コミュニケーション戦略とは?情報伝達戦略においての販売促進について解説
コミュニケーション戦略とは、製品やサービスを、ターゲット顧客にいかにわかりやすく伝えて購買させるまでの戦略です。顧客に伝えるコミュニケーションの様々な手段を戦略として行います。
SEOの領域で考えるなら、サイトのUIやUXがユーザーとのコミュニケーションの場となるので、UIやUXの向上が顧客とのコミュニケーション向上につながります。
マーケティングにおけるコミュニケーションの役割
マーケティングにおいてコミュニケーションの役割は、商品やサービスの情報を顧客(バイヤーペルソナ)に最適なタイミングで伝えることです。顧客に商品やサービスを購入してもらうために、最適なタイミングで情報を伝えることが重要だが、情報をどのように伝えるかがポイントとなります。
情報を「誰が、いつ、どのように」伝えるのか、情報の発信元とタイミング、伝達方法をよく検討し、効果的に情報発信することがマーケティングにおけるコミュニケーション戦略と言えます。消費者とのコミュニケーションのあり方は、SNSの発展により企業からの一方通行の情報でなく消費者も情報を発信できるようになっています。
消費者の購買意思決定のプロセス
顧客とのコミュニケーションでは、慎重に、顧客の購買までのフェーズで、今どこにいるのかを把握しながら情報伝達をしなくてはいけません。商品を全く知らない顧客に対して、値段の話だけしても的外れだし、機能について詳しく知りたい顧客に製品名だけを連呼しても的外れとなります。
コミュニケーションを的外れなものにしないために、購買意思決定プロセスのAIDMAの5段階モデルがあります。
◎AIDMAの5段階モデルは消費者の状態に応じたコミュニケーションを心がけることです。
購買意思決定プロセス | 消費者(バイヤーペルソナ) | コミュニケーション方法 |
知らない | 認知向上 | |
Attention(注目) | ||
↓ | 知っているが興味がない | 製品に対するナーチャリング |
interest(興味) | ||
↓ | 興味はあるが欲しくない | ニーズ喚起 |
Desire(欲求) | ||
↓ | 買う決心がつかない | 購買意欲喚起 |
Action(行動) |
AIDMAの欠点は、消費者がどの心理的フェーズにいるのか消費者本人から聞かなければわからないことです。
そこで、AMTULモデルが開発されました。
Awareness(認知)、Memory(記憶)、Trial(試用)、Usage(本格的に使う)、Loyalty(ブランド化)の略です。このモデルは、定量的に把握可能な指標で、購買後も満足してリピートになってもらえるかどうかがわかります。
インターネット普及に伴い購買意思決定プロセスも変化しています。AISASというモデルでは、AIDMAモデルからDesire(欲求)とMemory(記憶)を削除して、Search(検索)、Action(行動)、Share(情報共有)のプロセスで構成されたモデルです。Googleなどで検索し情報を調べて、購入後、満足したら、SNSで友人とシェアする流れです。
また、2011年にGoogleは、ZMOTの購買意思決定プロセスのモデルを発表しました。FMOTがFirst Moment of Truth(最初の真実の瞬間)を指すが、ZMOTは、Zero Moment of Truth(ゼロ段階の真実の瞬間=インターネット上での情報取集)があるとしました。
AISASもZMOTも消費者がインターネット上で情報収集することで購買意思を固めることが共通しています。現代のコミュニケーション戦略において重要なポイントです。
5つのコミュニケーション手段
ここでは、顧客にサービスや製品を伝える手段をご紹介します。
広告による情報伝達
広告は、消費者の購買意思決定のプロセスのAttention(注目)の獲得に大きな役割を果たします。直接的に情報を訴求して購買意欲を喚起して消費者の購入を促します。
広告は、マスメディアからインターネット広告まで様々な広告手法があります。ターゲットやマーケティング手法によって広告を使い分けることが重要です。広告出稿において広告代理店を活用することが欠かせませんが、得意な領域が広告代理店によって違うので、依頼する時にはよく検討してください。
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セールスプロモーションによる情報伝達
セールスプロモーションによる情報の訴求は、チラシやカタログなどの作成や、イベントや体験キャンペーンの企画などで顧客とのタッチポイントを作り販売促進して購買意欲を喚起します。
人的販売
営業部隊のセールスによる販売は、直接顧客とコミュニケーションを取り購買につなげます。営業は顧客との双方向のコミュニケーションにより、顧客の不満や不安、要望を把握して良好な関係を築いていきます。営業は、顧客の声を反映し、今後の製品の改良に活かしたり、ブランド強化につなげます。
パブリシティ
パブリシティとは、第三者のテレビや新聞、ネットニュースが取り上げる情報です。第三者の公的な情報伝達で信頼性の高い情報として受け止められます。ブランド戦略に使われます。
口コミ
口コミは、消費者間で情報の交換がされます。知人からの情報は、消費者の購買行動に大きな影響を及ぼします。口コミは、インターネットのレビューサイトやまとめサイトや口コミサイトがあり、さらにSNSによる口コミが増加しています。
メディアによるコミュニケーション手段
次に、メディアによる顧客にサービスや製品を伝える手段をご紹介します。
マスメディアによるコミュニケーション戦略
メディアは情報伝達手段として利用されますが、マスメディアは不特定多数のターゲットに向けて情報を配信する時に使われます。マスメディアは、4大マスメディアがあります。
- テレビ
- ラジオ
- 新聞
- 雑誌
です。
テレビは、テレビCMがあり、タイムCMとスポットCMの2つに分かれます。タイムCMは、提供スポンサーとして企業名が紹介されます。スポットCMは、テレビ局が設定したタイミングで放送され幅広い消費者に訴求されます。
ラジオは、ターゲットメディアとされ、時間とエリアにより聞く層が異なるので特徴を活かして利用すれば効果があります。
新聞は、インターネットの普及に伴い、読者が中高年以上になってきているが、3大紙(朝に、毎日、読売)や日本経済新聞などその読者層の特徴を活かせば、効果があります。
雑誌は、ターゲット層がしっかりしていれば効果があります。他のマスメディアと比べて低価格なので、セグメントがきちんとできている場合効果的に利用できます。
OOHメディアによるコミュニケーション戦略
OOHとは、アウト・オブ・ホームのことで、屋外の看板や駅構内のポスターや掲示板、電車のつり革やステッカー、電柱広告やタクシーやバスの車内広告の事です。交通広告とも呼ばれます。最近では、デジタルサイネージ(電子看板)が注目を集めています。
ダイレクトメディア
手紙やはがき、電話やメールで情報発信するコミュニケーション戦略をダイレクトメディアと言います。直接コンタクトをとって購買につなげるので、確度の高いコミュニケーション戦略です。
インターネット広告
インターネット広告は、有料のPPC広告(検索連動型広告)やディスプレイ広告があります。バナー広告によるリターゲティング広告は一度興味関心がありサイトへ訪れたことのある消費者に対して出稿できるので、購買の確度が高くなります。
動画広告は、Youtubeなどで表示されるディスプレイ広告です。動画コンテンツの前後に再生されるインストリーム広告や広告領域が画面に現れると再生されるインリード広告があります。
メール広告は、メールマガジンやメールニュースの一部を活用するメールマガジン広告と、開封されたメール全てが広告であるダイレクトメール型広告があります。メール広告は開封されないと全く意味がないので、開封されるための工夫が必要です。
ソーシャルメディア
ソーシャルメディアは、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)全般を指します。SNSの利用は、自社のアカウントを作って情報の提供から顧客の声の収集、広告配信が可能です。Facebook,instagram,twitter、Lineが主なSNSです。SNSは、イベントと連動して活用されると効果的です。
コミュニケーション戦略で重要なこと
顧客とのコミュニケーションの取り方は、上記のように様々あります。デジタル環境の進化に伴い、オンラインでのタッチポイントからオフラインでの大尉ポイントまでたくさんあります。重要なことは、1つのタッチポイントにとらわれることなく様々なタッチポイントのコミュニケーション戦略を策定して同時に進めることです。
コミュニケーション戦略では、顧客のカスタマージャーニーの購買意思決定プロセスを踏まえ、いかに購買につなげていくかを考えます。良い商品を開発すれば売れる時代は終わり、良い商品をいかに効果的に上手に顧客に伝えていくかが購買へのアクションを起こさせるポイントとなります。
まとめ