このツールを使用できるのは自社のみです。

 

自社データは一元管理し、顧客を深く分析できるので、アップセル・クロスセルのためのマーケティング施策を実施するのに活用されています。

 

なお、自社データだけでなく、外部の企業のデータを蓄積・管理できるパブリックとプライベート両方の機能を兼ね備えたDMPも存在します。

 

DMPを導入するメリット

様々なデータを一元管理し、効果的に販売施策を展開できるDMPには下記のメリットがあります。

 

  • データを一元管理し効率的に分析可能
  • ターゲットのニーズを把握できる
  • 新規顧客Lead(見込み客)が獲得可能
  • マーケティング施策を有効に展開できる

 

以下、それぞれ説明します。

 

データを一元管理し効率的に分析可能

自社で蓄積したデータがばらばらに管理されていると、分析することは難しいでしょう。しかし、DMPを活用すれば、ばらばらに管理されているものを集約し、一括で管理・分析することにより、さらなる有効な施策・戦略を打ち出すことが可能です。

 

例えば、自社WEBサイトの訪問者とSNSのフォロワーや閲覧者の情報を紐付けでき、顧客の理解を深めることもできるでしょう。

 

今までばらばらだった情報を一元管理し、より一層有効なマーケティング施策を打ち出すには最適なツールです。

 

ターゲットを把握できる

外部の企業が保有しているデータと自社のものを集約し分析することにより、ターゲットを把握することが可能です。

 

ターゲティングして意味のある顧客と見込みのない顧客を容易に判別できます。そのため、DMPの分析の結果をもとに、顧客の層に合わせたネット広告の配信など、顧客ごとに有効なマーケティング施策を打ち出せます。

 

ターゲティングを容易にできるのもDMPのメリットといえます。

 

新規顧客Lead(見込み客)が獲得可能

このメリットは、前述した「ターゲットを把握できる」に類似していますが、新規顧客やLeadの獲得もDMPのメリットです。

パブリックDMPは、外部のビッグデータを活用できるため、まだ自社の顧客ではない多岐にわたるユーザーのニーズの把握が可能です。

 

そのため、その層に向けた有効な施策を打ち出すフルファネルマーケティング戦略がとれます。

 

マーケティング施策を有効に展開できる

分析したデータはより有効な施策を打ち出すために活用できます。ターゲティングすべき層、ターゲットのニーズを把握しているので、コンバージョンしやすい方法を選択して、アプローチがとれます。

 

DMPを導入するデメリット

DMPのデメリットは、大量のデータを扱う負担やリスクに由来します。下記のデメリットがあります。

 

  • 導入には各部署が保持しているデータの取りまとめが必要
  • 費用がかかる
  • データが流出するリスクがある

 

以下、それぞれ説明します。

 

導入には各部署が保管しているデータの取りまとめが必要

プライベートDMPは自社で蓄積したデータを活用し分析します。それゆえ、導入する際は各部署に保管されたデータを取りまとめることが必須です。実は、この取りまとめる作業工程以外にも、困難なことが多くあります。

 

例えば、まとめるにも、どこの部署にどのようなデータが保管されているのかも把握する必要もあります。さらに、どこに保管されているかを把握したとしても、DMPに取り込める形式とは限りません。歴史ある企業や古いものなどは紙で保管されていることも珍しくないでしょう。これらのデータをDMPが取り込めるテキスト形式に変換する作業も必要です。

 

「自社でどんなデータが保管しているのか」「DMPに取り込み、まとめる人材や時間を避けるか」ということまで考え、導入を検討しましょう。

 

費用がかかる

DMPには様々な企業が提供するものがあり、料金、支払い方法もそれぞれ異なります。

 

基本的には、どのような機能を使用するかで料金が異なります。そのため、自社でどのような機能を使用するかを事前に決めておきましょう。決めないで導入すると、余計な費用が発生してしまうことになり、結果、コストパフォーマンスに見合わない設備投資となりかねません。

 

費用も考えた上でどのようなものを導入するか決めることをおすすめします。

 

データが流出するリスクがある

DMPを使用すれば顧客情報やWEB上の個人情報に簡単にアクセスできる状況にあり、データが流出するリスクを考慮する必要があります。

 

そのため、下記のことを実施しDMPを社内で運用しましょう。

 

  • データの保管場所の決定
  • データの管理者およびアクセス権限を定める
  • 自社内でのプライバシーポリシーやセキュリティポリシーの策定

 

 

DMPの選び方

DMPには種類やメーカーの違いなど、様々なものがあります。導入の際には以下の点を考慮し、選定しましょう。

 

パブリックとプライベートどちらにするか

前述したとおり、パブリックとプライベートの2種類があります。自社の実施したい施策・戦略や目的によって、選択すべきDMPの種類が異なります。

 

目的に合った、DMPを選択しましょう。

 

費用や契約の形式

提供される企業や種類によって費用や契約の形式が違うので、事前の確認が必須です。

 

自社運用のDMPの場合、買い切り契約の場合が多く、初期投資に莫大の費用がかかります。

 

それに対して、クラウド型の場合が、多くの場合サブスクリプション型で提供されるため月々に費用が発生します。また利用に応じて請求される費用が変わる、従量課金制のものもあります。

 

DMPによって、費用や契約の形式が変わりますので、コストパフォーマンスを考慮した上で、最も適しているDMPを選びましょう。

 

操作性

DMPは大量のデータを活用するため、分析プロセスが複雑で、専門の知識を必要とするものもあります。ところが、導入して初めて使用する際に、複雑で専門的な知識を必要とするものの場合、使用するのが非常に困難です。

 

導入したDMPを定着させるためにも、操作性の高いDMPを選定することが大切です。

 

導入前にデモの画面を確認させてもらったり、導入後実際に使用するスタッフに使用してもらい、操作性を体感することをおすすめします。

 

DMPを導入すべき会社

ここまでDMPに関して説明してきましたが、どのような会社でも導入すればいいというわけではありません。DMPを導入すべき会社は以下のような企業です。

  • 取り扱うデータが多い会社
  • 個別マーケティングを展開している会社
  • 複数のメディアで異なる広告を展開している会社

導入すべき企業の特徴について説明していきます。

 

取り扱うデータが多い会社

本記事で説明してきたように、DMPは膨大なデータを一元管理するためのツールです。そのため、取り扱いする製品の数が多かったり、多くの事業を行なっていて大量の顧客情報を保持している会社は導入を検討すべき会社といえます。

 

活用すれば、効果的に施策を打ち出せるしょう。

 

個別マーケティングを展開している会社

DMPは顧客情報の分析やグループ分けすることにより、顧客に応じた広告を配信できます。顧客によって個別にメッセージを変え、送りたいと考えている会社は導入を検討する価値があるといえるでしょう。

 

複数のメディアで異なる広告を展開している会社

複数のメディアで異なる広告を展開している会社の場合、それぞれのメディアでデータを分析することは困難です。しかし、DMPを導入すれば保持するデータの一元管理が可能で、ネット広告といった効果を最大限に高めたマーケティング施策を打ち出すことが可能です。このような会社も導入を検討すべきでしょう。

 

【基本】DMPの導入手順

では、実際にDMPを導入する場合、どのような順序で行えばいいのか分からないこともあるのではないでしょうか。そこで、ここでは導入手順についてお伝えします。

 

1.DMPを導入する目的を考える

まず、DMPの導入を検討し始めたら、目的を考えましょう。目的から逆算すれば、おのずと導入すべきものが決まるはずです。

 

例えば、目的が既存顧客へのアップセル・クロスセルのための導入なのか、新規顧客の獲得のためのものなのかで、導入すべきDMPが異なります。

 

2.目的に合ったDMPの種類を選定する

目的によって、選ぶべきDMPの種類(パブリック・プライベート)は違います。

 

1の例であげた、既存顧客へのアップセル・クロスセルのためだけの導入であればプライベートDMPの活用が有効です。一方、新規顧客開拓が目標であればパブリックDMPの活用が効果的だといえます。

 

目的に合ったものを選びましょう。

 

3.条件を満たすDMP提供する会社を選ぶ

検索エンジンで検索すると分かりますが、DMPを提供する会社が増えてきています。

導入の目的と種類に合ったもの、その会社の対応など、条件を満たす会社のものを選定しましょう。

 

DMPに関するよくある質問

 

Q:DMPとMA・DWHの違いは何ですか?

Answer)DMP同様にデータ管理できるシステムに「MA」と「DWH」があります。それぞれの特徴は下記のとおりです。

 

MA(Marketing Automation)

契約により、ネット広告の配信といったマーケティング施策を自動的に実施します。

活用できるデータは自社の顧客情報や自社のWEBサイトの中での顧客の行動履歴などのみで、既存顧客以外のデータは活用しません。

 

DWH(Data Ware House)

自社の顧客情報の、収集、蓄積、整理するツールで、活用できるデータは自社のもののみです。データを分析できるDWHもありますが、基本的に分析は別のもので行います。

 

自社で収集できない顧客情報を収集し、分析可能なのがDMPの特徴といえます。

 

 

まとめ

SEOコンサルタント今回はDMPについてお伝えしました。DMPとは、マーケティングに役立つデータを管理できるツールのことです。大量のデータを一元管理したり、効率的に分析できたりと効果的なマーケティング施策を行うための便利なツールです。しかし、DMPには情報流出のリスクなどのデメリットも存在します。この記事を読んで、DMPについて正しく理解して、自社に導入すべきか、どのようなものを導入すべきか考えてみてください

 

 

この記事の監修者

SEOコンサルタント

アドマノ株式会社 代表取締役 天野 剛志

日本大学法学部卒業、広告代理店で12年間働いている間、SEOと出会い、SEO草創期からSEO研究を始める。SEOを独学で研究し100以上のサイトで実験と検証を繰り返しました。そのノウハウを元に起業し現在、11期目。営業、SEOコンサル、WEB解析(Googleアナリティクス個人認定資格GAIQ保持)コーディング、サイト制作となんでもこなす。会社としては今まで2000以上のサイトのSEO対策を手掛けてきました。

監修者:アドマノ株式会社 代表取締役 天野剛志
天野 剛志
マーケティングのエキスパート。Googleアナリティクス個人認定資格GAIQ保持。大学では経営法学を専攻。オーストラリア・イタリア・フランス・タイ・カンボジアなど世界各国を旅した後、イギリスで1年半生活し語学力と国際的視野を磨く。日本帰国後は広告代理店で営業を12年経験。SEOは草創期から独学で研究し、100以上のサイトで検証しつつノウハウを蓄積。2012年にSEO専門会社のアドマノを設立。
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