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クロージングとは?商談の流れと成約させるための手法を解説

クロージングとは?商談の流れと成約させるための手法を解説営業のクロージングとは、商談を成約に導くための最終段階の重要なプロセスのことです。クロージングの成否が成約率に大きく影響するため、営業担当者にとって欠かせないスキルといえます。

 

営業の商談にはヒアリング、提案、テストクロージングを経てクロージングを行うことになりますが、最後の詰めを誤ると競合に競り負けることがあります。成約に至るためには顧客の購買心理を正しく把握し、顧客の不安を潰し切る必要があるため、相応のスキルが求められます。

 

amano_portraitこの記事では、営業プロセス全体の流れを紹介しながら、特にクロージングに焦点を当てて、ポイントやテクニックについて詳しく解説します。

 

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クロージングとは

クロージングとは、営業活動で商談を成約に結びつけるための最終段階のフェーズのことです。一般的に営業はヒアリング、提案、交渉、クロージング、成約という流れを取りますが、最終段階でお互いの条件すり合わせを行い、受注を取るのがクロージングです。

 

クロージングは商談相手に対する最後の一押しの意味を持ち、最後の詰めをどうするかで成約に至るかどうかが決まるため、営業プロセスのなかでも特に重要なフェーズといえます。単なるマニュアル的な対応ではなく、営業台本の用意やクロージング技術によって成約率が大きく変わりますので営業担当者はノウハウの蓄積とテクニックに磨きをかけていく必要があります。

 

クロージングまでの流れ

クロージングまでの流れ

 

営業の流れは大きく上記のような5つのフェーズに分けられます。ヒアリングから提案まででお互いの条件をすり合わせ、テストクロージングでは成約意欲を見極め、最後に成約への詰めがクロージングです。提案までは良くても最後の詰めを誤ると競合に負けてしまい、成約には至らないことがあります。顧客の購買心理を正しく把握し、顧客の不安を潰し切るのがクロージングで求められることです。

 

ヒアリング

営業の最初のフェーズであるヒアリングは提案のベースとなる現状把握と目標把握が目的です。顧客の課題を特定し、自社サービスがニーズを満たすかどうかを確認しつつ、顧客との信頼関係を構築するフェーズです。

 

過去の施策や結果を確認しつつ、現状把握を行い、そのうえでこれからどのような対応をするのかを、いつまでに、いくらでという納期や予算感を合わせながら目標を定める必要があります。このヒアリングで情報を整理できていないと次の提案がうまくいかないため、担当者と十分なすり合わせが必要です。

 

提案

提案フェーズはサービスに関する交渉や相談を進める場です。製品やサービスの持つ機能説明、価格、納期など契約内容を伝え、商談先担当者に理解してもらう必要があります。このときに、単なる商品説明で終わるのではなく、成約した結果、相手にどのようなベネフィット(サービスを購入したあとに得られる満足感、充実感、快適感などの恩恵のこと)があるのかを伝え、イメージさせることが重要です。

 

テストクロージング

テストクロージングとは、提案までで得られた顧客ニーズや要望を元に購買意欲を見極めるフェーズのことです。提案した商品やサービスに対しての、現時点での反応を確認し、この時点で購入意思が高ければクロージングフェーズに移行する必要があり、反応が薄い場合には何が障壁になっているのかを特定し、問題点を潰し切る必要があります。

 

クロージング

テストクロージングで顧客の購入意欲を感じることができた場合にはクロージングフェーズに入ります。このフェーズでは購入意欲をさらに高め、成約へ進める必要があります。成約後をイメージさせることで「購入するかどうか」から「購入後のどのように運用するか」と意識が変わります。購入が前提の話に変わるため成約率を高めることができます。

 

また、成約率を高めるためには選択肢を与えるということも重要です。選択肢そのものは営業担当から振りますが、顧客視点では自分で選ぶという行為になります。この「自分で選ぶ」という感覚があると購入に対して納得感や肯定感が生まれるため、成約につながりやすくなります。

 

成約

クロージングフェーズが終わったら成約(契約締結)フェーズに入ります。ここまで来れば前工程に戻ることはほとんどありませんが、契約内容についての不明点や疑問点があれば十分にすり合わせて解消することが重要です。

 

クロージングを成功させるポイント

顧客の購買心理を確認するためには、購買意欲を直接確認することも有効です。検討段階である場合には疑問や悩みを解消することで提案の幅が広がり、購買意欲が高まっていればクロージングを進めることができますが、購買意欲の確認以外にもクロージングを成功させるにはさまざまな手法があります。

 

  • ベネフィットの提示
  • 不安の払拭
  • タイミングの見極め
  • BANT条件の確認
  • 選択肢の提示
  • ゴールデンサイレンスの利用
  • イエスセット話法の利用
  • イエスバット法の利用
  • FSV話法の利用

 

ベネフィットの提示

ベネフィットとは、サービスを購入したあとに得られる満足感、充実感、快適感などの恩恵のことです。相手に商品やサービス購入後のビジョンを明確にイメージしてもらうことで成約意欲を高めることができます。

 

ベネフィットはメリットと混合されることがありますが、メリットは商品やサービスそのものの特徴のことであるのに対し、ベネフィットは商品やサービスを購入することで得られる利益のことを意味します。一例でいえば、掃除機の吸引力の高さがメリットだとするとベネフィットは掃除時間の削減などが挙げられます。メリットの提示だけではなく、ベネフィットにはどのようなものがあるかを提案時に伝えることが重要です。

 

不安の払拭

クロージングの際には相手の不安や疑問点を完全に潰し切ることが重要です。一例では、同程度でより安価な商品、競合の商品、営業担当者が信じられるかどうかなどがあります。このときに、自社の商品についての説明をするのではなく、根本的な問題が何であり、その問題をどのように解消するのかを伝えることで課題本質に語り掛けることで成約意欲を高めることができます。

 

タイミングの見極め

一般的な営業プロセスは、ヒアリング、提案、テストクロージング、クロージング、成約ですが、商談の途中でもタイミングが合えば早い段階でクロージングに移行することも有効な手法です。クロージングに移行するべきタイミングは条件が完全に出そろったときですが、相手のニーズとうまく合致した場合には話を進めることで成約率が高まることがあります。

 

また、提案後に話を持ち帰った場合、あまり催促することもよくありませんが、相手の対応を待ちすぎるのもよくありません。持ち帰りのタイミングで返答スケジュールをすり合わせたり、回答期日を切ったりすることで連絡を取りやすくなります。

 

BANT条件の確認

BANTとは、Budget(予算)、Authority(決裁権)、Needs(需要)、Time frame(導入時期)の4つの頭文字を組み合わせた法人営業時の顧客への質問フレームワークです。この4つの確認のうち、1つでもずれてしまうと成約が難しくなることが多いため、事前に入念なすり合わせが必要です。特に決裁権を持っている担当者なのかどうかの影響が大きく、相対している担当者がキーマン(提案した内容に対してもっとも影響を与える人)なのか、ライトマン(決裁権を持っている人)なのかは必ず確認が必要です。

 

選択肢の提示

顧客課題を解消する場合、解決方法は多いほうがよいと考えられがちですが、選択肢が多すぎると決定意思が鈍る要因になります。そのため、課題を確認したあとはサービスを2種類から3種類に絞った提案をすることが重要です。

 

ドア・イン・ザ・フェイスや松竹梅の法則とも似ていますが、ドア・イン・ザ・フェイスは最初に高い要求を提示し、そのあとに低い要求を提示すると低いほうに誘導できる手法であり、松竹梅は高い、中くらい、安い商材の3種類があった場合に真ん中の商材が選ばれやすいという法則のことです。

 

1つの提案しかしない場合には、買うか買わないかの2択になりやすいのですが、複数の提案をすることで、選択肢の中から選ぶように誘導することができます。

 

ゴールデンサイレンスの利用

提案の際に相手との会話が途切れ、沈黙の時間が続くことがあります。これが単に話が切れているだけであれば、そのまま続きの話をしても問題ありませんが、顧客が考えている沈黙の時間はゴールデンサイレンスと呼ばれ、顧客が心の中で条件とすり合わせている時間ですので十分に待つことが重要です。

 

このゴールデンサイレンスを遮って話を続けてしまうことで、思考を遮ってしまい、成約するはずの話が流れてしまうことがあります。敢えて沈黙の時間を作って、相手に考えさせるという手法も重要なクロージング手法です。

 

イエスセット話法の利用

イエスセット話法とは、商談のなかで相手にイエスを何度も言わせることで、次の質問にもイエスと答えやすくする会話法のことです。心理学での一貫性の法則にもとづいた手法であり、成約に前向きに話を聞いている相手に対しては非常に使いやすい手法といえます。

 

ただし、相手から無理にイエスを引き出してしまうと押し売りのような印象を与えてしまうことになるため、イエスを引き出しやすい質問を重ねることがポイントです。

 

イエスバット法の利用

イエスバット法とは、相手の意見に対して一度同意したあとにbut(しかし)と否定的な意見を出す会話法です。相手の意見を全否定してしまうと信頼関係の構築は難しくなりますが、否定的な意見を出さざるを得ない場合に使われる手法です。一度相手に同調の意思を示したあとに自分の意見を出すことで相手に受け入れられやすくなります。

 

FSV話法の利用

FSV話法とは、Fact(事実)、Scene(場面)、Value(価値)の3つの頭文字を組み合わせた会話法のことです。Factでサービスを確認してもらい、Sceneで運用イメージを持ってもらい、Valueでどのような価値提供ができるかを話すことで、相手に購入後のイメージをさせ成約につなげることができます。

 

クロージングで信頼を勝ち取るための手法

クロージングの手法はさまざまですが、最終的には営業担当者が信頼を勝ち取るかどうかがすべてです。信頼を勝ち取ることができれば、競合と比較し商品が劣っていても成約につながることがあるため、顧客から信頼を得ることは最重要ポイントといえます。

 

事前に顧客のことを調べる

高い成約率を維持できる人は顧客について事前に調査しています。顧客のことを知っているかどうかでは大きな差があるため、商談に参加する人の名前がわかっている場合には顧客情報を調べ、担当者がわからない場合でも最低限、会社情報は調べておくのが通常です。担当者の情報は氏名での検索やSNSで調査することができ、会社情報や提供サービスは公式サイトを中心に公開情報やIR情報を確認する必要があります。

 

クロージングのためのテクニックも重要ではありますが、テクニックよりも顧客視点で考え、価値提供できるように事前準備して対話することが何よりも重要です。

 

営業の台本を作る

成約率が高い担当者やチームは営業の台本を用意していることがあります。台本というのは、ヒアリング、提案、クロージングのそれぞれのフェーズで誰が何を話すのかという流れを複数パターン決めておくということです。

 

事前に想定質問を用意したり、キーマンやライトマンがいるパターンを定めておいたりすることで、どのような展開になっても対応することができます。また、台本を用意することで最初の営業でのゴール、次の営業でのゴールを定めやすくなり、営業のマイルストーンを置くことにもつながります。

 

その場で完結する準備をする

通常、営業はヒアリングをしてから提案、そのあとにクロージングという流れになりますが、相手の反応によっては一気にクロージングから成約になるケースもあります。初回のヒアリングのつもりでヒアリングの準備だけをしていると勝機を失うことにもつながりますので、タイミングが来たときにクロージングできるように常日頃からの準備が重要です。

 

まとめ

amano_portraitクロージングとは、営業活動で商談を成約に結びつけるための最終段階のフェーズのことです。ヒアリングで顧客のニーズを把握し、提案フェーズでベネフィットを明確に伝え、テストクロージングで購買意欲を見極める重要性を強調しました。クロージングの際には、顧客の不安を解消し、適切なタイミングで成約に導くことが求められます。クロージングのテクニックも重要ですが、営業担当者が信頼を勝ち取るための事前準備や営業台本を駆使することで、営業プロセス全体の質を向上させ、成約率を高めることができます。

 

 

監修者:アドマノ株式会社 代表取締役 天野剛志
天野 剛志
マーケティングのエキスパート。Googleアナリティクス個人認定資格GAIQ保持。大学では経営法学を専攻。オーストラリア・イタリア・フランス・タイ・カンボジアなど世界各国を旅した後、イギリスで1年半生活し語学力と国際的視野を磨く。日本帰国後は広告代理店で営業を12年経験。SEOは草創期から独学で研究し、100以上のサイトで検証しつつノウハウを蓄積。2012年にSEO専門会社のアドマノを設立。
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