コンテンツとは?正しい意味や良質なコンテンツなどをわかりやすく解説
現在、コンテンツマーケティングが世界的に流行しており、マーケティングの基本ともいわれるようになりました。コンテンツマーケティングとは、コンテンツ(Contents)でファン化を促し、顧客化を狙うマーケティング戦略のことを指します。
そんなコンテンツという言葉は、WEB業界においても、さまざまな意味で使われています。そのため、コンテンツの意味があやふやでよくわからないという人も多いのではないでしょうか。
コンテンツとは
コンテンツ(Contents)とは、日本語で「中身」と訳される言葉です。転じて、WEBマーケティングの世界においては、「情報の中身」として扱われています。
具体的には、WEBサイトやアプリケーション(アプリ)、SNS(Social Networking Service)など、サービスの大枠をコンテンツと表現します。その一方で、テキストや動画、画像といった個々のアイテムを指してコンテンツということもあります。
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コンテンツの発祥
そもそも、コンテンツという言葉は、1990年ごろから利用されはじめました。
もともとは、カナダの英文学者であるマーシャル・マクルーハン(Herbert Marshall McLuhan)という人物が書籍のなかで、「コンテンツはメディアにあたり、メディアとはメッセージである」と述べたことによって、コンテンツという言葉が使われるようになったと言われています。
これは、わかりやすくいうと、テレビや新聞が流す情報を指して、コンテンツと表現しているということです。さらに、テレビの番組や新聞の記事のみならず、テレビコマーシャルや新聞広告もコンテンツとみなされるケースもあります。
法律上におけるコンテンツの定義
日本の法律では、コンテンツを下記のとおり定義されています。
この法律において「コンテンツ」とは、映画、音楽、演劇、文芸、写真、漫画、アニメーション、コンピュータゲームその他の文字、図形、色彩、音声、動作若しくは映像若しくはこれらを組み合わせたもの又はこれらに係る情報を電子計算機を介して提供するためのプログラム(電子計算機に対する指令であって、一の結果を得ることができるように組み合わせたものをいう。)であって、人間の創造的活動により生み出されるもののうち、教養又は娯楽の範囲に属するものをいう。
簡単に言うと、「教養や娯楽のために、人が作った創作物」をコンテンツと法律上で定義しているということです。
コンテンツの種類
近年では、デジタル化が進みコンテンツも影響を受けています。WEBマーケティングの観点では、コンテンツは以下のように区別されています。
- WEBコンテンツ
- デジタルコンテンツ
- モバイルコンテンツ
それぞれ詳しく解説します。
WEBコンテンツ
WEB上で公開されている情報やコンテンツを指します。具体的には、WEBサイト、動画、スライド、PDF(Portable Document Format)などの豊富な形式が含まれます。WEBコンテンツは、企業や団体の顔になることが多く、SNSもWEBコンテンツに含まれています。
デジタルコンテンツ
独自の創造性を含んだコンテンツを指します。
- 映画
- 音楽
- アニメ
これらがデジタルコンテンツの代表例です。インターネットを介して配信されたり、DVDやBDなどのメディアで提供されることもあります。また、デジタル技術の進歩に伴い、3D映像やVR、ARといった最新の技術を活用したデジタルコンテンツも登場しています。
モバイルコンテンツ
スマートフォンやタブレットなどのモバイル端末で利用されるコンテンツを指します。
- アプリケーション
- ゲーム
- SNS
- モバイル向けWEBサイト
などが含まれます。モバイルコンテンツはスマートフォンの普及に伴い急速に発展し、現在では多くの企業が自社のアプリを提供したり、モバイル対応のWEBサイトの作成、SNSアカウントの作成などをしています。
コンテンツが重要視される理由
昨今では、コンテンツを介して自社商品やサービスの購入に結びつけるという、コンテンツマーケティングが注目を浴びています。これには、下記のような背景があります。
- WEBが生活に不可欠な時代になっている
- コンテンツに対するニーズが多様化している
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WEBが生活に不可欠な時代になっている
スマートフォンやタブレット端末の普及により、一般の生活だけでなくビジネスの場においても、WEBの存在は不可欠なものとなっています。
総務省は、 を2022年7月に公表しました。それによると、国内のインターネット利用者数は年々増え続けて、2021年のインターネット利用率(個人)は82.9%に昇ったとのことです。
引用: 令和4年版 情報通信白書 第8節 デジタル活用の動向
このように、現代社会では、大半の生活者はインターネットを利用しています。企業としては、自社の利益を高めるために、顧客接点(タッチポイント)の機会を増やすことが大切です。そのためにも、WEB上でコンテンツを用意して、自社商品やサービスに興味を持ってもらう活動が重視されています。
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コンテンツに対するニーズが多様化している
デジタルの発展により、WEB上におけるコンテンツの種類が増加しています。それに伴ない、一般生活者のコンテンツに対するニーズも多様化しています。
たとえば、Aさんの趣味がYouTube動画を視聴することだったとします。ですので、Aさんは毎日YouTubeにアクセスして動画視聴を楽しんでいます。その一方で、Bさんの趣味は、WEBサイトの記事を閲覧することだったとします。Bさんの場合は、YouTubeにアクセスする頻度は低いのですが、毎日、さまざまなキーワードで検索をかけてWEBサイトの記事を読んでいます。
仮に企業がこの2人の生活者を顧客化したい場合、WEB記事と動画という2つのコンテンツを用意して、顧客接点を創出することが必要となります。
顧客から見た理想的なコンテンツとは
ここでは、顧客から見た理想的なWEBコンテンツについて解説します。主な要素は以下のとおりです。
- 顕在的な悩みやニーズを解決してくれる
- 潜在的な悩みやニーズを解決してくれる
- 誰かに共有したくなる
それぞれ詳しく解説します。
顕在的な悩みやニーズを解決してくれる
コンテンツマーケティングにおいて重要な考えは、「顧客がどんな人でどのようなコンテンツを求めているのか」ということです。
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デジタル化が進む前のコンテンツマーケティングは、自社が紹介したい商品やサービスを顧客に一方的に投げかけるものでした。しかし、デジタル化が進んだ現代では、顧客自らが情報にアクセスをおこない、情報を精査するようになりました。
そのような顧客の行動変化により、マーケティングも顧客の悩みやニーズを満たすコンテンツへと変わっていきました。したがって、顕在的な悩みやニーズを解決するコンテンツは顧客に喜ばれるものだと言えます。
潜在的な悩みやニーズを解決してくれる
顕在的な悩みやニーズを解決するニーズも大事ですが、潜在的な悩みやニーズを解決するコンテンツも重要です。潜在的な悩みやニーズを知るには、詳細な顧客像を描かなければいけません。ライターを欲している人はライターが欲しいのではなく火が欲しいといったように、設定した顧客像から何を欲していて、その原因を探りましょう。
また、顧客像は複数作成すればより顧客を集めることができます。なぜなら、制作するコンテンツの対象となる顧客は、全員が同じ思考で同じ購入プロセスをたどるとは限らないからです。
まずは、1人の顧客像からコンテンツを作り、慣れてくれば次の顧客像を作成してください。
誰かに共有したくなる
コンテンツとしてのSNSが普及し、誰でも情報を発信、拡散できるようになりました。このようなコンテンツは顧客の口コミがとても重要になります。
たとえば、顧客が拡散したくなるコンテンツを作成し、さまざまな顧客が拡散してくれれば、企業側からは何もせずに顧客獲得が可能になります。
検索エンジンから見た理想的なコンテンツとは
次に、検索エンジンから見た理想的なWEBコンテンツについて解説します。主な要素は以下のとおりです。
- 顧客の悩みを解決している
- 検索エンジンが定めた評価基準を満たしている
関連記事: 検索エンジンとは
それぞれ詳しく解説します。
顧客の悩みを解決している
顧客の悩みを解決しているコンテンツは、検索エンジンから見ても理想的なコンテンツです。Googleは、ユーザーの利便性を重視した検索アルゴリズムを採用しています。そのため、検索上位を狙っているだけで質の悪いコンテンツは、ペナルティを課されることもあります。
検索エンジンが定めた評価基準を満たしている
検索エンジンが定めた評価基準を満たしているものは、理想的なコンテンツです。GoogleのSEO対策上における、評価基準の要素は以下のとおりです。
- キーワードの使用
- 魅力的なタイトルや見出し
- 信頼できる情報の提供
- 内部リンクの設置
これらはSEO評価の基本要素です。被リンクの獲得や1次情報の使用などさまざまあります。
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魅力的なコンテンツを作成するためのコツ
最後に、魅力的なWEBコンテンツを作るためのコツについて解説します。
- ターゲット像を明確にする
- ターゲットの悩みを詳細に洗い出す
- 競合のリサーチから独自性を持たせる
- 公開後にリサーチを繰り返す
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ターゲット像を明確にする
良いコンテンツを作るにはターゲット像を明確にしなければなりません。作成したコンテンツのターゲットを設定していなければ、企業側の意図やメッセージが上手く伝わりづらいです。ターゲット像を設定する際は、ターゲットの年齢や性別、職業や趣味などできる限り詳細に絞り込んでください。そうすることで、次のステップであるターゲットの悩みを見つけやすくなります。
ターゲットの悩みを詳細に洗い出す
ターゲットを明確に設定できれば、次はそのターゲットがどのような悩みを持っているのか詳細に洗い出してください。出てきた潜在的な悩みから、ターゲットの根本的な悩みである顕在的な悩みを見つけ出します。そして、このような検索する理由のことを検索意図と呼びます。
検索意図を把握することで、どんなコンテンツを作ればいいのかという指針がはっきり見つかります。
関連記事: 検索意図とは
競合のリサーチから独自性を持たせる
コンテンツの指針が決まれば、次に競合のリサーチをおこないます。上位検索に表示される競合はどのような情報やサービスを提供しているのか、また、どの層をターゲットにしているのかなどを見つけます。
そうすることで、上位検索されている競合にはない、自社の独自性を見つけることができます。
公開後にリライトを繰り返す
コンテンツは公開したら終わりではありません。PV数(ページビュー数)が上がらなかったら、対策が求められます。たとえば、コンテンツで扱っているジャンルの新情報が入ったとします。このままでは誤った情報を与えてしまいますので、公開済みコンテンツ修正する必要があります。
そのため、公開後はPV数やシェア数などをチェックし、リライトを繰り返してください。
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関連記事:リライトの方法と進め方
コンテンツのよくある質問
コンテンツについて、よくある質問をFAQ形式でご紹介しています。
Q:コンテンツとはなにを指しますか?
Answer)広義の意味では、その対象はさまざまです。そのため、話し手によって、なにを指しているのかが異なります。
たとえば、WEB業界では、下記のようなものがコンテンツと呼ばれます。
- WEBサイト
- SNS
- アプリケーション
また、上記のようなプラットフォームだけではなく、そこに含まれるアイテムもコンテンツと呼ぶケースもあります。
- WEBページ
- 投稿コメント
- 広告
- テキストデータ
- 画像データ
- 動画データ
- 音声データ
Q:コンテンツの言い換えは?
Answer)「中身」や「情報内容」と置き換えられます。
ただし、これはあくまで日本語に直訳した場合の置き換え方です。本質的には、コンテンツの対象に置き換えられます。
たとえば、コンテンツがWEBページを指しているのであれば、「WEBページ」がコンテンツを置き換えれたのちの言葉となります。
Q:コンテンツ商品とはなんですか?
Answer)販売されるコンテンツのことです。
営利目的で作られたコンテンツのことを、コンテンツ商品と言います。たとえば、下記のようなものが該当します。
- 有料の動画データ
- 有料のアプリケーション
- アプリケーション内における課金対象のデータ
アナログコンテンツとしては、下記のようなものがあります。
- 映像作品のDVDやブルーレイディスク
- 音楽CDやレコード
- ゲーム機やゲームソフト
まとめ