Perplexity AIとは 有料版Proの使い方やできることを徹底解説
携帯会社の大手キャリアのソフトバンクがPerplexity Pro(パープレキシティプロ)を1年間無料で提供するキャンペーンを2024年6月19日に開始したことで、国内ではPerplexityが話題になりました。
Perplexity AIは、2022年にリリースした生成AI検索エンジンです。応答の精度が高い、従来の検索エンジンにAIチャットを融合させたことで利便性が高いなど、世界中で高い評価をえています。こうしたことから、Perplexity AIは、検索のあり方を覆す潜在性を秘めているとの見方もあります。
Perplexity AIとは
Perplexity AI(パープレキシティ AI)とは、アメリカのPerplexity社が提供する生成AI検索エンジンのことです。無料でサービスの基本機能を利用できますが、上位サービスとして、有料版のPerplexity Proを購入することで、利用制限や追加で使える機能が解放されます。
ツールURL(外部):Perplexity AI
有料版Perplexity Pro、無料版Perplexityの違い
無料版のPerplexity AIでも、回数制限なしで検索エンジンを利用できます。ただし、有料版のPerplexity Proに加入すると、次のような機能を利用できるようになります。
- 検索時に利用する大規模言語モデルを切り替えられる
- Pro Search機能の使用回数が1日300回以上に増える
- 検索時に無制限でファイルをアップロードできる
- 1日50回まで画像生成できる
このほか、サービスのサポートとして、次のような特典をえられます。
- 月に5ドルのAPIクレジットが付与される(APIを利用可)
- DiscordのProユーザーチャンネルにアクセスできる(運営チームやProユーザーと交流可)
- Pro専用のサポートを受けられる(「設定」から問い合わせ可)
Perplexityの主な機能
Perplexityでは、主に次のような機能を使えます。
検索機能【無料】
検索機能は、検索クエリに対して、リアルタイムでWEB情報を検索して回答テキストを生成する機能です。
検索結果には、各々セクションのテキストに対する出典を明記してくれるため情報の透明性が高い特徴があります。さらに、Google検索エンジンのように、関連クエリを表示する機能も備わっています。
パーソナライズ機能【無料】
パーソナライズ機能は、検索時にユーザーのプロフィールを参考にする機能です。プロフィール文を登録しておくことで、利用者の属性に適切な検索結果をえられるようになります。
プロフィール文には、自身の趣味や趣向、職業といった個人情報を設定しておきます。すると、検索時にプロフィール文を参考にして、利用者にとって役立つ情報を優先して回答テキストを生成してくれます。
Pro Search機能【無料/有料】
Pro Search機能は、通常の検索と比較して、3倍の情報源(WEBページ数)を参考にして回答テキストを生成する機能です。参考にする情報源が増えますので、回答の質や精度が高まります。
無料版では1日5回まで利用できますが、Proにアップグレードすると1日300回以上、本機能を使えるようになります。
ファイルアップロード機能【無料/有料】
ファイルアップロード機能は、検索クエリを送信する際に、テキスト、PDF、画像といったファイルをアップロードする機能です。ファイルをアップロードすることで、ファイルに関する情報を検索できます。
無料版では1日3回、最大25MBまでの利用制限が課されますが、Proでは無制限に利用できます。
Pages機能【無料/有料】
Pages機能では、回答テキストをブログ記事化できます。2024年5月30日に公開されたばかりの新たな機能です。
無料版では一部機能を1日5回まで利用できますが、Perplexity Proでは制限が解放されます。
画像生成機能【有料】
画像生成機能では、回答テキストを基に画像を生成できます。
無料版では利用できず、Perplexity Proを契約することで、1日50回まで画像生成が可能です。さらに、画像の生成する際のAIモデルを下記の3つから選択できるようになります。
- Playground V2.5
- DALLE 3
- Stable Diffusion XL
AIモデルの切り替え機能【有料】
AIモデルの切り替え機能では、検索時に利用する大規模言語モデルを変更できます。
Perplexity AIのAIモデルには、迅速に検索結果を表示できるように最適化されたデフォルトモデルが採用されています。さらに、2024年6月現在のPerplexity Proでは、AIモデルを下記の大規模言語モデル(LLM)に切り替えて利用できます。検索クエリや使用シーンにあわせて、適切なLLMを選択できます。
LLM | 主な利用シーン |
---|---|
デフォルト | 最速で検索結果を表示して欲しいとき |
GPT-4o | 長文のプロンプトや自然な対話を求めるとき |
Claude 3.5 Sonnet | 長文のプロンプトや推論力を求めるとき |
Claude 3 Opus | 長文のプロンプトや高度な推論力を求めるとき |
Sonar Large 32K | 迅速に高い精度の回答を求めるとき |
Perplexity Proでできること
Perplexity Proでは、それぞれの機能を利用して、次のようなことを実現できます。
- 検索エンジンの代用としてリサーチに使える
- 翻訳ツールとして使える
- 画像を自動生成できる
- ブログ記事を自動生成できる
- 検索履歴を保存して整理できる
検索エンジンの代用としてリサーチに使える
Perplexity Proは、検索ンの代用としてリサーチ時に使えます。
Preplexity AIには、AIチャット機能のほか、検索機能が搭載されています。リアルタイム検索に対応しているので、WEB上の最新情報を基に回答テキストを作成します。信頼性が高いWEBサイトを情報源としますので、回答内容の信ぴょう性も担保します。さらに、応答時の情報源をソースとして提示してくれますので、ユーザー自身でファクトチェックも可能です。
なお、本機能はPerplexity AIの基本機能ですので、無料プランでも利用できます。
翻訳ツールとして使える
パソコンやモバイル端末内のファイルをアップロードして、ファイルを用いた検索が可能です。この機能を応用することで、Perplexity AIを翻訳ツールとして利用できます。
たとえば、英語のテキストファイルをアップロードして、「このファイルの英語テキストを日本語に翻訳して」とプロンプトに指示すると、翻訳テキストを表示してくれます。
画像を自動生成できる
Perplexity Proは、画像の自動生成ツールとして使えます。
たとえば、「SEOとは」と検索クエリを入力して回答テキストが表示されたのちに、「画像生成する」をクリックすると、以下のいずれかのテイストを選択のうえで画像ファイルを生成できます。
- 絵画
- 写真
- イラスト
- 図表
このとき、「図表」を選択すると、「SEOを解説するイメージ図」を生成できます。さらに、カスタムプロンプトを利用すると、生成する画像に対して詳細な指示を出せます。
ブログ記事を自動生成できる
Perplexity AIのPages機能を利用すると、検索クエリに関するブログ記事を自動生成できます。
検索クエリの回答テキストを生成したのちに、「ページに変換」をクリックすると、WEBページ用のタイトル、リード文、見出しと本文が生成されます。生成されたブログ記事は、セクション(見出し項目)の追加、表組み、画像データの追加などの編集が可能です。
ただし、本機能で生成したテキストをSEO記事として、そのまま利用することは推奨できません。生成AIで作られた原稿は、既存のWEBページなどを情報源としており、一部AIの解釈や推論が入るものの、原則的に再編集された状態のものです。通常は、SEO対策上で重要なオリジナルコンテンツの要素が含まれませんので、高評価をえるのは困難です。
そもそも、Perplexity AIで生成されたテキストや画像は、Perplexity社に帰属します。WEB記事作成のための叩き台としてなど、利用時は参考までにとどめてください。
検索履歴を保存して整理できる
Perplexity AIでは、回答テキストが履歴として残り、コレクション機能で整理できます。
まず、「ライブラリ」から「コレクション」をクリックして、コレクションページを作成します。そして、コレクションページにスレッドを登録してグループ化できます。同一テーマのスレッドをまとめて管理することで、資料としても扱え、社内のメンバーと共有することも可能です。
Perplexity Proと類似サービスの違い
Perplexity Proは、生成AIチャットと検索エンジンが融合したサービスです。Perplexity Proの類似サービスとしては、次のようなものがあります。
サービス名 | 特徴 |
---|---|
ChatGPT Plus | 自然言語の再現度が高い |
Gemini Advanced | Google製品と連動 |
Claude | 情報の正確性や推論力が高い |
ChatGPT PlusとPerplexityの違い
ChatGPT PlusとPerplexity Proの違いは、サービスとしての設計の目的が異なる点です。前者は対話型のAIチャットとして、後者はAIを搭載した検索エンジンとして開発されました。
こうした違いから、ChatGPT Plusは、自然言語の処理能力に長け、長文の生成やナチュラルなコミュニケーションが得意です。一方、Perplexity Proは、検索エンジンを用いて、最新情報を収集する点で秀でています。そのため、AIチャットとして利用するならば、ChatGPT Plusが向いています。
なお、2024年6月現在では、ChatGPT PlusのAIモデルにGPT-4oが搭載されています。また、Perplexity ProでもGPT-4oの利用が可能です。
Gemini AdvancedとPerplexityの違い
Gemini Advancedのもっとも大きな特徴は、Google社の製品と連動して利用できる点です。
たとえば、Googleドキュメント、Gmailなどからテキストを抽出したり、Google MAPと連動して交通情報などをえることができます。このほか、Gemini Advancedは、Google検索エンジンにインデックスされている情報を基にテキストを生成しますので、最新情報にも対応しており、高い汎用性を持ちます。
一方、Perplexity Proでは、独自の検索エンジンを搭載していて、情報のリアルタイム性、情報源の確からしさなどの面に強みを持ちます。後者に関して補足すると、情報源を学術論文に絞り込むといった機能があります。
2024年6月現在では、Gemini Advancedには、Gemini 1.5 Proが搭載されています。
関連記事:Geminiとは? AIの基本性能や活用事例を紹介
ClaudeとPerplexityの違い
ClaudeとPerplexityの大きな違いは、検索機能の有無です。まず、Perplexityは、検索エンジンを搭載した生成AIサービスです。しかし、Claudeは、インターネットに接続することなく、自己完結で応答するように設計されています。
Claudeがこのような仕様となっているのは、開発元のAnthropic社が情報の安全性やプライバシーを重視しているためといわれています。インターネットには、虚偽の情報や個人情報に関わる情報もあることから、自己完結型のAIチャットサービスとなっているようです。こうしたことから、最新情報を苦手とするものの、情報の正確性や推論力の面に強みを持ちます。
2024年6月現在では、ClaudeのAIモデルに、Claude 3.5 Sonnetが搭載されています。また、Perplexity ProでもClaude 3.5 Sonnetを利用できます。
Perplexityの画面の見方と操作方法
合番 | 解説 |
---|---|
① | 新しい検索スレッドを作成します |
② | ホーム画面に移動します |
③ | 「発見」は、最新の技術、科学などの情報を探索する機能です |
④ | 「ライブラリ」は、スレッドやページ、コレクションを管理する機能です。主に、検索結果を整理する際に利用します |
⑤ | アカウントを切り替えします |
⑥ | アプリケーションの言語、外観のほか、検索の方法を設定します |
⑦ | 別バージョンのアプリケーション(PC、モバイル、Chrome拡張)をダウンロードします |
⑧ | XとDiscordの公式アカウントに参加します |
⑨ | 検索フォームです |
⑩ | ヘルプを閲覧します |
検索フォームの見方と操作方法
合番 | 解説 |
---|---|
⑪ | 検索クエリを入力します |
⑫ | 「フォーカス」は、検索の絞り込み機能です。検索仕様の有無、学術論文のみ検索、動画検索などを指定します |
⑬ | 添付ファイルをアップロードします |
⑭ | Pro Search機能のオンオフを切り替えます |
⑮ | 検索を実行します |
スレッド(検索結果)の見方と操作方法
合番 | 解説 |
---|---|
⑯ | 「…」をクリックすると、スレッドの削除、またはスレッドのコレクション追加を選択できます |
⑰ | Page機能でスレッドを記事化します |
⑱ | スレッドURLをコピーします |
⑲ | スレッドの情報を外部に共有します |
⑳ | 検索の進捗を表示します |
㉑ | 検索結果に利用した情報源を表示します |
㉒ | 検索結果を表示します |
㉓ | 検索結果に関連する画像や動画の表示、または画像を生成します |
合番 | 解説 |
---|---|
㉔ | センテンスのソースを表示します |
㉕ | 別のAIモデルを使って、検索結果を書き換えます |
㉖ | 検索クエリを編集して、検索結果を書き換えます |
㉗ | 検索結果の情報源一覧などを表示します |
㉘ | 検索結果の関連クエリを表示します |
㉙ | スレッドに対して追加検索します |
Perplexity Proの使い方
Perplexity Proの使い方として、下記に関する操作手順をご紹介します。
日本語に設定する手順
Preplexityは、デフォルトでは英語版のアプリケーションとなっています。しかし、多言語対応していますので、日本語に変更することができます。言語を日本語に設定する手順は下記の通りです。
- メニューの歯車アイコン(設定)をクリックする
- 「Language」のプルダウンを開き、「Japanese(日本語)」を選択する
画像生成する手順
Perplexityでは、下記手順で画像を生成できます。
- 検索して回答テキストをえる
- 「画像を生成する」をクリックして、画像テイストを選択する
さらに、カスタムプロンプトで詳細な情報を入力すると、生成する画像に指示が反映されます。ただし、2024年6月現在では、画像生成に関しては、日本語では精度が低い画像が生成されます。カスタムプロンプトを利用して、生成したい画像の特徴を英語で指示してください。
なお、画像生成に使うAIモデルは、メニューの歯車アイコン(設定)から変更できます。
また、Perplexity Proで生成した画像の著作権は、Perplexity社に所属します。商業利用は原則的に禁止されていますが、利用規約をよく確認してください。
参考(外部):利用規約
ブログ記事を生成する手順
下記手順で、ブログ記事を生成して編集することができます。
- 検索して回答テキストをえる
- 「ページに変換」をクリックする
- セクション、メディアなどを編集後に「公開」をクリックする
記事を公開すると、記事ページのURLを発行します。perplexity.aiドメイン下のpageディレクトリ内に記事ページのURLが生成されます。
Perplexity Proを無料で利用する方法
利用者や期間が限定されるものの、Perplextity Proを無料で利用する方法があります。
その方法は、ソフトバンク社が提供するPerplextity Proの1年間無料キャンペーンに登録することです。ソフトバンクグループのソフトバンク、ワイモバイル、LINEMO(ラインモ)の契約者は、本キャンペーンに参加できます。キャンペーン期間は、2024年6月19日から2025年6月18日までの1年間です。興味ある方はキャンペーンに参加してみてください。
関連記事:ソフトバンク、Perplexityの無料キャンペーンを開始 日本で生成AIの普及が進む見方も
Perplexity AIのよくある質問
Q:Perplexity AIは、いつリリースされましたか?
Answer)Perplexity社は、2022年8月に設立して、同年12月に生成AIのサービスをリリースしました。
その後、サービスが高く評価され、月間アクティブユーザーが200万人を超えたほか、多数の投資家に出資を受けるなど好調に事業を展開しています。
Q:Perplexityとは、どのような意味ですか?
Answer)Perplexityは、日本語で「困惑」「煩雑」などと訳される英単語です。Perplexity AIというサービス名は、検索ユーザーの「困惑」を解消できる検索エンジンを目指したことから命名されたとのことです。
Q:Perplexityは、なんと読みますか?
Answer)Perplexityは、パープレキシティと読みます。
Q:Perplexity Proで何ができますか?
Answer)情報のリサーチ、テキストファイルの要約や翻訳といった業務の実務面で役立つほか、画像や記事といったコンテンツ生成が可能です。
Q:Perplexity Proの料金は?
Answer)Perplexity Proを利用するためには、月額20ドルの料金がかかります。一方、Perplexity AIは無料で利用できますが、数点の利用制限が課されます。
Q:Perplexityとソフトバンクの関係性は?
Answer)Perplexityとソフトバンクは、戦略的提携を結んだことを2024年6月に発表しました。ソフトバンクは、生成AI事業に力を入れており、Perplexityに対して巨額の投資をおこなう予定です。このほか、Perplexity Proを国内で広めようと、ソフトバンクユーザーを対象に1年間無料キャンペーンを実施しています。
関連記事:ソフトバンク、Perplexityの無料キャンペーンを開始 日本で生成AIの普及が進む見方も
まとめ