エバーグリーンコンテンツとは?SEO対策で重要な理由や作成方法
SEO対策をするうえで「エバーグリーンコンテンツ」という言葉を耳にしたことがあるかもしれません。エバーグリーンコンテンツとは、コンテンツ制作において重要な要素の1つです。
エバーグリーンコンテンツとは
エバーグリーンコンテンツとは、「長期的にユーザーに価値を与え続けるコンテンツ」を指します。エバーグリーン(evergreen)とは「常緑」「不朽」という意味であり、エバーグリーンコンテンツとは常に色褪せず、価値を発揮し続けるコンテンツを指しています。
エバーグリーンコンテンツは、効率的かつユーザーにとって価値あるSEO対策を実施するために重要な考えです。エバーグリーンコンテンツによって「公開後の修正が不要になる」「検索結果の上位に表示され続け、ユーザーを育成し続けられる」などのメリットがあります。
エバーグリーンコンテンツの例
長期的に価値を提供する「エバーグリーンコンテンツ」とは、具体的にどのようなものなのだでしょうか?代表的なエバーグリーンコンテンツを3つ紹介します。
ハウツー系・ノウハウ系の記事
ハウツー系やノウハウ系の記事は、エバーグリーンコンテンツになる可能性を秘めています。
ハウツー系・ノウハウ系とは、何かのやり方や上手くできるコツなどを解説するコンテンツです。たとえば「パソコンの使い方をわかりやく解説!」のような記事は、ハウツー系・ノウハウ系に該当します。
現時点においても、パソコンの使い方がわからないユーザーは、国内のどこかに必ず存在します。また将来においても、パソコンの使い方がわからないユーザーは、半永久的に存在しつづけます。そのようなパソコンの使い方がわからないユーザーに対して問題を解決できる記事ができれば、そのコンテンツは長期にわたって価値を提供しつづけることになります。
用語集
用語集とは、ある特定の言葉の意味を説明しているコンテンツです。特に、ITや金融などの専門性の高いジャンルにおいて、用語集のページが作られるのが多い傾向にあります。簡単に意味を知れることから、初めてその専門用語に触れるときに用語集は役に立ちます。
専門用語の意味が変わることは、そうそう起こりません。たとえば「投資信託」の定義は、将来も変わらないでしょう。そのため用語集は、長期的に価値を提供しつづけるエバーグリーンコンテンツとなります。
Q&A(FAQページ)
Q&Aサイトは、顧客からよくある質問を取り上げ、それに回答する専用ページです。この専用ページを「FAQページ」とも呼びます。企業が運営するオウンドメディアにおいて、よくFAQページが作成されています。
自社で販売する商品・サービスに関して顧客から寄せられる質問というのは、往々にしてほかのお客様も同様に抱えている疑問でもあります。
製品情報が変わらない限り、商品・サービスに関してわからないことは将来もほとんど変わるものではありません。たとえばECサイトにおいて「配送時間は指定できますか?」という疑問は、配送サービスを提供する限りどこかのお客様が抱えている疑問点です。
そのため、特に顧客から多く寄せられる質問は、FAQページに載せておくと多くのお客様に役立つ情報となります。またFAQページを作成しておくことで、商品・サービスに関するお問い合わせ対応を減らせるメリットもあります。
エバーグリーンコンテンツがSEO対策において重要な理由
エバーグリーンコンテンツは、SEO対策において重要視されています。なぜ重要と考えられるのか、その理由について紹介します。
長期的に見込み客を育成しつづける
エバーグリーンコンテンツとは、長期に渡って価値を提供しつづけるコンテンツです。つまり一度エバーグリーンコンテンツを自社サイトで公開しつづけていれば、将来に渡ってユーザーを満足させつづけられるコンテンツとなります。
たとえば、さきほど例に出した「パソコンの使い方をわかりやく解説!」という記事をパソコンの使い方がわからないユーザーが認知し、閲覧しつづける限り、半永久的に価値を提供しつづけることになります。なぜならパソコンの使い方がわからないユーザーは、今後どの時点においても存在すると考えられるからです。
特に「パソコンの使い方をわかりやく解説!」という記事が検索結果の上位に表示されつづければ、長期に渡って一定のユーザー流入数を見込めます。もしパソコンを販売する会社がこのコンテンツを提供していたとすれば、導線をうまく設計することで自社のパソコンを安定してインターネットから購入してもらえる可能性もあります。
このようにエバーグリーンコンテンツを検索結果の上位に表示しつづけることで、自動的に見込み客を成約につながるように育成しつづけられるようになるのです。
ブランド力を形成しやすい
エバーグリーンコンテンツが検索結果の上位に表示され続ける場合、検索ユーザーから市後を運営する企業名が認知される機会が増えることになります。つまり特定のジャンルの検索キーワードでブランド力が形成されることになり、価格競争から脱却できる差別化の要因ともなるのです。
一度公開すればリライトの手間が少ない
エバーグリーンコンテンツは、長期的に価値を提供しつづけられるコンテンツです。つまり一度公開してしまえば、そのコンテンツをリライトする手間が少なくなります。そのため効率的なSEO対策を実施したい場合、エバーグリーンコンテンツ作りは不可欠となるのです。
エバーグリーンコンテンツは、長期にわたってあまり変わらない情報を掲載するのが一般的です。たとえば「メガネをかけるメリット・デメリットは?」という記事があるとしましょう。メガネをかけるメリット・デメリットを1つずつ取り上げるとすると、次のようなものが考えられます。
<メガネをかけるメリット・デメリット>
- メリット…コンタクトと違い、目の調子が悪くても装着できる
- デメリット…風呂場のような熱気のある場所では向いていない
画期的な商品が開発されて普及しない限り、このメガネをかけるメリット・デメリットは普遍的な情報です。よってメリット・デメリットが早々に変わることもないので、コンテンツ公開後の修正の手間も少なくなるのです。
ただし、公開後にまったく修正が不要になることはありません。細かな情報が更新されれば加筆・修正が必要なこともあるので、エバーグリーンコンテンツであるためには修正がゼロになることはない点には注意しましょう。
被リンクを獲得しやすい
エバーグリーンコンテンツは長期に渡って価値を提供しつづけるので、それだけ被リンクを獲得できる機会が増えることになります。
被リンクとは、外部のサイトに貼られた自サイトのURLです。現在のSEOでは、この被リンクを良質なサイトに貼ってもらうことが、検索結果に大きく影響することがわかっています。
良質な情報を提供する限り、エバーグリーンコンテンツが外部サイトから被リンクを獲得する機会が増えます。つまりエバーグリーンコンテンツは、被リンクの獲得によって、得てして検索結果の上位に表示させやすいコンテンツともいえるのです。
関連記事: 被リンクチェックツール8選!被リンクのチェック方法とポイントを解説
エバーグリーンコンテンツの反対は「バズコンテンツ」
エバグリーンコンテンツのの対をなすものに「バズコンテンツ」があります。バズコンテンツとは、一時的に拡散するコンテンツのことを指します。バズコンテンツは「バズる」という造語から生まれた言葉です。
集客面でいうと、エバーグリーンコンテンツが「長期的に価値を提供して集客するコンテンツ」なのに対し、バズコンテンツは「一時的にインパクトの強い宣伝をすることで流入を集めるコンテンツ」です。そのためバズコンテンツの収益面は、商品・サービスを売るというよりも、閲覧数に応じて収益が入る「アドセンス広告」を運用していることが多くなっています。
バズコンテンツはSNSで拡散される
エバーグリーンコンテンツの主戦場はGoogleやYahoo!などのインターネット検索になるのに対し、バズコンテンツは主にSNSで拡散されています。特にTwitterはリツイート機能によって拡散性が高いのが特徴で、多くの人の関心を集めるコンテンツは瞬く間に広まっていきます。
バズコンテンツは一時的なインパクトが強いので、エバーグリーンコンテンツのように長期的に価値を提供しつづけるものではありせん。一時的に膨大な流入を集めるのがバズコンテンツなので、短期的にコンテンツを提供しつづけて”バズ”を狙っていく必要があります。
エバーグリーンコンテンツの作り方
バズコンテンツを作るには相当な技量と運も必要になりますので、意図して生み出すのは非常に困難です。一方でエバーグリーンコンテンツには作り方があるので、要点を抑えていれば、バズコンテンツよりも作成は簡単です。
そこでエバーグリーンコンテンツの作り方について紹介します。
取材した内容をコンテンツにする
エバーグリーンコンテンツには、オリジナリティが求められます。なぜならオリジナリティのある情報は、そのコンテンツにしかない価値を生み、競合サイトとの差別化にもなるからです。
コンテンツにオリジナリティ要素を加える1つの方法に「取材記事を作る」という方法があります。取材記事には、取材対象にしかない独自のコンテンツを生み出すことができ、その情報は競合が真似することも難しくなります。
取材には、誰かを取材にしてコンテンツを作る以外に、他社に取材してもらって記事を作成する方法もあります。また取材記事のURLをお互いのサイトに貼れば、被リンクの獲得にもつながるのでSEOにもプラスに働くのがメリットです。
お客様からのお声をコンテンツに反映する
お客様からのお声というのはその会社にしか生まれない、いわば「オリジナルコンテンツ」です。コンテンツにお客様からのお声を反映させると、競合にはない独自の価値が生まれるのでおすすめです。
たとえば、自動車の整備工場が「自動車の修理に関するコンテンツ」をつくる場合は、修理後のお客様からの感想を載せると説得力が増します。修理実施後にお客様にアンケートを実施すればお声を集められるので、その唯一無二の貴重な情報を社内で使うだけでなく、ぜひコンテンツとして提供してみましょう。
ボリュームを充実させる
前提として、文字数とSEOには関連性はないと言われています。文字数が多いからといって、検索結果の上位に表示されやすくなるのではありません。
一方で、エバーグリーンコンテンツの特徴は「長期に渡って価値を提供しつづける」点です。つまり、ある検索キーワードが求める情報に関して、網羅的に解答を出しているコンテンツほど根強く価値を提供できるようになります。
たとえば「冷蔵庫 壊れた」というキーワードで検索するユーザー層は、次のように考えられます。
<「冷蔵庫 壊れた」で検索するユーザー層>
- 急に冷蔵庫が壊れて困惑している
- 冷蔵庫が壊れた原因がわからないので、知りたいと思っている
- 冷蔵庫は高いので、可能ならば自分で直したい
- とはいえ直すのが難しければ、冷蔵庫の買い替えも検討しなくてはいけない
- 買い替えるならば、価格の安い冷蔵庫がいい
このようにユーザー層に対して、次のように網羅的なコンテンツを提供できます。
<「冷蔵庫 壊れた」に対するコンテンツ例>
- 冷蔵庫が壊れる原因
- 突然冷蔵庫が正常に動かなくなった場合の対処法
- 業者に冷蔵庫の修理依頼を出す際の費用相場
- 安くて高性能な冷蔵庫10選
このように「冷蔵庫 壊れた」というキーワードだけでも、1つのコンテンツに上記の情報を提供できます。そのため、網羅的に検索ユーザーの悩みを解決して長期間に渡り価値を提供できるコンテンツを作りたければ、あらゆる検索意図を解消できるだけのボリュームが必要な点も理解しておきましょう。
何年経っても変わらない普遍的な事象を反映させる
エバーグリーンコンテンツとは、長期間に渡って価値を提供しつづけるコンテンツです。つまり、何年経っても変わらない普遍的な情報がエバーグリーンコンテンツに適しているといえます。
先ほど紹介した「メガネのメリット」「メガネのデメリット」については、画期的な商品が紹介されない限り、根本から変わるものではありません。
<メガネをかけるメリット・デメリット>
- メリット…コンタクトと違い、目の調子が悪くても装着できる
- デメリット…風呂場のような熱気のある場所では向いていない
そのため「メガネをかけるメリットとデメリットは?」のような記事は、長期的に価値を提供しやすいコンテンツともいえます。
一方で、一過性の情報はエバーグリーンコンテンツに向いていません。一過性の情報とは、次のようなものを指します。
<一過性の情報>
- 一時的に盛り上がっているブームに関するトピック
- 不倫や事件などのトレンドニュース
このようなトピックは、エバーグリーンコンテンツづくりでは向いていないので避けておきましょう。
良質なコンテンツを追求する
抽象的な表現ですが、結局のところエバーグリーンコンテンツを作るには「良質なコンテンツ」を作ることが必要不可欠です。なぜなら価値ある情報とは、ユーザーの悩みや不安を解決しているコンテンツだからです。
詰まるところ、検索ユーザーの悩みや不安に的確に応えているコンテンツは、SEO対策でも常に上位に表示される傾向にあります。エバーグリーンコンテンツによって効率的なSEO対策をしたい場合は、常に「ユーザーが何を求めているか?」と追求し、それに応える良質なコンテンツを提供することが非常に重要です。
まとめ