コンテンツマーケティングの費用対効果は?成果をあげるポイントも紹介
コンテンツマーケティングを実施するにあたって、費用対効果がどれほどになるのか気になるところ。コンテンツマーケティングの費用対効果は、どのようにして計算すればよいのでしょうか?
コンテンツマーケティングの費用対効果はROIで計測する
一口に「費用対効果」といっても、その指標はさまざまです。そのなかでも、コンテンツマーケティングの費用対効果を計算するのに用いるべき使用は「ROI」です。
ROIとはReturn On Investment(投資利益率)の略で、投資金額に対する利益率を計算するのに用いる指標です。ROIの計算式は、次のとおりです。
<ROIの計算式>
ROI(%)=利益÷投資金額×100
なお参考までに、数ある費用対効果の指標を以下に紹介します。
指標 | 内容 | 計算式 |
ROAS | 広告費に対する利益率 | 売上÷広告費×100 |
CPA | Webサイトの構築にかけた費用に対するコンバージョン数 | Webサイト構築費÷コンバージョン数 |
ROI | 投資金額に対する利益率 | ROI(%)=利益÷投資金額×100 |
コンテンツマーケティングの費用(月額)
コンテンツマーケティングのROIを計算するために、まずは投資金額(費用)を計算します。コンテンツマーケティングにかかる費用は、おもに次のとおりです。
<コンテンツマーケティングにかかる費用(例)>
- コンテンツ制作費用
- SEO対策の運用代行
- SEOコンサルティング費用
- アクセス解析ツールの導入
- アクセス解析の依頼
なお、コンテンツマーケティングを外部に依頼する際、月額単位で費用を計算するのが一般的です。そのためこの記事でも、月額でコンテンツマーケティングの費用を計算します。
コンテンツ制作費用
コンテンツの制作を外注する場合、コンテンツ制作費用が発生します。コンテンツ制作は、どこに依頼するかで費用が異なります。コンテンツ制作の依頼先は、おもに「コンテンツ制作会社」と「個人ライター」の2通りがあります。
下記に、コンテンツ制作会社と個人ライターに依頼する場合の、費用相場を記載しています。費用は「記事単価」と「文字単価」の2つがあります。今回は費用をわかりやすくするため、1文字あたりの単価「文字単価」で費用相場を見てみましょう。
依頼先 | 費用相場 |
コンテンツ制作会社 | 1文字10円~(場合によっては100円も) |
個人ライター | 1文字1~10円 |
コンテンツは週に2~3本程度執筆するのが望ましいので、月10本(1記事5,000文字)を目安にした場合、コンテンツ制作会社は50万円、個人ライターへの依頼は25万円程度(文字単価5円)だと考えられます。
SEOコンサルティング費用
コンテンツマーケティングを実施するうえで、SEO対策のコンサルティングを依頼することも可能です。SEOコンサルティングでは、以下のようなサービスを受けられるようになっています。
<SEOコンサルティングのおもな内容>
- Webサイトの診断・改善指示書の作成
- キーワード分析・戦略設計
- コンテンツ企画・執筆・改善
- 効果検証・レポート作成 など
このように、コンテンツの制作や改善まで巻き取ってもらえるSEOコンサルティングサービスもあり、質のよいWebサイトにリニューアルしたい場合におすすめです。
SEOコンサルティングの費用は、Webサイトの規模や依頼する会社によって異なります。小・中規模のサイトの場合、おおむね月間30万円~で考えてよいでしょう。
ただし、大規模なサイトで大幅にリニューアルしたり、複雑なシステム要件にまで関わる場合は、月額100万円程度かかることもあります。このSEOコンサルティング費用は当然メディアの特性によって大きく異なるため、詳しい金額を算出するには依頼先に見積書の作成を依頼するのがおすすめです。
アクセス解析ツールの導入
コンテンツマーケティングを実施するうえで、アクセス解析ツールの導入は欠かせません。Webサイトのアクセス解析には、Googleが提供している無料のツールも数多く存在しています。
一方で、より緻密なアクセス解析を可能にするには、有料ツールの導入も費用になります。下記に、主要な有料アクセス解析ツールを記載しました。
<有料のアクセス解析ツール>
有料ツール | 内容 | 月額費用 |
Ahrefs(エイチレフス) | 被リンクや競合などを分析できるツール | 99ドル(約11443円)~ |
検索順位チェックツールGRC | キーワードごとにWebサイトの検索順位をチェックできるツール | 495円~ |
User Insight | 記事へ流入したユーザーの、マウスやタップの移動状況を解析できるツール | 50,000円~ |
このように、より精密なアクセス解析によって質の高いWebサイトに仕上げたい場合は、これらの有料ツールの導入を検討してみましょう。
Webサイトの維持費用
コンテンツマーケティングを実施するには、運営するメディアを維持するための費用が必要になります。Webサイトを維持するには、次のような費用が発生します。
<Webサイトの維持費用>
費用 | 月額費用 |
サーバー費用 | レンタルサーバー:500円~
自社でサーバーを構築:10~20万円 |
ドメイン費用 | 1,000円~ |
小規模なWebサイトの場合、維持費用は少額ですみます。一方で大規模なWebサイトの場合、セキュリティ構築やサーバー維持などのために、費用も跳ね上がる点は理解しておきましょう。
【自社ですべて賄う】コンテンツマーケティングの費用対効果
コンテンツマーケティングを、自社のみでまかなう方法もあります。人件費を考慮しない場合、かかる費用は「Webサイトの維持費用」や「有料のアクセス解析ツール」程度です。月のコストは、おそらく2~3万円程度になるでしょう。
このように自社でコンテンツ制作までまかなう場合、かなりの低コストで運用可能です。売上が上がるほど、当然費用対効果もかなりよいものになっていきます。
一方で、すべて自社でまかなう場合、コンテンツ投稿の頻度が落ちるので売上を上げにくいのも事実です。コンテンツの質も重要ですが、それと同時にある程度の量も必要になってきます。特にコンテンツマーケティングを始めた初期は、コンテンツ制作に時間がかかるため、成果が出るまでに長い時間がかかります。
このように自社ですべてまかなう場合、低コストで運用できるのは大きなメリットですが、成果が出ない場合当然売上も立たないので、費用対効果は悪くなると理解しておきましょう。
【他社に依頼】コンテンツマーケティングの費用対効果
コンテンツマーケティングの一部業務を外部に依頼する場合の、費用対効果について計算してみましょう。
ここでコンテンツマーケティングの費用対効果を考えるにあたって、以下のモデルを設定したいと思います。
<今回の企業モデル>
- 1件の成約金額:10万円
- コンテンツ制作は毎月10本(1本3,000文字)を考えている
- コンテンツ制作は、制作会社に文字単価10円で依頼する
- コンテンツ制作が外注するが、アクセス解析は自社で行う
- 小規模なサイトで、Webサイトの維持費用にそれほどコストがかからない
当然上記は今回の企業モデルであって、会社によっては前提条件が変わります。そこで、費用対効果を考えるにあたって「自社ならこの数字はどうなるのか?」を考えながら、次の内容を読み進めていってみてください。
1件あたりの成約から売上(月額)を計算する
費用対効果を計算するにあたって、まずは1件あたりの成約から月間の売上を計算してみましょう。1つ10万円の商品を毎月10件で売り上げた場合、毎月の売上は100万円になります。
月額費用を計算する
次にROIを計算するために、月にかかるコストを計算します。コンテンツ制作会社に毎月10本、3,000文字の制作を依頼するケースにおいて、月額費用を計算してみましょう。
依頼先 | 費用相場(月額) |
コンテンツ制作会社 | 1文字10円×3,000文字×10本=30万円 |
アクセス解析ツールの導入 | 3万円 |
Webサイトの維持費用 | 2万円 |
以上を踏まえると、毎月のコストは33万円と仮定できます。なお、ここでは人件費を考慮していません。
利益÷月額費用×100で計算する
売上と月額費用がわかれば、ROIを計算するために利益を計算します。このモデルケースにおける月の利益は、次のとおり計算できます。
利益が計算できたので、最後にROIの計算式に当てはめて費用対効果を計算します。
ここでは利益に販管費や諸経費などを考慮していないので大雑把な計算となっていますが、このような家庭でROIを計算できます。
ROIは、その数値が大きくなるほど収益性の高い事業だとわかります。一方で、ROIが0%未満の場合、その事業は赤字であることを意味します。
しかしのちほど詳しく説明しますが、コンテンツマーケティングを始めてから数ヶ月は、ROIがマイナスになるケースもざらにあります。そのためコンテンツマーケティングのROIは短期で見るものではなく、数ヶ月~数年単位で計測するのが一般的です。
長期で継続するほど費用対効果はよくなる
Web上の記事で検索結果の上位表示を目指し流入を増やす「コンテンツSEO」は、短期で成果が出るものではありません。基本的にコンテンツマーケティングは、長期で継続するほど成果が出やすくなるものです。
費用対効果を上げたい場合は、長期で継続することを意識しましょう。特に6ヶ月未満の場合、おそらく自社が思うような成果を上げられません。コンテンツマーケティングにおいて、綿密な目標を立てず、短期で成果を得られる諦めてしまうケースが多いのです。
短期で当然、短期で考えれば費用対効果も悪いと言わざるを得ないでしょう。正しくコンテンツマーケティングを実施していれば、6ヶ月~1年以上でコツコツと継続することで、成果を感じられるようになります。
コンテンツマーケティングの成果は徐々に拡大していくものなので、費用対効果を上げるには、必ず長期での継続を前提に進めるようにしてください。
コンテンツマーケティングを成功に導くためのポイント
コンテンツマーケティングを成功に導くためには、いくつか重要なポイントがあります。そこで、コンテンツマーケティングに重要なポイントを3つ紹介します。
長期の継続を前提に進める
コンテンツマーケティングは、実施すればすぐに成果が出るものではありません。どんなに早くとも、3ヶ月はかかります。成果が出るまで、おおよそ3ヶ月~1年以上かかるのが妥当です。そのため短期的な成果を期待してSEO対策を実施すると、途中で挫折するのが関の山です。
SEO対策で失敗するケースの多くは、短期での成果を期待したが成果が出ず、途中で諦めることです。コンテンツマーケティングは基本、長期で継続するほど成果が出るものです。短期での成果を期待すると費用対効果が悪くなります。一方で長期で運用するほど売上を拡大しやすくなるので、費用対効果もよくなっていくものです。
そのためコンテンツマーケティングを実施する際は、数か月単位、1年単位で計画を立てるようにしましょう。費用対効果を上げるためにも、短期での成果に一喜一憂せず、長期で継続することで徐々に成果を上げていくように意識していくのが重要です。
検索意図に応えるのを重視する
コンテンツマーケティングにおいては、なにより検索意図に応える記事をつくることが大切です。なぜならインターネット上で検索するユーザーには何かしらの不安や知らないことを抱えているからです。
検索意図とは、GoogleやYahoo!で検索する際に、検索ユーザーの裏側にある深層心理です。検索ユーザーはこの検索意図にある不安や悩みを解決したいがために、インターネットで情報を検索しています。
そこでユーザーの悩みや知らない情報の解決するためにあるのが、自社メディアの記事です。記事の流入から成約までつなげるには、まず検索ユーザーの悩みや知らないことを解決するのが先です。このようにして自社ファンを育成し、成約までつなげるのがコンテンツマーケティングの肝です。
外部に依頼する場合もすべて任せっきりにしない
コンテンツマーケティングを実施する場合、コンテンツ制作を外注したり、SEOコンサルティングサービスを依頼したりすることもあるでしょう。しかし外部に依頼する場合であっても、すべて任せっきりにしないように注意しましょう。
たとえばコンテンツ制作を外注する場合は、最終の記事確認は怠らないようにしましょう。記事のクオリティが不足していると感じる場合は、依頼先に修正をお願いするのが重要です。
SEOコンサルティングサービスでも、自社が考える戦略は必ず共有するようにしてください。外部に任せっきりにしていると、質のよいコンテンツマーケティングを実施するのは不可能です。