OpenAI社は、新たなAIモデルのGPT-4o miniを2024年7月18日に発表しました。GPT-4o miniは、GPT-4oの軽量版としてリリースされたAIモデルです。

特筆する点は、極めて安価に利用できる点です。GPT-4oをAPIとして使う場合、GPT-4oやGPT-3.5 Turboと比較すると、数倍安く価格が設定されています。そのため、GPT-4oに匹敵する機能を低コストで利用できます。OpenAI社は、今後もAIサービスのコストを削減しつつも、機能の強化を図っていくとのことです。そして、より多くの開発者にとって使いやすい環境を提供していくとしています。

2024年7月にリリースされた、最新のAIモデルである、GPT-4o miniについて解説します。GPT-4o miniは、これまでのAIモデルとなにが変わったのか。また、どのように使えるのかを知りたい方は、本記事をチェックしてください。

GPT-4o miniとは

GPT-4o miniとは、OpenAI社が2024年7月に発表した、新たな大規模言語モデル（LLM）のことです。同モデルは、「mini（ミニ）」と名付けられているとおり、GPT-4oの小型の生成AIモデルとして開発されました。

また、同モデルは、AIチャットサービスのChatGPT（チャットジーピーティー）に導入されたほか、APIとしても利用できます。

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GPT-4o miniの性能と改善ポイント

GPT-4o miniと従来のモデルの違いは、性能は高水準であるにも関わらず、コストパフォーマンスが高いことが挙げられます。GPT-4o miniは、GPT-4oの軽量モデルに位置付けられます。GPT-4oの機能はそのままに、高速処理が可能で、コストを抑えて利用できます。

GPT-4oと同等の性能

GPT-4o miniは、GPT-4oのベンチマーク評価には及ばないものの、高水準の評価をマークしています。そのため、GPT-4oに遜色ないパフォーマンスを期待できます。さらに、GPT-4oと同じ自然言語をカバーしていますので、汎用性が高い点も強みとなっています。

これは補足ですが、前モデルのGPT-3.5 Turboと比較すると、多くのベンチマークで上回っていることがわかっています。

コストパフォーマンスが高い

GPT-4o miniは、安価に利用でき、コストパフォーマンスが圧倒的に高い点が大きな特徴です。GPT-4oよりも利用料金が安いことはもちろんのこと、GPT-3.5 Turboと比較しても、入力においては3割、出力においては4割ほどの費用で利用できます。

GPT-4o miniと他社の生成AIモデルの違いは？性能を比較！

OpenAI社は、GPT-4o miniと他社の小型のAIモデルにおける、テキスト理解力に関するベンチマーク評価を調査し、その比較結果を公開しています。比較対象は、Google社のGemini Flash、Claude社のClaude Haikuのほか、同社のGPT-4o、GPT-3.5 Turboを合わせた4つのAIモデルです。そして、下記画像は、その結果をグラフ化した資料です。

引用：GPT-4o mini: advancing cost-efficient intelligence

なお、それぞれのベンチマークで評価されるポイントは下記のとおりです。

この結果からは、GPT-4o miniがすべての評価項目で高水準を獲得していて、高度なテキスト理解力を有していることがわかります。とくに、他社サービスと比較すると、全体的に数学的な推論能力に長けていると伺えます。

また、GPT-3.5 Turboと比較してみると、すべての評価項目で上回っています。さらに、GPT-3.5 Turboには備わっていなかった、マルチモーダル機能を用いた推論力も高水準であることが読み取れます。

GPT-4o miniで出来ること

GPT-4o miniでは、下記のようなことを実現できます。

ビジョン機能を使える

GPT-4o miniには、マルチモーダルに対応しており、ビジョン機能と呼ばれるものが搭載されています。そのため、テキストだけでなく、画像ファイルを交えたプロンプト（指示や質問）の入力が可能です。

このほか、OpenAI社は、今後はテキスト、画像、音声、動画の入出力に対応する予定があると公表しています。

大ボリュームのタスク処理が可能

大きなボリュームの処理を要する指示を出したとしても対応できます。

GPT-4o miniは、GPT-4oと同様に、12万8,000トークンのコンテキストウィンドウを有します。12万8,000トークンといえば、日本語に換算すると25万6,000〜38万4,000文字に相当します。つまり、一度の指示で、25万6,000〜38万4,000文字ほどのテキストを処理できるということです。

安価にGPTのAPIを利用できる

GPTのAPIを利用する場合、100万トークンあたりに一定の費用が課金されます。GPT-4o、GPT-3.5 Turboを含む、これまでのAIモデルと比較しても、圧倒的に安価にAPIを利用できます。

GPT-4o miniの使い方

GPT-4o miniを使用する方法は、大きく下記の2つにわかれます。

ChatGPTのAIモデルとして使う

ChatGPTのAIモデルとして、GPT-4o miniを選択できるようになったとOpenAI社が発表しています。ChatGPTのどのプランでもGPT-4o miniにアクセスできるとのことです。アクセス方法は、下記のとおりです。

GPT-4o mini APIを使う

GPT-4o miniをAPIとして使えるようになりました。GPT-4o mini APIは、開発者向けのツールであるOpenAIプラットフォームで利用できます。

ただし、GPT-4o mini APIを利用すると、トークンを消費するたびに課金されます。そのため、APIを使うためには、まずはアカウント内でクレジットカード情報を登録することが前提条件となります。

GPT-4o miniの料金

GPT-4o miniは、APIとして利用する場合に都度料金が発生します。100万トークンを消費するごとにかかる価格は、下記のとおりです。

このうち、Batch API（バッチAPI）とは、一度に大量処理のリクエストを出す機能のことです。リクエストに対しては、24時間以内に返答されます。このとき、通常の2分の1の費用で処理が実行されます。そのため、ボリュームが大きい作業を伴う際の利用に適しています。

100万トークンの消費でできること

日本語の場合、1トークンあたりに処理できる文字数は、2〜3文字といわれています。つまり、100万トークンとは、日本語テキストに換算すると、200万〜300万ほどの文字数になります。参考までに、日本語を利用したコンテンツにおける文字数の相場をご紹介します。

つまり、100万トークンで200ページの小説を10冊ほど作成できるということです。さらに、このときにかかる費用を、日本円に換算すると数十円程度と計算されます。

GPT-4o miniのよくある質問

GPT-4o miniに関する、よくある質問をまとめています。

まとめ

GPT-4o miniは、OpenAI社が2024年7月にリリースした大規模言語モデル（LLM）です。特徴としては、GPT-4oと同程度の機能を有し、圧倒的に安価に利用できるといった点が挙げられます。GPT-4o miniは、原則的にAPIとして課金を前提に利用するものです。ただし、ChatGPTに搭載されていますので、無料でもお試し的に利用できます。これから、自社の業務に生成AIの導入を検討している方は、極めて低コストで高パフォーマンスを発揮する、GPT-4o miniの採用を検討してください。

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